二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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決戦前

『ハヤクオキロッツーノ……ガッコオクレルダロ? ワタシガオコシテヤッテンダカラ、アリガタクオモイナサイヨ』

今回はツン妹か。萌えポイントは、こんなこと言いつつもお兄ちゃんを起こしに来る健気さだ。

彼女なりのデレ表現なのだ……。

ただし二次に限る。

……なんてな。

「すぅ……すぅ……」

隣で規則正しい寝息が聞こえる。ふと見れば、アーシアが気持ち良さそうな――――否、だらしなくデレた顔で俺のとなりに寝ていた。

「なんだアーシアか……」

アーシアなら仕方がない……あれ?

「ん? えっ? アーシア?」

俺は戸惑いの声をあげる。なんでアーシアがここに!?

「ふぁぁ……おはようございますイッセーさん……」

アーシアは呑気に欠伸なんかしながらゆっくりと身を起こす。俺も同時に身を起こす。

「おはようアーシア。なんでここに?」

「その……怖い夢を見てしまって、眠れなくなってしまって、その、その……イッセーさんが()()()()()夢を見てしまったので、ぐすっ」

アーシアを泣かせてしまった……

俺は慌てて抱き締める。

「大丈夫、大丈夫、俺はここにいるから」

「ぐすっ、そうですよね、イッセーさんはちゃんといますよね、いなくなったり、しませんよね?」

「……ああ、約束だ。俺は居なくならない。どんなところにいても、必ず帰ってくるから……」

俺は自分に言い聞かせるように言う。

……ふと、思ってしまったんだ。あの時、残された皆はどうなってしまったんだろうか、って。

でも、きっと……いや。二度と会えないだろう。

 

だから。

 

せめて。

 

この人生だけは。

 

必ず、生き延びる。

 

どんな絶望的な状況でも。

 

必ず、生きて、帰る。

 

生きて、リアスと添い遂げる。

 

 

 

 

 

 

そして、ハーレム王に俺は、“成”る。

 

 

 

 

 

 

必ず、だ。

 

 

『オイ、ハヤクオキロヨ、ワタシモオクレチャウヨ!』

「アーシア、急ごう!」

「は、はい!」

 

ー○●○ー

 

旧校舎。

いつもは新校舎から聞こえる生徒たちの声は聞こえない。そして、既に夜の帳が降りた。

俺たちグレモリー眷属は部室にて心を整えている。

俺は緊張する反面、どこか楽しさ……いや、嬉しさが混じっていた。

 

必ず、リアスに勝利を届ける。

 

その為の特訓だし、日頃の鍛練もそのためだ。

 

主を敵から守る盾として、主の敵を屠る矛として。

「イッセーさん、似合いますか?」

アーシアは見慣れたシスター服だ。

「おう、似合うぞ」

「……イッセーさんから、少しだけ勇気をもらいますね」

そういって、アーシアは俺の手を握る。アーシアの手は柔らかくしっとりとしていて、女の子って感じがすごいする。

「………………はい、もう、大丈夫です!」

「そっか。頑張ろうなアーシア!」

「……はい!」

俺が木場の方を見ると……木場は苦笑していた。

「……木場、怖いか?」

騎士である木場に聞いてみる。そういえば、チェスの日本語だとナイトは騎馬、ルークは城壁なんだよなぁ。……リアスってば、もしかしてこれにかけてたりして?

「……怖いさ。さっきから手の震えが止まらない」

そういうので木場の手元を見ると、小刻みに手が震えているのがわかる。

「……俺はさ、怖いより先に嬉しいんだよ。……リアス部長の役に立てる時が来た、ってさ」

「はは、君らしいや」

肩を竦める木場。くぅぅ、様になってんなぁ。

「部長の為にも、負けんなよ、()()

「……! もちろんさ、()()

今度は小猫ちゃん。やっぱり体全体が小刻みに震えている。

「……、武者震い、です」

俺の視線に気が付いた為か、強がる小猫ちゃん。

「……そっか」

「……はい、だからイッセー先輩も震えてていいんです」

小猫ちゃんに言われてはじめて気がつく。俺も震えていたことに。

「……そう、だな」

 

突然、転移魔方陣が発動して、俺達を異空間の部室へと運ぶ。空は薄気味悪い紫色をしている。

『只今より、リアス・グレモリーさまとライザー・フェニックスさまによるレーティングゲームを開始いたします』

 

グレイフィアさんのアナウンスと共に、戦いの火蓋は切って落とされた。

 

……いくぞ、ドライグ。

『わかってる、相棒』

 

 






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