選択肢に抗えない   作:さいしん

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兄弟、というお話。



第121話 真・懇談-後編-

 

 

「マルグリッドが天に召されてしまった時、私もアルベールも全然信じられなくてね。でもあの子がいない事実は変わってくれなくて。私達はどうやって、その現実と向き合えば良いか分からなかったわ」

 

「……ロゼンタさん」

 

「でも私達には沈んでいる時間などなかった。独りになってしまった貴女に対して、私とアルベールは何が出来るのか。娘だと引き取れば良いのか、これまで通り陰から援助をするだけに留まるのが良いのか……。でもね、私達には悲しみに暮れるどころか、悩む時間さえなかったの」

 

 なんでぇ?

 

「その頃のデュノア社はもうね。貴女が生まれた時のデュノア社とは次元が違う勢いだったのよ」

 

 どゆこと?

 

「なるほど、量産型ISの世界進出…か」

 

 千冬さんが何やら意味深な感じで呟いたぞ。

 だが、俺と違って千冬さんこそ無意味な事は滅多に言わん人だし、きっとこの流れに沿った的確な事を言ったんだろう。

 

「織斑先生の言う通りだ。我が社で開発したIS【ラファール・リヴァイヴ】が量産型ISとして世界的に認められてからは、デュノア社は国内どころか世界でもトップクラスの企業となってしまった」

 

 どうやら説明役が、ロゼンタさんからアルベールさんにバトンタッチされたみたいだ。家庭的な話から、一転して企業的な話になりつつあるっぽいし、確かにここは舵取りの社長の出番だろう。

 

「その頃には私自身、大きくなり過ぎたデュノア・グループを完全に掌握する事も容易ではなくなってきていたのだ」

 

 ふんふむ。

 続けてどうぞ。

 

「企業が大きくなれば、その分色々なモノを抱える事になる。例えば……私の立場を狙う者とかな」

 

 なるほど。

 そこで3行目の『刺客』に繋がる訳だな。

 

 確かに従順な社員もいれば、腹の中にナニかを含んでいる社員もいるだろう。アルベールさんが言うように、その懸念材料は企業の規模拡大に比例して増えていく筈だ。

 

「デュノア・グループのトップの座を狙う者からしたら、娘の存在はまさに格好の餌食だ。現に私の失脚を狙う内部から、シャルロットの身柄を狙う動きがあったのだ」

 

 やべぇよやべぇよ。

 

「だから私とアルベールは貴女の身柄をまずは確保する事に専念して、即興でとある作戦も決行したの」

 

 

【作戦名を聞く】

【自重する】

 

 

「……ちなみに作戦名を伺っても?」

 

「『娘のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!作戦』よ」

 

 何言ってだこのおばさん(ン抜き言葉)

 長々しい作戦名に対して内容が意味不明すぎるだろ。何があったのか全然伝わってこねぇよ。

 

「あっ……もしかしてあの日の事かも」

 

 シャルには伝わったのか(困惑)

 

「何となく察したようね。デュノア社で初めて会った時の事よ」

 

「シャルロットを狙う裏切り者が不確定だからこそ、全員に私とロゼンタは示す必要があったのだ。『私達夫婦は娘に良い感情など持っていない』と。『誘拐したところで交渉材料にはならんぞ』とな」

 

 あ、もしかしてあの話か?

 なんか昨日シャルが言ってたよな。

 

 ロゼンタさんと初めて会った時に、皆が見ている前で頬を叩かれたって。……そうだ、思い出してきた。確かその時に『泥棒猫の娘が!』って7回くらい言われたんだっけか。

 

「でもね、私の名演技をもってしても、貴女を狙う動きが収まる気配はなかったの。誤算だったわ」

 

「……確かに誤算だったな」(妻があれほどの大根芝居を披露してしまうとは思ってもみなかった。シャルロットへのぎこちないビンタに始まり、挙句の果てに何を思ったか『泥棒猫の娘が!』と7回くらい言ったからな。そりゃあ刺客の動きも収まるまいて)

