二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

68 / 130
デーレーデーレーデッデデデッ

ドーモ、ドクシャ=サン。飛影です



嵐の到来(裏)

「……お、赤龍帝の復活だ」

アザゼルの言葉を聞いて慌てる。

気づいたときは遅かった。くそ、分かってたことじゃないか!

いや、まて。落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない。

「……動けているのは……」

各勢力トップとそのお付きはもとより、部員は……祐斗、ゼノヴィア、リアスだけか……前と同じか。

「ハァ……ったく、あの時のアレはそういうことか……やれやれだな」

やれやれと肩を竦めている龍咲さん。しかし、その瞳はしっかりと窓の外を捉えている。

そして、髪を後ろで束ねてポニーテールにしていた。

「全く、テロなんて今時流行らねぇっての」

「同意。テロなんぞつまらん」

アザゼル先生がぼやけくと、龍咲さんがそう同意する。

ズン、と校舎が揺れる。不味いな……

「チッ、はぐれ魔法使いか。俺ら三人で結界を張ってるから動けねぇな」

時が止まったのはギャスパーの神器暴走、だよな。

よし。

「アザゼル総督。神器を制御するようなものはありますか?」

俺の言葉にアザゼル先生が反応する。

「あるぜ、赤龍帝。策があるのか?」

「はい。旧校舎の部室にいくことができればギャスパーの暴走を止められるはずです。部長!」

俺はリアスを呼ぶ。

「……部室にひとつ、未使用の『戦車』があるわ。それを使えば部室に行けるけど……一人では無謀ね」

「なるほど『キャスリング』か、考えたな」

リアスの言葉に反応するのは龍咲さん。

そして、サーゼクスさまが続く。

「よし。グレイフィア、『キャスリング』を私の魔力方式で複数人送れるかい?」

「はい。しかしここでは簡易術式くらいしか展開できないでしょう。お嬢様ともう一人、ですかね」

「リアスと誰かか……」

「俺がいきます」

俺が手をあげて進言する。

「ではお願いするよ」

サーゼクスさまはそう答えると、グレイフィアさんと共に術式を組み始めた。

「ほれ赤龍帝、この腕輪をハーフヴァンパイアに嵌めてやれ」

「了解」

アザゼルが腕輪を投げてよこす。

「流石ですねアザゼル」

「あのなミカエル。おひざだっこされてる状態でキメ顔してもかっこよくないからな。……ヴァーリ!」

「なに?」

「外で適当に派手に暴れてこい」

「はいはい」

アザゼルの言葉を受けながらヴァーリは窓を開く。

「――禁手化(バランス・ブレイク)

『Vanishing Dragon Balance Braker!!!!!!!!』

音声の後、ヴァーリの体を白い鎧が包み込む。

最後にマスクが顔を覆い、目の部分が輝く。

「ばぁーん」

窓から手を出すと、指鉄砲の形を作り、撃つ。

気の抜けた声と共に……魔法使い達が魔力砲で吹っ飛ばされた! 流石だな……。

そしてヴァーリは窓から光速で飛び出していった。

「アザゼル。貴方が備えていたのはやはり――」

「――お察しの通り『禍の団(カオス・ブリゲード)』。組織名と背景が判明したのはつい最近だがね。全く面倒な連中だよ」

「天界側でも一応確認しています。破壊と混乱を望む連中のトップは――やはり、彼女ですね」

「そうか……『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス、彼女が動いたか」

オーフィス、か。

「しかも……『禁忌』の一角と接触したとの報告もあります。手酷くフラれたようですが」

「……オーフィスが接触を? 十中八九あの人だろうな。まぁ、自身の立場を分かってる人たちだ。大丈夫だとは思うが……」

ん? 新しい単語だな。『禁忌』?

「……しかし、龍神さまがテロ組織とは世も末だな」

みな一様に顔を曇らせ、龍咲さんが毒を吐く。

そのとき突然、聞きなれぬ、しかし聞いたことのある声が聞こえる。

『そう、オーフィスが「禍の団」のトップです』

床に魔方陣が――これは、旧レヴィアタン!?

そうか、あの時アザゼル先生の腕が無かったのは――!

