選択肢に抗えない   作:さいしん

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なのに昨夜、というお話。



第61話 激闘から翌日

 

 

 セシリアとの激闘から夜も明けた翌日。

 1組では、山田先生による朝のショートホームルームが行われているところだ。

 

「では、1年1組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

 

 おっ、そうだな。

 

 クラス代表の発表は、一夏とセシリアの試合が終わった次の日に行われる予定だった。俺は元からクラス代表から免除されてる身だし。

 ただ、俺との決闘を控えるセシリアに配慮して、今まで発表しなかったんだとか。んで、それも終わったし今日をもって正式に一夏がクラス代表になりましたとさ。

 

「えっと……精一杯、頑張りたいと思います」

 

 そう答える一夏から動じた雰囲気は見られない。

 まぁ、事前に聞かされていたからな。

 

「先生、質問です!」

 

「はい、相川さん」

 

 元気良く手を挙げたのは、セシリアのルームメイトであり、それ繋がりで俺とも結構話すようになった相川である。

 

「どうしてウチの子がクラス代表じゃないんですか!」

 

 おっ、モンスターペアレントか?

 

「う、ウチの子ってなんですの!?」

 

 山田先生が答えるよりも早く、相川の娘だったらしいセシリアが音を鳴らして立ち上がった。どうやら自覚がおありのようですねぇ。

 

 クラス代表戦で勝ったのは、一夏ではなくセシリアなのだ。勝ったセシリアがクラス代表にならない理由は? と言った感じで、ちょうど立ち上がったセシリアに視線も集中する。

 

「ンンッ…! わたくしが入学式の時に異議を申し出たのは、単純に初心者の一夏さんがクラス代表になるのは相応しくないと思ったからです」

 

「今は違うのー?」

 

 布仏がのんびり尋ねる。

 コイツいつものんびりしてんな。

 

「そうですわね。あの試合、結果はともかく内容では一夏さんが勝っていましたわ。故に、わたくしは辞退させていただきましたの」

 

 という事らしい。

 まぁいいんじゃないか? 

 雑務はともかく、クラス代表ってのは色々試合の経験が積めるポジションなんだろ? 千冬さんの存在があっても、一夏が狙われる可能性は零じゃないしな。万が一に備えて、しっかり励みたまえ!

 

「せっしーとちょいす~の試合はどうなったの~?」

 

 まぁ聞くよねぇ。

 自然な流れよねぇ。

 

「ああ、それはな――」

 

「わたくしの完敗ですわ!」

 

 何言ってだコイツ(ン抜き言葉)

 

 

 

 

 場面は昨夜に戻る。

 激辛ソース『ブレアの午前6時』を俺が飲むか篠ノ之に飲ませるかってとこだ。

 

 篠ノ之にアヘ顔を晒させるなど、どうして俺に選択できようか。いや、出来るはずなどない。ここで非情になりきれないのが俺のダメなところなんだよなぁ……でも、そんな自分を誇らしく思うぜ(自己防壁)

 

「………いただきマウス(激寒)」

 

「せ、旋焚玖!?」

 

「おい主車!?」

 

「な、何をしようとしてますの!?」

 

 黙って見てろお三方!

 俺の散り様を目に焼き付けとけや!

 

 男は度胸!

 グイッといけば激辛も辛くない!

 

「ごくごく……ッ!?!??!! ほぎょらひゅろろらぁぁあぁぁぁぁああああぁぁぁ―――ッ!!!?!??」

 

 オイオイオイ、死んだわ俺。

 コレ体内に入れたらアカンやつや。

 

「ちょおっ!? な、何してますのぉぉぉッ!?」(どうしてアナタが口に入れてますの!? ホントに意味が分かりませんわぁぁぁッ!!)

 

 うるさい黙れ(余裕なし)

 

 せめて飲み物があれば…!

 コーラさえあれば回復するのに!(コーラ万能薬説採用)

 

 俺とした事が迂闊にも用意してなかった…!

