選択肢に抗えない   作:さいしん

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下ネタ豪速球、というお話。



第119話 懇談-後編-

 

 

 とりあえず、アレだ。

 ロゼンタさんのロゼンタさんによるアレだ。赤ちゃんなシャルロットとの出会いを、そこに至るまでの背景と共に、具体的すぎる背景と共にがっつりお送りされた訳だが。

 

 今、この教室で定位置のまま座っているのは、女子連中プラス千冬さんプラス母さん。そしてデュノア夫妻である。俺と一夏と父さんは3人、部屋の隅っこで抱き合うようにして震え縮こまっている。

 

 だって寒いんだもん!

 何で5月そこらで氷点下を体感しなきゃならんの!? 

 

 言わずもがな、原因は此処に居る全女性陣が抱く負の感情である。彼女らのダイヤモンドダストなる視線の矛先は当然、典型的なダメ男を暴露されてしまったアルベールさんである。残念でもないし当然よ。

 

 計画性、アドリブ力、リカバリー力。

 ロゼンタさんの話を聞いている限り、少なくともその日のアルベールさんの取った行動は、どれもこれもが赤点だと評価せざるを得ない。若い頃からやり手社長との事らしいがまだまだ甘い。

 

 俺ならもっと上手く立ち回れたぜ?(どやぁ)

 

 

【アルベールを擁護する】

【ロゼンタを非難する】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 常時立ち回れるとは言ってないよぉ!

 無理難題言わないでよぉ!

 

 対象が違えば【擁護】も【非難】も一緒だよぉ! どっち選んでも、結局アルベール派的な立ち位置になっちゃうじゃないか! 

 

 ダイヤモンドダストだけじゃ収まらず、更にサンダーストームへと変貌しつつある空間に、わざわざ飛びこんで行けと言うのか。……超イヤだなぁ。

 

「待てぃッ!!」

 

「「「「 !? 」」」」

 

 クソが。

 こうなったら勢いで乗り切ってやる。

 

 氷が何じゃい雷が何じゃい。

 そんなモン俺の熱い話術で燃やし尽してやんよ!ホノオノアラシヨ、スベテヲノミコメー。 

 

「みんな、まぁ待て。アルベールさんへの視撃はやめるんだ」

 

「むむっ! 主車くんはその人の肩を持つの!?」

 

「主車くん、浮気相手を孕ますのは良い事でも無いし、同性だからといってそんな無闇に擁護する事は許されないんDA☆」

 

 そ、そんなぁ……一度くらいイイじゃないか。

 

「アルベールさんが悪いんじゃない」

 

「いいや悪いね!」

 

「そうだそうだ!」

 

 お前らに否定されんでも分かっとる!

 でも俺は擁護しなきゃダメなの! 

 

 というか誰だお前ら(無知)

 顔に見覚えがあるって事は同じクラスメイトだな、うん。名前を覚えてないって事はコレが初会話なんだな、うん。……つまり?

 

 おしゃべり出来る子が増えて嬉しいんだ! 

 確実に俺は受け入れられてるんだ!

 

 故にナイスな気分で立ち向かえるんだ!

 病は気から、策も気から。とはよく言ったモンで。すでに上策・下策ともに2つも思い浮かんだんだぜ! 

 

 まぁ下策は使えないから下策なんだけど。

 『シャルの母親を魔性の女に仕立て上げてアルベールさんを庇う』的な内容だし。流石にこの場でソレを言ったら、俺に対するシャルの…というか此処に居る女性全員からの印象が超悪くなっちゃう。

 

 怖いとゲスいは全然違うからね。

 既に不良の烙印は押されてんだ。ならせめて『主車くんはお調子者な不良くん』的なイメージを皆に植え付けさせたいんだ!

 

 故に下策は無しで。

 シャルの母親を非難するのはアウト。とうぜん、ロゼンタさんを非難するなんてもってのほかである。しかしアルベールさんも非難してはいけない。なら俺が非難すべき相手は、ズバリ『性欲』である!

