白き英雄   作:蕾琉&昇華

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こんばんは(?)昇華です。
更新が遅くなってしまい本当にすみませんでした。
それと、前回は長くなってしまいすいませんでした。出来るだけ短くしたいと思います。頑張ります、はい。後、少し余裕ができて来たので、あとがきで機竜だったりのことについて書こうと思ってます。
それでは、本編の始まりです。


6.五章

人が居らず、建物も崩れ、廃れた街。

かつては小国でありながら、大国のアーカディア帝国と対等とまで言われた王国、オルバート王国。

その首都であった廃れた街を一人の少年がゆっくりと歩いていた。

空は蒼く、雲一つ無いが、廃れた街に漂う空気は灰色に染まったように澱んでいる。

一人の少年はゆっくりと周りを見ながら城のあった廃墟にまっすぐに歩いて行く。

廃墟に入った少年は全く止まることなくすたすたと歩き、一つの小部屋に入る。

中に入ると、背後に真っ白の機竜を召喚し、床を破壊する。

破壊された床の下には地下に続く階段があり、その存在に驚いたのか目を見開き、その後ゆっくりと降りていった。

 

俺は機攻殻剣を構えながら、ゆっくりと階段を下りる。一番下まで下りきると、あるはずのない灯りがあった。

すでに人がいなくなって四年は立っている。それなのに灯りがついたままということは特殊なものだということ。まるで遺跡の中の灯りの様な物だった。

地下室の奥には真っ白の機攻殻剣の刃先がおいてあった。俺の持つ機攻殻剣とその機攻殻剣の刃先は共鳴するかのようにカタカタと震え、紅い筋が浮かんでいる。

俺は機攻殻剣をその刃先に近付ける。刃先と機攻殻剣の先が触れると、激しい光が放たれ、目が眩む。光が収まり、目を開けると俺の機攻殻剣の刃先が長くなっていた。なぜ、どうやって、何て言う疑問は浮かんだが、それを考えても意味がないと割りきり、地下室から出る。

俺は廃墟を出て振り向く。いろいろ思うところはあるが今さら何かを思っても意味がないと思い、その場から離れる。

俺は故郷だった場所を離れた。

 

 

*

 

 

「うう、寒いなー、上着来てくればよかった」

 

夜のとばりがおり、冷えた風が吹く中、「学園」と呼ばれる機竜使いを養成する学園の敷地内で周囲の寮舎から漏れでる明かりに照らされた、栗色の髪の少女と、薄紫色の髪の少女が歩いていた。

 

「ふふふっ、上着なら二枚持ってきたので、貸しますよ」

 

薄紫色の髪の少女が笑いながら、栗色の髪の少女にコートを渡し、はー、と息を吐く、その息が白くなっていく。

 

「ありがとう。それにしても寒いね」

 

栗色の髪の少女はコートを羽織りながら、薄紫色の髪の少女と話ながら、歩き回っていると、前方から一人の少女が歩いて来た。

 

「あら、貴女達、どうしたのかしら、見かけない顔だけど」

 

「私達は編入の手続きをしに来たんですけど遅くなってしまったんです」

 

薄紫色の髪の少女がそう答えると、その少女は栗色の髪の少女と薄紫色の髪の少女の顔をまじまじと見る。

栗色の髪の少女はあせあせし始めるが、薄紫色の少女はどこ吹く風、二人の顔を見ていたかと思うと、その少女はため息をつき。

 

「ああ、ごめんね。貴女達みたいに可愛かったら、私のいるクラスのルクス君とシオン君を取るライバルになられたら、勝てないと思うから」

 

その少女はまた深くため息をついた、

 

「ごめんね。まあ、その二人の男子がいるんだけども、その回りに可愛い人達がたくさんいてさー、それに貴女達みたいに可愛い人が増えたらもっと厳しくなるじゃん」

 

あーやだやだ、なんて言いながらその少女は何処かに歩いていった。

その話に出てきたルクスとシオンである栗色の髪の少女と薄紫色の髪の少女はそのまま立ち止まっていた。

 

「何で皆気付かないんだよっ!!」

 

ルクスは大声で言った。回りには誰もいなかったので特に聞かれてはいなかったのだが、それが逆に悲しさを増していた。

 

「ふふふっ、どうしたんですかルノさん?大きな声をいきなり出して?」

 

