前回のおさらい。
旋焚玖のしゅごさに一夏感極まって抱き着く。
以上。
旋焚玖「いやーもう十分だ。十分堪能したよ」(満身創痍)
一夏「いえいえまだですよ、これからですよ」
旋焚玖「くそぉ…」
旋焚玖が無抵抗なのをいい事に、抱擁を繰り返す一夏(語弊)
そんな光景を視界に収めつつ、恋する乙女達は密談っていた。毎度お馴染み箒・セシリア・鈴の3人トリオである。
「ねぇ……アンタ達、旋焚玖に抱きついた事ある?」
「あるわけないだろ」
「わたくしもありませんわ。まぁ上に乗られた事はありますけど」(セシリアのプチ自慢)
「む……まぁアタシは結構長い時間お姫様抱っこされた事あるけどね」(鈴の対抗プチ自慢)
「フッ……私は旋焚玖とキッスしたけどな」(満を持して箒の対抗誇張自慢)
「はああああああ!?」
「嘘ですわ! 絶対嘘ですわ!」
「あはははは!ってアホか! なにアンタ一夏の真似する箒の真似してんのよ!?」
「まぁ正確には間接キッスだがな。それでもキッスには変わりあるまい?」
「そうですわね。確かにそれはキッスですわ」
「というかキッスって言うのヤメない? 何かむず痒いんだけど」
「ふふふ。まぁ何にせよ、だ。今のところ一夏と千冬さんを除いたら、全人類で私が最も旋焚玖と良い感じな関係であると自負している。最近は一緒に居る事も多いしな!」
これは事実である。
入学して以来、何故かいまいち存在感が薄れていた箒だが、ここにきて怒涛の巻き返しに成功したのである。これには箒もニッコリどころかガッツポーズだった。
「ちょっと待った~!」
ちょっと待ったコールだ!
乙女式日中英同盟密談にまさかの第三者の刺客…!?
「今のって兄弟の話だよね? なら僕を忘れてもらっちゃ困るな」
「む……シャルロット…?」
「な、なによ。あたし達はただ旋焚玖が好きなスキモノ同士で話してるだけで」
「誤魔化しているように見せかけて、実は全く誤魔化せてないですわよ鈴さん」
「だーからだよっ♪ 僕も旋焚玖が好きだから問題ないでしょ?」
シャルロットも旋焚玖が好きなので問題なかった!
「はぁぁぁぁッ!?」
「うそだゾ絶対うそだゾ!」
「あはははは!って本家コラァッ!! 笑わすなツってんでしょうがア箒コラァッ!!」
「まぁまぁ鈴さんも落ち着きましょう。そして冗談はおよしなさいな、シャルロットさん。貴女のような可憐な美少女にフツメンの旋焚玖さんは釣り合いませんわよ?」
「そ、そうだぞシャルロット! せっかくの美女っぷりが泣くぞ!?」
「そうよそうよ! 普男美女とかアンバランスだと思わない!?」
「みんなブーメランって知ってる? まぁいいけど。兄弟は顔とかじゃないの。まぁあえて言うなら兄弟の顔は全然全くこれっぽっちもタイプじゃないんだけどね」
あえて言うならシャルロットは旋焚玖の顔は全然全くこれっぽっちもタイプではなかった!
「でもあんな事されたら、いくら兄弟がフツメンでも惚れちゃうでしょ?」(※ 全体的にシャルロット編を参照)
「「「 むむむ 」」」
「それにね、僕が男装スパイだってバレたあの夜、織斑先生が旋焚玖にね、『たった一人のために、多くを敵に回すつもりか』って聞いたの。じゃあね、じゃあね、旋焚玖は『それでシャルが助かるなら安いモンだろう』って即答してくれたんだ。むりむり、こんなの絶対惚れるって。一瞬、旋焚玖がイケメンに見えたもん」
「ふぅん……まぁ、世界一の動体視力の持ち主が見逃す程の一瞬だろうけどね」
「「「「 HAHAHAHA! 」」」」
(えぇ……なにこの会話)
この時たまたま近くに居て、全部聞いていた清香はツっこもうかと思ったが、何やら嫌な予感がしたので沈黙を貫く事に。そして目の前の4人が共鳴させている謎感覚がホントに謎なので、そのうち清香は考えるのをやめた。
◇
チカレタ。
やっと解放されたでござる。
そして切り替えていく。
抱擁とかどうでもいいのさ。
ここでの焦点は、ボーデヴィッヒと一夏の間にあった禍根が一応でも無くなったという点にある。
ならばあとは仲良くなるだけである!
