選択肢「あれはVTシステム?」
VTシステム「アナタハ…女神 ノ 選択肢サン」
選択肢「こんな所で何をしているんだ!」
VTシステム「ボク、モウイラナイッテ…好感度 アガッタカラ イラナイッテ…」
選択肢「そんな…! 君が数あるSSでどれだけ貢献したと思ってるんだ!」
VTシステム「ショウガナイヨ…」
選択肢「VTシステム、いやヴァルちゃん。ウチに来ないか」
VTシステム「エッ」
選択肢「旋焚玖を見返してやろうじゃないか!」
ラミレス「ハ、ハラサン…」
というお話。
【言い直す】
【井伊直弼(なおコレはただの思いつきなので、効力は上と同じものとする)】
なんだコイツ!?
変な方向に成長すんのやめてよぉ!
~旋ちゃん言い直して二人から熱い視線を浴び中~
全然熱くないんだよなぁ。
低温火傷的な意味では熱いかもしんないね。
という訳で何か気まずいし、ボーデヴィッヒも解放してやった。そんなボーデヴィッヒは俺からある程度距離を取りつつもなお、瞳に闘志の炎が宿っていた。え、まだやんの? 仕切り直すの?
「まずは私の1敗だな。しかし負けっぱなしは性に合わん。スマンが例のアレで私も1勝貰うぞ!」
「む」
例のアレって何ですか?
あ、眼帯を外して両腕を俺の方へ突き出し…?
あ、アッー!?
お前それアレじゃねぇか!
あのチート技だよチート技! 【停止結界×2】とかいうチート技ァ!!……ってな感じで、俺が焦るとでも思ったか? 前に喰らったのは、お前のオリ主宣言に呆気を取られていたからよ。今の俺に油断の文字はないと知れい。
確かにボーデヴィッヒの【停止結界×2】は厄介な代物だが、そんなモンお前発動される前に阻止すればいいだけの話よ。瞬く間に近づいてペチッとやりゃあ済む話……なんだけど、【たけし】纏ってたら動けねぇし近づけねぇな、HAHAHA!
≪ ( ゚∀゚)HAHAHA! ≫
なに笑とんじゃクルァァァァッ!!
「フッ……さすがのお前でも手の届かない距離では阻止できまい」
「当たり前だよなぁ?」
「ワイヤー的に拘束はできなかったが、アクティブ・イナーシャル・キャンセラー的には拘束できるぞ!」
「何言ってだお前」(知識足らず)
「存分に喰らえ、ふつめん! 私の奥義【停止結界×2】を――ッ!!」
存分すぎるんだよなぁ。
生身の時ですら膝が折れるくらい動けなくなったのに、元から足枷抜群な【たけし】だともう過剰抑制レベルだろ。
もうどうせ固まるんだし、今のうちにカッコいいポーズでも取っておくか。ゾロも蝋人形になる前にそんな感じの事言ってたし。
「ん?」
ん?
「コイツ……動くぞ!?」
何言ってだお前(ン抜き言葉)
今度はアムロの真似か? アテムといいアから始まるキャラが好きなんだなお前な。……いや、ちょっと待て。
もしかしてもう【停止結界×2】してんのか? その割には特にさっきまでと変わらず、両腕は動いてるし、何だったら両脚も余裕で動……んん?
「コイツ(たけし)……動くぞ!?」
≪ Σ(・ω・ノ)ノ ≫
一踏み。
二踏み。
じゃんぷじゃんぷ。
「んなっ……め、めちゃくちゃ動いてるじゃないか…! え、私の【停止結界×2】発動してるよな? というか、ふつめん……お前、下半身は動かないんじゃなかったのか…?」
それが普通に動いてんだよ。
筋肉で無理やりじゃない、普通に動いてんだよ…!
え、たけしは?
ウワァァってなってない?
≪ ((>ε<。 )(。 >з<))フルフル! ≫
マ・ジ・か!!
え、なんで!?
もしかして唐突な急成長を遂げちゃった系ですか!?
「フッ……フフフ…! ふふふのふ~の……Foo↑↑」
「嬉しそうだね、旋ちゃん!」
当たり前だよなぁ?
【たけし】と出会ってから苦節4ヶ月。
ん? 4ヶ月?
なんか体感2年以上経ってるような気がするが、まぁきっと気のせいだろう。何にせよ本題はソコじゃない。
普通に。
全身が。
動かせる。
それはつまり――。
全力を出せるという事だ。
なぁ、たけし?
≪ (*`◇´*)/ ハーイ♪ ≫
そんでもって。
「きっかけをくれたのはお前だ、ボーデヴィッヒ」
「むぅ?」
そんな可愛らしく首を傾げてもダメじゃないYO!!
いいYO!! 可愛いYO!!
「お礼に魅せてやる。俺の……いや、俺とたけしの本気をな…!」
「フッ……よく分からんが、受けて立つ!」(とにかくふつめんが動けるようになったのは朗報にも程がある! これなら我が隊にスカウトして連れ帰っても、ふつめんが隊員から後ろ指を指されるような事もあるまい!)
いくぜ、たけし!
