二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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番外編:もしドラ~もしもドライグが一日だけ人間の肉体を得たら~

ある朝の事だ。

俺は目を擦る。目が覚めたんだ。

目覚ましは『ニィニオキテーアサダヨー!』という妹系幼女の声。本当バリエーションあるな。

ふと隣を見ると……

赤い髪のつり目、ドラゴン特有のオーラ―――というかドライグのオーラを纏った――――

 

 

 

 

犯罪レベルの見た目年齢の美幼女がいた。

 

 

 

 

外見年齢は8歳といった所だ。すやすやと眠っている彼女―――彼かもしれないが―――は肌はぷにぷにとしていて、『ぷにろり』という言葉がぴったりと当てはまるだろう。長い、リアスとは違う色合いの髪。紅というよりも赤。

 

俺がどうしてこんな冷静で居られるかというと、以前も――いうなれば転生前から――こんな事はざらにあったのだ。主にリアス達が潜り込んできているからであるが。

故に、見知らぬ―といっても知り合いかもしれない―幼女が居たとしても、冷静で居られるのだ。

 

「んぅ……んみゃ?」

幼女が目を覚ます。むにゅむにゅとしていて、朝は弱いのだろうか。そして寝ぼけ眼で俺を見て一言。

「……えへへ、いっせー」

むぎゅむぎゅと抱きついてきた。ふぁっ!?

「んぅー……ん? なんで()は人の姿を?」

どうやら冷静さを取り戻したらしい。

「ええええええええええええええっ!?」

 

俺の相棒(幼女)の叫び声が轟いた。

 

―○●○―

 

「……ということです」

「はぁ……」

休日にリアスに我が家に来てもらい、事情説明。リアスがため息をつく。ああ、ため息をつくリアスも(ry

「ぬぅ、どうやら神器が不安定になったせいみたいだな。意識体が体を持ってしまったようだ……幼女というのが些か気に食わんが……一日たてば戻るぞ」

俺の膝でパタパタと足を振りながら遊んでいるドライグ(幼女)。ドライグによれば、神器が不安定になったためか、ドライグの意識体のみが神器の外に出て、肉体を作り出したんだとか。

「まぁ、一日でよかった。家にほっておくわけにもいかないし……」

親にも見つかるしな。

「ドライグちゃんかわいいです!」

と、これはアーシアの言。アーシアが俺の膝から持ち上げる。力その他も幼女スペックになっている模様。

「ドライグちゃんって言うなー!」

それに反論し、うにゃーっ、と怒っているが可愛いにしか見えないドライグ(幼女)。

「……まあ、大事でなくて良かったわ」

ふぅ、と嘆息するリアス。

「うふふー」

「うにゃーっ!」

ドライグ(幼女)で遊んでいるアーシア。抱き締めたり、撫でてみたりとやりたい放題。

「た、助けてくれあいぼぅ」

と、涙目上目使いでうるうる、といった感じ。

余程恥ずかしいのか、頬も赤く染まっている。

ロリコンが見たら即死レベルだろう(特に元浜)。

「ほら、アーシアそろそろ放してやれ」

しょうがないので俺はアーシアにそういう。

「はいぃ……」

俺はちょっと残念そうなアーシアからドライグ(幼女)を受けとる。ほっとしたようにため息をつくドライグ(幼女)。こう、なんというか、庇護欲が沸く。

「ふぅ……」

さて、どうしたものか。今朝からドライグを隠すように行動していて、昼間までもったが……ぶっちゃけ両親にいつばれるとも分からない。まぁ、今日だけなのだが……。

 

長い一日が、始まろうとしていた。

 

 

Case1

 

「イッセー、部屋はいるわねー……あら? アーシアちゃんと宿題してるのね。勉強熱心で結構!」

「「は、はい」」

迂闊だった、あと10秒早ければ即死だった。

 

Case2

「……すまん相棒、その……ト、トイレに行きたいのだが」

ドライグを抱えた俺のミッションインポッシボーがはじまった。

 

《一誠、うまくやれよ……!》

おい誰だ俺の回線に割り込んでるのは……

 

Case3

なんとかトイレには到着し、用を足したドライグ。

……行きはよいよい、帰りは怖い……ってね。

ドライグを抱えた俺のスニーキングミッションがはじまった。

《いいか一誠、スニーキングミッションの心得を忘れるな!》

だから俺の回線に割り込んでるのは誰だよ。

《私は残留思念の中でも比較的軽くて俗っぽかった赤龍帝の一人じゃもん》

マジか。

 

CaseFinal

「イッセーおやつよ」

「ありがと、容器はしたに持ってくから」

「よろしくねー」

(クローゼットに隠れていると悟られてはいけない……息を殺すのだ俺よ)

 

 

……とまぁ、色々あったが……なんとか夜になった。ドライグと一緒に寝ている状態だ。

「……なぁ、相棒」

「……なんだ?」

「……その、なんだ。ニンゲンの体の暖かさを思い出していただけだ。……少しだけ、甘えさせくれ……一誠」

「……おう」

おずおずとドライグが抱きついてくる。なんだろう、妙に恥ずかしい。

「……俺は気高きドラゴンだけど……こうして、甘えるのも、悪く、ない……」

ドライグが、なんかいってるけど、やべ、眠く、なっ……

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「……寝てしまった、か」

無理もない……私のせいで色々と苦労を掛けたからな、今日は。

「……ごめんな」

謝罪の言葉は滑らかに口から漏れ出た。

……不思議な気分だ。人に甘えるなど、千何年ぶりだろうか……。

「相棒……」

私は気高きドラゴンだ。でも、こうして甘えるのも……やはり、悪くない。

「……いっせーのこと、すき、かも」

幼い容姿に引っ張られたのか、非常にらしくないことを漏らす俺。

 

……はは、何処かでこのエロバカには敵わない、そうおもってしまう自分も悪くない、と感じていた。

 

……どうせ今日だけなんだから、存分に甘えてやろう。

俺がこうして生身で一誠と向き合うなんて事は、今後、金輪際ないだろう。

 

でも、俺は、お前の事を……その、なんだ。

 

すき、かも。たぶん、すき。すきなんだとおもう。まぁすきなんじゃないか。ちょっとはすきだとおもう、たぶん。

 

「ははっ……』

 

素直になれない自分を笑った。

 

馬鹿みたいだ……と。

 

『楽しかったぞ、“相棒”』

 

心の痛みと恋心はこの体に置いていく。最も、神器から形作られた肉体だ、直ぐに消えるがな。

 

俺は、“ただの恋してるドラゴン”ドライグから、“兵藤一誠の相棒にして神器な赤龍帝”ドライグに戻る。

 

それだけ、だ。

 

それだけ、なんだ……。




せつねぇ……
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