|剣士《The Fencer》だが、それだけじゃない   作:星の空

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旅……

儂は旅に出てから日本を1周したのだが、それだけでは何か足りなかったので、今度は世界1周をすることにした。

だが、今は戦争真っ只中でそう簡単に国外に出ることは叶わない。

そうそう、日本を1周している時に出会った大久保殿に助言をしたり、稀に政府へ赴いて各地の現状を教えたりと、日本の中枢を牛耳りかけたりしていた事があったかのう?

まぁ、大久保殿が暗殺されたことを知ったら暗殺者を暗殺して置いたが、大久保殿の信念故に助言をしていたが、いなくなったので関わる事はないだろうと今は一切行ってない。

取り敢えず日本の京都に今はいる。

因みに服装は転生時から変えてない。不潔だと思うだろうが、あの少女はちゃっかりと自動洗浄効果を付けており、毎日午前0時に身体事綺麗にしてくれるので楽だ。

矢張り、戦時中故にピリピリとした空気が流れている。

気楽に出来ないので、人気(ひとけ)が無い神社に寄り、休憩をとる。

「む?そこの嬢ちゃん、こんな時間にこんな所にいて良いのか?」

神社の中から1人の若干厳つい青年が出てきて、儂に問いかけた。

「愚問じゃな。儂はこの様な仕様じゃが、それなりの歳はあるし、あと、せめて嬢ちゃんではなく坊主と呼べ。儂はれっきとした男子じゃ。」

「む、そうか、すまぬ。して、その坊主とやらは如何様でこの社に参った?」

「なに、この御時世戦時中故に皆緊張しておる。このようでは気楽に観光すら出来やせぬ。童よ、何か心躍る何か無いかのう?」

「ふむ、我が家へ来るか?我が家は少々特殊でな、皆この御時世を諦観しておる。そなたを招けば何か変わるのではないかと思うたのだが?」

「かかか、諦観とな。童の一家は神か何かかえ?」

「おうともさ。我が名は素戔嗚尊。何処かしこで小耳に挟むくらいはしたであろう。」

「ほうほう、日本国の戦神の1人かえ。儂の名は紫呉涼愛千嗣。数多の神話系統の有名な剣士を継ぎし者。とはいえ、剣は全て物質を持った概念体じゃがの。」

「ほう、何れ剣で立ち会おうではないか!まぁ、上がれ。此処からでも我が家に行けるのでな。」

「そうか、ならば遠慮なくお邪魔するぞ。」

儂は素戔嗚尊ことすーさんの案内の元、日本神話の本拠地である高天原に招待され、その地へ向かった。

高天原で暫く過ごしている間に終戦したので、伊邪那岐と伊弉冉尊の次女である月読命ことヨミをお伴に世界1周の旅に出た。

何故月読命がついてきたのかと言うと、シスコンを焦らした天照から一時逃げるためである。これは伊邪那岐も協力してくれており、帰って来るまでの間に矯正しておくとの事。

それからは2人でのんびりと世界を回った。

時に邪神クトゥルフをSAN値がガク落ちしながらも撃退したり、ゼウスというギリシアの主神がヨミ(外見故に儂もじゃが)を犯そうと襲って来たが3日間に渡る激闘の末、気が付いたヘラが耳を引っ張って連れて帰ってくれたので助かった。儂が主神を倒すと色々と問題が発生するので困っていたのだ。

次日、詫びとして育て型の天候を操る権能を貰った。そのあとはヨミが月女神アルテミス殿と何やら話しておったが儂は冥府の神ハデスの胃薬必須な日常の愚痴を聞かされておりあまり聞くことは出来なかった。

その次にインドラと出会ったのだが、食い物で馬が合わず喧嘩に発展。

誤って無垢識・空の境界を使ってしまい、インドラの神格の1部を削ってしまった。

それ以来お互い不干渉となった。このままだと星が危ない。

因みに、インドラが槍を投擲してきたのを神秘殺しで弾いたらオーストラリアまで飛んでいき、エアーズロックの4分の3を消してしまった。

その時点で平成に突入間近となっており、儂とヨミは帰ることにした。アメリカ側は特にこれと言ったことは無い。

ただ、第四次聖杯戦争に巻き込まれ彼の英雄王と大々的に相対、征服王が固有結界を直ぐに貼らなかったら今頃聖杯戦争開催地は更地と化していただろう。

その後、イレギュラーにより英霊らが座に帰ることが出来ず、そのまま現界して過ごす事となった。

そのイレギュラーにより、儂は左眼を負傷してしまい、今は右眼1つで行動している。傷はそのままである。

聖杯はこっそりと大聖杯を浄化してきたのでもう大丈夫だろう。序に間桐雁夜という人物から桜という少女を託された。

そんなこともあり、やっと高天原に帰ってきた。

シスコンを焦らした天照は矯正されており、代わりに恋愛ごとに興味津々な少女となっていた。ヨミは安心してホッとしておったな。そのあとはすーさんや建御雷のタケさんと武の立会をしてパトリキウスに帰った。

行きは1人だったのに、帰ってきたらかなりの所帯となっていた。

儂こと紫呉涼愛千嗣。

何故かここまで着いてきた月読命。

雁夜に託された間桐桜。

聖杯戦争が終えて直ぐにマスターと別れた騎士王。

儂という存在が面白いのか着いてきた英雄王。

自分が住めそうな所がないからとこれまた着いてきた征服王。

赤枝騎士団筆頭は泣き黒子を抉り取っただけでその後どうなったかは分からない。

仮面を被った集団は劇団ザイードとして世界各地を転々としている。

カエル顔の狂信者はバカをしていたので儂がマスターごと殺った。

黒い兜の狂戦士は雁夜の死と共に消えた。その前に騎士王とちょっとしたやり取りをして狂化が晴れてから座に返った。

彼はイレギュラーが起こる前に返ったので、ここには残っていない。

 

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「して、そなたらは儂に着いてきたのは構わん。が、このあとは如何様に過ごすのだ?儂はそろそろ学校に通わねばならんが…」

儂は気になったことを皆に問う。

(オレ)は璃緒市に会社を経ちあげておく。相応に楽しめるであろうからな。」

英雄王は既に決まっていたようだ。

「私は近くの神明神社で巫女をしておくので大丈夫です。」

ヨミはヨミで大丈夫らしい。

「ううむ、聖杯から得た知識を元に教員になるのもまた一興。うむ、生前では体験出来なかった事をなそうではないか。」

一瞬、体格が似ているためバカテスの鉄人を連想してしまった征服王。

「ならば、皆が居ない間私は桜の面倒を見ておきます。」

最後に騎士王は1人、留守番をして桜の面倒を見てくれるようだ。

そんなこともあり、儂は中学に転校という形で通うことになった。どうやらヨミは神明神社の巫女ではあるが、早朝と晩辺りだけいたらいいようでヨミも儂と同じ学校に通うこととなっておったわ。

学校名は璃緒須中という璃緒市中枢の学校である。

 


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