 

 何かアルベールさんが遠い目してる。

 あ、分かった。

 きっとアレだ、演技とはいえ、ロゼンタさんにシャルロットを傷付けさせた事を申し訳なく思っているんだろう。浮気はするけど夫の鑑だなぁ。

 

「しかし幸か不幸か、検査していくうちにシャルロットには高いIS適正が備わっている事が分かったのだ。これを生かさない手はない。そう考えた私とロゼンタは、社内でも信頼できる者達に徹底的にIS技量・知識、その他諸々をシャルロットへ叩き込ませた。IS学園に娘を行かせても不自然と思われぬために。娘が一人でも戦えるようになるために」

 

「……だからあんなスパルタだったんだね」(遠い目)

 

 ハイライト消えかけてんぞシャル。

 ああ、これも思い出した。確かシャルは、フランスでのトレーニングを一週間で7日から8日させられてたんだっけか。

 

 まぁでも、その分強くなれたし、別に良いんじゃね?

 って思っておかないとメンタルやられんぞマジで。

 

「私とロゼンタの想像通り、いや想定以上にシャルロットの技量はぐんぐん成長していき、これならIS学園に行かせても大丈夫だろうと思いつつも、やはり不安がなくならなかったのも事実だ」

 

「私とアルベールの目の届かない場所に逃がしたは良いものの、IS学園でこの子が刺客に狙わない保証はないからね。でも、そんな矢先に報せが入ったのよ。世界的なニュースがね」

 

 む…?

 デュノア夫妻が俺を……いや、俺と一夏を交互に見た。俺と一夏交互に見て。右ひじ左ひじ交互に見て。

 

「男性でありながら、ISを起動させた者現る。この一報は当然、フランスでも大騒ぎになったさ」

 

 これは4行目なるお話の気配!

 いいよ来いよ、どんどん話してくださいよ!

 

「でも、私達が目を付けたのは『初の男性起動者』ではなかった。気を悪くしないでね、織斑くん。私達は貴方の名前に惹かれてしまった」

 

「私とロゼンタは話し合った。絶対的権威とも言えるブリュンヒルデを姉に持つ彼に娘の保護を頼めないだろうか、と」

 

 なるほど。

 ようやく全貌が見えてきたぜ。

 

 つまりこういう事だろう。

 一夏が『シャルを守る!』と言えば、自ずと千冬さんも力になってくれるのではないか。それが狙いでシャルを転校させてきたのか。

 

 あれ、ちょっと待って?

 何でわざわざ男装させる必要があるんですか!

 

「デュノア社では誰が聞いてるか分からないからな。シャルロットに全てを明かすのは不可能だった。しかし女子のまま転校させても、我々の思惑通りに事が運ぶとも思えない」

 

「ならもういっそのことシャルロットを男のフリでもさせて、強制的に織斑くんと接触する機会を作っちゃいましょうって事になった訳ね」

 

 ふんふむ。

 確かにそう言われたら納得できる。

 

 だが、驚くべきはそこじゃない。

 まさに今のこの状況こそが、二人の狙っていた展開に違いない。

 

 つまり、デュノア夫妻は見事に計画を成功させたって訳だ。遠いフランスの地から、こうなるであろうと先を予想して……いやはや、すげぇ慧眼持ってるぜこの二人。

 

「だいぶ話は分かってきました。でもまだ俺は納得できません。もし俺がゲスな男だったらどうするつもりだったんですか? もしかしたら、シャルが弱みに付け込んでヒドイ事をされていたかもしれない。そんな心配を無視して、無茶な賭けをしたんですか?」

 

 おぉ、一夏が静かに燃えている!

 自分は実はただ利用されていただけって事に対してはまるでキレず、そこからさらにシャルの身を案じてキレてみせる。

 

 オラ、見たか聞いたか一組の皆の衆。

 これが一夏なんだよ。

 

 こういうとこなんだよ、俺がコイツに惹かれてるのはな! 少なくともパッと今の台詞は俺には出せんね。

 

 

「そんな訳ないだろうッ!」

「そんな訳ないでしょうッ!」

 

「ぴゃっ!?」

 

 セシリアが驚いた!