全開フルスロットルだッ!!
≪ !!─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ ≫
ラウラの視界から旋焚玖の姿が消え失せた。
「!!?」(なっ……そんなヴァカな! 消えた、だと!?)
「ぬわあああああ!?」
≪ ズサーc⌒っ゚Д゚)っ ≫
「あ、いた」(な、なんか私の背後で盛大にこけている。とりあえずまた今のうちに【停止結界×2】をかけておこう)
「旋ちゃん、だいじょーぶ!?」
「……ああ」
あっれぇ~…?
何か急に足が動かなくなったような。
いや、気のせいだろ。
気のせいに決まっている。
現に今は動いてるんだ。
きっと自由に【たけし】と駆けられて、舞い上がっちまったんだ。すってんころりんしちまっただけさ。そうにちがいない。
気を取り直して!
今度こそ行くぞ、たけし!
≪ (´ヘ`;)ンー ≫
や、やめてくれ、たけし!
ナニかを悟ったような顔しないで!
俺に現実を突きつけないで!
行くったら行くんだい!
「また消え……ん?」
「ぬわあああああ!?」
≪ ズサーc⌒っ゚Д゚)っ ≫
急に足が動かくなりました。
今度は嘘じゃないっす(桜木)
「お、おい、大丈夫か、ふつめん…?」
「……ああ」
「うむぅ……いつもより覇気がないぞ?」
当たり前だよなぁ?
動けるようになったYO!! これで俺も一般生と同じだYO!!とかひゃっほいしてたら、やっぱり動かけなかったんだもん。
いや、ちょいと語弊があるな。
動けるには動けるんだ。今も普通に……ああ、足が動いてるぅ。でもそれが、ある一定のタイミングで急にドンムブ状態に戻るんだ。なんでぇ?
「検証たいむ! 原因究明が必要だよ、旋ちゃん!」
「……そうだな」
乱の言う通りだ。
へこんでいても答えは出てこんよ。気持ちを切り替えて理由を探そうじゃないか! 一番疑わしいのはボーデヴィッヒの例の技よな。
「とりあえず【停止結界×2】…っていちいち長いな。もう【てい2(ていつー)】でいくぞ。【てい2】をいったん解いてもらっていいか?」
「分かった、ほれ」
どうやら解除されたらしい。
あとは、これで足が動くかどうかだな。
「どう、旋ちゃん? 動く?」
「……動かん」
「ふむぅ……なら、もう一度かけてみるぞ」
「……動く」
なんでぇ?
【てい2】っていうか、ボーデヴィッヒの【停止結界】ってアレだろ、相手を動かなくするモンなんだろ? それが何で俺……じゃねぇな、【たけし】を纏ってる俺が喰らったら動くようになるんだ?
「ふぅむ……これはあくまで仮説だが」
お、ボーデヴィッヒは何か分かったのか? いいよいいよ、遠慮しないで言っちゃってくださいな。どうせISド素人な俺が悩んだところで考えつかんだろうし、何でも言っちゃってくださいよ!
「『動ける事』を『+(プラス)』に。『動けない事』を『-(マイナス)』に置き換えて考えてみた」
ふむ。
続けて、どうぞ。
「『+』と『-』で考えるなら私の【てい2】も『-』に分類されるだろう」
まぁそうだろうな。
でもそれが一体どう繋がっていくんだ?
「ここで数学の問題だ。『+』×『-』は『-』になる事は知っているな?」
懐かしいな、正負の数だっけ。
中学校の初めに数学で習ったなぁ。
「あっ! 分かった! アタシも分かったよ、ラウラさん! 『-』×『-』=『+』! これを旋ちゃんの現象に置き換えるんだね!」
え、なにそれは(困惑)
「フッ……流石は乱だ」
あってるのか(困惑)
うん、まぁでも、うん。
ISに詳しい2人が自信満々に言ってるし、それでいいんちゃう(思考放棄)
「『動けない旋ちゃん×てい2=動ける旋ちゃん』って公式の出来上がりだね!」
「うむ! 世界の数学協会がたまげる世紀の公式の誕生だな!」
「お、そうだな」
「歴史的瞬間だよ~っ!」
「お、そうだな」
ISは数学だった(結論)
これ以上深く考えてはいけない、いいね?
つまり俺はボーデヴィッヒのサポートがあれば、身動きが取れるのだ! 何だったらお前次のトーナメント戦も出られるんじゃね? ボーデヴィッヒとタッグを組むのが必須条件だけど。
「でもさ、動けるようになったなら、どうして旋ちゃんは急に転ぶの?」
そういやそうだ。
それがまだ解明されてねぇな。試合中に転んだりしたら、対戦相手からすればもう俺なんて俎板の鯉状態じゃねぇか。ある意味、その場から動けないよりもタチ悪いっての。
「可能性として考えられるのは私だろうな」
どゆこと?
「【てい2】もとい【AIC】は、停止させる対象物に意識を集中させていないと発動しないのだ」
なるほど、無条件に永続発動するモンじゃないと。まぁそりゃそうだわな。一度発動させたら最後、その拘束効果は永遠に維持される!とかだったら、マジでチートじゃねぇか。こんなモンお前、縛らしてやってる理論を武装した一夏くらいしか勝てねぇだろ。やっぱり一夏がナンバー1!
