二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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Dragon Slasher

「……何、はぐれ悪魔が?」

俺の元に届いた連絡は、はぐれ悪魔討伐の話だった。ったく、まだ家の方のゴタゴタがあるっていうのに……

グレモリー眷属は近いうちにレーティングゲームがあるらしいので、できれば危険は犯させたくない……しかし、経験は積ませたい。

ということで……

「何で私が……」

「よろしくお願いするわね、龍咲さん」

俺がはぐれ悪魔討伐するということになった。グレモリー眷属は見学ということになった。なんでさ。

 

 

 

廃工場にそれは潜んでいるらしい。幸い、まだ被害は出ていないらしい。

そこを覗くと……

『グルルルル……』

それは異形だった。姿は恐竜を無理矢理人間の型に似せたような姿だ。力に飲まれ、主を殺したらしい。

「……見ておくがいい」

俺は髪を束ねると、リアス嬢たちの方へ向く。

そして、無感情にいい放った。

「これは戦闘等という生温いものではない。これから始まるのは――」

 

 

「――蹂躙だ」

私は剣を作り出すと気づいていない奴へ飛びかかる。

まずは腕を一本斬る。

『ガァァァァァァ!?』

痛みで怯んでいる内に、もう一本の剣を創りだし、今度は前足を刈る。

ずしゃり、と肉とコンクリートがぶつかる音がして、やつは前のめりになる。

『グルゥ……チカラ、コノ圧倒的ナ暴力ヲ捌ケルモノカ!』

そういうと、やつは幾つもの魔力弾を放ってくる。はたからみればそれは暴力的なほどの量だが……ふん。

俺にとっては所詮その程度だ。

「なら……本物の暴力を教えてあげよう」

俺は翼を広げると、奴へ神速で近づき、剣を突く。

『ガッ!?』

聖なる力に強いのか、あまり効いているように見えないが……なら、何度でも。

突く。突く。突く。突く。突く。突く。突く。

『グァァァァァァァ!?』

「一気に壊してやろう……!」

俺は翼をはためかせると、翼から落ちる幾つもの羽が聖剣を創りだす。

それを、刺す。

 

刺す。

 

刺す。

 

刺す。

 

刺す。刺す。

刺す。刺す。刺す。

刺す。刺す。刺す。

刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺――

『ガ、ァ……』

俺の創り上げた幾重もの聖剣に滅多刺しにされたやつは塵となって消え、俺の聖剣はバキャン、という金属音と共に儚く消え去った。

「リアス嬢、覚えておくといい。このように冷徹で暴虐的な戦い方もあるということを」

「……ええ、とても勉強になったわ」

と、瞑目しつつ言う彼女。

戦闘記録等を見る限りでは、だが。

兵藤は器用貧乏といった体だが、パワーとテクニックを巧みに使い分けている。……高々数ヵ月戦闘を経験しただけの男が? ……その手の才能があったにしてもこの速度は異常だな……。

リアス嬢は一般的なパワーよりのウィザードタイプだ。どちらかというと指示を出して戦わせる方面への努力をしているみたいだな。『王』らしくて結構結構。

姫島先輩は雷、雷光を主体とした戦闘を行うみたいだな。見たところ、防御関連が薄いな。

塔城は近接格闘と初歩的な気を乱す仙術を使った戦闘を行うようだ。仙術を使った索敵もなかなか有効だな。

騎士二人は速度で翻弄出来るな。特に成長が顕著なゼノヴィアはデュランダルを静かに扱えるようになってきている。本人曰く『デュランダルに合わせて動いてるだけ』らしいのだが……。

僧侶二人はサポートという点でなら相当だ。回復と呪術で嫌がらせ度満点だ。俺がグレモリー眷属とやりあうならまずは兵藤とこの二人を潰すね。

戦闘を見たグレモリー眷属はそれぞれ違った顔つきをしていた。

アルジェントは口許を押さえていて顔色が悪そうだ。ヴラディはどこから持ってきたのか『konozama』と書かれた段ボールに入ってガタガタ震えている。

騎士二人は何やら戦闘法について話していて、姫島先輩は何やら加虐的な笑みを浮かべながら私をニヤニヤと見ていた。同類を見つけたとでも思いたいのだろう。残念だな、私はどちらかというとMよりだ。

リアス嬢は瞑目しているが……一番驚いたのは奴……兵藤だ。

無言で顎に手をあて思案顔。真面目に戦闘を見ていたらしい。

……奴の眼をふと、見ると。

 

――ッ。

 

ぞくりと背中をなにかが通り抜けるような感覚に陥った。

なんだ、あれは。

……高々17の小童が言うような言葉じゃないが……

 

どうやったら……どんなことをしたら、あんな眼になるんだッ……。

 

どんな人生なら、空虚な眼が、そんな死人(グール)のような光のない眼が出来る……っ!

 

……生い立ちや、家庭環境も至って普 通と聞く。……ならばいったい、何が彼を絶望へと突き落とす?

……今の俺には、判らない……

 

なあ兵藤、お前は、本当にそこにいるのか?

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