選択肢に抗えない   作:さいしん

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プンプンですわ、というお話。



第40話 ぷんぷん

 

 

 

「おっ、空いてんじゃ~ん!」

 

「こっちも空いてんぞぉ~」

 

 食堂に着いた俺たち最強5人衆は、食券を使って思い思いに昼食セットを買った。そのままちょうど5人分の席が空いてたテーブルへと到着。何ともスムーズに着いてしまったもんだ。昼休みだし、食堂も混んでるかと思いきや……いや、混んでるんだけどね。

 

 ただ、一定の距離を保って俺たちのグループに誰も近付いて来ないのだ。正確に言えば少し違うけどね。何度も言うが、ここは99%女子校である。そんな中に男が2人交じっていれば、どうしても関心がいってしまうのも無理はない。それに一夏は千冬さんの弟だし、なによりイケメンだ。

 

 当然そんな一夏に話しかけようと、それこそ学年問わず女達が近寄っては来るんだ。だが、俺がチラッと見ただけで「ひぃッ」と黄色い悲鳴(メンタル防壁)を上げて引き返していくのだ。ただのチラ見をガンくれと勘違いしないでほすぃ……。

 

 まぁ、そんな感じでテーブルに着けましたとさ。誰も気にする素振りを見せないので、俺も何も言わず焼肉定食が乗ったトレイをテーブルの上に静かに置く。その隣りでオルコットが、ガシャンッと音を立ててトレイを置いた。

 

「びっくりしたぁ……せっしぃ、どうしたの~? プンプンしてるの~?」

 

 オルコットの正面に座る布仏が、のんびりした口調でそう窺う。

 

「当たり前でしょう! まったく……どうしてわたくしが、アナタ達とお食事を共にしなくてはならないんですの……まったく…ブツブツ……」

 

 どうやらオルコットは、布仏が聞いた通りプンプンらしい。

 

 

【本当にプンプンなのか本人の口からちゃんと確かめる】

【触らぬ神に何とやら。ここはスルーするのが吉である】

 

 

 お前それ、オルコットにプンプン言わせたいだけだろ。だが気持ちは分かる。正直、めちゃくちゃ分かる。分かるっていうか分かるぅ↑↑(超分かるの意)

 いやはや、たまに……ホントにたまにだけど、絶妙なところで変にお前と通じ合う時があるよなぁ。

 

「プンプンなのか、オルコット」

 

「そうですわ!」(あなたまで確認する必要などないでしょうに)

 

「そうですわ、じゃなくて。プンプンなのかと聞いている」

 

「な、何ですの? だからさっきからわたくしも、そう言っていますでしょう」(本当になんですの…? この人の言いたい事がさっぱり分かりませんわ)

 

「言ってないだろッ!!」

 

「ぴっ!? んもうッ! いきなり大きな声はビックリするからダメですわ!」

 

 ビックリするからダメなのか。

 それはスマンかった。

 

 だが、俺は聞いてない。

 聞いていないんだよオルコット…!

 

「さぁッ! プンプンなのか! プンプンじゃないのか! ハッキリ言葉に出して言ってもらおうッ! ダービィー!!」

 

「くっ…! あ、あなたというお人は…!」(ば、バカにして! ダービィーって誰ですの! あなたはわたくしが恥ずかしがって『プンプン』と言えないとお思いなのですね!? 『プンプン』くらいなんですの! わたくしは誇り高きイギリスの代表候補生ですわ)

 

「…………………」(プライドの高そうなコイツがプンプンと言えるのか?)

 

「…………………」(プンプンかぁ……素で言えって言われたら結構ハズいかもなぁ)

 

「…………………」(プンプンって響き、可愛いから好き~)

 

 篠ノ之も一夏も布仏も、オルコットが言うのを見守っている。箸に手をつけず見守っている。俺は……腹減ってるし食べようかな。

 

 箸を手に取り、ンまそうなお肉を掴もうとした瞬間。

 

「(ブチッ)プンプンですわぁぁぁッ!!」(わたくしからなに目を切っていますの!? わたくしのプンプンよりお肉ですか!?)