俺、薄紫色の髪の少女は隣の栗色の髪の少女、ルクスを茶化す。

 

「ルノって誰?」

 

「貴女の名前ですよ。今さっき思いついたんだ、いいだろ?」

 

俺がそう言うと、苦笑しながら俺に

 

「じゃあシオンはどう呼んだらいいの?」

 

「私ですか?...そうですね、では私はシーナと呼んでくださいね?」

 

俺はルクスにシーナと呼んでくれと言う。ルクスはそれにうなずき、それぞれを『ルノ』『シーナ』と呼ぶことにした。

俺達がそのまま学園の警備をしていると、不意に、

 

「そこの、お嬢さん方?おっと、叫ばないでくれよ?可愛い女の子を傷付けるのは、俺の主義に反するからな」

 

後ろから声をかけられた、後ろを振り向くと、不審者だと思われる男がナイフを手に持ち、俺達に向けていた。その男も俺達を女子だと勘違いしているようで-勿論これが目的だったのだが-ルクスは傷ついているようだ。

俺はルクスの手を引っ張りながら、不審者の方を見る。不審者は焦げ茶色のコートとやけに鋭い目付きの男だった。

 

「いい子だ、こっちについて着てくれるな?」

 

俺達は目配せをし、様子を見ようと近付くが、

 

「いいえ、私の判断はー不許可です」

 

突如、響いてきた凛とした声に動きを阻まれた。声がしてきた方向を向くと、腰まで届く様な長い金髪と、底なしに深い翡翠の瞳、そしてはち切れんばかりの胸が印象的な少女がいた。しかしその少女は神秘的な雰囲気を纏っていた。

 

「警告します、ナイフを捨てて投降してください。と言っても、貴方に拒否権はありませんが」

 

その少女は殺意や、怒りを感じさせず、穏やかな微笑を浮かべ、生まれながらの圧倒的な差を感じさせる雰囲気を纏い、不審者に投降を進める。

しかし不審者はナイフを俺に向けながら、己を鼓舞するかの様に、

 

「へっ、すまないがそれはできないな、乳のでかいお嬢さん。お嬢さんがその腰の機攻殻剣を置いてもらおうか?」

 

軽口を混ぜながら、貴族の少女に機攻殻剣を置くように言う。

貴族の少女はそう言われ、腰の機攻殻剣を降ろす、

 

「そうですか......痛い目を見たい訳ですね」

 

かの様に見せかけ、不審者との四メートルはあったであろう間合いを前に一回踏み込んだだけで食い散らかした。

 

「「「!?」」」

 

おそらくは、不審者もこれだけある間合いを詰められるとは、思っていなかったのだろう。

貴族の少女は特徴的なレイピア型の機攻殻剣を不審者の首に突き立てていた。

レイピア型の機攻殻剣は不審者の首の薄皮一枚を裂き、血を滲ませていた。

 

「くぅっ......」

 

不審者はナイフを捨てて逃げ出した。

貴族の少女はそれを見て、レイピア型の機攻殻剣を腰に差し、こちらを向く、が俺はそれを見逃さなかった。

 

「まだ気を抜かないでくださいっ!」

 

そう言うが、不審者が落としていった-勿論わざとだろうが-卵型の何かが破裂し、煙が充満する。

 

「!?煙玉ですか!?」

 

貴族の少女が驚いている。俺は油断せず、周囲を警戒する。すると背後から殺気がした、しかし、間に合わず、何者かが投げた投げナイフが飛来する。

 

「「「!?」」」

 

俺は避けようと身をひねる。貴族の少女は突然のことで対処できず、立ち尽くす。そして、ルクスは、貴族の少女の前に立ち手を広げ、貴族の少女を守る様に立つ。そしてナイフが通りすぎる。

ルクスの二の腕から鮮血が吹き出し、俺にかかる。

 

「っ!」

 

煙幕が晴れ、辺りが見える様になると、俺の顔にルクスの血がかかっており、

貴族の少女がルクスを介抱している。

 

「すみませんっ!ルノのことはお願いします。私はあの不審者を追います!」

 

