ははっ、読者にネタバレしてやったぞ!
ちょっ、やめて! 雲山投げないで! 嘘だから!
「おーっす」
アザゼル先生降臨。
そう、最近はアザゼル先生に呼ばれるようになったのだ。まぁ、契約相手としてはかなりいい相手なので。
「今日はこの手のゲームをやろうと思ってな。ワザワザPCまで買ってきたんだ」
「むぅ……これは弾幕STG!」
「知っているのか悪魔君!」
弾幕型シューティングゲームとは、自機(プレイヤー機体)が敵の放つ弾に当たらないように避けながら自機の攻撃を当て、敵を倒すゲームだ!
弾幕STGの魅力はなんといっても弾幕をかする快感である(主観的に)。
どうやらアザゼル先生が買ってきたのは対戦型の弾幕STGで、かわいい女の子のキャラ同士が弾幕で戦うゲームのようだ。
「じゃあ早速はじめようぜ」
「はい」
ゲームを起動させると、読み込み画面のあと、タイトル画面が現れる。特長的な巫女服をきたキャラがタイトル画面に描かれていた。このキャラどっかでみたことあるような……
対戦が始まった。アザゼル先生は魔法使いの少女を、俺は兎耳の少女を選択した。
互いに色とりどりな弾幕を放ち、そして――
「よし、勝った!」
「あぁー、負けちまったか……」
俺の勝利となった。兎耳のキャラが威張ったような勝利セリフを言っていて、魔法使いの少女は涙目だ。
「んー、よし、大体わかった。もう一回やろうぜ」
「はい」
アザゼル先生は同じ魔法使いを、俺もまた同じ兎耳のキャラを選ぶ。
『決闘開始』
画面にその文字が現れ、俺とアザゼル先生がやりあう。
「いやぁ、中々こういうのも楽しいな、悪魔君……いや、赤龍帝」
「俺、弾幕ゲーム結構好きですからね、アザゼル総督殿。あ、ヤベェ負けた」
俺のほうの画面には『負け犬』という文字かあらわれ、アザゼル先生側には、『人生の勝利者』現れていた。
「じゃあ、次はキャラ変えるか……腋巫女にしよう」
「おー、じゃあ俺はおかっぱ剣士だな」
―▲□○―
「いい加減にしてほしいものね、堕天使の総督」
「ですね」
リアスはアザゼルの自由すぎる行動に辟易していた。
「私達をからかってるのかしら? 堕天使の総督様は……」
そう言ってリアスは頭を抱える。うむ、悩んでいるリアスも素敵だ。
「まぁ、彼はそういう男だ。昔からね。しかし予定より早い来日だな」
「お初にお目にかかります。リアス・グレモリーの『兵士』兵藤一誠と申します」
「兵藤一誠くん、だね。よろしく。知ってると思うけど、サーゼクス・ルシファー。魔王だよ」
俺はいきなり話しかけてきたサーゼクスさまに跪く。朱乃さんと小猫ちゃん、木場も同様に跪く。
アーシアとゼノヴィアは一瞬遅れて解して跪く。
「おおおおおおお兄さまっ!?」
「やぁ、我が愛しの妹よ」
ぎゅぅ。サーゼクスさまはグレイフィアさんに足を踏まれていた。
「サ ー ゼ ク ス さ ま ?」
「コ、コホン。くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」
グレイフィアさんが無表情で覇気のある声を出していた。どうやら、グレイフィアさんはリアスに嫉妬したらしい。冷や汗をかいているサーゼクスさまは妙に焦っているので皆疑問符を頭に浮かべている。しかし、俺は見てしまった。
グレイフィアさんが連続で足をごすごすごすと踏み潰していたところを。
本当はグレイフィアさんが最強なのかもしれない。色んな意味で。
しかしメイド嫁とかサーゼクスさまもいい趣味してる。
あ、そういえばグレイフィアさんって、さっきのゲームで出てきた銀髪メイド娘に似てる。違うのは胸だけかな?
「お兄さまはどうしてここに」
「これだよ」
サーゼクスさまが懐から取り出したのは――参観会のプリントだ!
「グレイフィアね……もう、恥ずかしいのに」
「ははっ、理由はそれだけじゃないけどね」
「……もしかして、三竦みの話ですか?」
「! そう。三竦みの会談はこの学校で執り行おうということなんだ。会場の下見も兼ねているのさ」
部員の皆が驚く。まぁ、俺は知っていたし、な。
「……やはりね。アザゼルがいる時点で何となく予想はできていたわ」
「リアスは随分と成長したものだ。なにかあったのかい?」
「……少し、ね。成長しなくちゃいけなかったから……」
リアスはそう言って目を伏せる。
「貴方が魔王……。はじめまして、ゼノヴィアという者だ」
ゼノヴィアの態度がなんか不敵だ。というかやっぱり余裕綽々といった感じだ。ガウェインさまさまだねこりゃ。
「ごきげんよう、ゼノヴィア。私はサーゼクス・ルシファー。リアスから報告を受けているよ。聖剣デュランダルの使い手が悪魔に転生し、しかも我が妹の眷属になるとは……正直、私も耳を疑ったよ」
「昔の私なら、きっと信じられないでしょう。今もこの状態が不思議に思うことがあります。……でも、後悔はしていません」
なんだこの余裕綽々ゼノヴィアは……うっすらと微笑みすら浮かべている……おいガウェイン、お前どんな魔法を使いやがった。ガンド式か? それとも黒魔術の類いか?
《いや、なにもしてないんだが》
マジか。
「頼もしい限りだ。転生したばかりで勝手がわからないかもしれないが、リアスの眷属としてグレモリーを支えてほしい。よろしく頼むよ」
「感謝の極み」
ゼノヴィアは微笑みを絶やさず一礼した。もうほんとにこれゼノヴィアなの? このまま行くとゼノヴィアじゃなくてゼノヴィアさんになっちゃうんだが。
どういうことなの……。
《僕に聞くな》
「さて、そろそろおいとましようか……しかし、この時間で空いている宿泊施設はあるのだろうか?」
「あ、それなら……俺にいい考えがあります」
―□□□―
俺のなかに宿るもうひとつの魂――ガウェイン。
隠れた英雄。日中は無敵。太陽の加護を得た剣を振るう騎士。
彼曰く、こうだ。
《僕は‘兵藤一誠の肉体’という器に宿るはずだったんだけど、君が現れたことで本来なら僕はお払い箱なんだ。でも、君の肉体は本来ならば僕が入るはずだった器。君では容量があまってたんだ。だから、僕は僕の魂に幾つかの封印を掛けて君の魂と同居することに成功したんだ。まぁ、ドライグがいたのは予想外だけど。一度肉体に入ってしまえば、魂の容量が増えても肉体が適応するから大丈夫》
とのことだ。よくわからん。
まぁ、それはさておき。
「君は女性の胸は好きかね?」
「はい」
何故かサーゼクスさまと夜の怪談ならぬ夜の猥談をすることになってしまった……何故だ。
「僕も好きだよ。こう、女性の象徴とも言える」
「グレイフィアさんも大きいですしね」
「うん、僕の妻だしね」
「はぁ、そうですか……」
「? 驚かないのかい?」
「いえ、薄々そんな気はしてましたので」
「そう。グレイフィアはね……」
ここから暫くは惚気話が続いた。他人の惚気話がこんなに辛いなんて……。
「そうだ、僕の事はお義兄さんと呼んでくれないか?」
「サーゼクスさま、お戯れを」
「いや、本気だが?」
「えっ」