 セシリアだけが驚いた!

 

 カワイイ!(ブロリー)

 

「悪い狼に引っ掛かっては元も子もない。しっかりと事前に君の事は調査させてもらった」

 

「幼い頃から友情に厚く、人としての正義を持って日々過ごしている。イケメン。という調査結果が出たわね」

 

「そ、そうでしたか。えっと……突っかかって、すいませんでした」

 

 顔のニヤけが抑えきれてねぇぞ一夏。

 

「なんだ一夏嬉しそうじゃないかよ~」

 

「いやあそんな」(喜色満面)

 

 まぁ褒められたら嬉しいに決まっている。

 俺もそろそろ褒められてぇなぁ俺もなぁ。

 

「世界最強の後ろ盾あり。人格面も問題なし。これならシャルロットを任せても大丈夫だろう……と思いつつも、やはり不安を拭えきれなかったのも事実だ」

 

 まぁ会った事もない男に娘を預けるも同義だもんなぁ。そりゃあ、いくら調査書で問題なしと言われても、親の立場からしたら不安は尽きんだろう。

 

「娘は親の贔屓目無しでも可愛い。フランス一可愛い。親の贔屓目無しでな」

 

「と、父さんってば」

 

 親バカ出しまくってるじゃないか。

 

「そんな折だ。私達の元へ、またもや緊急の一報が届いたのだ。二人目の男性起動者現る、とな」

 

 今度は俺のターンか!

 一夏の流れを鑑みるに、これは俺も褒められますね間違いない。

 

「気を悪くしないでくれ、主車くん。私達は君にまるで興味なかった」

 

「(´・ω・`)」

 

 一夏がしょんぼりするのか(困惑)

 いや俺も内心「おぅふ…」ってなってるけど。そこはお前ポーカーフェイスマスターな俺だし、そんな事言われても何ともないぜ感を出しまくってるぜ!

 

「だが、それも束の間だ。次のニュースで、織斑先生が君を家族同然だと言い放っていたのだからな」

 

 ああ、あったなそんな事も。

 それで俺は変態糞土方の声明文を出したんだっけ。あれ、そうだっけ? ああ、いや違うわ。『かかって来いよ』的なヤツを言ったんだ確か。

 

「主車くんにもブリュンヒルデが背後に控えている。なら当然、主車くんの事も調べさせてもらったのだけれど……うん。まぁ、調査内容は別に言わなくてもいいわよね。言わないわよ。言う必要ないし」

 

 やめてよね。

 そんな『お前が一番分かってんだろ、ウンコみてぇな内容だって事はよ。察せよオイ』みたいな顔して言うのは。分かってたけど、分かっていても泣きたくなっちゃう。

 

 

【内容を聞く】

【自重する】

 

 

 自重するに決まってんだろ!

 内容なんかお前に言われんでも分かっとる!(憤怒)

 

 

「まぁそういう経緯もあり、私達はシャルロットをIS学園に行かせたのだ。シャルロットにスパイとしての進捗報告というテイで私に電話させていたのは、身の安全の確認のためだった」

 

「日々の出来事を少しでも多く聞いておかないと、私もアルベールもソワソワしゃってねぇ」

 

 なるほど。

 だから毎日電話させていたのか。

 これでまた謎が一つ解けたな。謎が解ける=話が進んでいる。いい感じで展開が進んでますよぉ(安堵)

 

「娘との電話では、主に織斑くんと主車くんの話を聞かせてもらっていた。そして、新たな事実が発覚したのだ…! 親としての不安を吹き飛ばす素晴らしい事実が!」

 

 ナズェオレダケミテルンディス!!

 

 一夏と交互に見てくれよ! 

 もう嫌な予感しかしないよぉ!

