オレのギャングアカデミア!   作:ジャギィ

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感想でナランチャのネタバレに関して言及されました。考えてみればアニメやってるタイミングだったからこういう人がいるはずなのに、配慮が足りないと痛感しました

ネタバレになってしまった人は大変申し訳ありませんでした。こういうことが今後もあると思いますが、これからも楽しんで読んでもらえると幸いです

……やっぱり声優ネタならこのすばinホルマジオの方が良かったかなぁ


第3話

ナランチャが日本語を聞き取れるようになるまでにかかった歳月、実に2年!!そして日本語をしゃべられるようになるまでかかった歳月は、これまた2年!!

 

本来赤ん坊というものは4、5ヶ月ほどで泣く以外の言葉を発する。そこから徐々に周囲の環境から言葉を吸収し、そこから1年2年も経てば、自然と話すことができるようになる

 

その肉体は幼くともナランチャの精神年齢は高校生ほどである。ゆえに言葉を難しく吸収してしまい、結果、ナランチャの言語能力は周囲よりも著しく遅れて成長した

 

しかし、言語の基礎を覚えてしまえば、ナランチャの成長速度は一気に速くなった!!もともと成長が活発な子どもの脳という点とナランチャの魂に刻まれた経験を踏まえれば、当然のことでもあった

 

そしてナランチャが生まれ変わってから4年が経った…

 

「かあさん、きょうのばんごはんなに?」

「今日の晩ご飯は魚よ、出久」

「うええ〜!オレはしでほねとるのにがてなんだよな〜」

「こら!ワガママばかり言わないの」

 

腰に手を当てて文句を言う出久に怒るインコだが、本気で怒ってるわけではないことはナランチャも分かっているため、大人しく椅子に座る

 

箸の使い方に悪戦苦闘しながら食事をしていると、つけてたテレビにある映像が映った

 

『HAHAHAHAHA!!!もう大丈夫!何故って!?私が来た!!』

「あ、オールなんとか」

「あら、オールマイトが出てるわね」

 

テレビに出てきたのは“平和の象徴”と呼ばれる最強のヒーロー“オールマイト”。見た目の画力が違うアメリカンな筋骨隆々の男だ

 

「出久、もしかしてヒーローになりたいの?」

「ううん。オレ、ぜんぜんきょーみないや」

「そ、そうなの?」

 

時々見せる子どもらしからぬ反応にインコは少し驚くが、きっとまだ何も分かっていないのだろうと自己完結した

 

当然そんなインコの考えとは裏腹に、ナランチャはある程度分かった上で興味がなかった

 

(ようするに犯罪者捕まえて金もらってるってことだろ。そんなの警察だってギャングだった頃のオレにだってできる)

 

周囲の子どもと比べて精神年齢が高いナランチャからすれば、ヒーローなんてその程度の認識でしかなかった

 

(それに、オレにとってのヒーローはブチャラティなんだ。男っていうのは、ああいう人のために働くものだ)

 

何より、母親が死に、父親に愛されず、友に裏切られ、ドン底に落ちぶれていた過去から自分を救って真剣に向き合ってくれた人物

 

前世で所属していたギャング組織のチームのリーダーであるブローノ・ブチャラティこそが、ナランチャのヒーローなのだから

 

「それと出久、来週“個性診断テスト”を受けるんだけど覚えてる?」

「えーっと…オレがどんな“こせい”をもっているかしらべるんだっけ?」

「そうよ。出久はどんな“個性”が出てくるか楽しみね」

 

“個性”のこともちゃんと理解しているナランチャも、実はほんのちょっぴりだけ、どんな“個性”が出るのか密かに楽しみにしていたのだった

 

しかし……

 

「諦めた方が良いね」

 

現実は非情である

 

「この世代じゃ珍しい…何の“個性”も宿ってない型だよ」

「それじゃ出久は!?」

「“無個性”、ということになるね」

「“ムコセー”…?」

 

医者の先生から告げられた言葉を舌ったらずに繰り返すナランチャ

 

そう、ナランチャが憑依した緑谷出久は、現代では珍しい“無個性”の人間だったのだ。その事実を知ったナランチャは大きくショックを受けた…

 

(へぇー、オレ“無個性”なのか)

 

…わけでもなかった

 

もともとギャングに入団するまではスタンドもなしで、それも一時期浮浪児として劣悪な環境で生きてきたことを考えれば、“個性”が使えるだの使えないだのはどうでも良かった。母親と同じ“個性”だったら色々と楽なんだろうなーと考えていたくらいである

 

(スタンドの感覚は間違いなくある。でもなんで出ねえんだろうなーッ)

 

この4年間、ずっと『エアロスミス』を出せるように訓練を続けていたが、一向に良くなる兆しが見えなかった

 

なぜスタンドを出すことができなくなったのか。ナランチャはその理由がわからずじまいだった

 

無情な宣告の後、帰宅したナランチャは自分の部屋でプロペラ戦闘機のおもちゃを弄りながら色々と思いを馳せていた

 

(別にヒーローになりてえってワケじゃねーが、どうせならちゃんと勉強して、父さんと母さんを喜ばせてやりたいなぁ〜)

 

戦いが終わったら故郷でもう1回学校に通おうと思っていたナランチャは、今世は真面目に勉強しようと考えていたのだ。理解できるかどうかはともかく

 

ガチャ…

 

「出久……」

「…?」

 

ナランチャが振り返ると、そこには暗い表情で部屋を覗いているインコの姿があった。申し訳なさが滲み出た表情だ

 

それを見てナランチャは察した。きっと母さんはオレを“無個性”で産んだことに負い目を感じているのだと

 

「かあさん、オレ、だいじょうぶだよ。“ムコセー”でもきにしてないから」

「…………ッ!!!!」

 

ナランチャは気にしてない風にそう言ったし、実際に気にしてなかった。が、何も知らないインコからすれば『我が子が自分を気遣って精一杯強がっている』ようにしか見えなかった

 

インコは飛び込むように出久を抱きしめた

 

「ごめんねえ出久、ごめんね…!!」

 

ボロボロ泣きながら、子どもにこんな言葉を言わせてしまった自分自身を呪いながら、謝り続けた

 

そしてナランチャは、母親に泣きながら謝られるという初めての経験に困惑しながらも、その頭を優しく撫でた

 

泣いている自分にそうしてくれた、かつての母さんのように

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