オレのギャングアカデミア!   作:ジャギィ

4 / 9
多分次くらいに原作が始まると思います


第4話

ナランチャこと出久の“無個性”が判明した次の日

 

「おいデク!おまえ“ムコセー”なんだろ!」

 

現在通っている幼稚園で、金髪で爆発ヘアーの子どもが出久をデクと呼びながら話しかけてきた

 

この子どもの名前は爆豪(ばくごう)勝己(かつき)。緑谷出久の幼馴染で、ガキ大将的な存在である。ちなみに爆豪は4歳にしてもう漢字を読めたりする。出久の名前は間違って出久(デク)と呼んでいるが

 

「なんだ、カツキか。それがどうしたんだよ?」

 

最近よく突っかかってくるようになった幼馴染に対してナランチャは素っ気なく対応する

 

「“コセー”がないってダッセーな!オレはヒーローむきの“コセー”っていわれたぜ!やっぱりおまえよりオレのほうがすごいってことだよな!」

「どうでもいいだろ?カツキがつよい“コセー”をもっててもオレにはかんけいないじゃん」

 

これだ。ナランチャのこの態度が爆豪は嫌いだった

 

自分より箸の使い方も下手で、足も遅くて、あげく“個性”もないクセに、「爆豪なんて敵じゃない」と言わんばかりの態度が爆豪をムカつかせていた。最近自分よりも漢字を読めるようになってきたことも気に食わないことだった

 

「ナマイキだぞ!デクのクセに!」

 

そう言って爆豪はナランチャに殴りかかってきた

 

「フン」

 

所詮子どものパンチ。そう思ってナランチャはいつものようにギリギリで避けて

 

BOOM!

 

「あがぁ!?」

 

顔の近くにあった爆豪の掌が突然爆発して、ナランチャを吹っ飛ばした。これが爆豪の個性“爆破”。いわゆる“強個性”と言われる強力な能力であった

 

「爆豪くん!ダメじゃない、“個性”を人に使っちゃ!」

 

園児たちを見ていた保育士の先生が爆豪を注意する。しかし爆豪には注意などどうでもよく、初めてデクを倒してやったと笑い……

 

「てめ〜〜〜」

 

勝ち誇った爆豪の目には、片脚だけ立てて座り込んでいる出久の姿が見えた。強く擦れたのか、腕や顔から血がたくさん出ていた

 

「てめ〜〜〜!」

 

血が出てるほおの擦り傷に手を当てながら、ナランチャはドスをきかせた声を震わせ……そして!

 

「ブッ殺す!!」

 

怒りを爆発させた!

 

ドオオオン!!!

 

叫ぶと同時にナランチャの生命エネルギーが形となって、上空に飛ぶ。重厚なプロペラ音を鳴らすそれを見た先生が戸惑いながら言う

 

「ひ、飛行機!?」

 

ドルン!ドル ドルン!ドル ドルン!

 

そう、今ナランチャの体から飛び出した…このプロペラ戦闘機こそが、ナランチャの具現化した精神

 

『スタンド』である!

 

「おいデク!なんだそれ!」

 

出久の目の前で滞空する小型の戦闘機を“無個性”のデクが出したことに爆豪は混乱し叫ぶ

 

そしてナランチャはその疑問を、スタンドの名前で返す

 

「『エアロスミス』!!」

 

ナランチャはエアロスミスを操作する。そして爆豪を真正面から機銃掃射で撃ち抜く

 

ドガガガガガ!

 

「ぐえぇ──!!」

「キャアアアー!」

 

目の前で園児が蜂の巣にされるという光景に保育士の先生は悲鳴をあげた

 

「い、いてぇー!」

 

しかし脳裏に浮かんだ最悪の考えとは裏腹に、爆豪は地面で転がって痛がるだけだ

 

これはナランチャ自身も気づいてないことだが、ナランチャがスタンド能力を使えなかったのは決して『エアロスミス』を失ったからではなく、単に肉体の生命エネルギーが足りな過ぎたために『エアロスミス』を呼び出せなかったのであった

 

現にエアロスミスも本来の大きさとパワーとスピードを大幅に失っていて、人間を穴だらけにできる機銃掃射もせいぜいゴムボールをパチンコで撃った程度の威力になっていた。それでも4歳児には十分すぎるダメージだったが

 

そしてスタンドパワーを制御する闘争心。新しい世界に生まれてからはギャングの世界のように激しく感情を燃やす機会がなかったが、緑谷出久としての初めてのピンチが、スタンドを呼び出すきっかけとなった

 

動けない爆豪にナランチャは近づき

 

「ちっくしょおおおおお────────ッ!」

 

ドグォン!

 

容赦なく蹴りつけた!

 

「うがぁ!」

「こんなにちがでてるじゃあねーかぁ──ッ!」

 

ドガッ!ドガアッ!

 

「よくも!よくも!よくも!ブッ殺すッ!ブッ殺すッブッ殺すッ!」

「げ!が!うご!」

 

普段はおとなしい出久が鬼のような形相で爆豪を蹴りまくっている。あまりに普段とは違いすぎる出久の凶暴な一面に、園児は怯えまくっている。先生も園児とは思えない威圧感に手を出せずにいた

 

「ブッ殺すッ!ブッ殺…」

 

BOOOM!

 

「うげぇー!」

 

ずっと続くと思われた暴力の嵐はナランチャが爆音の後に吹き飛ばされたことで終わりを迎えた。見れば機銃掃射と蹴りでアザができた体を起き上がらせて掌を爆発させる爆豪がいた

 

吹っ飛んでいったナランチャは服の一部が焦げていた。“爆破”の個性をモロに食らったおかげだ

 

「よくもやりやがったなデクゥ!“ムコセー”でぜんぜんすごくねえクセに!」

「るせーんだよカツキ!てめーこそがきのくせに、ちょーしのってんじゃあねえぞぼけ!」

 

売り言葉に買い言葉。それに普段から互いに不満があったのもあって、2人のケンカはだんだんとヒートアップしていき……

 

「おれがいちばんすげえんだよ!!すごくねえおまえがエラそーにするんじゃねえ!!」

「『エアロスミス』!!」

 

ナランチャは『スタンド』を、爆豪は“個性”を、再び互いにぶつけ合うのだった

 

 

 

 

 

この日、2人が『スタンド』と“個性”を使った初めての大ゲンカによって、翌日の幼稚園は休みとなった。肝心の2人も大怪我を負うまでケンカを続けたため、3日間幼稚園を休むことになり…

 

「ホラ出久!早く勝己くんに謝りなさい!」

「勝己!アンタが先に手ェ出したんでしょ!アンタから謝りなさい!」

 

3日後、母親と一緒に2人は対面していた

 

「かあさん!オレぜったいわるくねーぜッ!カツキがさきになぐったんだからよぉー!」

「なんでオレからなんだよ!あやまるならデクからだろ!」

「「言い訳しない!!」」

 

ゴツン!!!

 

「「イッテェ───ッ!!」」

 

ナランチャと爆豪は、2人仲良くたんこぶを作る羽目になったのでした

 

チャン♪チャン♪


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