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凄腕の俊足剣士。意外とタフ。人間の女。
きりちゃん。某可愛くない妹とは関係ない。
みっちゃん。某ネゴシエーターそっくりな人のライバルとは関係ない。異議あり!
部長とイッセーくんが魔方陣に消えてすぐのことだ。
あの魔方陣は?
「――レヴィアタンの魔方陣」
サーゼクスさまの言葉に耳を疑う。
アザゼルは笑い、サーゼクスさまは苦虫を噛み潰したような顔をする。
霧咲――いや、龍咲さんは無表情でアザゼルを見ていた。
「ヴァチカンの書物で見たことがあるぞ。旧魔王レヴィアタンの魔方陣か」
ゼノヴィアがデュランダルを亜空間から取り出しながらそう言う。
――なるほど、辻褄が合う。
今回のテロ、旧魔王、そこから導かれるのは――
「旧魔王……そういうこと」
部長は納得したかのような、それでいて苦い表情で頷く。
そう、これは旧魔王のクーデター。
魔方陣から現れた女性は深いスリットの入ったドレスを着て、眼鏡をかけている。
「ごきげんよう、偽りの魔王サーゼクス殿」
「先代レヴィアタンの血縁者――どういうつもりだ?」
「旧魔王派の殆どの者が『
ここにきて旧魔王派が!? なんてことだ。
「新旧魔王サイドの確執が本格的になったわけか。悪魔も大変だな」
アザゼルは他人事のように笑うだけだ。
「カテレア。つまりこれはクーデターということだな?」
「ええ、その通りで――」
カテレア・レヴィアタンがそう言いかけたとき、サーゼクスさまがおもむろにカテレアに手を向け――
「ならば君はテロリストという事だ。容赦はいらんな。案ずるな、命までは刈り取らん」
「ッ!?」
魔力の一撃を放った。滅びの宿らない雷の魔法だ!
カテレアは魔力障壁でとっさに身を防ぐ。
「くっ!?」
「僕はね、身内には甘いけどそれ以外になら――特に犯罪者には容赦しないつもりだ」
「わ、私達の崇高な思念を犯罪だと!?」
「崇高な? 偉大な? 馬鹿をいうなカテレア。『禍の団』は我々にとってはただの
――っ!
サーゼクスさまの痛烈な言葉。いつも優しげなサーゼクスさまがこんな台詞を吐くなんて想像もできなかった。
「――っ、サーゼクス、私を侮辱しているのか!?」
「厳しくしているつもりでも大分甘いな、サーゼクス」
激昂するカテレアを無視して厳しい目線でそういうのは龍咲さん。
「言ったでしょう? 身内には甘い、と。これでも譲歩したつもりなんですがね」
「くくっ、確かにサーゼクスにしては譲歩した方だ」
くぐもった、馬鹿にしたような笑いかたが、どこかアザゼルに似ている。
「カテレア。……本当に降るつもりはないのだな?」
「ええ、サーゼクス。あなたはいい魔王でしたが――」
「じゃあおとなしく気絶してもらおう。殺さぬのは情けと思え」
サーゼクスさまから滅びのオーラが溢れでるが――
「やめておけサーゼクス。貴様が態々動くほどの相手ではあるまい」
「――龍咲殿?」
それを制する龍咲さん。彼女は何処からともなく剣を出現させる――あれは、聖剣!?
「カテレア・レヴィアタン。魔王の前に私と殺りあってもらおうか。なに――滅したりはせん」
「貴様ぁ! 人間風情が旧魔王の血縁である私に――」
「なに、心配しなくとも私は
「――ッッ!!」
その相手を煽り挑発するその姿は――どこまでも相手をからかうアザゼルそっくりだった。
「さぁて、一丁ハルマゲドンと洒落こもうか? 魔王の末裔!」
そういうと、彼女は背から四枚の漆黒の翼を現させる。
堕天使の翼――!