 ちゃんと予測してなかった俺に落ち度がある……訳ねぇだろバカ! 完全に選択肢のせいじゃねぇか! お前これで俺が死んだら絶対呪うからな! 聞いてんのかアホコラ選択肢コラァッ!!………あぁ、意識がもう保てないぃ…。

 

「ほ、箒! コーラを買いに行くぞ!」

 

「う、うむ!」

 

何故、コーラを?

と思った箒だが、旋焚玖をよく知る一夏がそう言うのならそうなのだろう、と自分を無理やり納得させるのであった。

 

「その必要はない」

 

「千冬姉!?」

 

旋焚玖危機一髪。

そんな時に千冬が手を拱いて、ピットに居続ける筈がなかった。

 

「もう用意している。後は飲ませるだけだ」(アイツがアレを出した時、こうなると既に予想は出来た。五大陸に響き渡る優しさを持つ旋焚玖が、信頼度100%な私以外にアレを飲ませられる訳がない)

 

未来の旋焚玖の本妻を自負する千冬は流石に格が違った。

 

「サンキュー、千冬姉!」(やっぱり千冬姉は頼りになるぜ!)

 

「千冬さん、凄いです…!」(まさか私の最大のライバルは一夏ではなく、千冬さんではないのか…!)

 

千冬から受け取ったエクスポーション(コーラ)を持って、一夏は駆け出した。だが、どうしても旋焚玖達が居る場所までは距離がある。このままでは旋焚玖が天に召されてしまうかもしれない。

 

「くっ…! 旋焚玖ぅッ!!」

 

このままでは間に合わない。

そう不安に駆られた一夏は【白式】を顕現し、ISの力を使ってアヘっている旋焚玖の元へ投擲した。

 

「受け取れ――ッ!!」

 

「(死ぬ死ぬマジで死ぬぅッ!! キャッチしてキャップ捻ってる余裕は無ェッ!!)……斬ッ!!」

 

大リーグな勢いで飛んでくるペットボトルなコーラの真ん中を、手刀で真っ二つに裂いてみせたアヘ顔旋焚玖。

達人すぎる手刀っぷりにセシリアが驚嘆するも、それにドヤ顔で返してみせる余裕は旋焚玖になく、溢れ出し宙を舞うコーラの泉をダイソン吸引するのだった。

 

「ずぞぞぞぞぞぞぞォ――ッ!!」(甘すぎィッ!! 味覚がバカになってんじゃねぇかコラァッ!!)

 

「あらお下品!?」(す、凄い勢いで飲んでますわ…! 飲んでるっていうか、吸ってますわ…!)

 

「んじゅるるるるるぅ――ッ!!」(俺が…俺がダイソンだ!)

 

真っ赤で真っ青で真っ白だった旋焚玖の顔色が、徐々に落ち着きを取り戻していく。一夏たちが旋焚玖の元へ着いた頃には、普段通りの旋焚玖がそこに立っていた。

 

そして―――。

 

『試合終了。勝者……セシリア・オルコット』

 

旋焚玖の敗北を告げるブザーが鳴らされるのだった。

 

 

 

 

「納得できませんわ! このような形で勝利を得ても嬉しくありませんわ!」

 

 死の淵から蘇った俺に、プリプリオルコットが詰め寄ってくる。何をそんなプリプリしてんのさ。勝ったからいいじゃん。

 ちなみに俺の負けでの勝負終了という判定は、第三者による明確な介入が理由なんだとか。そりゃそうだ。だが、別にブーブー言うつもりはない。千冬さん達のおかげで俺は地獄の辛さから解放されたんだからな。

 

 という感じで俺は余裕で納得しているのだが、オルコットは不服らしい。一夏との試合の時も思ったが、どうやらオルコットは単純な結果よりも内容を重要視するタイプみたいだ。それならこのプリプリ具合にも納得がいく。

 

「どうしてご自身で飲まれたのですか! 納得のいく説明をお聞かせくださいまし!」

 

 そんなモンお前、こんな場所で篠ノ之をアヘ顔にさせる訳にはいかんでしょ。俺だってまだ見た事ないのに。いつか見てやる(攻略宣言)

 

「……そういう奴なんだよ、旋焚玖はな」

 

「えっ?」

 

 えっ?

