選択肢に抗えない   作:さいしん

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オーノホ・ティムサコ・タラーキー!!というお話。



第153話 vs.マッドゴーレム 前半戦

 

 

 異変は突如として起こった。

 

 ボーデヴィッヒが何故か千早の真似をしたと思ったら、その後は何故か目の焦点が合わなくなり虚空を眺めだしたと思ったら、アホの【選択肢】が出番だと言わんばかりに俺にボーデヴィッヒの眼前で「おしりペンペーン!」などという挑発行動を取らしてきて、乱に「今時子供でもそんな事しないよバカ旋ちゃん!」と怒られていたら――。

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛――ッ!!」

 

「むっ…!?」

 

 うわビックリした!?

 そ、そんな急にダミ声で叫ぶ……あ?

 

「ラウラさん!?」

 

「え、なにそれは…」(困惑)

 

 思わず呟いてしまった。

 いやそりゃそうだろ。

 

 急におなごらしからぬ汚い咆哮が奔ったと思ったら、ボーデヴィッヒのISが何かもうドロドロに溶けて、装甲をぐにゃぐにゃに変えまくる……だけじゃ飽き足らず、操縦者なボーデヴィッヒを丸ごと飲み込んじまったんだからよ。

 

「お゛…お゛お゛……お゛お゛お゛…」

 

 眼前の異変はまだ終わらない。

 不確かなモノから形在るモノへ。ボーデヴィッヒを飲み込んだソレは、泥みたいなナニかで、全身をコーディネートしていく。

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛――ッ!!」

 

 どうやら変形完了したらしいな。

 泥っぽいヤツを全身装甲してまで肌の露出を嫌がるとか、コイツとんだ恥ずかしがり屋さんだぜ?(現実逃避)

 

 しかしマジで何だコレは?

 ISってこんながっつり変形したりすんの? というか何でいきなりコイツ変形したの?

 

「旋ちゃん、謝ろう!」

 

「え、なんで?」

 

「だって、旋ちゃんが『おしりぺんぺーん』とかやった直後にコレだよ!? きっとめちゃくちゃ怒ったんだよ!」

 

 めちゃくちゃ怒ったらアイツあんな感じになんの!? そんなアホな!? いやいや、もう完全に別の物体になってんだけど!? それに、ビックリしすぎて思い出したぞオイ!

 

「ISは原則として、変形をしないってやーまだ先生が言ってなかったか?」

 

 うん、言ってた筈だ。

 そうだ、確かISが形状を変えるのは【初期操縦者適応】と【形態移行】の2つだけだったか。どっちにも部類しねぇだろコレ。

 

「きっと怒りの臨界点を超えちゃったんだよ!」

 

「……なるほどな」

 

 怒りの臨界点を超えちゃったら、ボーデヴィッヒは汚い咆哮を奏でて泥の巨人と化すのか。騎士ガンダムを呼ばなきゃ(妖精キッカ並感)

 

 とはいえアレだ、タイミング的には確かに俺の挑発が原因っぽいんだよなぁ。こんな事ならもう1つの選択肢【ぼんやりしているラウラのほっぺたをプニプニ!】を選んでりゃ良かった。でもセクハラが正解とか見抜ける訳ないし、俺は悪くねぇ!

 

 うん、もうとりあえず謝ってみよう。

 そういうのは得意分野だしな(謝り上手)

 

「ボーデヴィッヒさんや」

 

 

旋焚玖が1歩前に出た瞬間、ラウラだった者の目の箇所が赤く光った。ちなみに旋焚玖はおしりぺんぺんを披露するために、たけしから降りている。

 

 

「ごめ……ッ!?」

 

「お゛お゛お゛――ッ!!」

 

「んなさいっ!!」

 

 頭を下げようとしたらブレードっぽいヤツで横薙ぎ一閃されたでござる。いや何してんの!? 寸前でめちゃくちゃ頭下げたわ! そういう意味で頭下げようとしたんとちゃうわ! 社長に対するお辞儀かお前! 

 

 というか待て待て待ってくださいよ! 軽い会釈レベルだったら今頃首が吹っ飛んでたんじゃないですか!? 

 ちょっと、よく見てください!