「そうか、今回の黒幕は――彼らか」

舌打ちするサーゼクスさま。

「グレイフィア、すぐにリアスとイッセーくんを!」

「はっ!」

俺達は魔方陣に乗せられ、転移させられた。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「ふん」

私は敵を蹴散らす。

薙ぐたびに敵が吹き飛ぶ。つまらない。じつにつまらない。こんなことよりイッセーくんとイチャイチャしたい。ラブラブしたい。そして、あ、あわよくば、キ、キスしたい!

「つまらなさそうだねぇ、白いのぉ!」

気配のする方向へ適当に魔力砲を放つが……チッ、避けられた。

「はじめましてかにゃー?」

目の前に移動したそれの第一印象は……黒。

「一応名乗るぜぃ、苗は御剣(みつるぎ)、名は(きり)だ」

黒いコートを羽織り、勾玉の装飾のある軽甲冑を着込んでいる。長い髪を後ろで束ねていて、身の丈ほどの巨大な刀を背負っている。

背丈は160程の……少女。

「名乗られたら返すよ。我が名はヴァーリ・ルシファー。赤い龍に首ったけの白龍皇さ」

「おぅおぅ、暑い暑い。冷房はないのか?」

おどけたように言う彼女だが……隙がない。……ふふ、中々楽しめそう。

「じゃあ、楽しく殺りあおうか、白いのォォ!!」

轟! と叫ぶ彼女をみて、私は過去の己を重ねていた。

あの目は、戦闘狂の中でも達の悪い部類。戦いが生き甲斐の戦闘狂の目だ。

戦い以外に、本当になにもないんだ。

「……っ」

速い。私は隙を見せまいと隠すが……いや、ここは賭けるか。

ほんの一瞬だけ、意図的に隙を作ると……ほら。

ちょうど斬が来たところに即興で魔力砲を放つ。しかし……

「んー、柔い魔力だ」

見えないなにかに阻まれる。攻撃をいなしているのか?

「不思議そうだな。そうだ! 手の内をひとつ明かそう」

さも名案と言わんばかりにそう言う彼女。

「これは俺の神器の能力さ。『漆黒龍の鱗外套(ブラック・スケイル・コート)』。ドラゴン系神器のひとつ、『漆黒の龍鱗(ブラック・スケイル)』の禁手さ」

禁手……なるほど、なら能力は恐らくダメージ軽減か無効の筈だ。

じゃあ……

「その能力を越える一撃をしよう」

「いいねいいねぇ。そうこなくっちゃぁ! でも、捉えられるか?」

そう言うや否や彼女は走り出す。……無闇に追うわけにはいかないか。

……そこだっ!

「それ」

よし、『肌に触れた』。

「んー、かすっただけにゃーん」

「それが欲しかった」

『Divide!!』

彼女の力を半減する。しかし……

「……力があまり入らないな」

彼女自身の身体能力は……たぶんだけど、イッセーくんと同程度。

「あはは! 俺の強みは力じゃないぞ!」

そういうと、神速で近づく。速い!

「ざぁーん!」

ひゅ、という風切り音と共に私の鎧が切り裂かれる。

私は身をよじる事で鎧のみの損傷に抑える。

「ひゅう、器用だねぇ」

「……」

……あの刀は一体? 銘は……悪薙剣(あくなぎのつるぎ)

悪を薙ぐ刀か。テロリストなのに?

 

「まだまだ戦いは始まったばかりさ。楽しもうよ! 俺の『黒』とお前の『白』でさぁぁぁあ!!」




解説

・『禁忌』
神話体系の殆どが存在すら口にしない、謎の存在。なんか、三人くらいいるらしい。

・『悪薙剣』
業物。硬い、軽い、長い。よく斬れる。手入れはほぼ不要。
属性『悪』を持つものに必殺の力を振るう……らしい。

・『漆黒の龍鱗(ブラック・スケイル)
御剣斬の所有する神器。能力は不明。龍の鱗の形をしている。
有名なドラゴンが封じられている、らしい。

・『漆黒龍の鱗外套(ブラック・スケイル・コート)
漆黒の龍鱗の禁手。速度強化とダメージ軽減の能力があるらしい。形状は龍の鱗を(なめ)したコート。

情報提供:悪魔陣営
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。