平和主義イビルジョーの食事情   作:王道を行くヘタレウス

3 / 15
やっとイビルくんが自分を理解します。


どうぞ!


やっぱりジョーでした。

俺が“アイツ”である可能性は高い。

 

洞窟に戻ってから、自分の体を調べて至った結果である。

①理性で抑えられない食欲

②底なしの胃袋

②に関しては、アプトノスを食って満足感を得たんだけど、

まだ食えそうなんだよ。

それから、洞窟に戻って分かった(調べた)こと。

③大地の結晶に写った自分は、緑っぽい。

 鏡じゃないから詳しくは分かんない。

④尻尾が重め

⑤スタミナ切れが早い

 レウスから逃げた後、5分位はハアハア言ってた。あの短距離で。

今述べた俺の特徴からして、俺は…

 

イビルジョー

 

だろうな。確証はないけどね。

幸い孤島には水辺が沢山あるから、確認はすぐできそう。

この洞窟から通じてるエリアは3と6。

エリア6なら姿確認できそうな水辺あるよな。

またレウスみたいな奴いたらまずいなー。

でもまあ行ってみるか。

 

――――

 

さてと、水辺水辺ーっと。

あったあった。

キレイだな本当。前世の世界の水が泥水に思える。

で、やっぱり俺はイビルジョーだった。

別にショックでも嬉しくもないけど、

まあ自分が何か分かってほっとしたよ。

でもおかげで課題が大量にできたよ。

イビルジョーは食欲の化身みたいなモンスターだから、

誰彼構わず喰おうとする。

つまり、俺が俺自身の食欲を抑えられない限り、

俺の命はそう長くない。

それは嫌だね。

自分の敵は自分とはよく言ったもんだよ。

 

………なんて考えてたら

ジャギィ3匹のターゲットになった。

1つ言わせて。

ジャギィでかいよ!!!!

俺より少し大きい。てか俺ちっさ!イビルジョーなのに!?

まあ、生まれて3時間位だからそうかもねー。

こいつらどうしよう。

食欲の暴走はない。

代わりに敵意全開だわ。

レウスは強さの格が違いすぎて逃げたけど、

こいつらくらいは倒せないと。

イビルジョーのスペックも知りたいしね。

脚に力を込め空気を吸い込む。

そして叫べ!

「グルアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

咆哮。小さいながらも出来た。

そんな小さい咆哮でも。ジャギィからしたらびっくりらしい。

内1匹が俺から目を反らした。

正面で怯んだら死ぬんだよ!!

脚力に任せて頭から突進。そのまますくいあげる。

ジャガイモ投げジャギィverなり。

視界をすぐ後ろへ。

走ってきたジャギィを尻尾で凪ぎ払う。

ちょくちょく言ってたけど、俺の尻尾は筋肉質で重い。

それをイビル自慢の脚力で振り回すこの攻撃は、

現時点で威力第二位ってとこだろう。

さあ、あと一匹。

尻尾攻撃の隙をついて噛みついて来るけど、もう一回転して牽制。

一歩引いて構えなおすけど、もう遅い。

一気に突っ込んで首に下から食らいつく。

モンスターの弱点は大体首か頭。

それはジャギィであっても変わらない。

ハンターからすればどこを殴っても一緒かもしれない。

けど、今の俺にははっきりと分かる。

一匹目と二匹目で感覚的に理解した。

腹は軟らかかったのに、背中に当てた尻尾からは

しっかりとした硬さが伝わって来た。

そんな弱点に俺の第一の凶器の牙が入れば、致命傷は避けられない。

めっちゃ強いモンスター以外。

地面に叩きつけて、小さい頭を食いちぎってフィニッシュ。

流石に頭骨は食えないや。 ポイッ

そんな訳で、俺の初戦闘は圧勝で終わった。

 

――――――――

 

ふぁーー!

疲れたー!

あのあとスタミナ切れした俺は10分くらいダウンした。

水辺の水に浸かってクールダウンしつつ水分補給。

この世界の水マジでうまい。完全な無味無臭なのに清清しい。

そして今はジャギィを実食中。

すこしパサつくけどしっかりとしたお肉の食感。

鳥竜種ってのはここからきてんのか?

――ごちそうさまでした――

 

――――――――――

 

さて、時間なんてわからないけど、すっかり夜だね。

澄んだ空気を流れる夜風が心地いい。

ザー……ザー………ザー

海の音か?いいね。――なっ!?

[ピィィィィィィーーーーーー!!!!]

ロアルドロスだと!?

じゃあさっきの音は這いずりの音か!?

油断してたー!戦犯かよ!

モンハン界で油断って‘死’直通だよー!

流石に勝てそうにない。

そしてロアルドロスさん。

洞窟の前にたたないでー!!

アイツの突進なんてもらったらただじゃすまないな。

それに水ブレスはスタミナが・・・

スタミナ・・・そうだ!

たしかアイツのポ〇デリングは抂走エキスを作ってるはず。

なら少しいただこう。

全力ダッシュで突っ込もう。すれ違い様に食い千切ってやる。

相手がこんなチビに!ってなったらその間に洞窟へ。よし。

まずはダッシュ!ロアルドロスは余裕そうに待っている。

ありがとよ!!突っ込まれたら死んでたな。

ミニジャガイモを飛ばして注意を反らす。

ロアルドロスの目がそれを捉える。

今!!!

グシャァ

お、俺の半分くらい取れた!

[ガァッッ!?]

ふん。元HR999なめんな。

洞窟へ走り去った。

 

――――――――――

 

ふうー。緊張したー。

レウスと違って正面から向かい合ったから怖さが5倍。

アイツしばらく居着きそうだなー。

じゃあエリアはここと、様子みて3だな。

今回のエリア6は収穫が多かった。

ジャギィ撃破、イビルジョー発覚、身体検査、

色々分かったし出来た。

でも一番はやっぱこの海綿質だろ。

俺は一応転生した人、否、竜だから、

食った相手のスキル獲得くらいは欲しいよ。

それが無くても狂走エキスを取り込めれば

イビルジョーの弱点ザコスタミナが解消できそう。

じゃあ、、

いただきまーす。

マッッッッズッッ!!

例えるなら磯臭いスポンジ!

あのポ〇デリングみたいな外観は何なの?

生きるためだ!我慢しろ!

――あれは食べ物じゃない。能力up素材だ。

こうして俺は怒り喰らうイビルジョーしながら

海綿質を食べきった。

 

スキル獲得にしても吸収にしても、時間はかかりそうだな。

エリア3で口に残るマズさを流して洞窟に戻る。

そのとき見た大空は東京の夜景より明るく星が輝き

今日の疲れを忘れるくらい美しかった。

 

そんじゃ、おやすみ~。

 




今回は長めに書いてみました!
1000~1500くらいがいいか、2000~がいいか、
感想欄に書いていただけると嬉しいです!

ではまた次回で!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。