『ククク、ワガカタワレヨ……コヨイノソナタハチニウエテイル。サァ、メザメノトキダ……』
俺は目覚まし時計を止め、目を冷ます。
今宵というよりは朝である。つか血に飢えているとかヴァーリか吸血鬼じゃあるまいし。今回は厨二病か……。何パターンあるんだろこれ。
しかし、体が重い。瞼が重い。……もしかして。
自身の中を探り、駒を見つけた。
紅い、血のような色をした兵士の駒、八つを。
こんなことするのは……いや、俺が知る限り、こんなことできるのは一人しか知らない。
空白の兵士の駒が八つ空いている、駒王に住む人物を俺は一人しか知らない。
ーーーーリアス。
彼女しかあり得ないと言っても良いだろう。
「リアス……」
思わずあのヒトの名を呟く。また、あの人に会えるのか。……どんな顔をすれば、良いのだろうか。……髪型とかニオイとか大丈夫か? 突然不安になってきたぞ……。
「イッセー、朝御飯できたわよー」
「今いく!」
頭のなかが八割リアスprpr状態だった。いや、どんな状態だよ、と突っ込みたいかもしれないが。スーパーリアスタイムみたいな?
残りの二割は……八割が表に出ないようにするのに必死でした。
朝御飯の味もまともに分かりやしねぇ……。ああ、リアス……リアスのお味噌汁とか食べたいよー……うあーっ。
ー○△□ー
……結局、午前中の授業身に入らなかったなぁ……。
松田が心配そうに俺を見て、言う。
「どーしたイッセー、今朝から上の空じゃねーか」
「……ああ」
リアス……ああ、あのヒトの顔をまたみたい。
そんな事を考えてまた、うぁーっ、と唸る俺。端から見るとアホみたいだな……情けねぇ。
「イッセー、もしかしてお前……恋でもしたか?」
と、松田がそう聞く。
「……ああ、そうかも」
間違いなく恋してるだろう、俺は。
あの人の柔らかい唇。艶やかな髪。柔らかい腿。しなやかな身体。大きな胸。なにより……あの人の眷属や家族、仲間への愛。あんな素敵なヒト、滅多にいないだろう。
かといって、アーシアやイリナ、ゼノヴィアや小猫ちゃん、レイヴェルやロスヴァイセさん、朱乃さん。彼女たちにも違った魅力がある。アーシアの優しさ、ゼノヴィアの勝ち気さ、小猫ちゃんの可愛らしさ、イリナの無邪気さ、レイヴェルの献身、朱乃さんのふと見せる甘え、ロスヴァイセさんの大人な感じ。上げればキリがない。
そんな素敵な人たちと暮らせて、俺は幸せだったんだろうな。
と、俺が思い出に耽り、ほぅ、とため息をついていると、松田と元浜がひそひそとなにかを話し合っている。
「おい、見ろよ元浜。イッセーのやつ、あんな幸せそうにしてるの見たことあるか?」
「……ない。何時もエロ本エロDVDだのなんだのと言っては騒いでるときも、楽しそうではあったが……イッセー、恋でもしたのか?」
「積年の幼馴染みがこの学校にいる、みたいな顔してるな……」
「……僕の眼鏡の隠された能力を発動させよう。『思い人スカウター』……尤も、投影できる思い人は一人、その思い人にどれだけ恋してるか、程度しか分からない」
「元浜……やめとこうぜ。イッセーのやつが恋する相手が見つかったとき、相手か誰であれ俺らは陰ながら応援しようって決めたろ? 表ではもっこもこにするが」
「松田……君は、本当……エロが無ければモテたろうに」
なに喋ってるか聞こえねーな。なに話してんだろうか。猥談ならあいつら小声じゃねーだろうしな。
「はぁ……」
リアス……会いたいよう。
あの人に思う存分甘えたい。
……きっと、あの人には前世の記憶などないだろう。でも、俺は、リアス・グレモリーに恋してるんだ。あの人の処女は俺のもんだ。
「キャー!」
「リアスお姉さまよー!」
「今日もお美しい……」
「罵ってください!」
ぎゃあぎゃあと、クラスメートが騒ぐ。
廊下をリアスが歩いているそうだ。
俺も一目見ようと廊下にでる。
……ああ、やっと、やっと、会えた。
本物のリアスだ。俺が妄想で描き続けたリアスではなく、本物の。
……まだ泣くな、落ち着け、慌てるような時間じゃない。
ちらり、と彼女が俺を見る。
……あの時感じた、威圧感。同じだ。
本当に、リアスだ。
俺は、運命に感謝した。
出会えて、良かった。
まーるーさんかくしっかっくっメガネー↑↑↑
知らない人は丸三角四角メガネで検索(笑)