俺は走る。
旧校舎に侵入した時点で女王へと
ドライグっ、禁手はどのくらいもつ?
『………………はっきり言うが、戦闘では五秒も持たないだろう』
……やはり、代償なしではなぁ。
……ドライグ。契約だ。
『……本当にいいんだな』
やらずに後悔よりもやって後悔する。左腕で部長が結婚しなくて済むなら本望だ……前にもこんな事言ったな。……左腕分もいれて、何秒だ?
『……30秒。お前のスペック、残った力……それら全てを考慮しても30秒が限界だ』
……倍加の力を乱用するともっと少ないだろうなぁ。
『当然だ……五回以上の連続倍加はほぼ不可能と考えて良い』
……わかった。それだけあれば十分だ。ありがとう。
『……そうか。……そろそろ屋上だ。あのフェニックスの気配もそこにある』
そうか。
『ライザー様の兵士二名、リタイア』
グレイフィアさんのアナウンスだ。……木場、小猫ちゃん、もう少しもってくれ!
屋上の扉を蹴破る。
そこでは、リアスとアーシアが、ライザーと相対していた!
アーシアはリアスの後ろでサポートに徹しているようだ。
「部長! アーシア!」
「イッセー!?」
「イッセーさん!」
リアスとアーシアが驚きの顔を見せる。
へへ……いくぜ、相棒。
『おうよ、相棒』
「俺が相手だ、ライザーぁぁぁぁぁ!!!!」
ライザーは苛々した表情を浮かべる。
「チッ……いいぞ。相手してやる。お前を潰せば……リアスの眷属の柱は無くなるも同然だ!」
……そう簡単にくたばってやるか!
「イッセー、無茶をしないで……」
「そ、そうですよ!」
無茶、か。それは無理だな。だから。
「アーシア、
俺は言うだけ言ってからライザーの方に向く。
行くぜドライグ――契約だ。
『……やれ、イッセー!』
おう。
――――――――
『Welsh Dragon Balance Braker!!!!』
俺の体が赤い鎧で包まれていく。
「馬鹿な、この絶大な力……
どうやらライザーは気がついたみたいだな。
俺の体は完全に鎧に包まれる。
しかし、嘗ての禁じ手とは少し形状が異なる。
全体的に更にシャープな見た目になり、翼もついている。
更に右籠手には杭が展開されている。
「多少形こそ違うが、『
「ありえん、なぜそんな短期間で……!? まさかっ、その左腕は!?」
「ご想像に任せるぜ……不死鳥を殺し尽くすくらいなら!」
『
そう急かすなよ。
俺は騎士の速度と背中の魔力噴出を使って心臓目掛けて左の拳を振り抜く!
『Jet!!』
「ぐ、ごばぁっ!?」
胸に穴が開き、俺の拳が貫かれる。
「先ずはぁ、一回」
しかし胸に炎が纏い、ライザーは復活してしまう。
『
まだだ。まだ駄目だ。
「その程度効くわけが――――」
「ふんっ!」
『Jet!』
「がぁぁっ!?」
もう一度胸を貫く。二回。
「っ、おのれ! 不死鳥の業火に焼かれろ!」
ライザーの炎が俺を襲う。
……熱い。熱い。でもよ。
今、リアスが見ている。アーシアもみている。
小猫ちゃんと木場が足止めをしてくれている。
だから。
負けられないんだよっ!!!
『Boost!!』
「おぁぁ!」
『Jet!!』
『Explosion!!』
「がぁっ!?」
腹に魔力砲を一撃。これで、三回。まだだ、まだ足りない!
『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』『Jet!!』
「ガッ、ゴ、ガァ、ゴッ、ガァ!?!?!?」
俺は兎に角殴った。ジェットで加速された一撃一撃は最早即死級のもの。
何度も殺す。
まだ足りない。
『
「お、おのれ……」
「まだ、足りない……!」
「俺は、フェニックスなんだぁぁぁぁぁ!」
ごう、と炎無茶苦茶に上げるライザー。だか、明らかに威力が今までより落ちている。精神力が削られているのか?
『ライザー様の騎士一名、戦車一名リタイア。リアス様の戦車リタイア』
小猫ちゃん……!
『
あと一息……ならば。
『Rivolving Stand by』
『ライザー様の僧侶一名リタイア。リアス様の騎士、リタイア』
木場……わかってる。やるよ。
『
「お前は、分かっているのか!? これは悪魔にとって大切な事なんだぞ……!」
「……知るかよ。お偉いさんの考える事なんかさ。俺は所詮、一下級悪魔。俺の頓着のつくことじゃねぇ」
『
「ならば、一下級悪魔の貴様が首を突っ込むな!」
でもよ、と俺は続ける。
「部長が悲しい顔をするのは駄目なんだ。部長が涙を流すのは駄目なんだ」
『
「部長は威風堂々としていなくちゃらしくないんだ」
だから。
「俺は、勝利をリアスに届ける。部長――――リアス・グレモリーに、ただひとつ、勝利をっ!」
『
「くっ!?」
「だから、いい加減諦めてくれぇ!」
戦き空に逃げようとするライザーを捕まえる。
「何処に行くんだよ……お前は、眷属を焼き尽くすと言ったあの時点でもう俺の逆鱗に触れたんだよ……」
俺はライザーの胸ぐらを左手でつかみ上げる。
「お前は、選択を間違えた」
そして、狼狽えているライザーの心臓目掛けて、杭をぶちこむ。
行くぜ!
『
「どうせこれ以降は俺に戦う力なんか残されねぇ。だから。サービスだ。全弾持っていけ!」
『
撃鉄がガチリ、と起きる。
そして、杭を魔力が何度も押し出した。
『BaBaBaBaBaBang!!!!!!!!!!!!』
――――ガチッ、ガラガラガラガラガラガラガラガラッ!
薬莢が銃倉から吐き出される。
俺はライザーから杭を抜き取り、血を払う。
『Burst』
鎧が砕ける……まぁ、持った方だな。
ライザーは前のめりに倒れ臥し、一言。
「俺が、フェニックスが、まける、なんて……」
それ以降口を割らず、気絶してしまった。
『ライザー・フェニックス様、リタイア。よって、リアス・グレモリー様の勝利となります』
「俺の、俺たちの――――勝ちだ」
俺はおもわず呟いた。
俺はリアスとアーシアの方を向く。
「ほら、俺、勝ちました、よ?」
あれ。
目眩が……。
「イッセーっ!?」
「イッセーさん!」
――兵藤一誠、禁手残り時間、0秒。
わがまま姫は赤い龍を使ってわがままを貫いたよ。やったね(白目)