選択肢に抗えない   作:さいしん

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旋焚玖は出ない、というお話。



第149話 タッグパートナー

 

 

「あ、そうだ、千冬姉!」

 

「ん?」

 

「旋焚玖もトーナメントに出られるぜ!」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 ボーデヴィッヒ問題もこれにて閉廷!終わり!とか思った矢先に、なに爆弾投下してくれてんの? そんな声高に言ってもダメなモンはダメなんじゃい!

 

「何を言い出すかと思えば。お前も旋焚玖が出場を認められない本当の理由は知っているだろうが」

 

 そうだそうだ!

 俺に夢見る少年に熱い正論をブチかましてやってくださいよ、千冬さん! 

 

「むぅ…? 本当の理由…? ふつめんは常軌を逸脱しすぎる強さ故に、トーナメントの参加を控えるのではないのですか?」(※ 第129話参照)

 

 いい記憶力してんねぇ!

 道理でねぇ!

 

 そんでもって、真実を知らん奴が聞いたら、やっぱそんな感じの解釈になるよなぁ。まぁ日本政府も、わざとそういうニュアンスを含んだ言い方をしてるんだろうけど。

 

 日本が誇る貴重な男性起動者の片割れが、実はその場から動けないクソ雑魚ナメクジでした!なんて公表しちまったら、世界中から嘲笑の嵐待ったなしだもんな。嗤われるのは主に俺なんだけどね。

 

 起動してからも、ちゃんとアフターフォローしてくれる日本政府のお偉いさん大しゅき♥

 

「ふむ……どうするか、旋焚玖?」

 

「あ、いいっすよ」

 

 ボーデヴィッヒが専用機持ちな時点で、どうせすぐにバレるだろうしな。一夏との確執がなくなった今、むしろボーデヴィッヒには明かしたくなったぜ。可愛いし。

 

「では私から簡単にだが説明しよう。コイツはな、ISを展開したら動けんのだ」

 

「へ? う、動けない…ですか? それってどういう……」

 

「言葉通りだ。その場から一歩も動けなくなる」

 

 う、動こうと思えば動けるんだけどね。

 言ってもカッコ悪い弁護っていうか、たんなる強がり臭ぷんぷんだから言わんけど。

 

 

【動けるもん!!(強がり)】

【動こうと思えば(強がり)】

 

 

 言わせる方向で進めないでよぉ!

 言いたくないから言わんって言ってんの! 僕の心の声をちゃんと聞いてよぉ! というか言い方が違うだけで、結局どっちも強がりなんじゃねぇかこのバカ!

 

 じゃあどっちを選ぶのが正解なんですか!

 発言者な俺へのダメージが少ないほうがいいです! それでどっちが少ないんだこのヤロウ! 

 

 『もん!!』とか可愛いコぶってる時点で【上】はない。と考えるのは3流のやる事よ。確かに【上】に比べて【下】は言い方はまだ普通だが、それだけに『ガチ』感が漂っているとは思わないかね? 

 冗談っぽさが無い分、言われた側からすれば掛ける言葉に悩むってなモンだ。そして展開が停滞する未来が見えますねぇ!

 その点、【上】だとキモいの一言で済ませられるからな。しかも此処には俺をキモいと言う事に定評のあるボーデヴィッヒも居るし、パパパッとやってハイ終わり!って感じでいけるぜ! 

 

 という訳で。

 

「動けるもん!!」

 

「な、なんだ急に、気持ち悪いな」

 

 はい読み通り!

 綺麗にオチたし話進めよー…ん?

 

「は?」(威圧)

 

「ヒェッ…!?」

 

 千冬さんが超スピードでボーデヴィッヒの眼前に詰め寄ったなう。割とマジで恐ろしく疾い移動…というより、むしろ転移だな。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね(ドヤァ)

 

「は?」(強圧)

 

「え、えっと、あ…あっと、その……あぅ…」

 

 どうやらボーデヴィッヒは、しょんぼりする余裕すらないレベルで、千冬さんの壱文字問答に圧迫されてるらしい。俺の事とはいえ、そこまでマジに怒らなくても……と思ったが、よく考えたらボーデヴィッヒのさっきの言葉は普通に悪口に部類されるモンだったわ。言い慣れてる俺は別として、思春期な少年の心を傷つけるには十分な代物よ。

 

 つまり千冬さんの行動に非は非ず! むしろ生徒が生徒に悪口を言ったら本気で怒れる千冬さんは教師の鑑である!

