今日僕の家にお兄ちゃんが住む日だ。お兄ちゃんといっても遠く離れて暮らしているし、そもそも家族ってわけじゃない。でもいつも優しくしてくれて、お兄ちゃんが体験した不思議なことをいつも聞かせてくれるんだ。幽体離脱して色んな場所に行ったことや、【座敷童子】と一緒に暮らしていたりとか!
でも座敷童子って、家から離れたらその家は不幸になるっておばあちゃんから聞いたことがあるけど……大丈夫なのかな? それに幸福を呼ぶってことだと龍神と鳳凰がそれぞれ……えっと、二柱ずつ居るって。確か神様の数え方が“柱”だから合ってるはず。
お兄ちゃんが来るのを待ってると玄関のチャイムが鳴った。すぐにモニターを見るとお兄ちゃんが何やらフラフラとバランスを崩しそうにしているのが見えた。
〔はーい!待ってて!〕
そう言ってすぐに玄関まで向かう。ドアに着いて開けると大好きなお兄ちゃんが笑顔でそこに居た。
「おう裕太、久しぶりじゃのぉ。」
「久しぶりお兄ちゃん!」
「元気しよったかね? また色んな話しあるき、楽しみにしちょいてよ。」
「うん! あ、早く入って! 案内するから!」
「これこれ、焦らんでもえいき。先に裕太のお父さんとお母さんに挨拶せにゃね。」
のそりのそりと家に入るお兄ちゃん、まだフラフラしてるし髪まで引っ張られてるから座敷童子がイタズラをしているみたいだ。といっても実際に見えてるのはお兄ちゃんだけで、僕には全然見えない。だから羨ましいって思っちゃう。
それでも今たった1人だけ僕の話をちゃんと聞いてくれたり、質問にもちゃんと答えてくれるお兄ちゃんだ。しかも妖怪のことを調べる勉強をしているんだ。でもお兄ちゃんが言うには見方が違うから全然違う内容って言ってた。
お父さんとお母さんにあいさつをしたら僕が手を引っ張って部屋まで案内する。空き部屋が1つだけあったからそこを使ってもらうんだけど、あそこ元々すごいホコリだらけで、お兄ちゃんが住むことが決まったからがんばって掃除したんだ。でも何だか変に涼しいから妖怪が居るのかなと思って見渡してみたけど、僕には見えないから諦めちゃった。
「ここだよ、お兄ちゃん。」
「ほぉ……ほぉ?」
「どうしたの?」
「この部屋、何かおるねぇ。」
「何かって……妖怪!?」
「そこまでは分からん。まぁ見てみんと何も言えんきの、ちょっと待ちよ。」
そう言ってお兄ちゃんはその部屋に入り、僕も入ってみた。僕が見ても何にもわからないけれど、お兄ちゃんは部屋の左の隅っこの戸棚の方をずっと見ていた。ふとその戸棚の方まで歩いて、取手に手をかけた。勢い良く戸棚を開けると、お兄ちゃんは声をあげて後ろに下がった。
「うぉっ!」
「お兄ちゃん!?」
「大丈夫で、にしても……あっ逃げたな。」
「逃げたの!?」
「【
「えー!見たかったー!」
「裕太やったら尻もち着いて暫く動けんと思うで〜?」
「違うもん!」
「ハッハッハッ、そう怒らんでえいき。外国のお化けの話するで。」
結局その話が聞きたくてお兄ちゃんの準備を手伝うことになった。でも外国で見た【タキシム】っていうお化けはすごく面白かったし、少し悲しくなった。
裕太君視点
そういえば裕太君最近出てないよね。