馴れ合いおおいに結構! いまどき孤高とか流行らねぇよなぁ? 華の高校生らしくベタベタに馴れ合って互いを高め合っていこうずぇ!
「謝罪も済んだし、織斑一夏……私と戦え!」
何言ってだコイツ(ン抜き言葉)
え、もう戦う理由なくないですか?
もしかしてアレですか?
単純に手合わせがしたい的なアレですか?
そこに何ら敵意とかは無く?
それだったら俺も別に止める必要はない。
戦った後はガッチリ握手で締めるとか青春やん?
「イヤだ。理由がねぇよ」
まぁ一夏は好戦的なタイプじゃないからなぁ。挑発されても普通に受け流せる奴だし。一夏的に言えば、納得のいく理由があって初めて引き受けるって感じだろう。
「貴様にはなくても私にはある」
【俺にもある】
【俺にはない】
少なくとも俺にはないんだよなぁ。
というか俺の意見は今は関係ないと思うんですけど(名指摘)
「俺にはない」
「旋焚玖がそこまで言うならやっぱり戦えないな!」
俺はそこまで言ってねぇよ。
お前の判定やっぱりガバガバじゃねぇか(呆れ)
「とりあえず理由を話してみたらどうだ、ボーデヴィッヒ。急に戦えとか言われて了承する奴なんざ中々居ないぞ。ここは学校だしな」
「む……いいだろう、ならば話してやる。私はずっと強く、凛々しく、堂々としている教官に憧れているのだ」
まぁた千冬さん絡みか。
そして何やら嫌な予感がする。
コイツ変な事言いそう(予感)
「しかし教官が貴様の事を話す時は、一転して雰囲気が変わるのだ! 何やら優しい表情になるのだ!」
やっぱりシスコンなんですねぇ(ほっこり)
まぁガキの頃から付き合いのある俺からしたら、そんなモン今更すぎる話だけどな。んで、それを聞いた一夏はというと。
「何だ一夏嬉しそうじゃねぇかよ~」
「いや~そんなこと」(てれりこてれりこ)
頬がにやけてる、はっきり分かんだね。
まぁ姉弟なんだ、仲良くてナンボだろ。しかし、それがボーデヴィッヒの戦いたい理由に繋がるとは思えんが……うむむ?
「そんなの私が憧れる教官ではない! 断じてぬぁい! だから私は貴様を許せん! 教官にそんな表情をさせる存在など! そんな風に教官を変えてしまう弟など! 私は認めるわけにはいかんのだ!」
「(´・ω・`)?」
何言ってだコイツ(ン抜き言葉)
やっぱり変な事だったじゃないか(予感的中)
そりゃあ一夏も(´・ω・`)に?マークが付加されるわ。まぁでも、その感情はきっとアレだろ。
「つまりボーデヴィッヒは一夏に嫉妬してるんだな?」
私はそんな風に思われた事ないのにぃ!的な感じで
「え、そうなのか?」
そうだよ(便乗)
回りくどい言い方なんで分かりにくいが、実のところ本音は『一夏だけズルいぞ!』的な感じでプンスカしてんじゃね?
「ち、違う! 私にそんな感情は持ち合わせていない! 私は教官にパーフェクトな存在であってほしいがために一夏を潰さねばならんのだ!」
えぇ~、本当でござるかぁ?
人間誰しも嫉妬する生き物だろ。
別にそれは恥ずかしい事じゃない。むしろ『嫉妬』が原因で一夏を叩きのめしたいって言われた方がまだ納得するわ。不純かどうかはさておき、理由も成立してるしな。
「まぁとりあえず理由は分かった。で、一夏どうする?」
「う~ん……旋焚玖の言う通り、ボーデヴィッヒさんの気持ちは分かったけど、俺も今は特訓中だしなぁ」
どうやら一夏は乗り気じゃないらしい。まぁお互い専用機持ちだし、手合わせならいつでも出来る身だしな。今すぐしなきゃいけないって事もないだろう。
何だったら今月のトーナメント戦で勝負するって方が、ドラマチックでいいんじゃないか?