 

「「「!!?」」」

 

「何故か昼食をご一緒している事もプンプンしてますしッ! な・に・よ・りッ! 言い出したアナタがどうしてわたくしよりお肉に興味を注いでいますの!? それが一番プンプンですわぁぁぁッ!!」

 

 お、思った以上にプンプンしてた。

 

「す、すまん、腹が減ってな。あと美味そうだし」

 

「きぃぃぃッ!! あなたって人は…! わたくしのプンプンに感想くらい言ったらどうですの!? それが礼儀ではなくて!?」(わ、わたくしは本当にこういう怒り方をしたかったのでしょうか? でも、せっかく言わされたのですから感想を求めるのは当たり前ですわ! あ、当たり前…ですわよね?)

 

「む……」

 

 感想か……ここで「きゃわいい♥」と素直に心情を吐露してしまえば、待っているのはセクハラ男爵というあだ名である。軽い気持ちで女子に外見的な褒め方をしてはいけない。

 

「見事なプンプンだったと思う。なぁ一夏」

 

「おっ、そうだな。なぁ箒」

 

「む……そうだな。なぁ本音」(わ、私も今度、旋焚玖にプンプンって言ってみようかな……みんなの前では恥ずかしいし、2人きりの時に言ってみよう…! 言え……ないだろなぁ、照れちゃうんだろうなぁ……くぅぅ…)

 

「お見事だよ~」

 

「何ですのその取って付けたような感想は!? あ、あなた達という人は…! またわたくしをそうやって困らせて…! 先程のように!」

 

 先程?

 先程……ああ、アレね? 

 食堂に行く前のアレの事ね。

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁッ!? どうしてわたくしまでご一緒する流れになっていますの!?」

 

 篠ノ之、布仏、一夏と快諾に次ぐ快諾だったが、オルコットだけは流れに身を任せてくれなかった。いや、でもこの流れはオルコットも誘うだろ。逆に誘わない方が気まずい空気になるとは思わんかね。

 

「来ないのか?」

 

「当たり前でしょう! わたくしとアナタは決闘を約していますのよ! 本来なら険悪な状態であるべきなのです! それがどうして仲良くお昼ご飯を食べるのですか! おかしいでしょう!? わたくし、何か間違っていますか!?」

 

 あ、そういや何かそんな感じだったっけ。昨日から休み時間の度に、オルコットに話し掛けていたから(強制)普通にダチ感覚でいたわ。

 

 確かにそうだよな。しっかり思い返してみれば、割とケンカ売られたっけか。まぁでも……もうダチでいいんじゃね? 実際、俺が此処に来てから一番しゃべってんのって一夏と篠ノ之を除いたらオルコットが圧倒的である! これはもうダチである!

 

 けどオルコットが拒否するなら、俺もこれ以上は何も言わんよ。少し寂しい気もするが、他の3人と行こう。

 

 

【「黙ってついてこい」男らしく手を掴んで引っ張っていく】

【オルコットが来ないなら、俺は飯なんていらない】

 

 

 アホの【選択肢】から不屈の闘志を感じる。

 何が何でもオルコットと飯を食わせたいのか。だが【上】はいけない。手を掴むだァ? そんな事したらセクハラで退学待ったなしだぜ。

 

 【下】もなぁ……飯は普通に食べたいよなぁ。だってお腹すくじゃん。まぁ【上】が論外の時点で【下】を選ぶしかないんだけどね。それにまだ希望も残っているさ。

 俺が【下】を言い放つ事で、オルコットの良心はチクチクされるだろう。結果、なんだかんだ付いて来てくれる可能性がある。何より一夏達からの援護射撃が十分に期待できるからな。

 

「オルコットが来ないなら、俺は飯なんていらない」

 

「な、なんですの、それは……ふ、ふんっ! そんなこと知りませんわ! 勝手にすればいいのです!」(そこまでしてわたくしとご飯に行きたがる意味が分かりませんわ! 少し可哀想な気もしますが……それでも、この人のペースに巻き込まれるのはマズい気がします!)