 

「オルコットさんはまだ付き合いが短いから分かんねぇかもしれないけど、ガキの頃からずっと一緒に居る俺には分かる」

 

 これは…!

 一夏の一夏による俺のための熱いフォローの予感! 

 

「千冬姉ですら耐えきれなかった毒薬だぜ? 旋焚玖が飲ませられる訳ねぇよ」

 

「で、ですが! これは勝負の場です! そこは非情になるのが…!」

 

 それが出来たら苦労しねぇよバカ!

 お前が不細工だったら出来たわ! なんで美人なんだこのヤロウ!

 篠ノ之が不細工だったら出来たわ! なんで美人なんだこのヤロウ!

 

「何だかんだ言っても、非情に徹しきれないところがあるんだ、コイツはな」(甘いと言われればそれまでだが、私はそんなコイツを好きになったんだ。言えないけど)

 

 篠ノ之の篠ノ之による俺のための熱い追撃! これはもう勝ちましたね! まさに試合に負けて勝負に勝った状態である! 割と満足である!

 

「信じられませんわ! だって…! 主車さんは実際に色々と出してきたではありませんか!」

 

 ここだ…ッ!

 まったく、いい言葉を投げてくれたぜ!

 

 最後は俺の俺による俺のための弁明だオラ!

 

「オルコットをビビらせて、勝負を下ろさせるのが俺の目的だったからな。だが、お前は3度も抗ってみせた。お前の持つ気高い誇りが俺の策を打ち破ったんだ」

 

 どうだオラァッ!!

 何となくいい話っぽい雰囲気に仕立て上げるのは得意なんだよ! 部分的にお前が喜びそうなワードも付け足してやったぞコラァッ!!

 

「……最初から、わたくしに使う気はありませんでしたの?」

 

「まぁな。だが、信じてほしい。決して手を抜いてた訳じゃない。俺はオルコットへの精神的ダメージをひた狙っていた。俺がこの試合で望んだのは心理戦だった」

 

 だからもうプンプン言わないとか言わないで。

 

「心理戦、ですか……」(言われてみれば、今まで経験した事のない駆け引きを主車さんとは繰り広げていた気がしますわ。こういう戦い方もあるという事ですか……)

 

 いや俺も叶うならバッチバチ闘りたかったよ?

 でも【たけし】が動いてくれなかったんだもん。やっぱりIS適正ってクソだわ。そら、生身で闘うなら知恵を振り絞るしかないだろ。

 

「そんな事を抜きにして、最後の道具…なんでしたか、ブレアの何とか?を使えば、わたくしはきっと悶え苦しみ、負けていたでしょうに。甘い人ですのね、あなたは」

 

「笑ってもいいんだぜ?」

 

 

【笑ったら今度こそブレアらせる】

【笑ったらもう一度ブレアる】

 

 

 いきなり出てこないでぇッ!!

 

 そして笑わないでぇッ!!

 もう飲みたくない! 飲みたくなぁぁぁいッ!!

 

「……笑いませんわ」(あくまで勝ちを握っていたのは主車さんですわ。それを放棄してもらった身のわたくしが、どうして主車さんの行動を愚かだと笑えましょうか…!)

 

 ふおぉぉぉ……(安堵&安堵)

 我、九死に一生を得たり…!

 

「この試合、わたくしの勝利は形だけですわ。わたくし自身は敗北したのだと受け止めさせていただきます」(この試合で確信しましたわ。あなたが入学式の日、わたくしの暴言を途中で何度も遮ったのも、この甘さ故……いいえ、優しさ故でしたのね)

 

「……好きにしろ」(ピッコロ)

 

 これでようやく決着かな?

 何にせよ、無事に終わって良かった。俺の株も下がってないっぽいし。生身でも人間やれば出来るんじゃねぇか。ISなんか最初からいらんかったんや!

 

「駆け引きの妙、魅せてもらったぜ旋焚玖!」

 

「うむ。こういう闘い方もあるのだな。私も一夏も真っすぐな戦法しか知らないから勉強になったぞ」

 

 ん、ならば良し!

