「おいフリード」
「なんだアザゼル」
「お前、フィールドに潜んでな」
「……はァ? 何で俺がァ?」
「伏兵だよ、ふ・く・へ・い。他の連中じゃあ隠密行動は苦手なんだよ」
「伏兵ねェ……あ、旧魔王派か。了解だァ」
「頼んだぞ。……あー、そうそう、これは独り言なんだが」
「?」
「サーゼクスから聞いた話によるとな、ディオドラの“所有”する
「……ッ!?」
「しかも噂によれば元エクソシストらしいな。まぁ、俺の知った話ではないか……あ、そういやぁアレの塗装、まだだったな……俺は研究室に戻るわ。独り言おわり」
「……ハン……粋な計らいってやつかァ? 下らねェ。俺なんかの心配する暇があったら己の身を心配しろってんだよくそがッ! ……あァ、そうさ……生きてるってんなら会いてェさ……アリー……」
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「アーシア」
「はい、なんですか?」
私はイッセーさんに呼ばれたので返事をします。
「……これを持っててくれ」
イッセーさんが渡してきたのは――いつかのあの翡翠色の結晶で出来た首飾りでした。然り気無く十字架を刻んでいるあたり、気遣いが伺えます。
「これは……」
「今回、ディオドラはたぶんアーシアを執拗に狙ってくるだろう。だから……これを持っててくれ。きっと守ってくれる」
イッセーさんが、私を心配してくれて……あぁ、心がぽかぽかします。
「ありがとうございますぅ!」
「……どういたしまして」
そう返事をしたイッセーさんの顔は、何故か、哀しそうで。
「じゃあ、俺は最終調整のためにちょっと体を動かしてくるよ」
「あ……」
私が声を掛ける前に、イッセーさんは私の部屋から出ていってしまいました。
……イッセーさんは、どうしてあんな哀しそうに……?
……今度は、私がイッセーさんを助ける番、ですよね。今まで、沢山の幸せを貰っちゃいました。私の命を、家族の温もりを、友人の優しさを、仲間の絆を――。
私に命を与えたのはリアス御姉様ですし、友人や家族、仲間だってイッセーさんもいるけれど、大多数はイッセーさんではありません。でも、もしイッセーさんがあの時、助けてくれなければきっと……。
お母様もお父様も、体育祭には私をビデオテープで撮ると、一ヶ月も前から気張って準備してくれて。
イッセーさんとの二人三脚も、いっぱい練習しました。毎日が幸せです。
そんな、幸せをくれるイッセーさんに、例えちょっとでも恩返ししないと……ええと、日本で言うところの“ばち”が当たってしまいます。神罰ですね。
でも、私がイッセーさんにしてあげられることは、傷を癒すことと、応援することくらい。料理だってまだへたっぴで、戦闘で貢献することもできません……でも、私の出来ることを、できる限りで。無理して倒れたら、きっと心配かけますから。
もし、お亡くなりになった神に私の祈りが届くのならば――もし、我儘が赦されるのなら。
どうか、いつまでもイッセーさんと一緒にいさせてください――Amen.
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『レーティングゲームまであと一時間です。各自、トイレ等を済ませるように』
トイレか……大丈夫、さっき済ました。
「……ディオドラ眷属で注意すべきなのは……」
「こちらはパワー制限さえなければ……」
「じゃあ……」
リアスと朱乃さんは作戦会議中。……まァアレだ。どうせディオドラのせいでゲームは台無しになるし……。
アーシアは俺の手を握っている。今回、思うところがあるのだろう。
「相手はゴミムシ、相手はゴミムシ、相手はゴミムシ……」
ギャスパーはなんか危ない自己暗示をかけていた。アザゼル先生、いったい何を教えたんだよ……。
木場とゼノヴィアは剣談義をしている。……俺には話の内容が理解できない!
ちなみにレイと小猫ちゃんは膝の上だ。
「すぴー……」
「うにゅ……」
萌え死ぬ。
考えてもみたまえ、幼女二人が目を擦りながら眠そうにしている姿を……ッ!
レイもドラゴンとしてのオーラが強くなってきている。もしかしたら将来は竜王級かもな。ブレスも強くなったと聞く。
最近活躍してないし、今回の戦いには呼ぶかな。可愛いから癒されるし。
あぁ、ずっとこの二人をもふもふしてたいわ……
『レーティングゲームの開始15分前には転送準備を始めますので、全メンバーが控え室にいるようにしてください。繰返しお知らせします。レーティングゲームの開始15分前には――』
さぁて……ディオドラ。小便は済ませたか? 神様にお祈りは? 神殿の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はOK?
『レーティングゲーム、スタートします』
さぁ――暴力の時間だ。