 今の僕は生身ですよ生身! それなのに躊躇いなく首チョンパしてくるとか、どんだけキレてんだお前(ドン引き)

 

 いやもうキレてるとか、そういう次元じゃないだろコレ。ボーデヴィッヒとは知り合ってまだ二日目の仲ではあるが、それでもコイツが生身を相手にISの武器を振り回すような奴だとは思えない。……たぶん。

 

「……乱」

 

「うん、アレはラウラさんじゃないね。全く別のナニかだよ…!」

 

 問題はアレが何なのか、なんだけど。ISド素人な俺はもちろん、代表候補生な乱ですら知らないときているし、ちょいとこれは厄介な状況なんじゃないのか。

 

 

【千冬さんに聞く】

【クロエに聞く】

 

 

 やったぜ。

 勝ち確がきたぜ。

 

 こんなモンお前千冬さん一択だろ。ブリュンヒルデですよブリュンヒルデ。聞くついでに助けを請うたら、あの人なら40秒で来てくれる事間違いなしだしな! それで理由を説明したら助け……え、理由を説明すんの…?

 

 

『ボーデヴィッヒに「おしりぺんぺーん!」ってしたら、あんな感じになっちゃったんですよ!』

 

『なんだと!? そんな悪い事をした旋焚玖にはおしおきだ!』

 

『アッー!!』

 

 

 だめだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 違う意味でおしりペンペンされる未来が視えちまったぞオイ! 

 

 あっっっ…ぶねぇぇぇ…!

 いつもの感じで「信頼と実績の千冬さーん!」とか言ってたら、高校生になってまでおしりペンペンタイムな刑を喰らうところだったぜ。しかもあの人継続率99%だしな。

 

 ここは当然【下】一択よ。

 それにクロエだってボーデヴィッヒと無関係の人間じゃないもんな。姉妹っぽい関係とかこの前も言ってたし、しかもアイツはIS学園を襲撃してくる謎の刺客キャラなんだから、俺ら以上に絶対詳しいだろ。

 

 そうと決まれば、さっそくクロエにメールだ!

 

『ボーデヴィッヒがISに飲み込まれて変形したんだけど何か知らない?』

 

 よし、送信!

 しかしアレだな。

 ボーデヴィッヒを飲み込んだコイツ……さっきと違って攻撃してこねぇな。間合いに入ってないからか?

 

『知っているか知っていないかで言えば、知っていると言わざるを得ないですね(`・ω・´)キリッ』

 

 あ、これウザいパターンのやつや。顔文字の使い所も微妙に違うのがまたウザさを際立たせてますねぇ!

 

『しかし確証を得たいので、写メを送ってきてください』

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 いやまぁ確かに、この流れだと自然ではあるか…? 

 

 うん、とりあえずあの意味不明なヤツも、間合いにさえ踏み込まなければジッとしてる説っぽいし、今のうちにパシャッとく……ん? またクロエからメール?

 

『あ、ふちゅめんさんとツーショットでお願いします(。ゝ∀・)ゞヨロシクゥ♪』

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 友達と旅先でのやり取りかお前。

 

 その要求はこの流れでも自然じゃないだろ。俺が一緒に写ってる必要がどこにあんだよ。というかツーショットだと間合いに入りまくるので、申し訳ないがクロエの無茶ぶり要求はNG。

 ただまぁ、クロエだってアホの子じゃねぇんだし、ここは理路整然とした反論で考えを改めてもらうのがベストだな。

 

 

【自撮りする】

【乱に撮ってもらう】

 

 

 撮る方向で話進めんなってお前!

 撮らない方向でいってただろうが!

 

「乱」

 

「にゅ? 旋ちゃんのスマホ?」

 

「それで俺とアレのツーショット写真を撮ってくれ」

 

「え、なんで?」

 

 俺が聞きたい(げっそり)

 何で撮る必要なんかあるんですか? 百歩譲ってアレを撮って送るのは分かるとしても、俺まで写る必要性は皆無だと思うんですけど。

 

「あっ、でもでも! 旋ちゃんも一緒に写ってたら、あの変形したヤツが作り話じゃないって相手さんも分かってくれるよね!」

 

 そんな好解釈してやらなくていいから(良心)

 絶対おもしろがってるだけだゾ。

 

 まぁでも、出ちまったモンはしゃーない。たとえフザけた内容だろうが、こっちまでフザけるのは何か違うしな。というかフザけて臨んでいい案件じゃないだろコレ。今のボーデヴィッヒは、間合いに入ったら絶対斬るマンと化してるっぽいんだぞ。

 

 その証拠に、今もブレードの構えは解いてないしな。しかも何だお前その構え、千冬さんにソックリじゃねぇか。そういやさっきの一閃も千冬さんの剣技の一つだったような……変形した影響か?