 

「主車くんには昨夜の電話でも聞いたが……そうだな、一応織斑くんにも聞いておこうか」

 

 あっ(察し)

 

「何ですか?」

 

「君の恋愛対象は女か? 男か?」

 

 やっぱりな♂

 

「女ですよ何言ってんですか」

 

「まぁそうだろうな」

「まぁそうよねぇ」

 

 何でこの夫婦は少し残念そうなんですかね。

 

「ふーん」

「ちっ」

「はー、つっかえ」

「まぁノンケが染まっていくのもアリだしね」

「むしろそっちの方が萌える。萌えない?」

 

 何で女子共はここぞとばかり不満感を出してるんですかね。

 

「では主車くんだ。改めてもう一度聞かせてくれ。君が好きなのは男か? それとも、もしや女なのか?」

 

 何で俺の時はニュアンスを変えてくるんですかね。

 そんな風に聞かれても、何か期待に満ちた数十の視線も感じるけど、普通に女にしか興味ないから。普通に言わせてもらうわ。

 

 

【俺は男だよ!!(カミーユ)】

【答える必要はない(花京院)】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 誤用してんじゃねぇぞ【上】コラァッ!! そういう意味でカミーユは言ってないだろぉ! 誤用してなくても【下】も普通に嫌なんだぞコラァッ!!

 

「答える必要はない」(げっそり)

 

 断言してないだけマシだと思おう。

 それでも俺のメンタルはボトボトダァ…。

 

「……うむ!!!!!」

「そうよねぇ! やっぱりよぉ!!」

 

 クソ夫婦があからさまに喜んでんじゃねぇぞア゛ぁン!? ダンナと嫁で喜びの内容が違う気もするぞコラァッ!!

 

「ふーん。やるじゃん」

「ああ^~」

「そんな曖昧に言われたってさぁ(ニヤニヤ)」

「これは薄い本がカピカピになってしまいますなぁ」

「主車くんは女子校に降り立った†堕天使†」

「乙女心を解する男子の鑑」

 

 いや~、キツいっす(素)

 人生最大の高評価を受けてるっぽいのに、まるで嬉しくないです。当たり前だよなぁ?

 

「主車くん!」

 

 なんだウンコ親父……あ、ちょ、ナニしてんの!? 何で土下座してんの!?

 

「手前勝手なお願いだとは重々承知している! それでも君に頼みたいのだ! 君しかいないのだ! シャルロットをどうか守ってくれまいか!」

 

 そんな土下座されたってさぁ。

 君しかいないってお前、要はアレだろ?

 

 『コイツはクッソ強い上に、クッソ強いブリュンヒルデも味方につけてる上に、ホモやしシャルロットが襲われる心配もないやんけ!』って事だろ?

 

 うーんこの。

 改めて文字で表してみるとヒドイなこれ。手前勝手にも程があんだろマジで。

 

 それに俺は一夏ほどデカい器じゃないし。基本的に欲望と打算で生活してるマンだからなぁ。

 いやまぁ、みんなが見てる前なのに、恥も外聞も捨てて土下座までして懇願されたら、俺の良心もフルボッコ状態なのは間違いないんだけどさ。

 

 でもほら、基本的に俺って小者じゃん?

 小者は小者らしく見返りを求める訳。分かる?

 

 友情は見返りを求めない。

 俺がそう思える対象ってのは限られる。この場だと一夏、千冬さん、箒、鈴、セシリアくらいか。他の連中はまだまだ付き合いが浅いから知らん。

 

 シャルに限っては出会って1週間程度だっての。そんな奴をだな、俺をホモだと勘違いしていた奴をだな、俺が無償で助けると思うなかれ! 思う事なかれ!

 

 

【シャルロットを貰う。報酬的な意味で】

【シャルロットと盃を交わす。仁義的な意味で】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 貰うってお前それ『娘さんを僕にください!』的なヤツだろぉ! 誰がそこまでデカい見返り求めてんだよ! 発想がゲスすぎるんだよこのヤロウ! 報酬は報酬でも、もっとこう、なんか……あるだろ!?

