オーバーロード~とある冒険者の冒険   作:暇茄子

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2話

 

 冒険者組合を飛び出し、町の外まで走った辺りでそういえば組合長の場所を知らないことを思い出して立ち止まる。

 すると付近からモンスターの気配がする。

 いつの間にか囲まれてしまっていたようだ。

 

 「ギシャァ!」

 

 ゴブリンだ。

 ゴブリンとはつぶれた顔に低い鼻をつけ、横に広い口から小さな牙が上向きに生えていて、肌の色は茶色、不潔でベトベトした髪をしている人型のモンスターだ。

 難度は2~5といったところだ。

 成人男性なら倒せて当然な魔物と言えるだろう。

 つまり雑魚だ。

 

 待ちきれぬと言わんばかりに手前のゴブリンが飛びかかってくる。

 それを腰から引き抜いた片手剣で切り裂く。

 次々と草むらからゴブリンたちが出てくる。

 数は見えているだけで10匹程、魔法を使うやつや弓を持ったやつは今のところいないようだ。

 タレントをつかいゴブリンを観察するが脅威になりそうなものは何もない。

 

 つまりこちらの独壇場ということだ。

 ゴブリンなんて疲労しなければ無限に倒せるような雑魚だ。

 次々と切り裂いていき、逃げようとしたやつを魔力の矢(マジックアロー)で追い討ちをかけて倒す。

 これで全部のようだ。

 特に語ることもない只の蹂躙だった。

 

 これからどうしたものか、このまま冒険者組合に帰るのは勢いよく出た手前恥ずかしいし、かといって組合長の居場所はわからないし。

 はぁ…

 とりあえず狩りをして帰ることにしよう。

 そしてその金を冒険資金に当てることにしよう。

 

 

 草原を歩いているとドシンドシンという地響きが聞こえてくる。

 きっと大型の魔物が近くにいるのだろう。

 そしてその魔物はこちらに向かってきている。

 この音からして恐らく人型、オーガかトロールだろう。

 この近辺にトロールが出たという話は聞かないので十中八九オーガだろう。

 難度は15といったところだ。

 駆け出しには辛い相手だが、このくらいなら群れじゃないようだし余裕だろう。

 

 木陰から三メートル程の禿げ上がった猿のような巨人が出てくる。

 やはりオーガのようだ。

 片手には木で出来たこん棒。

 

 「武技“斬撃”!」

 

 振り下ろされたそのこん棒を余裕をもってよけて隙だらけの横っ腹に武技“斬撃”を叩き込む。

 

 「グゴオォ!」

 

 オーガが痛みでこん棒を振り回す。

 それを数歩下がり避けて魔法の詠唱をする。

 

 「魔法最強化炎弾(マキシマイズマジックファイアーショット)!」

 

 手から強化された炎の弾が射出される。

 これは第一位階の魔法炎弾だ。

 威力は強化したところで大したことないが、敵を怯ませるには充分な威力だろう。

 

 炎にあたり一瞬動きを止めたオーガに肉薄し武技を発動する。

 

 「武技“能力向上”“斬撃”!」

 

 武技によって向上した力で打った斬撃は前の傷よりも深くオーガの体を切り裂き、致命傷となるレベルの切り込みとなった。

 血を吹き出しながら暴れまわるオーガに魔力の矢(マジックアロー)で追い討ちをかけると断末魔の叫びをあげながら倒れる。

 どうやら死んだようだ。

 

 魔物討伐は本来一人でやるべきことではないのでいつも以上に疲れてしまった。

 普段ならどこかのパーティーに野良で入るか馬鹿たち(例の二人)と一緒にいっているのだが、今回は例外だ。

 それに冒険者組合を、やめたら一人でやっていかざるを得なくなるから今のうちに経験しておくべきだろう。

 

 とりあえず今日は疲れたから帰るとしよう。

 もつ夕方だしな。

 そう思いきた道を戻ろうとすると後ろから魔物の気配がする。

 振り向くとそこには大量のゴブリンたちが。

 

 あ、だるいやつだ。

 そう直感した俺は走り出したが、ゴブリンたちも負けないと言わんばかりに追いかけてくる。

 このまま王都まで走っていったらモンスターテロそのものなのでどこかで倒す必要が出てくるだろう。

 今日は帰れそうにないなと考えながらゴブリンたちと泥まみれになりながら戦った。

 

 

 翌日冒険者組合に顔を出したら銀貨を受け渡しながら馬鹿たちが大笑いしていた。

 こいつら死ねばいいのに。

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