日本人(笑)
幼馴染み(笑)
聖剣使い(笑)
聖ペトロ様(笑)
これはひどい
謎の人物のヒントその二。
イッセーの剣の才能
手加減していたとはいえ、木場と剣でやりあえる程の才能。今も上昇中
「えー、迷える子羊にお恵みを~」
「どうか、天の父に代わって哀れな私たちに御慈悲をぉぉぉ!!」
私たちはいったい何をやっているのだろうか。奇異の視線すら向けられる。思わず愚痴を言う。
「なんてことだ。これが超先進国であり経済大国日本の現実か。これだから信仰の匂いもしない国は嫌なんだ」
そう呟くと、パートナーのイリナはばつの悪そうな顔をする。
「仕方ないのよ。日本人は過去の戦争のせいで宗教そのものをあまり信じなくなってしまったの。そのせいか、
如何にも、仕方がないかのように言うイリナ。
「そうか。だがな、もとはといえば、お前が詐欺紛いのその変な絵画を購入するからだ」
私はへんちくりんな聖人もどきの、下手くそな絵が書かれている絵画をゆびさして非難する。
「何を言うの! この絵には聖なるお方が描かれているのよ! 展示会の関係者もそんなことを言っていたわ!」
「じゃあ、誰か分かるのか? 私は聖人聖女に詳しいが、それらの顔で誰一人として一致しているものも居ないし、脳裏に浮かばない」
「たぶん……ペトロ……様?」
「そんなのが聖ペトロ様であってたまるか!」
「いいえ、ペトロ様よ! 私にはわかるもん!」
私はその台詞に思わず頭を抱える。
「ああ、どうしてこんなのが私のパートナーなんだ……。主よ、これも試練なのですか?」
「ちょっと、落ち込まないでよ。あなた、落ち込むときはとことん落ち込むわね」
はぁ……主よ、これが試練ならば、乗り越えて見せます……出来るならば。
「……はぁ」
ため息が聞こえた方を見ると、赤龍帝――――兵藤一誠が居た。そして、私たちのはながぐぎゅるる、と鳴った。
「おまえら、ついてこい。知り合いと幼馴染みがこんなんだと知られたら目も当てられん」
そう言うと、彼は飲食店――ファミレスというらしい――に向かう。
そのときふと感じたオーラは、太陽のように暖かく、優しいものだった。エクスカリバーが月のように静かで静寂としたオーラなら、彼のオーラはまるで……
「……来ねーのか?」
私たちは慌てて彼のあとをついていったのだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
彼女等を創作から10分足らずで発見したので、保護しました。
「はぐはぐはぐはぐ……」
「ああ、これこそが日本の食事よ!」
いっしんふらんに食べるゼノヴィアと、涙を流しながら食べるイリナ。おい、匙の顔が若干ひきつってんぞ。あと、日本の食事なら和食だろう常識的に考えて。
「ああ、お前らもなんか食えよ。昼時だし」
そう言うと、匙と小猫ちゃんも
「……では、このキングパフェとカルボナーラをを」
「俺はミートソーススパゲティでいいや」
俺は店員さんをテーブルに置いてあるベルスターで呼ぶ。
「追加で、ミートソーススパゲティ、カルボナーラ、キングパフェ、あとナポリタンをそれぞれ一つづつ」
「はい、ご注文を確認いたします。ミートソーススパゲティがおひとつ、カルボナーラがおひとつ、キングパフェがおひとつ、ナポリタンをおひとつ。以上でよろしいでしょうか?」
「はい」
「では空いたお皿をお下げいたします」
店員さんはゼノヴィア達が食べた皿、計10枚を狼狽えることなく厨房へ運んでいった。プロだなぁ。
「……ふぅ。で、話はなんだ?」
すぐに察してきたゼノヴィア。しかし……
「おい、口にソースついてんぞ。拭け」
これでは格好がつかないのである。
「む、すまない。……では改めて。私たちに接触した理由を聞かせてもらおう」
「ああ、なんてことはない。聖剣エクスカリバーの破壊に協力したいだけだ。壊れていても構わないんだよな、確か」
俺の告白に小猫ちゃんと匙は息を飲む。そして、顔を見合わせていたが、ゼノヴィアが口を開く。
「そうだな、一本くらいなら任せてもいいだろう。無論、破壊できるのであればね。ただし、そちらの正体がバレないように行動してくれ。こちらもそちらと関わりを持っているように上にも敵にも思われたくない」
すんなりと許可が降りた。俺は烏龍茶を啜る。
「ちょっと、ゼノヴィア。いいの? 相手はイッセー君とはいえ、悪魔なのよ」
「悪魔でもなんでもない展示会の関係者に根こそぎ路銀を巻き上げられた上に、悪魔に食事を奢ってもらう始末。誰のせいかな」
「ぅぅぅ」
どうやら痛いところを突かれた様子。イリナはアホの子だから仕方ない。騙されやすいというか、純粋というか……。
「それにな、イリナ。正直、私たちだけでは三本回収とコカビエルとの戦闘は辛い」
「それはわかるわ。でも……」
「最低でもエクスカリバー三本をすべて破壊してコカビエルから逃げ帰る。私たちのエクスカリバーも奪われるくらいなら自らの手で壊せばいい。で、奥の手を使ったとしても、無事帰る小とが出来るは三割だ」
「それでも高い確率だと覚悟を決めて私たちはこの国に来たはずよ」
「そうだな。上にも任務遂行してこいと送り出された。せめてもう一人くらい腕利きをつけてくれればいいものを……。これでは自己犠牲に等しい」
「それこそ、私たち信徒の本懐じゃないの」
白熱する彼女たちの話を聞く。
「そうかもな。だが……私は、生きて帰ることこそが真の信仰、真の信徒だと信ずる。これからも生きて、主のために戦う。――違う?」
「……違わないわ。でも……」
「そう。だからこそ、悪魔の力ではなく別のちからを借りる。ドラゴンの力をね。上もドラゴンの力を借りるなとは言ってない」
俺、正確には俺の左腕に視線を向けるゼノヴィア。
ドラゴン。つまり、俺と匙の事だ。匙の神器『
「まさか、こんな極東の島国で赤龍帝と出会えるとは思わなかった。悪魔になっているとはいえ、その力は健在と見ている。伝説の通りなら、その力を最大まで高めれば魔王並みになれるんだろう? 魔王並の力ならばエクスカリバーも楽々破壊できるだろう。この出会いも主のお導きか、それとも赤に惹かれたからかな? ドラゴンは無自覚に力を呼び込むと聞くしね」
嬉々として語るゼノヴィア。いやいや、未熟な俺では魔王には届きませんって。
「確かに、ドラゴンの力を借りるなとは言ってないけど……ちょっと、屁理屈が過ぎるんじゃない?」
「屁理屈で結構。それに、彼は君の幼馴染みなのだろう? 信じてみようじゃないか、ドラゴンの力を」
ゼノヴィアの言葉についに納得したのか押し黙る。よし。
「OK。契約成立だな。俺はドラゴンの力を貸す。じゃあ、今回のパートナーを呼ぶぜ」
俺は携帯を取り出し、木場へ連絡をいれるのだった。