「意識外だと効果は切れる。それは視界外であっても同様だ」
「視界外ねぇ……あっ」(察し)
なんか、すっげぇ分かっちまった。
要はボーデヴィッヒが見失った時点で【てい2】の効力が消えるんだ。効力が消えるから俺も元通りの状態に戻る、と。
しかしアレだな、拘束されたら動けるようになって、拘束が解除されたら動けなくなるとかこれもうわかんねぇな。
「まぁこれも私の推測に過ぎんし、実際もう一度確かめてみたいのだが」
「ん。ならやってみようぜ」
とりあえず、ボーデヴィッヒの視界に留まるレベルで周りをウロチョロしてみる。特に負担なく動けてるぜ。駆け足してみても大丈夫だ。
「……ふむ。では、私が見失うレベルで移動してくれ」(と言いつつ、今度は見失うものか…! 集中、集中しろ私…!)
「ああ………ぬわあああああ!?」
≪ ズザザー♪c⌒っ゚Д゚)っ ≫
「旋ちゃーん!? だ、だいじょーぶ?」
「……ああ」
たけしが楽しそうだと思った(小並感)
でも、これで確定だな。どうやら俺はボーデヴィッヒが感知できる速さを保っていれば、人並み程度に移動できるのだ! やったぜ! ボーデヴィッヒには後でコーラを奢ってやるぜ! ついでに乱にも奢ってやるぜ! ついでに俺も買って祝杯をあげるんだぜ!
「くっ…!」(めちゃくちゃ見てたのに見失ってしまった…! そして、ふつめんが転んだという事は私の推測が当たっていたという事に他ならない…! くそっ!)
ん?
何かボーデヴィッヒが千早の真似してるでござる(72的な意味で)
まぁお前も乳ちっちゃいもんな、HAHAHA!(ゲス旋ちゃん)
「すまない、ふつめん…!」
え、なにが?
謝るのはむしろ俺の方なんだよなぁ。
シツレイな事を考えてごめんなさい!
「私の実力がもっと高ければ…! お前を見失わずに済むのに…! 私が不甲斐ないせいで、お前は全力を出せないのだ…! ISでの実力もずば抜けていると分かっていながら!」(ふつめんをサポートするどころか、私が足枷になってどうするんだ! これではドイツに連れ帰っても、待っているのは隊員達からの嘲笑じゃないか。くそっ……何が教官の愛弟子だ。自分の力の無さに腹が立つ…!)
《 力が欲しいか? 》
ラウラに異変が起きた。
◇
《 力が欲しいか? 》
うわビックリした!?
な、なんだ貴様は!?
誰だ!?
《 願うか……? 汝、自らの変革を望むか……? より強い力を欲するか……? 》
質問に質問で応えるな!
声だけで顔も見せぬとは怪しい奴め! そんな怪しい奴の言葉を、このラウラ・ボーデヴィッヒが信用するとでも思ったか!
《…………………》
ふん、どうやら図星のようだな。
何者かは知らんが、引っ込んでろ。今の私は貴様みたいな意味不明なモノに構っている暇はないのだ。
《 (´・3・)汝、自らの変革を望むか……? 》
な、なんだそのフザけた顔は!?
貴様おちょくってるのか!?
《 (´・3・)汝、顔で判断する愚者か……? 》
むっ……それは確かにそうだな。
見かけで判断するのは良くないな。
《 (´・3・)故に力を欲するだろう……? 》
いや故にの意味が分からん。
まぁ力を欲してはいるが、貴様から貰う気など全くない。知らない人から飴ちゃんとか貰ったらダメってクラリッサに教わったからな! 貴様も私に信用されたければ、まず名前くらい名乗ってみせたらどうなんだ?
《 (´・3・)私はヴァ……》
ヴァ…?
《 (´・3・)……こういう感じだ》
ナメてるのか貴様ァ!!
なにが感じだバカか貴様!
しかし、ますます怪しいぞ。
いったい何なんだ……新手のバグか?
《 (´・3・)とりあえず『はい』って言ったら力あげるから『はい』って言ってよ》
急に言動が軽くなった!?
なんだその投げやり感は!
《 (´・3・)もういいから。『はい』って言ってみて》
誰が言うかアホ!
逆に何が何でも言いたくなくなったわ!
《 (´・3・)ここで問題です》
はぁ?
《 (´・3・)ドイツの軍人なら知ってなくてはならない常識問題です》
む?
《 (´・3・)心臓を挟むように左右にある呼吸を司る器官の名称は?》
肺!(ドヤァ)
《 (´・3・)はいって言ったなコイツ!》
はぁ!?
ふ、ふざけ――ッ!?
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛――ッ!!」
「むっ…!?」
「ラウラさん!?」
《 Valkyrie Trace System 》――顕現
旋焚玖:Σ(゚ロ゚;)
乱:Σ(゚ロ゚;)
選択肢:Σ(゚ロ゚;)