 

 アルベールさんも当時は若かっただろうし、きっとシャルのお母さんが魅力的すぎて、ヤバいと思ったが性欲を抑えきれなかったんだろう。

 

 性欲とは神が与えし大罪。

 逃れられぬカルマ。

 

 まぁそんな感じの内容を上手く言えばいいんだよ。

 

 重要なのは、決して直接的な言葉は使わない事である。

 抽象的に概念を育みつつ、そこへロゴスとロジカルを加えながら、ヒューマニズムにイデオロギーをポストモダンな形で皆に伝えるのだ。

 

 それにより拝聴者たちの頭は、パルスのファルシのルシがコクーンでパージになり、結果何となく納得してしまう状態へと遂げるのさ。

 

 要はアホの【選択肢】がやらかした後に、いつも俺がやってる作業だよ! 朝飯前じゃこんなモン! 如何なる議題も口先の魔術師にかかれば、文学作品まで昇華させられるのよ!

 

「いいか、皆の衆。アルベールさんが悪いんじゃない」

 

 話せるクラスメイトが2人も増えて気分がいいし、今日は文芸評論なノリで言えそうだな! ふわっとした表現は任せろー。

 

 

【この人が悪いんやないぞ。この人のチンコが悪いんや!】

【この人が悪いんやないぞ。この人のアナルが悪いんや!】

 

 

 直接的な言葉あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 お前アホちゃうんかほんまコラァッ!!

 場所考えろよマジで! 

 

 女だらけの教室で! 

 常識的に考えて真面目な場である筈のこの状況で! 

 

 言うに事欠いてチンコですか!? 文芸評論な表現から一番遠いわ! チンコはまだしもアナルはまっっっったく関係ないし! 

 

 しばらく下ネタ出てないなぁ(安堵)とか思ってたらコレだよ! 周りの年齢考えてよ! チンコ言ってキャッキャ言ってくれるのは一夏か小学生くらいだろぉ!

 

 くそぉ……葛藤しても無駄な事も知ってるんだ。ブーブー言ってたところで、【選択肢】は変わってくれないし時間も進んでくれないもん。 

 

 ならもう……勢いで乗り切るしかないじゃない!(マミさん)

 

 

「この人が悪いんやないぞ。この人のチンコが悪いんや!」

 

 

「「「「 !!? 」」」」

 

 言っちゃった。

 花も恥じらう女子高生99%の空間でおちんちん発言させられちゃったよ。羞恥に萌える嗜好を持ってない俺には、「うわ、マジかよコイツ」みたいな反応もただただ苦痛でしかないんだ。

 

「ぶはははは! 何だよ旋焚玖ソレ!? ぶはははは!」

 

「「「「………………」」」」

 

 やっぱり一夏以外ウケてないじゃないか(憤怒)

 と、父さんはどうだろう?

 

「……ぷっ……くく……ぷふふ…」

 

 いい歳してウケてんじゃねぇよ!

 あ、なんか周りが少しザワめいてきたぞ。高校生にあるまじき発言をした俺への糾弾的内緒話ですね分かります。

 

「こいつチンコとか言い出しましたよ」

 

「やっぱ好きなんすねぇ」

 

「やっぱ男子なんすねぇ」

 

 おや…?

 おやおや…?

 

 何か思ってたのと違う反応ですぞ。

 とか思ってたら、イスを鳴らして立ち上がる者あり!

 

「旋焚玖さんのエッチ!」

 

 カワイイ!(ブロリー)

 

 プンスカ声を上げて俺を咎めたのはセシリアだった。

 そらそうよ。淑女よろしくお嬢様で通っているセシリアからすれば、俺の発言は余裕で許容範囲外でしょ。

 

 しかし淑女じゃなくても女なら嫌がりそうなモンだが…? 他の連中は何で「まぁしゃーない」みたいな感じになってんの?