 

 ちっ……良心の呵責作戦は失敗か。

 やはり一夏達の援護が必要らしい。

 

 頼むぜ、刎頸の友よ…!

 

「旋焚玖だけにツラい思いはさせねぇ! それなら俺も飯抜きに付き合うぜ!」

 

「(むっ…! 一夏には負けられん!)わ、私も付き合ってやる!」

 

 いや違うって。違う違う、違うだろ。

 そういう援護は求めてないから。

 っていうか、援護になってないから。

 

 どうして一夏も篠ノ之も飯を食わん方向でいってんの? そこはオルコットを説得する方向にいくんじゃないの? あれ、普通そうだよな? え、俺が間違ってたりする? 実は俺がおかしいの?

 

「ふぇぇぇ~……ご飯食べないとお腹すいちゃうよ~」

 

「うっ…!」

 

 オルコットがたじろいだ!

 そ、そうだ布仏! それだよそれ! そういうのがいいんだよ!

 

「せっしぃも行こうよ~、ちゃんとお昼は食べたいよ~」

 

「~~~~ッ、わ、分かりましたわ、んもう! 行けばいいのでしょう、行けば!」

 

「わーい!」

 

 伏兵布仏のおかげで俺たちの勝ちだ。

 

「やったぜ」(どやぁ)

 

「成し遂げたぜ」(どやぁ)

 

「フッ……私たちの勝利か」(どやぁ)

 

「そこのアホトリオ! アナタ達が勝ち誇った顔しないでくれます!?」(どう見ても、わたくしが行くのは布仏さんの影響でしょう! 何故トンチンカンに終始したアナタ達がドヤ顔していますの!?)

 

 

 

 

 

 

「いいですか! あくまでわたくしは、仕方なくテーブルをご一緒しているだけに過ぎませんわ! 積極的にアナタ達の会話に入るつもりはございませんからね! よろしくて!?」

 

 話し掛けるなオーラを放ちながら、オルコットは食事に手を付ける。

 

 むぅ……これ以上なにか言ったら、またプンプンされちゃいそうだ。ここは大人しくオルコットの意思を尊重した方が良いだろう。一夏たちも「分かった」と頷いてるし。

 

 んじゃあ、一旦オルコットはいないモンだと仮定してだな。俺達まで黙々と飯を食うのも違うし、何か話題話題……。

 

「そういやさあ」

 

 お、どうやら一夏から話題を振ってくれるらしい。いいぜ、一夏。思わずオルコットも参加したくなるような、楽しい会話を繰り広げてやろうぜ。

 

「箒、ISのことを俺と旋焚玖に教えてくれないか? このままじゃ来週の勝負で何も出来ずに負けそうだ」

 

 いやいや……え? え、その話すんの? おもいっきりオルコットいるのに、その話して大丈夫なのか? 本人的に気まずいんじゃね?  

 

「………むぐむぐ」(主車さんは変人確定ですけれど、織斑さんも割とおかしい人でしたのね。ここでその話題はどう考えても違うと思いますわ。けれどわたくしは空気です、空気に徹するのです)

 

 なんか大丈夫っぽいな、むぐむぐ言ってるし。布仏は…?

 

「うまうま」

 

 うむ、実にンまそうに食いよるわ。

 

「くだらない挑発に乗るからだ、馬鹿め。と言いたいところだが、気持ちも分かる。主車が侮辱されたのだからな」

 

 あ、篠ノ之さんも気にせず話に乗るんですね。主車って奴を侮辱したまさに張本人がいるけど、そこのところは大丈夫? 何を隠そう主車は俺なんだけどね。俺は大丈夫だけど、やっぱりオルコットが気まずくならないか?