 

「は?」(暴圧)

 

「う……え、えっと……ふつめん、すまなかった」

 

 千冬さんのトリプル圧に屈したボーデヴィッヒが、俺へと頭を下げてきたでござる。しかしアレだな、ボーデヴィッヒもよく一文字だけで、千冬さんの言いたい事を理解できたもんだ。

 ペッシ風に言うと『言葉』ではなく『一文字』で理解できた!ってヤツだな。そんな功労賞なボーデヴィッヒへの返答など既に決まっている。

 

「気にするな」

 

 魔法の言葉『気にするな』よ。

 汎用性が高くて本当に助かります。

 

「なら気にしないでおくぞ!」

 

 いやそこは気にしろよ。

 そういうトコで無垢な素直さ発揮しなくていいから。まぁ言い方が可愛いし顔も可愛いから良しとしといてやろう。俺が面食いで助かったな!

 

「でも旋焚玖の言い分ももっともだぜ! 旋焚玖は移動が出来ないだけで上半身は動くんだからな! だから動けないって言われるのは心外なんだぜ!」

 

 フッ……今日も一夏の熱いフォローが輝きを見せるぜ。でもなんか余計みじめな気持ちになるからヤメて差し上げろ。

 

「むぅ……それは本当なのか、ふつめん?」

 

 

【嘘です! すべて嘘です!(トランクス)】

【そうだよ】

 

 

 お前【上】が言いたくなっただけちゃうんか。

 それはそれとして、嘘じゃないし本当なんだよなぁ。

 

「そうだよ。そんな俺が出ても恥を晒すのは目に見えてるから、きっと政府も出場させない措置を取ってくれたんだろうよ」

 

 日本政府大しゅき♥(2度目)

 

「……むぅ」(上半身が動いたところで移動が出来ぬのであれば、さすがに我が部隊へスカウトするのは難しい……。身体能力がしゅごいだけに惜しい…! 実に惜しいぞ、ふつめん!)

 

 おや、落胆の色が見えますな。

 そりゃそうだ。なんぼ世界で貴重な男性起動者だツっても、その場から動けねぇんじゃ活動のしようがないからな。動かねぇ男はただの男だ(ポルコ意識)

 

 対人関係において、強さで手のひらのモーターを変える事に定評のあるボーデヴィッヒからしたら、期待してた分落差も大きいだろう。

 

 これは好感度ダダ下がり待ったなしですね、間違いない。もう無理やり【たけし】動かしちまうか?

 

 

≪ (>'A`)>ウワァァ!! ≫

 

 

「うわははははは!」

 

「うわビックリした!? ど、どうしたんだよ旋焚玖!?」

 

「気にするな」

 

 たけしお前自己主張激しいんだよ! 何でアリーナの隅っこにいて、しかも相川に乗られてんのに俺の心の声を嗅ぎ取ってんだよ! 

 まったく、以心伝心にも程があるだろ…っていうかこんなにも仲良しなのに、どうして下半身が動いてくれないのか。やっぱ男ってのが何か引っかかってんのかね。

 

「まぁでも旋焚玖が高笑いするのも分かるけどな!」

 

 いや何でだよ。

 実はお前も【たけし】が視えてる系男子なんか?

 

「旋焚玖は動けなくても超強いからな!」

 

 うん、超強いって表現の仕方よ。

 何でお前は俺が絡んだら語彙力の低下を引き起こすんだ。お前も織斑家の一族を自負してんなら、大人な語彙のまま俺を過大評価せしめる千冬さんを見習わにゃいかんとちゃうんか?……とか一瞬思ったけど、別に見習わなくていいヤツだったわ。

 

「むむっ!? ふつめんはISに乗っても超強いのか!? 移動ができないのに!?」

 

 う、うわぁ……すごい食いつきだぁ(プチ引き)

 お前転校してきて以来、一番の食いつきっぷりじゃねぇか。それくらい俺を嫌いたくないんですね、分かります。俺はもう惚れてるぞオイ!