俺はそう言い、ドレイクを詠唱苻を詠まずに呼び出し、接続する。一般の生徒がここまでの高等技術を使えることに驚きつつも、うなずき、ルクスをつれていってくれた。

俺はドレイクのサーチを使うが不審者らしき反応はなく、応援を呼ぶためにシャリス先輩達のところに行き、シャリス先輩達も加わり、不審者を探すが見つからず、警備の強化を課題として残し、その日の見回りは終わった。

 

ルクス達は授業の間の休みに学園の敷地の木陰で喋っていた。

 

「ふふふ、大丈夫かしらルクス君。その怪我が痛いなら、今日の勉強会はやめておこうかしら?」

 

ルクスはエインに寄り添われながら、もてあそばれているようだ。

 

「ちょっ!?クルルシファー!?何をしているんだ!」

 

リーシャがルクスにエインよりもぴったりと抱きつき、それに対抗するかの様にエインもぴったりと抱きつく。

ルクスは二人の美少女に抱きつかれ、顔を真っ赤にしながら慌てている。

リーシャとエインの会話を聞き、その間に挟まれ、顔を真っ赤にしているルクスを見て、俺は笑いながら、助け船をだす。

 

「ふふっ、クルルシファーさんもリーシャさんもルクス君のことが好きなんですね?」

 

俺はあくまでも、女子生徒の口調で会話に割り込む。

 

「誰だ?見たことないが編入生か?」

 

「ルクス君のことを知っているなんて、情報が速いのね」

 

リーシャとエインは気付いていないらしい。

俺は笑いながら、かつらを取り、リーシャ達に再度話しかける。

 

「どうですか?意外と似合うだろ?」

 

「なっ!?シオン!?女装なんてするのか!」

 

「意外ね、でも、本当に似合っているわ、可愛らしい少女よ、シオン」

 

そんな風にほめられても、なんとなくだが、闇を感じたのだ。

 

「ありがとうございます。クルルシファーさんの様なきれいで可愛い人にそう言われるなんて、嬉しいですわ」

 

俺はふざけつつも、シーナの方で答える。エインは何故か顔を赤くし顔を反らしている。リーシャはくくく、と笑いながら、こちらを見て、

 

「天然のたらしは変わらずか、まあらしいっちゃらしいが、にしても、私達よりお嬢様っぽくないか?」

 

「いえ、あくまでも、元は男ですから、少し粗があります、声は元から高めですから」

 

ソプラノ声は元からだと、言いつつ、

 

「で、今回はセリスティアについてですか?」

 

俺はルクスの後ろに回り、首に手を回して体をくっつける。

 

「ああ、そうだが...シオンが女に見えるからな、なんだか負けた気がするぞ」

 

「ふふっ、こちらのシオン君もいいわね」

 

「えっと?シオン?」

 

「どうした?っとどうしましたか?セリスティアさんなら昨日のうちに帰って来て、俺とルクスを追い出そうとしているようですけど」

 

俺はかつらをつけながらも、俺が得てきた-女装して三年の生徒から聞いたことだ-情報を話すと全員が真剣な表情になる。

 

「後でルクスは呼ばれるだろうからな」

 

俺は真面目にルクスに言うとルクスはこちらを見てくるが、ルクスが俺の顔を見て驚いたようだ。

 

「ん?どうした?俺の顔に何かついているか?」

 

そうルクスに聞くが、ルクスの見間違いだったらしく、すぐにかぶりをふった。

俺達は結局何かセリスティアの対策を思い浮かばず。教室に戻った。

 

教室に戻ってすぐに、リーシャが学園長に呼ばれ、俺とルクスがそのあとに呼ばれた。俺は女装のまま学園長室に向かう。

 

コン、コン、コン、とノックを三回し、レリィさんから許可が出たので、俺達は学園長室に入る。

 

「ルクス・アーカディアです、失礼します」

 

「シーナ・オルバートです、失礼しますわ」

 

俺はあくまでもシーナとして入る。

学園長室には、リーシャとレリィさん、そして昨日の夜に遭遇した貴族の少女がいた。

 

「あら、ルクス君とシーナ...ちゃんわざわざごめんなさいね」

 

「シーナ?貴方は昨日の」

 

ルクスは女装しているわけでは無いのでわからないだろうが、俺は女装をしているので貴族の少女は昨日出会った人物だとわかったようだ。

 

「ええ、昨日出会いましたよ。ルノは大丈夫でしたか?」

 

