選択肢に抗えない   作:さいしん

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だいたい5分、というお話。



第73話 プチ作戦会議

 

 

 

「定例なのに第1回! チキチキ史上最強主車旋焚玖発案! 2組のギャラクシーはどんな奴~!? 定例会議~ッ!」

 

 俺の俺による皆のための音頭が1組に響き渡る。

 

「どんどんぱふぱふ~!」(合いの手)

 

 ギャラクシーの視察をお休みしていた布仏による、のんびりチックな合いの手が空かさず入った。

 フッ……事前に彼女を呼んでおいて正解だったな。予想通り、2組から一緒に帰って来た面子は、目を点にして合いの手をくれなかったし。

 

(アンタ、いつもみたいにイエーッて言わないのね)

(イエーッは旋焚玖が凄い時に言うヤツだからな)

(よく分かんないルールがアンタの中であんのねぇ)

(む……なら、ヒューッはどんな時に言うのだ?)

(旋焚玖がしゅごい時だな!)

(一夏さんって結構アホですわよね)

 

 おいコラ。

 コラそこの4人。

 コソコソ話は俺が寂しくなるからいけないゾ。言わんけど。

 

「協力ありがとな、布仏」

 

 ほれ、報酬だ。

 

「わぁ、コーラだ~! ありがとなす、ちょいす~!」

 

 構わんよ。

 そしてトテトテ走って教室から出て行く布仏。まったく、いい仕事をしてくれたぜ。そのための布仏あとそのためののほほん…?

 しかし布仏の奴め、右手に持つコーラを揺らさず走るところに巧みを感じさせるな。なんでも彼女が言うには、わざわざ生徒会の仕事を抜けて来てくれたらしい。嘘乙。

 

 お前みたいなのんびりした奴が生徒会な訳ねぇだろ! まさかの布仏虚言癖説爆誕である! だが、言ってしょんぼりされても困るのでツっこまないのである! 俺は優しいのである!

 

「さて、ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーの視察から帰って来た訳だが……お前達はどんな印象を受けた?」

 

 可愛いかった(小並感)

 

 しかし、あくまで今回は一夏と試合う事を想定しての話だからな。可愛さと強さは、別に比例しな……(今居る面子を見渡す)……するかもしれない。

 

 あれ……オイオイオイ、これって意外と世紀の発見レベルじゃないのか? まぁ言ったところでキモがられるだけだろうから言わんけど。しかし美人強者説、あると思います。

 

「そうですわね……わたくしは肝の太い方だと思いましたわ」

 

「あ、それ、あたしも思った。アホみたいに噂されてる旋焚玖を初見でビビんない奴も珍しいわよ?」

 

「いや、アイツは旋焚玖を怖がっていた。だが同時に、瞳からは『引かない』という強い意志が感じられた。勇敢な奴だと私は思う」

 

 なるほどな。

 武を修める箒らしい評価の仕方だ。母がムエタイのチャンプとか言っていたが、しっかり精神の方も鍛えられているか。恐怖を受け止め、そして立ち向かえる勇気を持つ女…か。味方になれば頼もしいが、今回に限っては厄介だな。

 

「一夏はどう思った?」

 

「強そう」

 

 お、小学生か?

 

「いや子供かアンタ」

 

「いやマジで。絶対強いってアイツ! 正直、それしか言葉が出ねぇよ…」

 

 一夏はロケットダイブった時に、ギャラクシーの反応の早さを目の当たりにしてるからな。だが、そのシンプルさ、俺は嫌いじゃないぜ。

 一夏の言う通り、別に相手を複雑に捉える必要なんてない。要は強いか弱いか、だ。

 

「ISは分からんが、生身の強さでいくと……おそらく剣を持った私と同等だと思う」

 

 なにそれ怖い。

 全国大会優勝者と素手で肩を並べるのか…。

 

「ISだと、どうなのかしら…?」

 

「代表候補生ですし、実力はあるかと思いますわ。後はギャラクシーさんの戦闘スタイルですわね」

 

 そればっかりは、流石にさっきの時間だけじゃ聞き出せなかったからなぁ。ホントに挨拶して「これからもよろしくー」みたいな感じで帰って来たし。まぁ悪い印象を持たれなかっただけ全然良いんだけど。

 

「アイツの戦術云々に関しては俺と箒に任せろ」

 

「うむ!」(フッ……とうとう来てしまったな、私の時代が! 旋焚玖と2人で居られる…! しかも合法的に…ッ! ああ、何て良い響きなのだ、合法的…! ありがとう合法!)

 

 おぉ、箒もやる気に満ち溢れてるな! 

 確かに、こっからが専用機持ってない組の本当の出番だしな。とりあえずセシリアの時みたいに、まずはネットで動画がアップされてないかのチェックから始めるべきだろう。

 

「そうですわね。では予定通り、わたくしと鈴さんは実戦形式で、一夏さんの特訓をしましょう」

 

「ええ、そうね。ビシバシいくから覚悟しなさいよ一夏!」

 

「おう! 頼むぜ二人とも!」

 

 セシリアと鈴なら間違いないと思う。

 一夏も大船で乗ったつもりで臨みな!

 

「ふふっ…お任せあれ、ですわ」

 

「むぁーかせなさいッ!」

 

 とか言いつつ、何故か箒の腕を引っ張って離れていく鈴。アイツいつも箒を引っ張ってんな。

 

「ちょっ、な、なんだ鈴!? 何故腕を引っ張る!?」

 

「内緒話するからに決まってんでしょ!」

 

 内緒話宣言していくのか…。

 まぁ2人の仲が良いなら詮索は無用かな。

 

 

(アンタ、旋焚玖と一緒に行動するのね)

(ああ、そういう事になるな)

(ぶっちゃけ、舞い上がってんでしょ?)

(バカ言え。今回は一夏を勝たせる為に行動を共にするだけだ。そんな邪な事を考える訳ないだろ)

(ふぅん?……………で、本音は?)

(正直、ワクワクが止まらない)

(正体現したわね、くぬやろーっ!)

(ぬわぁっ!? ちょっ、やめ、こしょばすな!)

(うっさい! くぬっ、くぬっ!)

(あはっ、あははは! やめっ、あははははは!)

 

 

 2人はマブダチ、はっきり分かんだね。

 しかし、小学生の時はいつも眉を顰めてムッとしていた箒を、あそこまで無邪気な表情にさせちまうのか。鈴ってしゅごい。

 

「アイツら、いつの間に仲良くなったんだ?」

 

「さぁな。だが、悪いより全然いい」

 

「ハハッ、そりゃそうだ!」

 

 ひと段落ついたらしく、鈴と箒が戻って来た。

 よし、ミッションスタートだ。

 

 





優しい世界(*´ω`*)
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