 

 

知られざる世界の理として。

性欲とは男女に隔たり無く在るモノである。

つまり、下ネタが嫌いな男はいない。という事は、裏を返せば下ネタが嫌いな女はいない。という事にも繋がる。かもしれない。つまりSっていう事は、Mって事なんじゃないかな?(至言)

 

女性陣の反応に困惑しているのは、何も旋焚玖に限った事ではない。旋焚玖を「エッチ!」と咎める事で、またもや魅力を超上昇させてしまったセシリアも、その一人である。

 

「ちょっと皆さん!? どうしてそんな感じでいられますの!? 鈴さん! 箒さんも!」

 

「あー……まぁアイツのアレは小学校の時にめちゃくちゃ聞いてたし。何なら中学に入っても割とよく言ってたわよ?」

 

「うむ。当時は私も幼く、何度も竹刀でシバこうとしたのだが、全て捌かれてしまっていたな」

 

 なるほどな。

 思えば二人とは幼少期からの付き合いだ。それが功を成して鈴と箒に抗体をもたらせていたって訳か!

 

「むむぅ……あっ、ですがシャルロットさんは違いますわよね!? 乙女として旋焚玖さんの発言はダメでしょう!?」

 

「1週間一緒に居たら慣れたよ」(キリッ)

 

「んなぁっ!?」(ま、まるで動じていない…! 今のシャルロットさんからは王者の風格を感じますわ…! この様子だと、他の皆に合わせるために、無理やり言っているという訳ではなさそうですわね)

 

 まぁシャルは……毎日連れションに行ってたしな。うんこおしっこ問答されてりゃ嫌でも慣れるか。

 

「くぬぬぅ…! お、おかしいですわ。どうしてわたくしだけがミャーミャー騒いでいるみたいな感じになってますの!?」

 

 そりゃあお前、アレだろ。

 ようやっと、俺にもこのカラクリが解ってきたぜ。

 

 要は『お嬢様的箱入り娘』か『一般家庭的娘』かの違いなんだろう。とはいえ、鈴はまだしも箒は流石に『一般』的な家庭ではないからな。

 

 という事はアレだ。

 生まれた家庭よりも、過ごしてきた日々の環境で左右されるんだろう。下ネタ免疫力ってのは。慢心、環境の違い。

 

「で、でしたらヴィシュヌさんはどうですの!? ヴィシュヌさんが通っていた小学校にも中学校にも旋焚玖さんは居なかった! 高校に入学してからも旋焚玖さんが居ない二組という隙の無い布陣!」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 

 いや何で俺を中心に考えるのか。

 お前の中じゃ、全人類で下ネタ言うの俺だけかよ。

 

 しかしヴィシュヌはマズいな。

 おそらくこの中で、最も環境的にセシリアと近いのはヴィシュヌだ。ガキの頃に下ネタでキャッキャ盛り上がってるトコロも想像できんし。

 

 だがしかし。

 俺に焦りはない。

 

「さぁヴィシュヌさん! アナタはわたくしと同じ筈! 共にこの教室の異様な雰囲気に抗いましょう!」

 

「その前に、チンコって何ですか?」

 

「へ?」

 

 俺は焦る必要なんてない。

 全くないんだよ。

 

 なぁセシリアよ。

 俺たちが入った同好会の名は何だ?

 

 『文化交流会』だろ?

 まだまだヴィシュヌは、日本文化ともに日本語もお勉強中の身なのさ! チンコなんか知っている訳ないだろ!

 

 そしてこの空気は即ち好機ッ!!

 セシリアが次に紡ぐ言葉を思案している今、展開を進めるには此処しかぬぁい! 俺の誓いに嘘はねぇ! 勢いで乗り切るったら乗り切るんだい!

 

「一夏ァ!!」

 

「おう?」

 

「カッターナイフを持ってこい。かねてから隠しておいたカッターナイフを持ってこい」

 

「お前その言い回し好きだなぁ。まぁいいけど」

 

この時、旋焚玖の意図を完全に汲みきったのはただ一人。

 

(フッ……なるほどな。横道に逸れたまま膠着しているデュノアの話を、あの手この手を駆使して自然な形で戻していくより、力任せな豪論で無理やり戻してしまう算段か。どうやら旋焚玖は、デュノア夫婦に対する立場的主導権をココで完全にモノにするつもりらしい。ならば、私も何も言わず見守ってやろう)

 

千冬は旋焚玖を見守った!

