二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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会合

俺たちグレモリー眷属は、他のみんなと合流したあと新人顔合わせの会合の会場へとたどり着いた。皆修行の成果が出てたのか、顔つきが違った。まぁ、俺もまぁある程度は自信あるしな……っと、ガウェイン、任せるぜ……

《お安いご用さ》

「リアス、久方ぶりだな」

「サイラオーグ、久方ぶりね」

サイラオーグさん! うーむ、あのオーラ、やばい。闘気、だっけか?

「ほぅ、お前が赤龍帝か」

「はい。お初にお目にかかります、サイラオーグ・バアル様。私はリアス・グレモリー様に使える兵藤一誠と申します」

俺は……いや、ガウェインは柔らかい物腰で答える。言葉だけをガウェインに貸している感じだ。

「……成る程、ただの愚凡(バカ)ではないようだな。俺がサイラオーグ・バアルだ。リアスの親戚だ。しかしまぁ、お偉方は何を考えてんだ……」

サイラオーグさんのこぼした言葉にリアスは苦笑しながら答える。

「残念だけど、そういうものなのよ……今は、ね。血気盛んな人達ばかりだから……」

二人はそろってはぁ、と嘆息する。

部屋の中に入ると、男女が言い争っていた。

「だから、俺が隣の部屋で一発仕込んでヤるっていってんだよ! あーあ、アガレスのお姉さんは皆ガードが固くてやだやだ。そんなんだから未だに処女なんだろ」

「ねぇ、個々は会合の場よゼファードル。あなたバカなの? ねぇねぇバカなの? こういう公式の場でなんて下品なのかしら」

「あぁん!?」

「あらやる気? そちらが先にてを出せば正当防衛が通用するわよね……」

「上等じゃねーかこのクソアマァ!」

……馬鹿だろコイツら。

《はげど》

『同上』

どうしようか……

《僕に任せて》

応よ。

どちらも一触即発とばかりに魔力を練り上げていて、サイラオーグさんとリアスは眉間を押さえて頭が痛そうだ。

「双方、剣を納めなさい」

ガウェインがそう声をあげると、こちらを二人が向く。

「あぁ? リアスんとこのか?」

「五月蝿いわね……こちらの話でしょ?」

と、二人はそういう。

「ええ、お二人の内輪揉めでこちらに迷惑がかかっているということをまず気づきましょう、お二方」

ガウェインの言葉に激昂するのはゼファードルだ。

「てめぇ、さっきから好き勝手言ってくれてよう! へへ、まずはテメェからだな」

そういうとゼファードルは舌なめずりをする。

「敵前で舌なめずりか……三流のすることだな」

「な!?」

そういう俺は、既に首元にアスカロンを突きつけている。

「そんなに暴れたいのなら余所でやりなさい。……それとも、今此処で首を斬ってやりましょうか?」

「……っ!?」

「力を振るうものは力を振るわれる覚悟を持ちなさい、このド三流」

俺はそう言い終えると、手刀で首筋を強く叩く。

「ぐっ!?」

小さい文句を残して、崩れ落ち気絶してしまった。まぁ、気絶させるだけならこれで十分だろう。俺はアスカロンを籠手に戻す。

「き、きさま!」

「よくもゼファードル様を!」

と、反論してこようとするゼファードル眷属にサイラオーグさんがこう言った。

「仇をとる前に先ずは己の主の心配をしたらどうだ?」

そう言うと、ゼファードルの眷属は小さく苦悶を漏らすと、ゼファードルを介抱しにいった。

「シークヴァイラ。色直しをしてこい。まだ時間はあるはずだ」

「え、ええ……」

やっぱ、サイラオーグさん格好いいわ。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「やぁ、ご機嫌は如何かな?」

「……最低よ」

とある一室。最低限の調度品のみが置かれているものの、決して質素というわけではない。留置場というよりも客室といった方が近いだろう。しかしその小さな窓には格子がついており、部屋内にも魔力封じの魔方陣が刻まれていて、出入り口は扉一枚のみである。排気口もなければ、秘密ので入り口もないし、扉には外側から鍵で開ける仕組みになっているのでまず脱出するのは不可能と言える。

そこにいるのは二人の悪魔だ。カテレア・レヴィアタンとサーゼクス・ルシファーだ。

「そう。取り敢えずアイスティーでも飲みなよ」

「……」

サーゼクスは看守らしき人物にアイスティーを用意させる。

「別になにか入ってる訳じゃないよ。なんなら私がはじめに飲むことで証明しよう……ふむ、やはり夏にはアイスティーだな」

サーゼクスは同じピッチャーから自分の分を注ぎ、自らストレートで飲むことで紅茶に毒薬等が含まれていないことを証明する。

「……頂くわ。砂糖はあるのかしら?」

「ミルクもあるよ」

カテレアはミルクと角砂糖半分を入れてティースプーンで混ぜる。それをそれとなくサーゼクスは見ていた。

「それは重畳……ん、中々ね」

「ずいぶんと落ち着いているね」

「ええ、自殺もなにもできないんですもの……諦める他あるかしら? それでも尋問には答え、ない……え、なに、これ、ねむ……」

突然、意識を朦朧とさせるカテレア。それをみたサーゼクスはふむ、と呟く。

「流石はサキュバスといったところか……素晴らしいまでの催眠導入薬だな……」

ミルクのなかに混ぜていたようで、ミルクポッドをゆらしている。そして、カテレアの目を見据える。カテレアは催眠導入薬のせいで目が虚ろで意識は朦朧としている。人払いをするとそ、サーゼクスは口を開く。

「カテレア。私の声が聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」

「……はい……聞こえます……」

「じゃあ、私の言葉に耳を傾けなさい。私が三つ数えて手を叩くと貴女は意識を失い、寝てしまい、私が話した言葉は忘れてしまいますが、それは心に深く刻み付けられ、忘れていても実行ます。いいですね?」

「……はい……」

「では。貴女は今後は私の質問にすべて、必ず答えてしまう。口を閉じたくとも私に聞かれたならば答えたくなる。例えどんな機密であれ、すべて答えてしまいます。いいですね?」

「……はい……私はサーゼクスの質問には全て答えます……」

「そして貴女は私のどんな命令にも逆らえません……そうですね、私が『従え』と言えば従ってしまいます。そしてどんなことであれ遂行します。いいですね」

「……はい……私はサーゼクスのいいなりです……」

「はい、では貴女は先程いった通り私との今の会話を忘れます。しかし、その言葉は心に深く染み込み違えることはありませんし、決してこの言葉が消えることも絶対にあり得ません。いいですね」

「……はい……」

「では貴女は今から現世に戻ります。いち、に、さん」

サーゼクスは数を数えたあと、柏手を打つ。すると、カテレアはぷつりと意識を失い倒れた。

「……こういう方法は私の趣味ではないが……手駒は一つでも多い方がいい」

サーゼクスは自らの紅の髪を撫でる。

「全ては、悪魔たちの、しいては我々聖書勢力のために……悪魔らしく、影を作りましょうか……さて、旧魔王派に関わる人物たちの洗い出しからですかね。やれやれ」

その瞳は闇に飲まれながらも輝きを失わずにいた。

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