 俺のやり方を卑怯と蔑まないあたり、お前らも立派な武術家だぜ! そういう意味ではオルコットも……ん…? 何やら神妙な顔してんな。

 

「………………」(いえ、ちょっとお待ちください。果たして、優しさだけが理由なのでしょうか。清香さんも仰っていたではありませんか。主車さんがわたくしを庇ったのはわたくしに惚れているからだと。ハッ……というか、先の試合で主車さん自らが宣言したではありませんか! わたくしの事をだいしゅきと! 怒涛の展開続きでうっかり忘れるところでしたわ!)

 

 何か熟考してんぞ。

 実はまだ納得してなかったりするのか?

 

(どうしましょう。お返事をした方が良いのでしょうか。しかし、なんてお返事をしたら……。正直、わたくしも主車さんは嫌いではありませんわ。この試合を経て…という事もありますが、この人との普段の交流もイギリスではなかった新鮮なものばかり。ですがわたくし達は出会ってまだ10日。何より、不確かな想いで主車さんの気持ちに応えるのは淑女としての矜持が許しませんわ。ここは改めてもう一度お伺いしつつ、理由をきちんと説明してから、丁重にお断りさせていただくのがよろしいですわね)

 

 何か超熟考してんぞ。

 あ、目が合った。

 

「主車さん」

 

「む……?」

 

 今から再戦希望とか言われても断るぞ。

 

「あなたはわたくしの事が好きですの?」

 

「へっ?」(一夏)

 

「はぁぁぁッ!?」(篠ノ之)

 

なお、千冬と真耶は仕事の都合でもう居ない。

 

「……なるほどな」

 

 何言ってだコイツぅぅぅぅぅッ!! 

 

 咄嗟に「なるほど、そうきたか」みたいな感じで切り返せた俺凄ェ!! 自分を褒めてやりたいね! ハンパねぇアドリブ力してるな俺な! ていうかお前コラ! オルコットコラァッ!! 

 

 何で今この時この場所で聞くの!? そういう類の話って、普通2人きりの時にするもんじゃないのかよ! 少なくとも篠ノ之と鈴はそうだった!……うっ……頭が……思い出すな、涙が出ちゃう。

 

 くそっ…!

 一体どういう意図で聞いてきてんだコイツ…! 分からんッ、分からんが、せめて篠ノ之達が居なかったら…! 遠回しに俺の熱い気持ちを絶妙な匙加減で伝えつつ、仲睦まじい恋人ルートにまっしぐらな第一歩大作戦を遂行してやるのに!

 

 まだ篠ノ之と恋人になれてない俺が、ここで下手な事を言ってはいけない! だって俺……いっぱい彼女ほしいもん!

 

 あ? なんだ、文句あんのか? かかって来いよ。小市民でフツメンで死神憑きでIS適性までうんちな俺は、もうそれを糧にしねぇと生きてく希望が無ェんだよ。持たざる者だって夢くらい持たせろコラ。

 

 

【好き好き大好き! チョー好き! 初めて逢った日から毎晩セシリアたんの事を考えて5分に1回セシリアたんの事を考えて、もうホントに大好きっ! 結婚したい! 好き好き好きー!】

【俺を惚れさせてみな(キリッ)】

 

 

 好きすぎィ!!

 

 なんだお前コラァッ!! 恋する乙女かコラァッ!! 何がセシリアたんだバカ! お前が恋してんじゃねぇかバカ! 恋に恋い焦がれてんのかコラァッ!!

 

「………………俺を惚れさせてみな」(キリッ)

 

 キショォォォォォい! きもいきもいきもいぃぃぃぃッ!! 【上】とは違うベクトルのキモさを醸し出してるぜぇぇぇぇッ!! でも【上】よりはマシなんだぜぇぇぇぇッ!!

 

「んなっ…!?」(想定外のお返事が返ってきましたわ…! ここにきて、まさかの挑戦的な物言い…! 主車さんは恋に対しても苛烈に臨むお方という事ですか! 恋は戦争という事なのですか!)

