もしモンストの堕天使が銀さんみたいな感じだったら   作:ネルゲル

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アニメに合わせて1話で終わそうとしたのに無理だった汗




第三話〜己が定めた信念が為に〜

ルシファーはオーブを手に持ったまま驚愕しているウリエルに徐々に近づく。

 

「どうして…?」

 

裏切られたような顔で見つめてくるウリエルに、ルシファーはククッと軽く笑った。

 

「どうして…?言ったろ?この天界には私の護るもんはないってな。お前らには分からないだろうな。私にとって、今の天界には憎しみしかない事に」

 

笑った後は怒りに変わり

 

「仲間を失って気付いたんだよ…この天界は腐り切ってるってなぁっ!!!」

 

ウリエルに向かって物凄いスピードで襲い掛かる。

 

「くっ!!」

 

ウリエルは翼を展開して、すぐに外に出ようとするとルシファーの紫電が窓にぶつかり、爆発を起こした。

 

そのまま二人は夜の天界を飛び回り、戦闘に入ってしまう。

 

「今すぐオーブを渡せ!!さもないと…どうなっても知らないからなっ!!」

 

紫電を仕舞って木刀を展開する。するとウリエルも二つの剣を展開して迎え撃つ。

 

ガキィィィン!!!と剣と木刀がぶつかり合う。

 

普通の木刀なら真っ二つに折れる勢いなのだが、ルシファーのは全く折れずにビリビリとその衝撃が手に伝わってくる。

 

「ケテル様に聞いた!!貴方が仲間を失った後にたった一人で敵を全滅させたって!!どうしていつも無茶するの!?どうしていつも一人で抱え込むのっ!?教えてルシファー!!貴方は一体、何を知ったのっっっ!?!?」

 

「なんで貴方が《破壊と救済の剣》なんて持ってるのっ!?」

 

ウリエルは知ったのだ。木刀の正体は、持ち主の意思によって全てを破壊する剣にもなれば、全てを護る事ができる剣にもなる。

 

「……私は私のやり方(ルール)で壊したい物を壊し、護りたいものを護る。お前らが知る必要は微塵のかけらもない。それに私が一人だと?今の私を理解し、信頼してくれる馬鹿どもがいる。そいつらを死ぬまで護るだけだ。今のお前らには言っても分かる訳がないっ!!」

 

サンダルフォンとメタトロンの顔がルシファーの脳裏に浮かんで

一気に木刀を振り抜く。

 

「ぐっ!!」

 

ルシファーの一振りで自身諸共、数メートルほど吹き飛ばされる。

 

なんとか空中で留まり、建物との衝突を免れた。

 

(ダメージ受けてもないのに、なんて威力なの!?)

 

ウリエルはあの木刀、《破壊と救済の剣》の力の一部を見せつけられた気分だった。

 

それにルシファーには協力者がいる浮上が出て来た。

 

だが、そんな事よりもルシファーの言葉でショックを受けた。

 

お前らには分かる訳がない。

 

それがウリエルの心を傷付ける。それにルシファーに特に一番懐いている天使が目に映る。

 

「ルシファー!!貴方、ガブリエルをも見捨てる気なのっ!?」

 

どこにいてもルシファーの隣にはガブリエルがいて、姉妹のように仲が良くて

 

ウリエル、ミカエル、ラファエルはそれを見ていつも微笑んでいた。

 

「………………」

 

ガブリエルの名前が出た途端に、少しの間に目を閉じ、そして開けると同時に口も動かす。悲しみの表情で。

 

「この天界にしがみ付いているお前らは…私にとっては邪魔な敵だ。今必要なのは、そのオーブだけだぁあああああああ!!!!!」

 

そしてウリエル達を敵だと叫び、木刀を構えて突撃する。

 

ウリエルは懐に隠していた《天使殺しの剣》を出そうとしたが躊躇っている内にルシファーが目の前にいた。

 

そして二人は二度目の衝突に遭遇した。

 

衝撃のあまりに周りに煙が漂り、視界が晴れるとそこには

 

「…チッ」

 

右腕を押さえて距離を取るルシファーと

 

「ちっ、違うの!!ルシファー!これはっ!!」

 

《天使殺しの剣》を手に持ち、彼女に危害を加えてしまった後悔で慌てているウリエルがいた。

 

「ぐぁあああああああああああ!!!!!!!」

 

ルシファーの周りから膨大なエネルギーが集まり、暴発した。

 

それは市街地を巻き込んでウリエルごと吹き飛ばす。

 

「きゃあああああああああああああああっ!!!!!!」

 

ウリエルはなす術なく、喰らって吹き飛ばされるとどこかの屋上に激突して意識を失った。

 

「はぁっ…はぁっ…………」

 

間もなくして、翼も体もボロボロになったルシファーもどこかに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルシファーとウリエルが飛び去った後。

 

 

爆発の音でサンダルフォンとメタトロンの二人は急いで部屋を出るが、ルシファーの姿はなかった。

 

「メタお姉ちゃん!!私達も行こう!!」

 

サンダルフォンは翼を広げて飛ぼうとしたが、メタトロンに止められる。

 

「待って。二人一緒は流石にマズイなの。二手に別れて追いかけたほうがいいなの」

 

二人一緒に捕まったりにでもすれば計画はパーになる可能性が出てくるが、ルシファーに何かあったりしたらと思うと気が気でない。

 