 

「ほいよ」

 

「確かに。受け取ったぜ」

 

 「ぜ」を言った時には既に俺はソコに居ない。

 アルベールさんの眼前からこんにちは!

 

「!?」(超スピード!?)

 

 おうおう、シャルの親父さん面食らってますねぇ!

 大の大人を身体能力で驚かせるのは、何度やっても気持ちがいい! 地元じゃもう当たり前すぎて、チラ見程度になっちゃったしな。

 

「大乱闘スマッシュブラザーズXのアレより疾いわね…!」

 

 何言ってだこのおばさん(ン抜き言葉)

 まぁいい、今は奥さんより旦那さんよ。

 

 オラオラ、光モンちらつかせてやんよ。

 

「……それで私に何をするつもりだ」

 

「奥さんがいながら浮気相手を孕ますなんて卑劣な行為はな、いくらギャグ描写を駆使したところで、決して軽くならない揺るがざる悪事なんですよ!」

 

 イケメンだからってナニしてもいいと思うなよ。

 アンタの罪はその端正な顔と奥さんの美人っぷりにある。

 

「くっ……君の言う通りだ」

 

 無自覚ならあっけらかんとした顔のままだろう。

 そして、俺の目の前にいる親父さんからは、慚愧の念に堪えないといった様子がアリアリである。

 

 故に、俺の言葉が生きてくる。

 

 

【お前が悪いんやないな。お前のアナルが悪いんや!】

【お前が悪いんやないな。お前のチンコが悪いんや!】

 

 

 お前に言われんでも分かっとる!

 まさに今、【下】な内容を言おうとしてたわ! 標準語で言おうとしてたわ! なに急に訛りを押し出してきてんの!? 関西弁キャラがモテるのは、マンガの世界だけだってば!

 

「……お前が悪いんやないな。お前のチンコが悪いんや!」

 

「それは先ほども聞いた」

 

「カッターを持ってこい。かねてから隠しておいたカッターを持ってこい」

 

「それも先ほど聞いた」

 

「もう二度と悪さできないよう、今から斬り落としてやる」

 

「……何をだ?」

 

「ナニをだ」

 

「冗談はよしてくれ」

 

「冗談で済ませてほしけりゃさっさと話を進めてくれ」

 

 

アルベールは思った。

話を浮気な方へ逸らしたのはお前だろ、と。

しかしそれを言わせぬ迫力が眼前の青年にはあった。

 

 

「……分かった」

 

 やったぜ。

 そのための威圧感あとそのためのカッターナイフ。力に物を言わせて不満を抑えつけるのは後ろめたい気分だが、綺麗事だけじゃ篠ノ之流派は名乗れないの。

 

 さらに追加注文だ!

 

「長いと斬り落とす。とりあえず3行で言ってくれ」

 

 だらだら回想されたら、確実にまた【選択肢】が邪魔してくるからな。いつまで経っても終わんねぇよマジで。

 

 無茶ぶりかもしれんが、頑張ってくれ親父さん。

 

「……4行にしてくれ」

 

「む」

 

 アヴドゥルみたいな事言ってんなアンタな。

 まぁ俺はジャッジメントと違って太っ腹だからね。それくらいはOKOK。

 

 いい感じに4行でまとめてくださいよ!

 

 

【まとめてる間、皆を抱腹絶倒させる。甘酸っぱい恋バナで】

【まとめてる間、ダンスを披露する。潜在能力を引き出すダンスを】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 変な行動的二択やめてよぉ!

 どっちも意味不明すぎるんだよこのヤロウ! いや、まだ【下】が言わんとしている事は分かるけどさ。

 

 【上】なんてもう純度100%な無茶ぶりじゃないか(憤怒)

 

 ホントに意味分かんないんですけど。笑いが起こる時点で甘酸っぱくないと思うんですけど(名推理)

 というかお前、今までにそんな経験してたら、きっと今頃みんなに恋しない一途な純情ボーイになっていると思うんですけど(名言訳)

 

 恋バナって言っても話すネタ(過去)が無けりゃ無理だゾ。

 

 

【私はッ……お、お前の気持ちには応えられない…(by箒)】

【だからアンタの気持ちには応えられないッ…!(by鈴)】

『※なおこの選択肢はただの記憶表示なので選択する必要はないヨ(親切心)】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 思い出させないでよぉ!