 

 もうやだ【下】も負けじと意味不明だしよぉ! 盃を交わす(仁義)ってお前それもう完全に極道のノリだろぉ! 

 

 でも【下】しか選べないよぉ! 

 【上】は無理だよぉ! 

 ゲス野郎だとみんなに思われちゃうのは嫌だよぉ!

 

 ああ、もう……腹ァ括るしかないんやなって(諦め)

 やるからには中途半端は無しだ。

 

 これは見返りを求めた俺への罰なのだ。

 ならせめて粋な男を演じてやるのだ!

 

「シャル」

 

「な、なに?」

 

「俺と盃を交わせ」

 

「???」

 

「言っておくが三々九度の方じゃねぇからな」

 

「さんさん…?」

 

 コレはちゃんと言っておかないとね。

 日本に馴染みのない奴は分からんだろうが、結婚的な意味でも盃を交わすってあるからね。俺が今から言うのはソッチじゃなくてコッチ。

 

「親父さんの土下座など最初から不要。何故なら、俺は既にお前を守る気でしかいないからな。たとえ相手が世界だろうと…!」

 

 粋スギィ!(自画自賛)

 

「盃を交わして兄弟の契りとする。お前は今日から俺の兄弟分だ。兄弟は死んでも裏切らねぇ。何が在ろうと必ず守ってやる。お前と盃を交わすのが俺の覚悟だ」

 

「せ、旋焚玖……僕なんかのために、そこまでしてくれるの…?」

 

 というのを4代目から聞いたんだ!

 今度はポケサーを教えてくれるらしいんだ!

 楽しみなんだ! 

 

 でもシャルは女だし兄弟ってのは違うよな?

 姉弟か兄妹か。後で誕生日聞いておくかな。

 

「アルベールさん達はフランスに帰ったら、デュノア・グループ内に大きく触れ回ってください。ブリュンヒルデな織斑千冬と家族同然の付き合いをしている主車家と家族関係になった、と」

 

 とか言いつつ、母さんと父さんをチラリ。

 シャルと兄弟分になったら、母さん達にも何かしらの影響が出てしまうかもしれん。というか出るだろ普通に。意味合いは違っても、デュノア家と家族関係になったんだし。

 

 

「異議なし!」

「異議なし!」

 

 

 ウチの両親に異議はなかった!

 

 

「むしろハッキリ言ってやればいい。シャルロットを脅かす者はブリュンヒルデを敵に回す事になる、とな」

 

 おお、千冬さんからもナイスなアシストが飛びこんできたぜ!

 

「いいんですか、千冬さん?」

 

「旋焚玖が判断したのだ。私に反対する気はない。それに旋焚玖と盃を交わせば、シャルロット・デュノアは私にとっても文字通り義理の妹にあたるからな。守ってやるさ」

 

 文字通りではないと思うんですけど。

 疑似的な意味合いだと思うんですけど。

 

「えーと、えーっと……シャルは旋焚玖の兄弟で、千冬姉の義妹って事は俺だとどういう関係になるんだ?」

 

「そうだな、親戚くらいの感覚でいいんじゃないか? 小難しく考える必要もないだろ」

 

「それもそうか。……よし! ならもうさ、千冬姉の肩書だけじゃなくて、俺と旋焚玖の肩書も付け加えちまおうぜ! シャルを狙う奴らをビビらせるのが目的なんだし」

 

 なるほど、それは良い案だ。

 

『シャルロットを脅かす者は、ブリュンヒルデと男性IS起動者2人を敵に回す事になる』

 

 こんな感じか?

 

「そこへ更に上乗せをするのも一興じゃないか? 私の肩書も乗せてくれ」

 

 名乗り出たのは箒だった!

 確かに箒の肩書はすげぇ倍プッシュになるぜ!

 

「他国の専用機持ちも加担したら現実味も増すわよねぇ?」

 

 更に鈴が倍プッシュだ!

 

「イギリスの専用機持ちが加われば、本気度も伺えますわよ?」

 

 更にセシリアが倍プッシュだ!

