お手紙届いた、というお話。
本日は待ちに待ったクラス対抗戦である。
俺が出場する訳じゃないから、待ちに待ったと表現できるのである。
まぁ午前中は普通に授業があるんだけどね。対抗戦はお昼を挟んだ午後からである。
しかしいい天気だ。
絶好の対抗戦日和ってヤツだな。
「いってきます」
俺の城シュプールを出て学園に向かう。
気ままな独り暮らしってのは大変ありがたいのだが、学園まで少し距離があるのだけは難点だったりする。
道すがら暇なので、ここ最近にあった事でも振り返りながら登校するのも一興かもしれない。とは言え、がっつり回想を楽しめる距離でもないしなぁ。
よし、ここは俺の俺による皆のためのダイジェストだ!
◇
『俺はヨガ同好会に入った』
『私もヨガ同好会に入った。ちなみに千冬さんが顧問になった』
『旋焚玖と箒が入って千冬姉が顧問なら俺も入るぜ!』
『旋焚玖と箒と一夏が入って千冬さんが顧問ならあたしも入るわ!』
『旋焚玖さんと箒さんと一夏さんと鈴さんが入って織斑先生が顧問でしたらわたくしも入りますわ!』
一夏と鈴とセシリアがヨガ同好会の一員となった!
次はヴィシュヌに入会の許可を得よう!
『『『 お願いします! 』』』
『あ、いいですよ』
ヴィシュヌは二つ返事で快諾してくれた!
やったぜ!
『ヨガはただの趣味ですが、私の一番は他国の方々と交流したい、ですからね』
そういう事で名前も変わった!
俺たちは今日から『文化交流会』だ!
◇
旋焚玖さんと愉快な仲間達を中心としたダイジェスト回想終わり。
もう俺たちの間で、クラス対抗戦に向けての視察云々は完全に消え失せ、普通にヴィシュヌと仲良くなっただけなのである!
現に一夏はヴィシュヌにIS戦術の話は一切聞かなかった。「当日は正々堂々勝負しよう」とヴィシュヌに言うのみだった。誠に漢である!
ヴィシュヌも一夏の言葉の意図を解し、自らISの話を振る事も聞く事もしなかった。誠に美人である!
「……っと、学園に着いたな」
下駄箱を開いて上靴を……むぁ?
中に何やらピンク色の便箋が入っている。そして、ハート型のシールが開封するところに貼ってある……だと……?
こ、これはまさか……!
ら、ら、ら、ラブレターというモノではなかろうか。
「……ッ!」
そして少年は風になった。
◇
目にも止まらぬ神速の上をいく、目にも映らぬ超神速で男子トイレの個室に入った旋焚玖。ごくりと喉を鳴らし、いざ……ラブレターを開封…!
『やったわ☆ 投稿者:変態糞娘』
「……?」
『昨日の8月15日にいつもの有権者のお嬢様(17歳)と先日メールくれた汚れ好きのガテン系のおねーさま(22歳)とわたくし(13歳)の3人で県北にある川の土手の下で盛りあいましたわ』
「……?」
『……――やっぱり大勢で黄金まみれになると最高ですわ。こんな、変態娘と黄金あそびしませんこと。はあぁ~~早く黄金まみれになりませんこと(原文)』
「……原文?」
『追伸 あなたをお慕いしています。本日、13時に屋上でお待ちしています』
「!!!!!!!!!!!」
やっぱりラブレターじゃないか!
この世の春が来たぞコラァッ!!
13時に屋上だな!
行きますよー! 行く行く!……あれ、でもちょっと待って。13時って言えば、確か一夏の試合じゃなかったか?
【恋は友情よりも重い。一夏なんか知らん】
【友情は恋よりも重い。ラブレターなんか知らん(一夏ルート】
【折衷案。一夏にちゃんと話して許可を得る】
一夏ルートって何ですか?
序章(短文)