二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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皆さん、前話の会話の主がわからない様子。ヒントを差し上げましょう。ヒントは魂と転生ですね。精神論ですよ。お米食べろ。

なお、誰かが正解した場合には木場きゅんとのホモホモしい話か、夕麻ちゃんのノロケを番外編で書くのでお楽しみに。
仮に正解しなくても、もうひとつの番外編を案があるのでお楽しみに。


昔馴染み/禍根

《……ふぅ》

『おいまて、今何をした』

《何って……ナニさ》

『おいィ!?』

《僕も彼に負けず劣らずの変態だからね。別にそこまで変だとは思わないけど?》

『……俺もう泣いても良いよな』

 

―○●●―

 

『ワタシ、カッチャッタ。ウフ、ウフ、ウフフフフフ……』

紫色の魔女装束を着た金髪の女の子が瞼の裏に浮かぶ。えーと、誰だっけか。なんかのゲームキャラだったような気が……うっ、頭が。思い出してはいけない気がする。まぁ、半分はレイのせいか。

取り合えず、アーシアのベアハッグとリアスの羽交い締め、レイの四の字固めを起こさないように外してから起きる。レイが中々離してくれなくてひやひやしたが。というか、どうやったらこうなるんだ? いや、勿論、俺にはごほうびでしかないんだけども。

さて、朝のトレーニングスタートかな。短めに腹筋と背筋と腕立てでいこう。

軽く、500回くらい。

 

―●●○―

昼休みの事だ。

ドクリ、と左腕が疼き始める。不味いな。

「アーシア、ちょっと行ってくる」

「もしかして、腕が……?」

「ああ」

俺とアーシアの小さく短い会話を済ませる。

 

そして、場所は代わり部室。

水浴びをして体を清めた朱乃さんが!

ブ、ブラをしてないだとおっ!?

「あら、変かしら?」

「変じゃないです!」

ここで、俺の腕がついに籠手と同じ姿へと変貌する。酷く無機質なようで、しかしその左腕は確実に脈打ち、生物である証拠を示している。

「じゃあ、早速始めますわね……んっ」

そんな左の指を、朱乃さんは躊躇いなくくわえ、ちぅちぅと龍の気を吸い出してくれている。

朱乃さんが俺の指を吸っていくと、そこからドライグの魔力が散り、元の俺の腕へと戻る。

しかし、俺の指を朱乃さんは離さず、舐るようにしゃぶりだした。

「んっ……うふ、イッセー君はこういうのは嫌いですか?」

挑戦的な瞳。Sな朱乃さんだ。

ううっ。怖いです。

「いえ、そんなことないです!」

「あらあら、そうですか。そういえばリアスとは何処まで行ったのですか?」

「ど、何処までともうされますと?」

「それはもうキスは元より、ハグしたり更にはその先に……」

「キスは、しましたけど……その先は無いです……」

……ああ、リアスといちゃいちゃしてちゅっちゅしたい。

「あらあら、お互い奥手なのね……」

クスクスと笑う朱乃さん。本当、究極のSです。からかってますよね、絶対。

「お、俺だってリ……部長やアーシアともっといちゃいちゃしたいです! でも、俺は……とても、手が出せませんよ、レイもいますし」

 

――大好き、イッセー!

 

……あの人の声が心で木霊する度、俺は心が軋むんだ。もどかしい。

でも、俺は真実を告げるほどの勇気はないから……。本当の事を告げることは、俺には出来ないから……。

………………………駄目だ。俺は弱いな、やっぱり。

「……イッセー君、もし、なにか心配事があるなら、私やリアス、皆に相談してくださいね。私、これでも、イッセー君の事気に入ってますよ?」

朱乃さんの配慮が、とても嬉しい反面、俺の心に深く突き刺さった。いや、朱乃さんは悪くない。

「ありがとう、ございます」

俺の心の“闇”というべきもの。過去への遺恨。前世への禍根。

俺がいつまでたってもリアスに告白できない理由だった。

俺は……リアス達に出来るだけ嘘をつきたくない。でも……こればっかりは、話せない。

 

真実を話すのが、怖いんだ。

 

……これは、“兵藤一誠”らしくない。

夕麻ちゃんの事も気になるし、この世界では女の子なヴァーリの事も気になる。

でも、俺が死んじまったあの世界の事も、同じくらい……いや、多分俺が思っている以上に気になっているんだ。

だって、皆を残して消えたんだから、俺は。

 

―●●●―

 

そんなこんなで考え事をしているうちに学校が終わってしまった。なんとも無作為な時間を過ごしたのだろうか……

ちなみに今、リアスは悪魔関連の資料を纏めているらしい。悪魔も大変だ。

そして、懐かしいとすら思える聖なるオーラ。

「イッセーさん……」

「わかってる、急ごう」

俺は我が家へと急いだ。

 

―○○○―

 

「でね、これがあの頃のイッセー」

「わあ、懐かしいなぁ」

紫藤イリナとゼノヴィア。さてさて、どうするかな。

「はぅぅ、よかったですぅぅ」

「あらお帰り二人とも」

安堵の声をあげるアーシア。お帰りを告げる我が母。俺は過去の幼馴染みをからかうためにイリナに声をかける。

「久しぶりだな――イリナ」

「ひさしぶりだね、イッセーくん……」

「本当、久しぶりだな。あんなにやんちゃだったイリナがこんな美人になっちまってまぁ……俺は驚きだよ」

「……そう」

「なんだ素っ気ないな。小さい頃は『イッセーくんとけっこんするのー』とか言ってたのに……俺は悲しいぞ」

「ああ、その話は忘れてー!?」

いやーっ、アレは黒歴史ー、と少々頬を朱に染めて照れるイリナ。ゼノヴィアはそれを険しい目で見ていた。

「イリナ、そろそろ行くぞ」

「わかってる、ってば」

ゼノヴィアに急かされたイリナは腰をあげて帰ろうとする。俺はイリナとゼノヴィアを向いて、一言言った。

「……運命ってのは残酷だな」

俺の一言に、イリナは。

「……そう、そうね。こんな事になるなんて、予想なんて出来ないものね」

そう、悲しそうな目で言ったのだった。

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