 

「おう! 旋焚玖はな、俺たちがどれだけ果敢に攻めても墜とせねぇ超難攻不落の超要塞なんだぜ! 超すげぇよ!」

 

 超超うるせぇな!

 超以外で度合いを表せねぇのかお前は! お前もしかして俺を讃える時限定で語彙力を失う呪いにでも罹ってんのか?

 

「フッ……まぁな」(ドヤァ)

 

 いや何で千冬さんが頷くんですか(困惑)

 

 とはいえ一夏も別に嘘は言ってない。

 確かに俺は(前方限定で)超難攻不落の超要塞で超すげぇよ。

 

「ほう…! それは果てしなく興味が尽きぬな!」

 

 お前もわざわざ千冬さんっぽい反応見せなくていいから。弟子は師匠に似るってホントなんだなぁ。しかし、これは試合を挑まれる流れですね。みんなが観てる前じゃ絶対に嫌ですよ。動けないのがバレてバカにされちゃうからね。故に先手を打つべし!

 

「なら夜にアリーナに来るといいさ」

 

「夜?」

 

「俺は政府公認でアリーナの時間外使用許可を貰ってるからな。俺が居る時は候補生も使っていいのさ」

 

 あと候補生じゃなかったら箒くらいか。

 ちなみに俺以外の使用云々は、別に政府からの許可を取ってなかったりするんだが、まぁブリュンヒルデな千冬さんがOKくれたしOKだろ。

 

「なるほど! ならばさっそく今夜行かせてもらおう!」

 

「ああ」

 

 パーフェクトな捌きっぷりをお魅せしよう。

 そのかわり後ろからケツに攻撃だけは勘弁な。アホの兄弟みたいにパイルバンカーとかブチこもうとした日にゃあ、その時はもう痛さ爆発でもいいからガチギレするからな。

 

「で、話を戻そうや」

 

 いったい何でこんな話になったんだ?

 

 ああ、そうだ。

 一夏が動けない俺でもトーナメントに出場できるとか世迷言を言い出したんだったな。改めて何言ってだコイツって感想しか出てこねぇよ。お前は竹馬の友を晒し上げにすると申すか!

 

「下半身が動けねぇ俺は出ちゃイカンでしょ。常識的に考えて」

 

 これは紛うことなき正論ですね。

 一夏も常識的に考えてホラ。

 

「へへっ、大丈夫だって安心しろよ旋焚玖。とっておきの秘策を思い付いたんだ!」

 

「秘策か」

 

 でもお前俺が絡むとアホになるやん(辛辣旋ちゃん)

 と言いつつ、一夏が良い意味で期待を裏切らない男だって事も知ってるからなぁ。ここはアレだな、期待していない風を装いつつ、内心わりと期待してる感じでいよう。

 

「旋焚玖が出られないのは移動が出来ないからなんだよな?」

 

「政府的にはソレなんだろうが、俺的には背後に回られたら終戦ってのも悩ましいな」

 

 だって考えてもみてくださいよ。

 各国のお偉いさん達が観ている前で、年端もいかない小娘共にケツを集中砲火される大和男児の図とか羞恥にも程があるだろ。メンタル弱い奴がやられたら自殺モンだぞこれ。

 

 だから出ません(断言)

 

「そこだよな! でもさ、それって言い換えれば、背後を取られなきゃいいって事になるよな?」

 

「ん……まぁ、そうだな」

 

 毎夜取られまくってるんだよなぁ。

 背後から撃沈されまくってる実績から目を逸らしてはいけない。今のところガセなし信頼度100%だぞ、確定演出かよ。

 

「しかしだな、織斑一夏よ。ふつめんは移動が出来ないから背後を取られてるのではないのか?」

 

 そうだよ(便乗)

 ボーデヴィッヒお前中々いい援護するじゃねぇか。というかお前にも常識的な思考できたんだな(失礼旋ちゃん)

 

「1対1の試合なら、な。でも今回のトーナメントはタッグ戦なんだぜ? 旋焚玖が移動出来なきゃ運んでやればいいんだよ!」

 

