今日、俺はなんだかんだで俺と東風谷さんは街に出て買い物、兼街紹介をすることになった。
決してデートなんかじゃないぞ!?
「まず東風谷さんの私服とか身の回りで必要なものを買おうか。」
「そうですね!どんな服を買おうかなぁ〜」
(東風谷さん楽しそうだなぁ)
東風谷さんのこれから起こる出来事に期待する表情は楽しそうだった。
「とりあえず、近くのショッピングモールに行こっか。」
「ショッピングモールがこの近くにあるんですか!?」
「あるよ!」
「そうと分かれば急ぎましょう!!」
東風谷さんはそう言うと子供のように駆け出した。
「あっ!待ってよ!道わかんないでしょうが!」
場所は移ってショッピングモール。東風谷さんは服選びに没頭している。
俺は服を吟味している東風谷さんの横でどんな服を選ぶのか見ていた。
「新くん、私 試着室行ってきますね!!」
「あ、うん。」
(東風谷さんに似合いそうな服だったなぁ…)
「新くん!!これ似合いますか!?」
「すごく似合ってるよ!これ買うの?」
「う〜ん…もうちょっと買っていいですか?」
「いいよ!でも程々にねー。(苦笑)」
あんまり買いすぎると今月のお小遣いが干上がってしまうからね。なんせ払うのは俺だから!!
まぁ、東風谷さんのためならいいか…
「こんなのはどうですか!?」
「うん!大人っぽくていいと思う!」
「えへへ〜!」///
(可愛い」
「え?何か言いました?」
「んぇ!?いやいや!?何も!?」
どうやら無意識のうちに考えが言葉になってしまった。事実だから、まぁしょうがないよね。
と、まぁこんな感じで一日のほとんどを買い物で終わらせた。あとは帰り道に街の紹介をするかな。
「新くん、私ちょっと着替えに行ってきますね!」
「はーい。ここで待ってるからね。」
「はい!」
新しい服に着替えに行った東風谷さんを待つ間、俺は休憩所の椅子にもたれてぼーっとしていた。
すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ、新じゃん!!お前何してんのここで。」
「ヴェ!?来人!!」
(なんでてめぇがここに居るんだよ!!)
「お!たくさん買い物してるねぇ!何買ったんだ?」
「しょっ、食料だよ!てめーにやるモンなんてねぇからな!」
「分かってるよそんくらい!んじゃあ俺そろそろ行くわ!夕方から友達と遊ぶ約束してるからさ!」
「お、夜遊びか、警察に気をつけるんだぞ。それじゃあな。」
来人は俺にそう告げて走って人混みの中に消えた。
(あぶねー!東風谷さん見られると色々誤解されそうで怖かったー!!)
俺がそう考えていると、東風谷さんが着替えを済ませて帰ってきた。
「お待たせしました!行きましょうか、新くん!!」
「そ、そうだね!」
俺は気持ち急ぎ足でショッピングモールを出ると、いろんな寄り道をしながらこの街を紹介した。
「ここが駅で…」
「ここは街の図書館で…」
「ここは学生に人気のカフェ!…」
気がつくともう時刻は夕方の5時を回っていた。
「もうこんな時間か。東風谷さん足きつくない?」
「いえ!まだ歩けます!!歩けるんですけど…その…」
「?」
「お腹が空きました」ニコ
やっぱり可愛い。
「そうだね。どこかで食べていこうか。」
「はい!」
俺と東風谷さんは近くにあったファミレスに入って食事をとった。
「東風谷さん。」
「はい?」
「東風谷さんには友達いる?」
「はい!いつも仲良くしてもらっているお友達がいます!」
「そう…東風谷さんは、その、幻想郷の友達とかと会えなくて辛くない?」
俺のその言葉を聞いた瞬間、一瞬だけど東風谷さんの表情は曇った。だけどすぐに明るくなって、
「そうですね…実は少し寂しいです。」
(やっぱりそうだよな。)
親しい友達がいた世界から、いきなり何も知らない世界に迷い込んで…寂しくないわけない。
「早く…早く帰れるといいね。」
「はい。それまで、お世話になりますね!」
「うん!困った時はお互い様、なんでも相談してね!!」
「ありがとうございます!!」
「それじゃ、帰ろっか!」
「はい!!」
自分が友達と会えなかったら…周りに知る人が誰一人いなかったら。
俺は風呂の中で、ご飯を食べている時に話した内容を思い出してそんなことを考えていた。
「東風谷さんはやっぱり強い人なんだな。寂しいのにあんなふうに笑えるなんて。」
せめて少しの間くらい寂しさを忘れさせてあげたらいいなぁ。
俺はそう思いつつ、風呂から上がった。
俺は次の日、東風谷さんが「海を見たい」と言ったから、近くの砂浜に連れてくことにした。
気分転換には丁度いいと思ったし、最近海に行ってなかったからいい機会だ。
「幻想郷、海ないんだっけ。」
「はい。私は早いうちに向こうに行ったので、海をあまり見ることが出来なくて。貴重な休日を割いてまでありがとうございます!」
「構わないよ。俺も海久しぶりにいくし。」
そうこうしてると、俺達が歩く目の前に大きな蒼い海が姿を現した。
「わぁ…!!」
東風谷さんは久しく見た海に心踊らせ、海に向かってかけて行った。
俺は波打ち際ではしゃぐ東風谷さんを遠巻きに眺めながらゆったりとした時間の流れを感じると共に、確かな不安に心を締め付けられていた。
(こんな時間がいつまでも続けばいいのに…)
いずれ東風谷さんは幻想郷に帰ってしまう。その時俺は、何を思うのだろう。果たして東風谷さんのように笑っていられるだろうか。
東風谷さんと過ごした時間は本当に短い時間だけど、
「…!」
東風谷さんといる時は誰といる時よりも楽しかった。
「…ん!」
そんな風に思えた相手が突然居なくなって、
「あ…た…!」
果たして俺はやって行けるだろうか。
「新くん!?」
「っ!!」
気づくと目の前に東風谷さんがいた。ずっと呼んでいたらしいけど、俺は全く気が付かなった。
「どうしたんですか?そんな表情をして。」
「え…」
そんな表情…俺、今どんな表情してるんだろ。分からない。だから、適当な答えを探して東風谷さんの質問に答えた。
「あ、あぁ…て、テストが近いから憂鬱だなぁ〜って!」
「やっぱり新くんは面白いですね!」
今日、新くんと海に行きました。久しぶりに見た海は広くて蒼くて綺麗でした!それに風も気持ちよくて、来てよかったと思っています!連れてきてくれた新くんには本当に感謝してます!!
でも…
新くんはあまり楽しそうじゃありませんでした。私が声をかけてもどこか遠くを見てるみたいで。それに、とても悲しそうな、寂しそうな表情をしていて。
新くんは「テストが近いから憂鬱だ」って言っていました。でも、テストが近いからってあんな表情はしないはずです。
新くんは私の小さな悩みに気づいて、相談に乗ってくれました。私はその時とても気分が楽になりました。
だから、新くんにも悩みがあるのなら、私に相談してほしいです。たとえ力になれなくても、私に出来る精一杯の事をしてあげたいから。
新くんは、私を助けてくれた、私の大切な人だから…
続く
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!いかがでしたでしょうか?ご意見・ご感想ありましたら、どしどし送っていただければ幸いです!これからも良い作品作りに尽力していきたいと思います!!
本日もありがとうございました!