小春日和。
そんな暖かな日差しが教室の空気を暖めている。
「今日は転校生が来ます」
転校生。少々時期外れとも言えるこの時期に転校生が。
美少女か、はたまた美青年か。
教室に居る生徒たちはざわめき新たな仲間の姿を想像している。
担任に促され、がらり戸をあけて入ってくるのは、金色の髪を携えた美少女。教室の電灯の光に反射してキラキラと輝いている。
歩く姿はとても清楚。ゆったりとした足取りだが、どこか危うげな少女がそこにいた。
ごくり、と誰かが唾を嚥下する音がした。
「この度交換留学でやって来た、アーシア・アルジェントさんです」
「アーシア・アルジェントと申します!」
彼女は自己紹介を始める。その声は鈴の音のようで、聞いているだけでも癒されそうだ――――否、既にクラスの半数以上が癒されていた。
「よろしくおねがいします!」
はにかむ少女の可愛らしさにクラスの八割が射抜かれた。
さて、そんな生徒達の反応はというと。
「今ここに、アーシア・アルジェントさんを守り隊を結成する」
「「「是!」」」
「金髪美少女ハァハァ」
「彼女は私の癒しとなってくれるかもしれない女性だ」
「かわいー」
「ブルータス、お前もか!」
「賽は投げられた……」
こんな調子である。所で、ここは駒王学園。
駒王学園は進学校として有名だ。そう、忘れがちだが頭のいい連中ばかり集まっているのだ。
変人と天才は紙一重であるという諺を体現したかのような生徒達である。
「じゃあ、アーシアさんはそこの席に座ってください」
「はい!」
担任の先生が指差したのは……兵藤一誠の隣。
「「そんな、そんな、そんな馬鹿なぁ……」」
エロバカ二人が撃沈したが構うことはない。
「よろしくお願いしますね、イッセーさん!」
「ああ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……この駄目堕天使共がっ」
「「「もっと罵ってください!」」」
ここは
無表情で罵っているのは見覚えのある黒い髪の堕天使だ。軍服らしきものを着ている。
罵りを受けているのは……あぁ、最近堕ちた下級の堕天使だ。
「この、駄目堕天使が、こんな簡単な仕事もできんのかこのカマドウマめ」
「「「申し訳御座いません!!」」」
ゲシ、とピンヒールを食い込ませる黒い髪の堕天使。名前は……そうそう、天野夕麻だったっけ。
「仕事一つ出来ない家畜以下の存在である貴様らに私が直々に調教してやろうというのだく思え」
「「「ありがとうございます!!」」」
ピシャリ、と地面を光で出来た鞭で叩く。
「いいか、私は貴様ら家畜以下の存在を立派な堕天使にまで引き上げるのが仕事だ。腑抜けた貴様らに地獄を教え込み、歩き方から戦い方まで全てぶちこんでやるんだ、ありがたく思え。返事は必ず『Yes,mum!』だ、解ったな!」
『Yes,mum!』
最早軍隊とかそういうレベルじゃない、もっと恐ろしいものを味わいました……。総督でもあのようなことはしませんが!?
「よろしい、では今日は解散とする。明日から貴様らを虐め抜いてやるからそのチンケな脳味噌にきちんと刻んでおけ」
『Yes,mum!』
Ypaaaaaaaaaaaaと叫びながら何処かへ行ってしまった下級の堕天使達。
すると、唐突に頭を抱える天野夕麻。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁうざかったよぉぉぉぉ………イッセーくんにあいたいよー……」
ブツブツとなにかを呟きながら消えていく天野夕麻。堕天使には変態しかいないのでしょうか……あぁ、私ですか?
私はシェムハザと申します。あぁ、胃が痛いです。
番外編も投稿するよ。