 いや運ぶてお前。

 

「そのためのタッグ戦あとそのためのパートナー…?」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 

「いや待て織斑一夏。運ぶって何処まで運べばいいのだ?」

 

「そりゃあ、背後が取られない壁際までだろ」

 

「しかしだな、それだとふつめんを運んでいるウチに相手側から狙い撃ちされるのではないのか?」

 

 そうだよ(便乗)

 よしんば一夏の案を採用したとして、試合開始直後に運ばれるとしよう。だがアリーナの中央から壁際までは結構な距離があるんだ。そこに到達するまで対戦相手からしたら打ち放題の狙い放題じゃねぇか。

 

「そのための瞬時加速あとそのためのイグニッション・ブースト…?」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 

「……ふむ。確かに瞬時加速を使えばあるいは…?」

 

 む……ボーデヴィッヒが何やら納得してるっぽいぞ。代表候補生で専用機持ちなコイツが唸るって事はつまり、一夏の言っている事もあながち外れてはないって事なんか。

 

「ちなみにどういう感じで俺を運ぶんだ?」

 

 一夏の提案する壁際運搬作戦の概要はとりあえず分かった。そこで俺が一番気になったポイントがコレだ。

 

「どういうって……まぁ、こういう感じだろ」

 

 ふざけんなバカ! お前それお姫様抱っこじゃねぇか! すまし顔でジェスチャってんじゃねぇぞコラァッ!!

 各国のお偉いさんも来るツってんだろ! そんなモン見せたらお前あっという間に広がるわ! ホモデマが世界中に轟き渡るわ! 

 

「……いやだ」

 

「な、なんでだよ!?……………やっぱりなんでだよ!」

 

 ちょっと考えて二回言うなよ! 新手のギャグかお前! というかちょっと考えたら分かるだろぉ! 超公共の場で思春期ボーイがそんな真似できるわけねぇだろこのヤロウ!

 

「そうだぞ織斑一夏」

 

 おお!

 俺の気持ちを代弁してくれるか、ボーデヴィッヒ! またまた熱い正論をブチかましてやってくださいよ!

 

「ふつめんはお姫様じゃないからお姫様抱っこしたらいけないんだぞ」

 

 違ああう! 

 期待してたヤツと違ああう! というかもういいだろそのネタは! 何話ソレ引っ張るつもりだお前このヤロウ! 別にお姫様じゃなくてもお姫様抱っこされていい時代になったんだよこのヤロウ!

 

「いやでも昨日千冬姉はお姫様抱っこされてたじゃん」

 

「私はブリュンヒルデだからな」(ドヤァ)

 

 これはぶりゅんひるで千冬さん。

 たった一言で圧倒的存在感を放つのやめてもらえませんかね。

 

「やっぱ千冬姉はすげぇや!」

 

「流石です、教官!」

 

 お前らのマジな反応もすげぇや(ドン引き)

 

「とまぁ冗談はさておき、だ。お前が何を言おうと、旋焚玖が出場しない事は既に決まっている」

 

「そうだよ」(便乗)

 

 これはブリュンヒルデ千冬さん。

 3秒前のぶりゅんひるでとは別人だってはっきり分かんだね。それに、何だかんだで一夏を一番説得できるのは、千冬さんなんだよな。

 

「それに加えてお前たちはまだ1年生だ。公式試合などこれからいくらでもある。焦る必要がどこにある?」

 

 パーフェクト(クエスター)

 熱い正論からさらに有無を言わさずの追撃。内容も完璧ときている。やっぱ千冬さんは頼りになるぜ!

 

「フッ……まぁな」

 

 ひぇっ……読心術まで完璧にならなくていいですから。

 

「うーん……そんなモンか?」

 

 一夏が俺に確認を取ってきた。

 

「そんなモンよ」

 

 当たり前だよなぁ?

 そもそも俺は今回のトーナメント戦に対して、出たいか出たくないの二択なら余裕で出たくない派だからな。一度でも俺が出たいと言ったかよ? 言ってねぇだろ。出たくないから言ってねぇんだよ。

 

 

【馬鹿野郎お前俺は出るぞお前!】

【優勝したペアとだけ闘ればいい】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 言ってねぇツってんだろこのヤロウ! 出たくないツってんだろこのヤロウ! どうして僕をそんなに困らせるんですか!

