臣下の事を考え常に勝利を得よ。
自ら泥をかぶり、悪を演じ正を為せ。
リアス・グレモリー。お前は、本当に王なのか?
「エクスカリバー破壊ってあなた達ね……」
私は額に手を当てる。
一誠達を見つけた後、彼ら三人を近くの公園につれていき、噴水の前で正座させる。
「サジ。あなたはこんなにも勝手なことを……」
ソーナが眷属に詰め寄ろうとするが。
「俺が匙と小猫ちゃんを無理矢理引き込んだんです。全部、俺のせいで皆に心配をかけました。罰なら、俺が全部受け持ちます」
イッセーが遮り、二人をかばう。少なくとも、私には庇っているように見えた。
「……私はサジが協力を強制させられているようには見えなかったのですが?」
「エクスカリバー破壊の件は、俺の我儘ですから。木場にエクスカリバー破壊という復讐を果たしてもらい、部長の『
ソーナとの会話で分かる。イッセーは祐斗を、仲間を大事に思っている。だから、そう行動した。……なら、私は?
私は、『悪魔』としてなら彼らを止めるべきなのだろう。戦争の引き金になりかねないことをしたのだ。なら、『仲間』としては? ……祐斗を魔力で捕縛でもすればよかったのでは? もしくは、彼らの作戦に影ながら協力をすべきだったのでは?
「……いえ、責任は兵藤君、貴方だけではありません」
「……ですが」
食い下がるイッセー。私は、黙って瞑目している。
「ですがもなにもありません。サジへの判断を下すのは私です。確かに、貴方が言い出したことですから、貴方に責任があります。しかし、賛同した二人にも責任はあります」
ソーナがそう言うと、イッセーはぐっ、とうめき、それきり黙りこむ。
「……イッセー、小猫」
私は二人を抱き寄せる。
「過ぎたことは言わないけど、せめて一言いってほしかったわ。……あまり、心配を掛けないで。コカビエルに殺されたなんて報告は聞きたくないの」
私の心は二つの想いで板挟みだ。
『グレモリー眷属の王』としてイッセー達をコカビエル達と関わらせないようにするべきか。
『リアス』として、危険を承知で彼らを擁すべきか。
それらがごちゃまぜになってよくわからなくなる。
「すいません」
「……ごめんなさい」
イッセーと小猫は反省した声色でそういう。
ペシッ! ペシッ!
「貴方には反省が必要ですね」
「ぐっ! がぁっ!? はぁ、はぁ、ぐうっ! これが、罰なら、耐えます、俺も、悪いですから」
魔力のこもった平手でお尻を叩かれている彼。
高校生であれは辛いでしょうね。
「すでに使い魔を祐斗捜索に向かわせているわ。発見次第、迎えにいきましょう。それからのことはその時に決めるわ。いいわね?」
『はい!』
……本当、馬鹿な子達。私は今、王でいられているだろうか?
……いやな予感がするわね。最悪の事態を考えなくちゃいけないわ。
……これが終わったら朱乃に、お兄様――――魔王さまに、連絡を繋いで貰わなきゃいけないわね。
以前の私ならばそれを拒んでいただろう。だけど、そうも言ってられない。最悪、私達がコカビエルと戦闘する可能性も無いわけではない。私達が時間稼ぎをしなくちゃいけないかもしれない。
ペシッ! ペシッ!
「……ッ! ッ!」
「はぁ……心配したのですからね」
……ああ、忘れてたわね。
「さてイッセー、お尻を出しなさい。下僕の躾は主の仕事。貴方もお尻叩き千回よ。あと、小猫もね」
『……はい』
―○●○―
俺とリアスが家に帰る頃には、夜になりかけていた。小猫ちゃんとは途中で別れた。……お尻を庇いながら。
別れ際までリアスに謝っていた。でも、後悔はしていなかった。無論、俺もだ。
……ああ、ケツが痛い。いや、これもリアスが眷属を思うが故だ。これも愛だ!
「ただいまー」
「ただいま帰りました」
玄関で靴を脱ぐと、母さんに手招きされる。
そして台所の方へ向かうと。
「ほら、アーシアちゃん」
「はぅ!」
母さんに押されてアーシアが飛び出してくる。
裸エプロンで。
「……もしかしてそれで調理するつもりならば、俺は推奨しないな。油が飛び散ってやけどでもしたらアーシアの肌にダメージがくるじゃないか」
「イッセー。アーシアちゃんの身体をガン見しながら言っても説得力にかけるわよ。なんだかんだいってあんたも私達の息子ってことね」
おっとしたり。
「……ク、クラスのお友だちに聞いたんです、日本のキッチンに立つときは、は、裸にエプロンだって……」
「アーシア。俺的にも裸にエプロンはエロいから好きだけど、本当に料理をするなら服を着てくれ。料理をするときに裸が普通なんてのはない。その情報はデマだ」
実は、アーシアの裸体を我が家の親父に見せたくないという下心があったりなかったり。
「そっ、そうなんですか!?」
「ああ。決して例がない訳じゃないけど、普通は服を着てエプロンをするんだ。昔は割烹着というものを着ていたそうだ」
これなら、アーシアもすぐに服を着てくれるはず――
「でも、母さんこういうの大賛成よ? ああ、若い頃を思い出すわぁ」
「お母様はちょっとお黙りください」
母さんの発言聞いてると、ああ、やっぱり俺ってこの人たちの子供なんだな、って思った。
ちなみに、リアスの裸エプロンはやばかった、とだけしか言えない。
じかいは対にコカビエルさん登場。