「ええ、ですけど呼んだのは『シオン』と言うのでは?」

 

「ですから、こういうことですよ」

 

俺はそう言いながらかつらを取る。

 

「!?貴方は!?」

 

「だから、私がシオンなんですよ」

 

貴族の少女は俺が女装だったと言うことがわかり、腰の機攻殻剣を引き抜き殺気を放って来る。

 

「ルクス、速く要件を言ってくれ」

 

「え? あ、うん。セリスティアさん、僕は貴方にラグナログを討伐する、討伐隊を率いて欲しいんです」

 

俺達の要件はバルゼリッドが率いる筈だったラグナログの討伐隊を率いて欲しいと言うことだ。討伐隊は男だけだが、この王国でラグナログと戦えるのは、セリスティアしかいないと言われるぐらい強いらしい。

そのセリスティアに率いてもらおうと言うが、

 

「いいえ、それは出来ません。私が一人でラグナログを討伐します」

 

セリスティアは一人で倒すと言い張る。それに対して俺が反論しようとしたとき、

 

「なら、次の校内選抜戦でルクス君側とセリスティア側で別れて勝負をしたらいいじゃない」

 

レリィさんがそう言った。俺はその提案は望んでもみない助け船だった。

 

「おい、セリスティアはいいか?」

 

「ええ、どうしようがあなたがたの負けは決まっています」

 

なんて言って来た。俺はそんなセリスティアを見るが、セリスティアに特に強い人特有の雰囲気《オーラ》は感じず、ルクスに頼むとだけ伝え俺は学園長室を出る。

 

校内選抜戦でルクス側とセリスティア側に別れて戦うことになり、ルールを俺はルクスから聞いた、内容は、

 

・一、二年生徒が三年生徒に勝った場合3ポイント獲得する。

 

・三年生徒が一、二年生徒に勝った場合は一年生徒の時は1ポイント。

二年生徒の時は2ポイント獲得する。

 

・ポイントの合計獲得数が少ない方が、多い方の要求を飲む。

 

だそうだ、ルクス側には一、二年生徒全てが、セリスティア側には三年生徒が全てついた。

対決は明日からと言うことで、俺達は機竜の整備をしに行った。

 

そして、校内選抜戦当日、闘技場に俺達は集まり、ルクス側とセリスティア側に別れ、ライグリィ教官の話を聞いていた。

 

「いいか!今日は上下関係問わず、自身の着いた者の為に全力を尽くしてくれ!以上だ!」

 

ライグリィ教官の話が終わり、俺達は誰がどの順番で出るかを決めていた時、

 

「失礼するよ?ルクス君にシオン君」

 

そう言って入って来たのはセリスティア側についたシャリス先輩だった。

 

「あー!裏切り者ー!なんでルクっちにつかなかったのさー!」

 

ティルファーがシャリス先輩にくってかかる、シャリス先輩は珍しく申し訳無さそうにしながら、俺とルクスを見て、

 

「ルクス君とシオン?君、今日の第一試合にセリスはサニアとペアで、出るらしいよ、どうするかい?」

 

どうやら、シャリス先輩はその事を言いに来たらしい。ティルファーをあしらいながら、シャリス先輩は出て行った。

 

「さて、あの女が出てくるんだったら私が出よう」

 

「あら、私も出ようかと思っていたんだけど」

 

「ふふっ、リーシャさんもクルルシファーさんもやる気な、ようですが、私も出たいのですけど?」

 

「ねえ、シオン?その口調やめない?」

 

俺達三人がやる気を出していたが、エインが自分から、

 

「ふふっ、今回はリーシャ様とシオンに任せるわ」

 

なんて言い、辞退した。結果、俺とリーシャでセリスティアとサニアとか言う先輩と戦うことになった。

 

「私はこの校内選抜戦が終わるまでは基本的に女装しておくつもりですけど?」

 

ルクスにはそう言っておく。ルクスは顔をひきつらせながらも笑いながら、俺の手を握りしめて来た。

 

「ごめん、こんなことにまで付き合わせて、ありがとう。こんな僕に付き合ってくれて」

 

「何を今さら、私は自分で手伝っているだけですから、わざわざ畏まらなくてもいいです」

 

