二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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猥談・密談

「えいっ!」

投げられたボールが停まる。ギャー助の神器練習だ。

「今までの計算でいけば成功率は五割ってとこか……」

俺が呟くと、ゼノヴィアが割り込んでくる。

「まずまずじゃないか?」

そう評価するゼノヴィアはデュランダルを亜空間から出してデュランダルと聖魔剣でジャグリングをして遊んでいた。

木場が帰ってきていたのだ。というか聖剣で遊ぶなよ。俺は気になったのでそれを問う。

「……で、気になったんだけど。ゼノヴィアはなんでデュランダルと聖魔剣でジャグリングしてんの?」

「なに、聖剣の扱いを上昇させる訓練だ。私もなにかしないと手持ち無沙汰でな」

「だからって……これ本家の聖職者が見たら卒倒するぞ」

「アーシアは別段なんとも無いようだが?」

「それはな、アーシアがボールを投げるのに集中しているから見ていないだけだ」

アーシアはギャスパーに一生懸命ボールを投げている。非常に可愛らしくて和む。

「行きますよギャスパーさん! えい! あぅっ!?」

「っ! えいっ!」

あ、転けた。あ、停まった。

俺はすぐさまアーシアの元へ向かう。

「アーシア、大丈夫か?」

「いたた……だ、大丈夫です」

ふむ、怪我はないな。よしよし。

「あはは……イッセー君は全く……」

木場は呆れたようにため息をついた。

「しかしギャスパー、よく土壇場でアーシア停めたな。お陰で怪我がなかったぞ」

俺はアーシアに聞こえない程度の音量でギャスパーに囁く。

「! ばれてましたか。成功してよかったです」

「バレバレだ。そしてボールも停められてる……中々精度は良いみたいだな」

俺がそう評価していると。

「なぁ、兵藤」

「なんだ匙」

匙は左手の甲を右ほほに当てるしぐさをしてこう問いた。

「おまえ、コレなのか?」

「ちげーよ!」

思わず叫んだ俺は悪くない。

 

ちなみにギャスパーの練習は夜まで続いた。

 

―○ ●―

 

翌日の夜。

俺は段ボールを連れて依頼主の所へ跳んだ。森沢さんが珍しく俺をご指名だ。

「あら、この子が?」

そしていたのは、森沢さんではなく見慣れぬ女性だ。

「えと、はじめまして?」

「はじめましてね。私は百音(ももね)っていうの。よろしくね?」

「はい。えーと、森沢さんは?」

「だーりんなら買い出しに行ったのよ。で、貴方が恋のキューピットさん?」

「いえいえ、利己的な悪魔さんです」

この人は中々いい人だな。

背丈はアーシアより高め。黒い髪をショートボブにしている。

「あら、そこの箱は?」

「ああ、これですか。振動を与えると喋る段ボールです。おきになさらず」

俺が無造作にガタガタと段ボールを揺らす。

「ひぃぃぃっ!」

ギャスパーが悲鳴をあげる。

「……えい☆」

ぱか。

「ひぅっ」

「かーわい♪」

百音さんは段ボールをパカッと開けてギャスパーを見ると、すぐに頭を撫で始めた。

「あ、あぅ?」

戸惑うギャスパーをよそに、百音さんは真顔でこう言う。

「悪魔君、これくれない?」

「駄目です」

お人形さんのようにおひざだっこされたギャスパーは訳もわからず撫でられていた。

 

ちなみに、その日の契約はギャスパーの着せ替え人形化だった。

ギャスパーも途中からノリノリで着替えていて、途中から森沢さんも観賞に参加していた。ちなみに代償は綺麗なドレスでした。ギャスパー用の。

 

 

 

 

魔方陣から帰ってくると、木場以外の面々は帰っていた。

「おつかれさま」

「おう。木場、他の皆は?」

「先に帰っていったよ。アーシアさんたちで何やら話し合うみたいでね」

ガールズトークってやつか。なら……

「じゃあよ、俺たちもなんか話そうぜ? そうだな、ギャスパー。お前の部屋でいいか?」

「い、いいですけど、なんの話ですかぁ?」

ギャスパーの言葉に俺は得意気な顔で言ってやった。

「男が集まって夜中に話すのはよ、大抵猥談だぜ?」

 

 

そして、ギャスパーのいる部屋。ギャスパーがin段ボールしている。

「というわけで、猥談だ」

「イッセーくん、猥談はいいけどどうはなそうか? 僕にはそういう経験があまりないんだけど」

「特別なルールなんてねぇよ。ただ、自分の性癖をばばんとぶつければいい」

性癖のくだりで顔をひきつらせる木場をよそに、俺は自分の性癖をさらけ出すことに。

「俺はな、おっぱいが好きなんだ」

「イッセーくんは女性の胸が好きなんだね」

「そういう木場は?」

「僕かい? うーん……手、とかかな?」

「パーツフェチか?」

「いやいや、そんなことないよ。たしかにアーシアさんの腰のくびれとか小猫ちゃんのぷにぷにした手とか部長の脚とかすばらしいけど……あ」

「パーツフェチじゃねーか」

俺はギャスパーに話を振る。

「ギャスパーはどうだ?」

「ぼ、僕ですか? ……ひ、引かないでくださいよ?」

「おう」

「その……僕、女装趣味が高じたせいなのか、女装男子×男装女子しか反応しなくなっちゃって」

「いやいや、俺の方が酷いぜ? 最近はもう……あれだな。半陰陽ってやつに反応するようになってな」

「は、半陰陽?」

「有り体に言ってしまえばふ○なり」

「「うわぁ……」」

「ええい、俺をそんなあわれむ目線で見るな!」

夜は更けていく。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「……会合の時間はいつだ?」

「来週の……火曜日、かな」

「……了解した」

 

「いいのですか? 教えてしまって」

「構わないよ。蝙蝠君(ザ・バット)、彼には期待してるのさ。赤い龍が大きな剣ならば、彼は毒薬さ。平和のために犠牲をいとわない。そういう心構えも必要さ」

「……」

禍の団(カオス・ブリケード)……悪いけど、君達のような平和を乱す理不尽な変革者はいらないんだ」

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