それほどに彼女達にとってはルシファーはかけがえのない存在になっている。

 

お互い探す方向を決め、サンダルフォンは西の方向へ。

 

メタトロンは東の方向へと飛んでいく。

 

「ルシお姉ちゃん……どこ?」

 

サンダルフォンが行く所々に襲撃にでもなったかのような跡がある。

 

 

「!?きゃあっ!?!?」

 

すると奥のほうから物凄い音が聞こえて、その余波で吹き飛ばされそうになった。

 

耐えた彼女は急いでその方向へと向かう。

 

到着した頃には視界が晴れて見渡しが良くなっている。

 

上空から隅々まで捜していると、ある建物の屋上で誰かが倒れていた。

 

「!?ルシお姉ちゃんっ!!!」

 

ルシファーだった。

 

急いで急降下して着地し、ルシファーの元へ走る。

 

「ルシお姉ちゃんっ!!しっかりっ!!」

 

右腕には酷い傷があり、気を失っていた。

 

すぐにどこ見えない場所に運び込み、声を掛け続けようとした時。

 

上空から天使達の声が聞こえ、口を押さえて身を隠した。

 

 

「こりゃあ…随分と派手にやったもんだ」

 

「噂で聞いた事あるけど…まさか本当にルシファー様が?」

 

「バカっ!!ルシファー様がそんな事するわけないでしょ!!」

 

「だよなぁ。あーあ。早く部隊結成してくんねーかなぁ…」

 

 

好き勝手に喋っていきながら去って行く天使達に、サンダルフォンはぎりっと歯軋りをする。

 

更にその背後からは二人の大天使長がいた。

 

「大天使長ミカエル……ガブリエル」

 

そう小さく呟く。ルシファーは他の大天使長四人の話を良くしていた。ミカエルとは良く馬鹿やっているとか、ウリエルは真面目過ぎてラファエルはおっとりし過ぎるとか。特にガブリエルについては妹のように可愛がっていると沢山、話してくれる。

 

聞いているこっちとしては嫉妬しかないが(特にガブリエルに)、ルシファーが嬉しいそうに話すから自然と楽しく聞いてしまっている自分達がいた。

 

 

そんな事を思い出しながら二人の会話を聞く。

 

「ルシさん……ウリエルさん……」

 

「ガブくんは…特にルシ君が心配で心配で仕方ないんだろ?」

 

「なっ!そんなつもりじゃないですよっ!二人共、心配ですよ!!」

 

ガブリエルはミカエルに怒っているように声を大きくした。

 

「……噂は噂でしかない。僕も噂だけで終わってほしいと思ってる。…でも、こうなった以上は調べるしかない」

 

「そう、ですよね…」

 

ニヤニヤから真面目な表情で話すミカエルにガブリエルは声を震わせる。

 

「さっさとルシ君の無実を晴らして、また一緒に馬鹿やるのが僕の仕事なのだからね」

 

「もう、二人の後始末は大変なんですからねーっ!?」

 

ミカエルもルシファーが無実である事を信じている。それだけでガブリエルはホッと一安心する。

 

ミカエルとガブリエルがここを過ぎて行くのを確認した後、サンダルフォンはルシファーに声掛けようとするが、

 

「サンちゃん…ルシ姉、見つかったのね」

 

メタトロンが合流した。

 

「うん、怪我してて…」

 

そう言うと彼女は顔を顰めた。

 

「…さっき、大天使長ラファエルがウリエルを見つけたなの。今頃はルシ姉を捜しているから時間の問題なの」

 

「こっちにもミカエルとガブリエルが来た」

 

早くここから離れないと

 

と言った時に

 

「…っ」

 

ルシファーが目を覚ました。

 

「「ルシ(姉)お姉ちゃんっ!!」」

 

「お前ら…まだ…」

 

まだ二人がいたのを驚いて上体を起こしたがズキズキと腕が痛む。

 

「今、治療するねっ」

 

サンダルフォンは急いで応急処置をとってくれたおかげで完全ではないが、大分楽になった。

 

礼を言い、呼吸を整えてから

 

「サンダルフォン、メタトロン…ここを今すぐに出ろ」

 

厳しい口調で二人に帰るように促す。

 

二人は当然のように驚き、反抗しようとするが

 

「………頼むよ」

 

滅多に見せない、綺麗笑った顔にメタトロンは

 

「……わかったなの」

 

「えっ!?」

 

素直に頷いた。それに驚いたサンダルフォンだが、直ぐにメタトロンに掴みかかった。

 

「メタお姉ちゃんっ!なんで!?ルシお姉ちゃん怪我してるのにっ!!一人にしちゃうっ…!?」

 

ルシファーと一緒に行くと言い出す前に溝に一発いれた。

 

「メタ…お姉ちゃん…?」

 

驚愕した表情でメタトロンに体を預けて気を失ったサンダルフォンに、ごめんなのと呟いた。

 

「悪いな……」

 

申し訳ないと頭を下げたルシファーにメタトロンは首を横に振った。

 

「私も本当は一緒にいたいなの…でも、ルシ姉を困らせたくないから」

 

だから、必ず生きて成功させよう

 

メタトロンはそう言ってサンダルフォンを担いで飛び去って行った。

 

「あぁ…全ては世界のためにな」

 

ルシファーも飛び去った方向を見つめてそう誓った。




次もアニメ3話の内容からです汗
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