俺はルクスの耳元で柔らかいソプラノ声で言う。ルクスはぶるりと震え、顔を赤くしながら、こちらを見てくる。俺はその姿が面白くて、思わず笑ってしまう。

ルクスが何かを言おうとしたとき、時間だと言われ俺はリングに、ルクスは観覧席に向かう。

 

「すみません、遅れましたわ」

 

ふふっ、と笑いながら、リーシャの横に並び、かつらを取ることで、気持ちを切り替える。

 

「さて、私がセリスティアとやりあっている間にさっさとサニアとやらを倒してくれよ?シオン」

 

「勿論だ、ジャバウォッグを使うつもりだしな、真面目にやるよ」

 

それから、うなずきあい、リングに立つ

 

「両者、機竜を呼んでください」

 

審判の生徒が機竜の召喚を促す。俺は真っ白の機攻殻剣を、リーシャは真っ赤な機攻殻剣を剣帯から引き抜く。

 

「恐怖を振り撒け!万物を喰らいし最恐の龍!白きその身を赤く染めろ!《ジャバウォッグ》!」

 

詠唱符を詠み俺の背後に真っ白な体に深紅のラインが特徴的な機竜が顕れ、装甲が半分に割れ、俺を守る鎧となる。

セリスティアは表情を変えず、サニアは驚きの表情を浮かべ、リーシャは笑いながら、《ティアマト》を召喚している。

セリスティアとサニアもそれぞれ機竜を呼び出し、接続している。

 

「シオン、ジャバウォッグはそんな装甲だったか?もう少し小さかった気がするのだが?」

 

「いろいろあってな、これが本当の姿だ、出力などの基本性能が上がっているぐらいだ」

 

俺はリーシャの質問に答えつつ、機攻殻剣を剣帯にさし、サニアを見据える。

 

「両者、構え!...試合、開始っ!!」

 

審判の生徒の合図で俺は飛び出す。

俺はセリスティアに一気に接近し、上段から振り下ろすようにして普通のブレードで切りつける。しかし、セリスティアは落ち着いて特大の騎槍で受け止め、弾く。俺は弾かれた勢いに逆らわず、空中で体勢を立て直し、セリスティアではなくサニアに向かって飛んで行く。セリスティアは俺に追撃しようと飛んでくる。

セリスティアの機竜、《リンドブルム》は飛翔型で俺のジャバウォッグは特装型で飛翔をするための背翼があるものの、性能はセリスティアの方が高い。しかし、俺はジャバウォッグの神装を機攻殻剣に少し触れ発動させる。神装《世界喰(オムニスゲイル)》の効果でセリスティアを俺の場所と入れ換える。

セリスティアは、突然目の前にサニアが現れ、驚いて動きが止まった時に十六個の金属が飛んでくる。

それをセリスティアは騎槍だけで全てを弾く。

俺は動きを止めていたサニアを目の前の空間と入れ換え、ブレードで切りつける。

サニアはいきなり俺の前に転移させられ、動きを止めるが、俺が切りかかっているのを見て、焦ったようにしてブレードを会わせるが、そのブレードを砕く。

 

「っ!?一撃で武装を!?」

 

サニアは一撃で武装を破壊されたことに表情を大きく変えながらも破壊されたブレードを投げ捨て、予備のブレードを引き抜き、俺に接近し、フェイントを混ぜながら、切りかかって来る、その速度は普通の生徒にしては速い。しかし、俺から見れば相当遅い。切っ先をあわせて反らし、隙だらけの胴体にブレードの腹を叩きつける。

サニアは吹き飛んで行き、リングの端まで飛んでいったサニアを近くの空間と入れ換える。サニアはいきなり戻され、驚いたようだが、すぐにブレードを構える。

 

「なあ、そろそろやめてくれないか?もう力の差はわかったろ?」

 

俺は時間の無駄だと遠回しに言うがサニアの戦意は消えず、さらに燃え上がっている。

俺はさっさと勝負を終わらせる為に神装を発動する。すると、サニアが地面に叩きつけられる。

 

「なっ!?ぐうぅぅぅっ!?」

 

俺はサニアの周りの空間に重圧をかけたのだ。範囲指定をしてからの重圧なので効力は高くは無いが、普通の生徒には相当な威力だろう。俺は重圧に押され地面で動けなくなっているサニアの機竜のフォースコアにブレードを叩きつけ、装甲を解除させ、神装の重圧も解除する。