 

「……優勝したペアとだけ闘ればいい」

 

「む……どういう事だ、ふつめん」

 

 俺が聞きたい(切実)

 

「ああ、なるほどな!」

 

 これは一夏による熱い曲解の予感。

 

「旋焚玖は裏ボスが似合うもんな! 隠しボス的なさ!」

 

「お、そうだな」

 

 やっぱり曲解じゃないか(げっそり)

 まぁでも優勝するのはどうせ専用機持ちがいるペアだろうし、そこまで深く考えなくていいか。夜のアリーナでパパパッとやられてハイ終わり!って感じで。

 

「んー……じゃあ俺のタッグの相手はやっぱランダム任せになるかぁ」

 

「私はもとよりそのつもりだ」

 

 どうやら一夏もボーデヴィッヒも、タッグパートナーは抽選で決めるらしい。でもソレって確か決まるの試合の当日じゃなかったか?

 出場しない俺が言うのもアレだが、試合の直前に組むとかチームワークもクソもねぇな。これは敗北の気配濃厚ですね。

 

「ちなみに抽選任せはお勧めせんぞ」

 

「なんでだ?」

 

「タッグ戦はシングル戦と違って連携が勝利のカギと言っても過言ではないからな。専用機を持っているからと言って、連携がバラバラなら訓練機相手にも負けると思え」

 

「はぇ~……なるほどなぁ」

 

 これはブリュンヒルデ千冬さん。

 一夏もおおいに納得している。はぇ~とか言ってるし。

 

 だがボーデヴィッヒは頷いてないな。

 尊敬してやまない千冬さんの金言だぞ~?

 

「ボーデヴィッヒは抽選でもいいんか?」

 

「フッ……当然だ。有象無象など私一人で十分だからな。先ほどの模擬戦でもソレは証明されたであろう?」

 

 そりゃそうだ。

 コイツは鈴とセシリアの専用機持ちコンビに1人で勝ってたもんな。不透明じゃない確かな自信と言ってもいいだろう。

 

「それに私がこの学園でIS的に認めているのは織斑一夏だけだし、身体能力的に認めているのはふつめんだけだし、人間的に認めているのは乱だけだからな。少なくともタッグ戦では織斑一夏にさえ当たらなければ私の勝ちは揺るがん」

 

「へへっ……なら俺と当たった時は勝たせてもらうぜ!」

 

「フッ……返り討ちにしてやる!」

 

 あらやだ青春。

 どっちもがんばぇー!

 

「じゃあ一夏はこれからパートナーを探すのか?」

 

「そうなるなぁ……けどさっきみたいに群れて来られても怖いんだよなぁ」

 

 女子高生に群れられて恐怖を感じるとかお前の感性おかしいんとちゃうんか(嫉妬)

 屈強な男共に群れられる方が絶対に怖いぞ(体験談)

 

 まぁでも一夏が嫌がるくらいだし、きっとその連中は織斑ブランド目当てな女共ばっかだったんだろう。

 

「ならもう適当に今ここにいる奴らから選んだらいいじゃないか」

 

 割と思いつきで言っちまった感はあるが、意外といいんじゃないか? タッグってのは組んでからの方が大事だろうし。千冬さんの言うように連携の練習とかな。

 

「あー、それもいいな。えーっと……この中でまだタッグのパートナー決まってない人っているかー!?」

 

 即断実行するのか。

 一夏の行動力はすげぇぜ。

 

 さて、誰がいるかな。

 

「はーい! はいはーい!」

 

 お、何か見た事ある顔だ。

 これはクラスメートですね間違いない。

 

「誰だ君は!?」

 

「岸原理子だよ! さっきも言ったよね!?」

 

「(´・ω・`)?」

 

 なぜ首をかしげるのか。

 






一夏のパートナーが決まりました(*´ω`*)
旋焚玖は出ません。
VTシステム?
知らない子ですねぇ(*´ω`*)

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