 

「……むぐ…むぐむぐ…」(ぶ、侮辱などわたくしは……むぅ……冷静に振り返ってみますと、悪意あるお言葉だったのかもしれませんわね……)

 

 まだ大丈夫っぽいな、むぐむぐ言ってるし。布仏は…?

 

「うまうま」

 

 うむうむ、見ているこちらまで食欲がそそられるな。

 

「だろ? だからさ、今日の放課後からでも―――」

 

「ねぇ。君って噂のコでしょ?」

 

 なんか来た。

 布仏見てたらなんか来た。

 んで、一夏に話し掛けている。リボンの色が篠ノ之たちと違うところを見ると、同じ1年ではなさそうだ。

 

「代表候補生のコと勝負するって聞いたけど、ほんと?」

 

「はい、そうですけど」

 

 流石は女子校。

 昨日の今日で、もう上級生にまで噂が広まってんのか。っていうか、その代表候補生が目の前に座ってんだけど、気付いてないっぽい。え、気付かないモンなの? オルコットって有名なんだろ?

 

 千冬さんも授業で言ってたし。専用機乗りは世界でもかなり数が限られているって。オルコットはその限られた中の1人なんだろ? そんなオルコットを見ても気付かないとか、コイツとんだハーミットモグリじゃねぇか。

 

 気になってオルコットをチラ見してみる。

 

「むぐむぐ…! むぐむぐむぐ…!」(上級生ともあろうお方が、わたくしを知らないですって!? とんだハーミットモグリですわ! プンプンですわ! でも今のわたくしは空気に徹するのです! 激昂しては思う壷ですわ!)

 

 勢いのあるむぐむぐだぁ……これはオルコットさんもプンプンしてますよ、間違いない。

 

「でも君、素人だよね? IS稼働時間いくつくらい?」

 

「いくつって……20分くらいだと思いますけど」

 

 まだまだ甘いな一夏よ。

 俺は検査の時に3時間は稼働させたぜ?(動いたとは言っていない)

 

「それじゃあ無理よ。ISって稼働時間がモノをいうの。その対戦相手、代表候補生なんでしょ? だったら軽く300時間はやってるわよ」

 

 はぇ~……すっごいやってる。

 少なくとも俺の100倍以上って事だもんな。

 

「でさ、私が教えてあげよっか? ISについて」

 

 ずずいっと一夏に身を寄せていくモグリ先輩。

 あー、これアレか。純粋な厚意じゃないパターンのヤツか。まぁ俺を一切見ようとしない時点でそんな気はしていたが、目的は織斑ブランドとのお近づきってところか。

 

 さぁどうする。

 一夏はそういう下心に気付きにくい性格だし、ここは俺がいっちょ一肌脱いでやるか。適当に嫉妬した振りでもしてギャーギャー言えば、モグリもドン引きして帰っていくだろ。

 

「嫌です」

 

「結構です。私が教える事になっていますので」

 

 NOと言える日本人!?

 いやいやいや、待て待て。嫌ですって、どうした一夏。あと何気に篠ノ之も便乗したし……モグリの下心を読んだのかな?

 

 まさかここまできっぱり断られるとは思っていなかったのだろう。モグリも「うそ~ん」みたいな顔になってるし。あ、キリッとなった。どうやら立ち直ったみたいだ。

 

「どうしてかしら? 君は素人だし、あなたも1年でしょ? 私の方がうまく教えられると思うなぁ」

 

 よし、そろそろ俺がカッコ良く引導を渡してやろうか! 今までの沈黙はこの時のための布石よッ!

 

「まだ分かりませんの?」

 

「え?」

 

 へぁ?

 

「あなたは先程から織斑さんばかり。同じ男性起動者の主車さんには一切目もくれず。どうしてそんな輩に教えを請いたいと思うのです? 織斑さんと篠ノ之さんは、彼と親しい間柄なのですよ?」

 

 これはイギリスの輝くエリート!

 じゃねぇよ! なにオイシイとこ持っていってんだ!? お前の沈黙も布石だったのかよ!?