サニアは装甲を解除させられた為、リングから出ていく、俺はそれを見てから、リーシャに竜声を送る。

 

『おい、リーシャ大丈夫か?こちらは終わったぞ』

 

『ああ、なんとか大丈夫だが、そろそろきついな』

 

リーシャは竜声を返せるぐらいの余力はあるようだがすでに全力を出して数分がたっている。俺は再度神装を発動させ、リーシャと俺の空間を入れ換える。

 

「次の相手は俺だぜ?セリスティア!」

 

リーシャに攻撃をしようと接近していたセリスティアの騎槍の一撃を避け、ブレードで切りかかる。

 

「そうですか、ですが、貴方でも私には勝てません」

 

そう言って騎槍を横に薙いで来る。

予想の範囲内の反撃を後ろの空間と俺のいる空間を入れ換え、回避する。

 

「それが、貴方の機竜の神装なら、私には勝てません」

 

そうセリスティアは言い、セリスティアの纏うリンドブルムから眩い光が溢れだし、リング全体を覆う。

俺は油断なく、セリスティアを見据える、俺は一気に勝負を仕掛けに突進する。が、目の前から、セリスティアが、かき消える。

 

「!?ちっ!リーシャ!後ろだっ!」

 

俺のレーダーにはリーシャの後ろにセリスティアの反応がある。

リーシャはセリスティアの後ろからの攻撃を体をひねってよけるが背翼に掠り、背翼の機能が大幅に低下し、落ちて行く。が、セリスティアも共に落ちている。

 

「ふっ、貴様の神装は重量に限界があったよな?その限界はセリスティア、お前がリンドブルムを纏っている時の重量だよなっ!」

 

リーシャは機攻殻剣をセリスティアに向け、《天声》を発動させ、セリスティアに重圧をかけていた。

俺がその間に肉薄し、ブレードを振り下ろす。

 

しかし、閃光が迸り、セリスティアが目の前から消えていた。

 

「くぅっ!? あいつ、広範囲に雷撃を?」

 

リーシャがそう呟き、セリスティアを探しているが、操作が上手く出来ず、地面に降りる。

 

「貴方がたは強いです。ですが、私には勝てません」

 

凛とした声が響いて来る。

俺は声がした方向を見ると、セリスティアはリングの端の中空に浮かび、肩に連結されている、砲身をこちらに向け、その砲身から今、光弾が発射された。

その光弾はゆらゆらと数メートル飛ぶと、激しい光を放ちながら、エネルギーの奔流が放たれた。

 

「《スターライトゼロ》」

 

そうセリスティアが呟き、エネルギーの奔流が一気に勢いを増す。

 

「おい、リーシャ。絶対に俺の後ろから動くなよ?」

 

俺はリーシャに動くなと言い、ブレードを正眼で構える。

エネルギーの奔流が迫って来る中で、俺は集中力を極限まで高める。

少し間違えれば大惨事を引き起こす。

それが無いように、俺は極限まで集中する。

そしてエネルギーの奔流がすぐ先にまで迫る中で、俺はブレードを静かに振り下ろす。

 

次の瞬間、次元が割れた。

 

目の前に迫っていた、エネルギーの奔流が縦に割れ、エネルギーの奔流がそこに無かったかのように消え去る。

 

「「!?」」

 

俺の後ろにいたリーシャ。そしてエネルギーの奔流を放ったセリスティア、それぞれが息を飲むのが聞こえて来た。

振り下ろしたブレードは鍔から上が跡形もなく消え去っている。

 

「大丈夫か?リーシャ」

 

俺は刃の無くなったブレードを投げ捨て、後ろを振り向く。

リーシャは力無く笑っているが、笑みがひきつっている。

 

「さて、これからかな?セリスティア」

 

俺は壊竜鋭爪を引き抜き、背翼を全快にし、セリスティアに、肉薄する。

セリスティアは騎槍を構え、こちらを迎え打って来る。

俺の壊竜鋭爪とセリスティアの騎槍が交わる、その寸前に時間を知らせる鐘が鳴る。

俺は神装で、リーシャの近くの空間と俺がいる空間を入れ替え、装甲を解除し、形式にそって、俺とセリスティアは礼をし、リーシャをお姫様抱っこする。

 

「うおっ!? お、おい?恥ずかしいだろ、やめてくれよ」

 