 確かに恋バナだけど、俺にとっては1ミリも甘酸っぱくないんだよぉ!  

 

 『告ってもないのに2度フラれた事がある』とか話しても笑われちゃうだけだろぉ!……んん? あ、笑われるのが目的だし、一応コレで達成はするのか。

 

 でも嫌だよぉ!

 そんなので抱腹絶倒されたら、明日から学校行きたくなくなるだろぉ! 微妙な空気になったらもっと行きたくなくなるだろぉ! 

 

 フォローなんかされた日にゃ、その優しさでコロッと惚れちゃうだろぉ!

 

「フンフンフーーーン…♪ フフフンフーーン…♪」(重低音いけめんヴォイス)

 

「……なんのつもりだ? 何故、私の周りをグルグル回る。そして何だその変な動きは」

 

 アンタがちゃんと4行で上手く表現できるように、潜在能力を引き出してやるってんだよぉ! いやまぁ実際にそんな効果は出ないんだけどね。

 

 俺は老界王神じゃないの。

 でも変な動きは老界王神のアレなの。

 

「素材が生まれる瞬間をリアルで見られるとはね」

 

 何言ってだこのおばさん(ン抜き言葉)

 

「言っとくけどアンタが説明始めるまでコレが続くんだからな。鬱陶しいと思うならさっさとまとめてくれフフンフーーン…♪」

 

 いやホントに頼むよ。

 ほら見ろ、まぁた他の連中に変な目で……ん?

 

 

意外! それは生温かい目ッ!

旋焚玖が披露させられている変な動きの元ネタ『ドラゴンボール』なのだが、実は旋焚玖が思っている以上に、この世界でも国民的アニメだったのだ! 

 

 

「アレってアレじゃない?」

 

「なんだっけ、確か悟飯がしてもらったヤツだっけ」

 

「思い出した! 老界王神のダンスだね!」

 

「KAKAROT買いに行かなきゃ」(使命感)

 

 俺はまだゼノバース2にはまってるぜ!

 いやはや、これは嬉しい誤算ですよ! 「うわぁ…」って引かれないのが、こんなにも嬉しいモノだとはな!

 

「フフンフーン…♪ フフフノフーーーン…♪」(重低音いけめんヴォイス)

 

 だが、コイツらもまだ甘い。

 所詮俺はアホの【選択肢】にまだまだ抗えない身ではある。が、それでもただでは転ばん事に定評のある男よ。

 

 俺のやってるフフンフーンは、正確には老界王神を真似ている訳ではない! 俺が摸倣しているのはザマスのフフンフーンなのだ!

 

 しかし悲しいかな、誰もソレについて言及がないって事は、気付いてもらえていないのか。はたまたネタ度的にコアすぎて知っている奴が、この教室には存在しないのか。

 

 くそっ……結局は無駄な足掻きに過ぎないのか。……ん?

 

 

心を沈ませかけた旋焚玖の視線に移ったモノ。

それは、部外者が入らぬよう廊下に待機している山田真耶の姿だった…! 

 

 

 山田先生が窓を吐息で曇らせ、指で何やらキュッキュしている。……あ、あれは…!? あの文字は…ッ!

 

(私はちゃんと分かってますよ! 受け取ってください、主車くん!)

 

 窓に書かれた言葉『ザマス』

 文字数にしてたったの三文字。

 

 だがその言葉が俺の心を震わせる。

 それ以上に奮わせる。

 

 もう何も怖くない。

 俺、一人じゃないもの。

 

 さぁかかってこいアルベールさん!

 今の俺を論破できる者などこの世に皆無!

 

 オラオラ、4行なる説明をよこせ!

 パパパッと解決してやんよ!

 

「マルグリット(シャルママ)とロゼンタ何故か仲良しに。

私とロゼンタ実はシャルロット見守り隊。

でもデュノア社は刺客がいっぱい。

そうだIS学園に男装させて行かせよう!」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 






次回、シャルロット編完結(願望)

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