 

「な…!」

 

「はぁ……まったく、3年生ともあろうお人が、ずいぶん幼稚な真似をしますのね。同じ女尊男卑な者として嘆かわしいですわ」

 

 ああ、オルコットも女尊男卑なんだっけ。でも確かにこのモグリとは全然違うなぁ。俺にも一夏にも平等にケンカ売ってくるし。そういう意味では、よっぽど漢っぽくて気持ちがいい奴だ。

 

「あ、あなたねぇ…! さっきから黙って聞いていれば何様のつもりかしら?」

 

 む……オルコットの眼がキラリと光った…?

 

「うふふ、別に? た・だ・の……ええ、ただの織斑さんと主車さんの決闘相手なだけですわ」

 

「な!? そ、それって、代表候補生の……?」

 

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ。以後、お見知りおきを……」(オーホッホッホ! 言ってやりましたわぁ! とても気持ちがいいですわぁ! ずっと耐えていて良かったですわぁッ!!)

 

 お、お馴染みのポーズだ!

 淑女にだけ許されたポーズだ! 

 

 こ、コイツ、ホントはこれが言いたっただけか! それくらい自分を知らない事にプンプンしてたんだな!? なんだよ、もしや俺の事を想って!?とか、ちょっと舞い上がっちまったじゃねぇか!

 

「文句がお有りなら、勝負してもよろしくてよ? ここはIS学園なのですから…!」

 

「あ、あはは……ま、またの機会にしておくわ」

 

 ぴゅ~っと去っていくモグリ先輩。

 グッバイ、モグリ。もう俺たちの前に現れる事はないだろう。

 

「ありがとう、オルコット。私たちじゃあ、あそこまで強く言えなかったと思う」(最悪、姉さんの名前を出す事も考えたが……オルコットのおかげで出さずに済んだな)

 

「ふふん。エリートとして当然の事をしたまでですわ!」(まぁ実際、主車さんに対するあの3年生のあからさまな無視には、少なからず思うところもありましたしね。ほんの少し、本当にちょっぴりだけですけどね!)

 

「へへっ、なんだよ、オルコットさんも旋焚玖が好きなんだな」(ダチ的な意味で)

 

 ま、マジでぇぇぇぇッ!?

 一夏くん、それマジっすか!?

 

「はぁぁぁぁぁッ!? このわたくしが!? こんな人を!? 好きになんてなる訳ないでしょう! ありえませんわ! あぁぁぁるぃえませんわぁぁぁぁッ!!」

 

 2回言うなよぅ。

 舌を巻いて言うなよぅ。

 分かってるよぅ。

 

「一夏」

 

「どうした箒?」

 

「言っていい事と悪い事があるだろ」(これがきっかけで、オルコットが旋焚玖を意識してしまったらどうするんだバカ一夏!!)

 

「え、お、おう……すまん…」

 

 えぇ……何で篠ノ之がキレるの? 上げて落とされた俺がキレるとこじゃね? ああ、アレかな、オルコットの気持ちも考えろよ的なヤツかな?

 

「ねぇねぇ、ちょいす~」

 

「……む?」

 

「さっきから全然しゃべってないよ~? お腹いたいの~?」

 

 腹痛キャラは一夏だけで十分だ。

 布仏もしゃべぇってねぇだろ。なんかずっとニコニコしてたけど。俺は俺で心の中でべしゃり暮らしってるから、別に話さなくても満足なんだよね。

 

「変な人ですわね。急に勢い良く話しだしたり、今みたいにずっと寡黙を保っていたり……」

 

「気にするな」

 

 毎度おなじみ、困った時の気にするな!

 

「はぁ……まぁいいですわ。わたくしはもう食べ終わりましたし、一足先に教室に戻らさせていただきますわ」

 

 そう言って、オルコットが席を立つ。

 

 

【明日は2人で食べようぜ!】

【もういっかいプンプンって言ってくれ!】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 






旋焚玖:プンプン言ってくれ!

セシリア:お黙りなさい、変態!

選択肢:やったぜ。


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