二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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旅路

 

 なんだ、ここは? 森の中?

 

『ぎゃおー☆』

 

 コウモリのような翼を生やした少女が咆哮する。何故だ――。

 

 

(※おぜうさまの可愛らしく微笑ましい映像を勝手に脳内再生させていてください)

 

「……! ……ろ、イッセー! おい、起きろってば! いきなり最初から寝るな!」

 

 松田の声で目が覚める。夢を見ていた気がするが……なんだったのだろうか。

 

「わりぃ」

 

バスで駅まで移動して、そこから新幹線に乗り換える予定だ。今はそのバスの中だ。朝早いから眠いんだよ……。

 そうそう、出掛けの時にリアスにキスされた。……失神しかけたのは内緒な。「しばらくは会えないから」ってさ……あぁ、俺ぁ幸せ者だよ。ヴァーリ、木場は別のクラスだから別のバスだ。たぶん遊びに来る。……今こうして考えるとハーレムだなぁ。

 

「そういえば日向の奴が『人間讃歌は勇気の讃歌ッ!』とか叫んでてな」

 

 と元浜。なんだそれ。アニメの見すぎじゃねぇのか?

 

「そんなのどうでもいいだろ。それよりもこれを見ろッ!」

 

 松田はおもむろに懐からなにかを取り出す――ってまさか、これは!?

 

「おいっ、そのDVDは……!?」

「そうとも! 伝説の『舞妓の夜の淫舞』! 10万もしたお宝もの!」

 

 見せびらかすようにエロDVDを掲げる松田。くっ、こいつそんな金どこから沸いてきやがる!? 一眼レフや持ち運びタイプのDVDプレーヤーとかも持ってたし、金持ちなんだろうか。

 ちなみに俺はヒーロードラゴン関連の売り上げの一部が俺のところに流れてきてるんだが……とりあえず金銭感覚が完全に狂うであろう金額だ。使い方はこれから覚えていけばいい、ってグレイフィアさんが言ってた。……なんかデジャヴ。

 

「あとは『性獣と化した弟! ~舞妓さんレ○プ』とか『金閣寺に咲く妖華』とか『銀閣に散る純潔』とか、京都にちなんだものが多いぞ」

 ……なんだろう、無性にムカついた。いや、別にエロDVDを持ってくるのは構わないさ。やぶさかではない。なんかこう、タイトルに作為的なものを感じる。まぁ、とりあえず……

 

「じゃあ俺は担任にバッチリリークしておくな」

「やっぱりぃぃ!?」

「何て言うわけねーだろ。お前らの自己責任で処理しろよ」

「うぉぉぉお!?」

 

 ずっこけて椅子からずり落ちる松田。オーバーリアクション過ぎだろ。……こうやって馬鹿やってられる時間も少ない……よな。

 英雄派、無限と夢幻、交錯する思惑。俺たちの思いもよらないところで、なにかが確実に動いていた。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

 新幹線ではしゃぐ松田と元浜をよそに、イッセーは黄昏たように窓の外を見ていた。

 色々と考え事があるのだろう。

 さて、ここで“前回”のイッセーと比べてみよう。以前はここで松田と同じようにエロDVDではしゃいでいたのだろうが、今回はそうではなかった。しかもエロDVDのくだりはもう終わっている。

 

「イッセー、少しいいか?」

 

 突如、ゼノヴィアがイッセーに話しかけている。普段から物腰の柔らかい人物だが、イッセーの前では更に柔らかな笑みを浮かべている。馬鹿二人はまだはしゃいでいるのでゼノヴィアが来たことに気づいていない。

 

「ん、どうした?」

「この後の行動を確認しておきたくてな」

「ああ、成る程」

 

 ゼノヴィアは軽く微笑むと、イッセーと回る場所の確認を始める。はてさて、“前回”では頓珍漢な真面目天然ちゃんであったゼノヴィアだか、“今回”は太陽のようなたおやかさと余裕を備えている。ちなみに一年生のごく一部ではゼノヴィアお姉さまと呼ばれているとかなんとか。

 そんな風に真面目に話し込んでいる二人。祐斗が話しかけづらそうにしているのだが、真剣に話し込んでいる故か気づいていない。

 

 結局、祐斗が来ていたのに気づいたのは今から15分も後だった。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「おっと、こんな大量の霊符とは酷いな、万」

「ふん、テロリストが何を偉そうに。お前みたいのは肥溜めに埋まってるのがお似合いよ」

「これは耳が痛い」

「耳が痛いなら削ぎ落すといいわ。案外お似合いよ? えーと、名前なんだっけ」

「……曹操だ」

「あ、今拗ねたでしょ。一人でほっつき歩いてるし、あんたやっぱり餓鬼ね」

「なんだと?」

「態々本気を出す必要はないってことよ。醜く今生と選択を誤った事に悔いながら私と己を呪ってこの地で残酷に死ね!」

「……うるさいよオマエ」

(やっぱり餓鬼ねぇ。これだけの力がありながら何て勿体無い。さて、逃げの一手を考えておきますか。ここで(たお)すのは無理よねぇ。何より力の流れが不安定すぎ。これじゃ神を降ろすにも降ろせないっての。ったく面倒くさい……あの糞ビ○チババァ後でシメる)




ボツネタ

一誠「お前のようなテロリストに負けるものか! 我が魂は、正義と共にありィィィーッ!」
曹操「認めよう……その力! 認めよう、その信念ッ!  だがッ! 俺とて退くわけにはいかないッ!」

七海「うっわ、はずかしっ。格好いいと思ってんの?」

曹操「」
一誠「」

七海「www」

なんだこれ。
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