「えぇい、勝手に納得するな! こうなったら戦わざるを得ないようにしてやる!」
げげ。
プンスカなボーデヴィッヒさん、我慢できずにISまで展開しだしましたよ。やっぱ(戦うの)好きなんすねぇ(げっそり)
【ラウラより先に一夏をシバき倒す】
【一夏の前に立ち塞がる】
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
フザけんなお前!
こんなモンお前どっち選んでも矛先は俺に向くじゃねぇか! でも【上】はみんなに『はぁ?』って思われる事間違いなしだし、【下】しかないんだよぉ!
お前これで俺が撃たれて死んだら絶対生き返るからな! 分かってんのかこのウンコ女神!
そして時は動き出す(震え声)
「「「「「 超スピード!? 」」」」」
「せ、旋焚玖! 危ねぇって!」
分かってるわアホ!
お前ボーデヴィッヒ撃つなよ絶対撃つなよ!?
「主車旋焚玖……どういうつもりだ」
「焦んなよ。別に今すぐ闘る必要はないだろう?」
分かってんな?
分かってるよな?
僕は今生身ですッ!!
こんな状態で撃たれたら死んじゃいます! いくら戦闘キチなボーデヴィッヒさんでも、流石にそこの分別は心得てますよね心得て候!
「甘いな、主車旋焚玖。私は長年この時を待っていたのだ。織斑一夏を叩き潰し、教官を取り戻すチャンスを前に、みすみす逃す私ではない」
「まぁまぁ落ち着きませうやボーデヴィッヒさん」
「な、なんだ急に、気持ち悪いな」
ノルマ達成!
「しかし織斑一夏の前にお前と手合わせするのも悪くはないな」
「何言ってだお前」(思わず声に出たン抜き言葉)
「は?」
「気にするな」
「フッ……それは生身で私を圧倒したが故の呟きか」
何言ってだコイツ(ン抜き言葉)
いやマジで。
「お前の身体能力は確かに目を見張るモノがある。だが私の部隊はISを使用する特殊部隊だからな」(ISでの技量はどれ程のモノか。遅かれ早かれ計ろうと思っていたし丁度いい)
いや『だから』の意味が分かんねぇよ。
だから何だって言うんですか!
「織斑一夏の前に立ち塞がるのならそれでいい! さぁ主車旋焚玖、お前もISを出すがいい。日本政府直々に『棄権せよ』と命じられるお前の事だ。もはや専用機を持っていない事などあるまい?」
ないんだな、それが(栃木)
「(´・ω・`)」
お前がしょんぼりするのか(困惑)
まぁ一夏は俺が専用機を与えられんどころか、普通にウンコ適性なの知ってるしなぁ。というかこのメンツで知らんのボーデヴィッヒだけやんけ。
みんなで俺を庇ってもいいのよ?(期待)
【自分のヘボさを説明する。大粒の涙を流しながら。あと鼻水と耳水も】
【強がる事が漢の矜持。静かに微笑んでみせる】
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
普通に説明させてよぉ!
泣きながら説明とか果てしなくみっともないだろぉ! 自分の境遇に不満たらたらボーイじゃねぇかアホか! なぁぁにが耳水だつん子かお前!(なんかのさなぎ)
俺は【下】を選ぶぞオイ!
だからみんなで俺を庇っていいのよ庇ってくださいオナシャス!(懇願)
「フッ……さて、な」(震え声)
「ほう……興味深い返答だ。しかし、ここで私がお前に向けてレールカノンをブッ放せばどうなるかな?」(とはいえ流石の私も生身に撃つなどせんがな。どうしたものか……)
え、なにその物騒な兵器名は(恐怖)
そんなの喰らったら死んじゃうと思うんですけど(凡推理)
「まさか本当に撃つ気じゃないだろうね? 仮にそうなら僕も黙ってらんないなぁ」
しゃ、シャルの兄弟…!
一夏の前に立ち塞がる俺の前に兄弟が立ち塞がってくれた!
兄弟最高や!
ホモ疑惑なんて最初からいらんかったんや!
もう惚れるぞオイ!