 

「んなっ…!?」(せ、旋焚玖もそんな大胆な事を言うようになっていたのか…! いや、私達はもう15歳。昔の時代なら元服を迎えている年齢なのだ。つまり子供の恋愛は卒業したという訳なのだな! わ、私も…! けど、どうすればッ…! 一度フッた私がどう請えば……くぅぅ…)

 

 オルコットと篠ノ之が百面相ってる。

 表情から察するに、そんなにキモがられてない可能性。あると思います。あってください。

 

 一夏は……。

 

「ヒューッ! 旋焚玖、ヒューッ!!」

 

 相変わらずアホだな!

 そのままのお前で居てくれ! お前だけが俺の癒しだ!

 

「そのお言葉、そっくりそのままお返ししましょう!」

 

 へぁ?

 

「わたくしの隣りに立ちたければ、わたくしを惚れさせてみなさいな! という事ですわ!」(わたくしが日本に来たのはオルコット家を守るため…! ですが、ISだけの青春なんてまっぴらごめんですわ! ISはスポーツ、恋愛もスポーツ! ならば全てを修めてこそ、エリートですわよね!)

 

 つまりどういう事だ!? 淑女の言葉遊びは庶民には難しすぎる! だが少なくともキモがられていないッ! キモがられていないぞぉぉぉッ!

 

 

【告白されたも同義。すぐに猛アタックすべし!】

【すぐにがっつくと童貞がバレるぞ!】

 

 

 どどど童貞です!

 バレたくないです!

 

「……ああ」

 

「ふふっ、ではまた明日。あ、あと、わたくしの事は名前で呼んでくれて構いませんわ。わたくしもアナタ達を名前で呼びたいですし」(良いきっかけが出来ましたわ。ずっと一緒に過ごしていましたのに、お互い苗字呼びでしたもの)

 

「おう、セシリア! 俺は一夏でいいぜ!」

 

「私も異議はない。箒と呼んでくれ、セシリア」(お前と旋焚玖が良い感じなのは異議ありまくりだがな! くそっ、まさか私以外にも旋焚玖に好印象を持つ奴が出てくるとは思いもしてなかった! これからは私も旋焚玖にアピールした方が良いのか!? だが、今ここで『私も旋焚玖と呼ぶ!』と言ったら、まるで対抗しているみたいではないか! いや、対抗しているのだが! だが! 急にガツガツいって旋焚玖に引かれたらどうするんだ! くぬぬぅ……まさかこんな状況になるなんて……慢心、環境の違い……)

 

 また篠ノ之が百面相ってる。

 実は名前で呼ばれたくない説? いや、篠ノ之はそんな性悪じゃないし、無いな。んで、当然俺も異議はない。

 むしろ名前で呼び合うのって、距離が縮まったような気がしてドキドキするよね。早く篠ノ之とも呼び合えたらなぁ。言わんけど。

 

 

【いきなり馴れ馴れしいんじゃクルァァァァァッ!!】

【分かったぜチョロコット!】

 

 

 何がしたいんだお前コラァッ!!

 

 お前オルコットが好きじゃないの!? どっちなの!? そういうツンデレ求めてねぇよバカ! 知能が猿レベルだなお前な!

 

「分かったぜチョロコット!」

 

「チョロ!? な、なんですのそれは!?」

 

「日本にはチョロQという車のオモチャがある。その中には高級外車もな。お前はそれくらい稀代な存在という事さ」

 

 あーもう何言ってるか自分でもわがんね。

 流石に苦しいか?

 

「そ、そうですか、稀代な存在ですか。まぁわたくしはエルィィィトですからね!」

 

 うーんこの。

 これはイギリスの愛されエルィィィトなチョロコット。

 

「ですが、普通に呼んでくださいまし。何やら恥ずかしいですので」

 

「分かった」

 

 そらそうよ。

 俺だって呼ぶつもりはねーわ。アホの【選択肢】のせいで、また無駄なやり取りしちまったぜ。へへっ、いつもの事だぜ。

 

 

 

 追想の刻おわり。

 そして冒頭に戻る。

 

「わたくしの完敗ですわ!」

 

 何言ってだコイツ(再確認)

 

 





あ…やっと…試合が終わったんやな…(感無量)

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