「っ! そういうことね。いいわ、受けてやろうじゃないの、アザゼルの末裔!」
アザゼルの末裔だって!? 彼女が!?
しかし、なら何故彼女は人間側代表として――?
「あまり舐めてもらっては困るな。やれやれ」
肩をすくめると、彼女は背をカテレアにむける!
「上級程度の力しか持たぬものがッ!」
当然カテレアは魔力の一撃を放つが――
「なんだこの甘っちょろい魔力の練度は。出直してこいよ」
身動ぎひとつせずにその魔法を――斬った。
「
彼女はそう言うと、足元から幾つも剣を産み出す!
あれは、僕の
「『
アザゼルが興味津々といった風に彼女を見ていた。
「それ――取り敢えず200本だ」
無造作に手を振るうと――足元にあった聖剣達が飛翔し、カテレアを襲う!
「くうっ、この程度ぉ!」
「
カテレアは腕を捻りながら魔力砲を撃つ。それは窓際の壁のすべてを破壊してしまう!
そして、破壊して出来た出口からカテレアは飛びながら逃げる。
「くっ、私をなめるな!」
「舐めねぇよ、不味そうだし」
「いい加減にしろぉ!」
そう言って魔力を放つ!
しかしその一撃は幾重にも重ねられた幅広の聖剣で止められてしまう。
「
強い――それに、手数がすごい。無駄のない消費。この人は――根っからのテクニックタイプだ。
「くっ、こうなったらこれを……があっ!?」
カテレアが懐からなにかを出そうとして――腕を剣に貫かれる。
それは――さっき飛んだ
「ちっ、手元が狂った」
舌打ちする彼女をよそに、カテレアは――瓶の中にある黒い蛇を飲み込んだ。
「ぐうっ……んぐっ」
するとどうだ、カテレアのオーラがありえないほど膨れ上がる――!
「アハハハ! オーフィスの『蛇』の力を得た私の勝ちは揺るがない!」
そして傷口がみるみる塞がって行く!
これが――龍神の力!?
「君では荷が重い。僕がやる」
サーゼクスさまがそういって立ち上がろうとするが――
「いや、いい。俺が行く。白夜じゃねぇが、こいつごときを相手にする必要はねぇよ」
それを制するアザゼル。
アザゼルは懐から短槍を取り出す。
「『
それが輝くと、現れたのは――12の翼を生やし、黄金の鎧を身に纏い槍を構えるアザゼル。
「人工神器!? グリゴリの研究がそこまで言ったという報告は――」
「あるわけねぇだろ? 俺とシェムハザくらいしか知らねぇよ。さぁレヴィアタン。いっちょハルマゲドンとしゃれこもうや」
その姿は――やはり、どこか龍咲さんと似ていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「そらそらそらそらそらそらそらぁ!」
「……ッ!」
私は斬の連撃を避ける。ひたすら避ける。
「まだまだだ! もっと本気を出せよ白いのぉ!」
「……はぁっ!」
私はテクニックタイプ――そしてスピードタイプであると自負している。瞬間的な火力は彼に負けるが、それでも持続力などは彼より上と言えよう。
しかし――相手もそれは同じようだ。
能力も効果薄め。攻撃が相手に届くときは威力足らず。しかも速いからまず当たらない。
「はぁ、はぁ……くっ、まだまだだよなぁぁぁ!!」
鬼気迫るような形相で斬り込んでくる彼女の一撃を避ける、いなす、パリィパリィパリィ。
「くっ! この!」
「当たらんよ」
当たらないが、当てさせない。
まさに一進一退の攻防だ。
「チッ、なら――」
彼女が走りながら――印を切る。
あれは?
「――影縫いッ!」
懐からクナイを取り出した彼女はなにかを小さく呟いて幾つかクナイを投げる。私は後ろに下がることで回避する。
クナイの数本はは影に
そして、次の行動を私がしようとしたとき――
「……えっ?」
体が、動かない。
ヤーパンの秘術ニンポー! 相手は死ぬ!(嘘)