 

「当然、私もご一緒させてもらいますから」

 

 更にヴィシュヌが倍プッシュだ!

 

「でゅっちぃを~、守りたいとぉ~……思わないか~!」

 

「「「「 おー! 」」」」

 

 更に布仏ののんびりした号令のもと、1組全員が倍プッシュだ!

 

『私も参加させてもらいますよ~!』

 

 廊下の窓をカキカキする山田先生でファイナルプッシュだ! 

 

 つまりまとめるとどういう事だ!?

 こういう事だ!

 

 

『シャルロットを脅かす者は、ブリュンヒルデと男性IS起動者2人と篠ノ之博士の妹と中国とイギリスとタイの専用機持ちな代表候補生とIS学園1年1組全員と副担任を敵に回す事になる』

 

 

 これは強い(確信)

 なんかもう色んな意味で怖い(確信)

 

 こんな面々がバックについてたら、流石に相手しようなんて思わんだろ。どこの自殺願望者だって話だ。

 

「どうですか、アルベールさん、ロゼンタさん。これが俺たちの答えですよ」

 

「……ありがとう。恩に着る。さっそくデュノア社に帰って、大々的に広めさせてもらおうと思う」

 

「シャルロットをどうか、よろしくお願いしますわね」

 

 終わりよければ全て良し。

 右往左往しまくったが、何とか終着させられたんじゃないか?

 

 しかし、ここですぐに2人を帰すのは二流のする事よ。俺ほどの男になるとアフターフォローもバッチリさ。

 

「急いて帰る必要もないでしょう? シャルとの間にあった溝を埋めてからでも良いんじゃないですか?」

 

「旋焚玖…?」

 

「お前もだ、シャル。此処には刺客も居ない。わだかまりも、もうないだろう? フランスと日本は簡単に会える距離じゃないんだ。なら、今日一日くらい家族でゆっくり過ごせ」

 

 粋スギィ!(自画自賛)

 

「旋焚玖……うんっ!」

 

「主車くん…!」(ホモなのがもったいないような気がしてきた)

「主車くん…!」(シャルロットの魅力でいつかノンケになるわよ)

 

 フッ……やはり感謝の視線は気持ちがいい!

 俺も頭ひねった甲斐あったってなモンよ。

 

「そうですね。でしたら、今夜はシャルロットの部屋にお二人はお泊りください。一夏は旋焚玖の部屋で良いだろう?」

 

「おう!」

 

 まぁそれが妥当だな。

 夜通しゼノバース2しようぜ!

 

「ちなみに旋焚玖はこれからシャルの事を何て呼ぶんだ? ほら、俺だと千冬姉は千冬姉って呼んでるし」

 

 いや別にそのままシャルでいいだろ。

 

 

【シャルお姉様】

【兄弟】

【シャルたんprpr】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 

「……兄弟」

 

 女なのに兄弟と呼ぶのか(げっそり)

 いや、別に呼び方は間違ってないんだけどね。漢字がおかしくない?

 

「ふーん、そか。じゃあ、シャルには何て呼ばせるんだ?」

 

 

【旋焚玖お兄様】

【兄弟】

【旋焚玖にぃに】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 

「……兄弟」

 

 女なのに兄弟と呼ばせるのか(げっそり)

 いや、別に呼ばせ方は間違ってないんだけどね。漢字がおかしくない?

 

 

 まぁいっか(思考放棄)

 

 





兄弟呼びが決まったのでシャル編完結です。
シャル編は長すぎたので反省した作者はラウラ編を後書きで済ませます。


ラウラ:貴様があの人の弟であるなど認めるものかパンチ!

一夏:(´・ω・`)

旋焚玖:俺のダチに何やってるパンチ!

ラウラ:うわぁ~!?パンチの威力が凄すぎてドイツまで吹っ飛んでしまう~!?

旋焚玖:やったぜ。

一夏:(`・ω・´)


ラウラ編完!
反省した作者は出来る子(*´ω`*)
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