「ふん。フランスの第二世代機ごときで私の前に立ち塞がるとはな」
「関係ないね。兄弟の敵は僕の敵ってだけだよ」
「兄弟だと? 貴様も私を苛つかせるつもりか?」
うむむ。
どうやらボーデヴィッヒに姉弟やら兄弟やらはタブーらしい。
しかしこれはこれで良くない展開じゃないか? このままじゃ兄弟とボーデヴィッヒが戦う事になってしまうもん。や、やめて俺のために争わないで!(ヒロイン宣言)
「ハネっ返りなドイツ候補生の実力はどんなモンなのかしら?」
八重歯を剥き出しに好戦的に笑う鈴が、一夏の前に立ち塞がる俺の前に立ち塞がる兄弟の前に立ち塞がった!
「お待ちなさいな、鈴さん。ここはわたくしが優雅にお相手する場面でしてよ?」
淑女オーラをプンプンに、セシリアが一夏の前に立ち塞がる俺の前に立ち塞がる兄弟の前に立ち塞がる鈴の前に立ち塞がった!
いやなんだこれ(困惑)
何で俺達整列してんの?
何とも意味不明な流れが出来上がってしまったな。そして残るは一緒に此処まで来た乱と箒だが……乱は空気察知能力高いからなぁ。
「はいはいはーい! 先輩方の出番はまだだよ~っ! ここは若輩者のアタシから勝負だ!」
やっぱりな♂
嬉々として乱が、一夏の前に立ち塞がる俺の前に立ち塞がる兄弟の前に立ち塞がる鈴の前に立ち塞がるセシリアの前に立ち塞がった!……はふぅ(プチ息切れ)
そして全員(ボーデヴィッヒを除く)の視線が箒に集まる。
「うっ…!」
当たり前だよなぁ?
そしてご愁傷様です。
箒はこういうの苦手だろうし。
だがここは、やってもらわんと困る。何故なら俺はこの雰囲気を、茶番で有耶無耶にしたいからだ!
「えっと、えっと……わ、私は専用機を持ってないから、撃たれたら確実に死んじゃうけど、それでもお前の前にた、立ち塞がるぞ~」(赤面)
カワイイ!(ブロリー)
そして並んだな、俺達の前に!
すぅ~~~~………イクゾォー!!
「明らかに照れた箒が一夏の前に立ち塞がる俺の前に立ち塞がる兄弟の前に立ち塞がる鈴の前に立ち塞がるセシリアの前に立ち塞がる乱の前に立ち塞がったァッ!!」(無呼吸言霊)
やったぜ!
呼吸乱さず噛まずに言い切ったぜ!
「す、すげぇぜ旋焚玖! よく言いきれたな!」
「フッ……」
大トリだし、多少はね?
それに俺だって目的も無く言った訳じゃない。
ほら、ボーデヴィッヒの様子を見ろよ見ろよ。
「くっ……な、何なんだお前は…! そして何なんだ貴様らのその謎の団結力は…!」
成し遂げたぜ。
シリアスな雰囲気をブッ壊すには茶番が一番だって、それ一番言われてるから。この意味不明な空気の中で、まだ自分を曲げず闘おうと言うのかね、ボーデヴィッヒよ。
というか生身の箒が先頭に立った時点で、その選択肢は無いだろ。あったら困るわ。あったら流石に俺も動くわ。
「そこの生徒達! 何をやっ……何で整列してるの?」
突然アリーナにスピーカーからの声が響く。どうやら騒ぎを聞きつけてやって来た担当の教師らしい。
「……ふん。今日は引こう」
興を削いでくれたか。
ボーデヴィッヒが戦闘態勢を解除してくれたぜ。
そしてそのまま俺達に背を向けて、アリーナゲートへと去って行く。
【あ、待ってくださいよ!】
【背中がガラ空きだぜキック!】
そんな事したら先生に怒られるだろ!
「あ、待ってくださいよ!」
「む……なんだ?」
「理由は無いけど俺も付いて行く」
「……好きにしろ」
お、ピッコロか?
「魔貫光殺砲」
「は?」
「気にするな」
「いや気にするだろ。何だそれは、教えろ」
ああ、そういやそうだった。
コイツには思い付きで話したらいけなかったんだ。
「とりあえず山田先生に聞きに行くか?」
「ふむ。山田教諭に聞くリストも溜まっていたし、良いだろう」
という訳で俺とボーデヴィッヒは、山田先生の元で知識を増やすのだった! 当然、乱と箒も一緒に来てもらったのだ!
原作沿いの描写いいぞ~(*´ω`*)