第六章 プロローグ
新学期――九月。九月の頭はまだまだ暑さの残る時期だ。まだ夏服の高校も多いだろう。無論、例外なくここ駒王学園でも夏服だ。
夏服ってなんか萌えるよな。汗で透けるとか最高……げふんげふん。
ディオドラの糞野郎がアーシアに求婚してすでに一週間が過ぎた。未だに山のようにプレゼントが贈られてくる。中には催眠や暗示といった類いのものまで混じっているらしく、リアスや朱乃さんが検査や処理をしているらしい。リアス達の手を煩わせるとか死ね!
そういえば夏デビューしたやつもいるな。妙に爽やかになってる男子は脱童貞したやつらだろう。
こちとらディオドラ血祭り大作戦を練っているのでそれどころではない。そもそも夏休みは修行漬けだったしな。……なんか修行中毒が悪化しているような。
問題点は三つだ。
ひとつ、いかにしてアーシアをディオドラから守るか。ひとつ、ドレスブレイクなしでの枷破壊が可能なのかどうなのか、ひとつ、次元の狭間のアレをどうにかするということ。
……つまり、常にアーシアの手を握っていればどうとでもなるはず。筈!
「おーい、イッセー」
「ん? 松田どうした? そんな窶れた顔してよ」
妙にやつれている松田が話しかけてきた。
「いや、窶れているのは母さんに搾られ……って、そうじゃねーよ。どうした? 上の空だぞ」
「……搾られたのか。母親に」
「……言うな、哀しくなってくる」
「……」
哀しくなってくるとか言っている割に喜色が混じって見えるのは気のせいだろうか。
「兵藤なにしてんの?」
ん……桐生か。
「桐生か。いやさ、ちょっと黄昏てた」
「黄昏……賢者タイム?」
「いやちげーよ」
「そう? で、昨日のオカズはなに? アーシアちゃん? それともグレモリー先輩?」
「残念だったな、昨日は抜いてない。夕飯はヴァーリが肉じゃがを作ってくれてな」
「ひゅーひゅーおあついねぇ。なに? 毎晩大運動会?」
「いやヤってねーよ。というか何故下ネタに持っていきたがるのかワケわからん」
「男だって猥談するでしょ? つまりそういうことよ」
「つまりあれか、お前のリビドーが抑えきれずにそうなってると」
「いえーす」
全くこいつは……ホント、みてくれは結構可愛いんだからそういう言動やめればモテるだろうによ。
「授業始めるぞー」
あ、次は現社だよ……眠っ。
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「月読の姉貴ー、俺の草薙剣どこやった?」
「ん? あれなら第七倉庫の中だぞぃ」
「ありがとー」
「……む? 第八じゃったかのぅ? 倉庫の管轄はアメノウズメじゃからのう……」
「じゃあウズメのガキンチョに聞いとくわ。ったく、タカマガハラはロリコンばっかだぜ……天照の姉貴が引きこもったときにアイツが踊ったら大評判だったしよ……」
「『ろりこん』というのはあれじゃろ? 妾みたいな幼い体型が好きな奇特な
「姉貴は『ロリッ娘』というよりは『ロリババァ』じゃあ……」
「『箪笥の角に小指をぶつける痛みの呪い』」
「ちょ、それは不味……――――!!!」
「口は災いの元じゃぞ、スサノオよ」
「――――!! そ、れは、ただのストレス発散……」
「……藪蛇とも言うのぅ」
「藪蛇……どのみち自業自得ってわけか……」
「(流石愚弟、ちょろいのぅ。ただの『すとれす』発散じゃ)」
「あてて……兎に角剣探してくるわ……」
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放課後。
「やぁアーシア。あいたかったよ」
部室にディオドラが沸いたんだが。あーぶち殺してぇ……
『そうだ、覇の力で……』
黙っとけ糞怨念共。おっぱいとお尻の魅力が理解できるまで出てくんな。
『……わけがわからないよ』
いいんだよそれで。
……よし、怨念は引っ込んだな。
ヴァーリと夕麻ちゃんはアイコンタクト会話をしてるみたい。
(ねえあの優男キモいよね)
(うん。イッセー君の方が何倍も格好いいよね!)
(そうね。むしろあの蛆虫とイッセー君を比べるのも烏滸がましいわ)
(わを、ゆーちゃん辛辣ぅ)
(事実よ)
(まぁね!)
なに会話してるのか分からないけどな……。
あ、なんか眷属カタログみたいなの出してトレードがどうのってやってる。……で、リアスにあっさりぶつっと斬られていた。
あ、アーシアの手に口づけしようとしてるな。
俺はとっさにヤツの手を払う。あ、さわっちまった。あとで手を洗おう!
「アーシアに触れんなよ」
「……下賎な下級悪魔程度が手を出さないでもらえるかな」
「……お前は今、アーシアも貶したぜ? アーシアも下級悪魔だよ」
「ふん……今日は帰るよ。でも、諦めないからね」
そう言うと奴は魔方陣へ消えていった。
「……部長、俺、トイレで手を洗ってきます」
「あらどうして?」
「――ディオドラに触れてしまったので」
部員達の笑いを堪えるのを聞きながら俺は部室をあとにし、トイレへ向かった。
ディオドラは汚い(真理)