リーシャは顔を真っ赤にして、うつむきながら、近くにいる俺にしか聞こえないような小声で文句を言って来るが、顔を真っ赤にして、うつむき、恥ずかしがっているリーシャが可愛らしく、思わず頭を撫でる。

 

「はははっ、やっぱりリーシャは可愛いな」

 

「うっ!?やめてくれよ、恥ずかしいじゃないか......でも、もう少し撫でてくれても、いいぞ?」

 

リーシャは、恥ずかしがりながらも、もっと撫でて欲しいなんて言って来る。

それを見ると、いとおしさが込み上げて来て、もっと撫でる。

しかし、撫ですぎるのもあれなので、撫でるのをやめ、リーシャを医務室に連れて行く。

 

リーシャはそこまでひどい怪我ではなく、安静にしていれば大丈夫だそうだ。

俺はリーシャを医務室の教官にお願いし、ルクス達の待つ部屋に行く。

その道中で、二人の女子生徒が待っていた。

 

「どうしたんですか?セリスティア先輩にサニア先輩?」

 

サニアとセリスティアは医務室の近くにいた、サニアは少し苛立っているようだが、特に何かをする様子はなく、セリスティアはいつも通りの雰囲気を纏っている。

 

「サニアが、貴方に言いたいことがあるらしいので」

 

「ふーん?そうか、...で?」

 

セリスティアはサニアの付き添いらしく、俺に用事があるのはサニアらしい。

 

「明日の初戦、私が出る。そこで、ルクスとやらを出せ」

 

サニアはルクスと戦いたいらしい、それを俺が聞いてどう思うかは、また別だが、俺は無言でうなずき、すたすたと二人の前を通りすぎた。

後ろで、セリスティアが何かを言おうとした様だが、それを無視して俺はその場を通り過ぎた。

 




いかがでしたか?
字数が多いのはもう当たり前になって来た昇華です。
前書きに書いていた様に、オリジナル主人公だったりの設定等を書いて行こうと思っています。
まずは、オリジナル主人公の設定です。

頭髪 白+薄紫
目 薄水色

身長 164cm
体重 52kg

といったところです。
シオンの設定は少し小さめの男子という風に考えています。身長体重は日本の男子高校生の平均身長と平均体重を参考にしています。
次に、ジャバウォッグの設定です。

装甲 白
ライン 真紅

神装 『世界喰』《オムニスゲイル》
効果 自身を中心に半径300mの時空を支配する。

特殊武装
『怪竜翼銃』《ウォーバルウィル》
二丁銃型 着弾した部位の動きを抑制する
『壊竜鋭爪』《ガルムウォーパル》
中型ブレード型 障壁、防御型特殊武装を無効化する
『壊竜毒霧』《アルノスギフト》
チャフグレネード型 範囲内にチャフを発生させ、任意でチャフに神経毒を付与

といった感じです。
機攻殻剣が元に戻ったことでいろいろと変化した、といった設定になっているので神装と詠唱符が変わっています。

〈シオン〉「ところでさあ、エインとアイリちゃんはどっちがメインヒロインなんだ?」

おお、シオン君いきなりだねー。私としては君がメインヒロインとか言っちゃダメだと思うなー?

〈シオン〉「?、なんか、ごめん?」

まあ、なぜタグではアイリがメインヒロインと言っているのに、クルルシファーとのイベントが多いのかと言うとだね、私[昇華]と相方の[蕾流]とで意見が食い違ったせいなのだよ!!

〈シオン〉「おおー!そんな胸を張って言うことじゃないなー」

ふふふ、私はクルルシファー押しなのだが、蕾流がアイリ押しなのだよ!
結果として両方ともイベントを入れる事になったのだっ!!
シオン君頑張ってくれたまえっ!

〈シオン〉「俺はじゃあ、あんたと蕾流の意見の食い違いで、エインとアイリちゃんにふりまわされるのか?」

応!まあ、悪いことはないだろ?

〈シオン〉「まあ...」

ならばいいじゃないか。まあ、最後はタグにあるように、ね

〈シオン〉「?なんだか嫌な予感がするぞ?」

ふふふ、いいじゃないかシオン君。君は良い思いをできるんだから。
と言うわけで、茶番は終了。
これからも私達をよろしくお願いします。
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