 

 まぁ憶測の域に出てねぇのに、ウダウダ言ってても仕方なし。とりあえず、あのボーデヴィッヒを飲み込んで変形した奴…っていちいち長いな、何かテキトーに名前つけるか。

 

【ボーデヴィッヒを飲み込んで変形した奴】

【シュトルテハイム・ラインバッハ3世】

【マッドゴーレム】

 

 

 SDガンダムに寄せていくのやめろ。

 というか呼称の場面がきたら毎回【真ん中】出してくるなお前な。【上】はただの嫌がらせだからスルーで。

 

「おい、そこのマッドゴーレム」

 

「お゛?」

 

「そうそう、お前の事だよ。とりあえず今から俺と写真撮るから動くなよ? すぐ済む、ちょっとだけで、ホント一瞬で終わるから」

 

 おっかなびっくり間合いに入っちゃっ……。

 

「お゛お゛お゛お゛――ッ!!」

「……たぁ!」(スーパーお辞儀)

 

 薙ぎ払いやめてよぉ!

 問答無用かお前!

 

 しかし悲しいかな、お前のソレは猿真似って言うんだぜ? 千冬さんの型はトレースできても、実力までは再現できねぇと見える。一体いつ頃の千冬さんだよ、ソレ? 

 少なくとも俺の知っている千冬さんは、お前のソレより2倍は鋭い。というかあの人どんな修行してんだよ、短期間で強くなりすぎだろ。

 

「お゛お゛お゛お゛――ッ!!」

 

 という訳で。

 このまま近くに居ても命に別状は無し! どんどん斬ってこいオラァッ!! その間にいい写真を撮ってくれよな!

 

「むぅ~~っ! 二人とも動きすぎだよぅ! 撮っても心霊写真みたいになってるじゃん!」

 

 じゃあそれはアンビリーバボーに投稿するとして。

 俺は動くに決まってんだよなぁ。避けねぇと俺、斬られちゃうもん。さすがの旋焚玖さんでも斬られりゃ死んじゃうでしょ。

 だから俺は悪くないし、有無を言わさず斬りかかってくるマッドゴーレムさんの方に問題があるんじゃないですか? 

 

 というか写真くらい撮らせろや! 

 なんだお前タレント気取りか!

 

 ん?

 いや、待てよ…?

 

 ちょっと間合いから出ますよっと。

 

「おい、ちょいと聞けマッドゴーレム」

 

「お゛?」

 

「お前さんのその型とか技とかは千冬さんを意識してんだろ?」

 

「お゛お゛」

 

 頷いたなコイツ!

 というか言葉通じるんじゃねぇか! じゃあ最初から動くなよ!…っとと、今はそこを問い詰めてる場合じゃなかった。

 

「ならさ、お前さ、『写真撮ってもいいですかー?』って声掛けられた時の千冬さんの真似もちゃんとしろよ。あの人は快く応じるんだぜ?」

 

「お゛!?」

 

 ビックリしたなコイツ!

 でもこれはマジ。

 マジのガチ。

 何だったらサインもするし、相手が女だったら握手もしてくれるからな。しかも本人はクールに接しているつもりだろうが、満更でもない感が隠せてねぇって一夏が言ってたぞ。

 

「という訳で、だ。仕切り直すぞ。……ンンっ、写真撮ってもいいですかー?」

 

「……お゛お゛」

 

 やったぜ。

 間合いに踏み込んでも斬撃がこねぇぜ。おら、ピースしろピース。

 

「いいねいいね! じゃあ二人ともいくよ~? はいっ、チーズ!」

 

 パシャリ。

 そして送信。

 

 これでクロエからコイツの正体が送られてくるぜ!

 

 

『本当に撮ったんですか…(困惑)』

 

 

 えぇ…(困惑)

 

 






束:本当に撮ったのか…(困惑)

クロエ:自分から入っていくのか…(困惑)

束:は?(威圧)

クロエ:(;・3・)~♪
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