キーン、コーン、カーン、コーン…
今日の最後の授業を終わらせるチャイムが学校に鳴り響くと、教室の生徒たちはそろって帰りの準備を始めていた
「おーい緑谷!」
「ん?」
ナランチャもサイフをポケットにしまっているとクラスメイトの男子に話しかけられた。爆豪とよく一緒にいるヤツだ
「今日ゲーセンで新しい台出るらしくってよぉ、おまえも一緒に来ねえか?」
そう言って誘われたがナランチャは首を横に振る
「わりぃ、今日母さんから帰りにサラダ油とか買ってくるように頼まれててよ〜。あんま遅くなれねえから今日はやめとく」
それだけ伝えると手に持ったカバンを左肩にかけてナランチャは教室から出ていった
「なんだよ、ノリわりぃな〜ぁ」
「しゃーねえ。カツキでも誘うか」
通学路…
ナランチャはスーパーに向かうために別の道を通っていた
「……」
しかし、ナランチャは短いトンネルの中で急に歩くのをやめて後ろを見た。正確には、トンネルの地面にある
GLOOP…
「ハァハァ…Mサイズの、隠れミノ」
するとその時!マンホールの蓋が吹き飛び、下水道から腐臭漂うヘドロのバケモノが現れナランチャに襲いかかった!
「よっと」
だが
「かわした…?」
完全に不意をついたのにあらかじめわかっていたかのように躱されたヘドロの体をした男は不可思議そうにする
そしてナランチャは、襲ってきた男の正体をつぶやく
「オメー…
「動かないでほしいなぁ〜君は俺のヒーローなんだ……。ちょっと体を乗っ取らせてくれるだけでいいんだ…俺が逃げ切る間な!!!」
ヴィラン(“個性”を無断使用する犯罪者。“個性”は法律で資格者以外むやみに使ってはいけない)はドロドロと体を動かしながらナランチャを乗っ取ろうと再び襲いかかってくる!
それを見たナランチャは無言で『エアロスミス』を発現させて機銃をヴィランに向ける。急に小さなプロペラ戦闘機が出てきてもヘドロヴィランは笑うだけだ
「なんだそれ!そんなチンケな飛行機がお前の“個性”か!?アマァァァ〜〜〜〜ッイィ!!!そんなんじゃ俺のヘドロの体には傷1つつけられ」
ブヂュン
「ぃぎゃアアーッ!!?」
しかしヘドロヴィランの言葉の続きは、激痛の絶叫に早変わりした
なぜなら、ナランチャが『エアロスミス』の最低火力の機銃で相手の目を撃ち抜いたからだった。眼球をえぐっただけだが失明には十分なダメージである
ヴィランは右目を抑えながらひたすら混乱した。ダメージを受けたのもそうだが、
「情けねえ声出してんじゃあねぇよ。目ェつぶされたくらいでよォー」
攻撃してきた当人がヴィランの前に立つ
「テメェの体、全部がヘドロのハズじゃあねえ。だったらどうやって物を見たりメシ食ったりするかって話だもんな〜。内臓はどうなってんのかシラネーけど。それに体を自由にヘドロにできるなら
(なっ…なんだこのガキ!?
「ヒ、ィイ!」
逃げなければ!!!
後ろから追っかけてきてる奴よりももっとヤバい奴と出会ってしまったと感じたヘドロヴィランはマンホールに向かって踵を返し
「残念だけど逃げられないのさ!何故って?」
しかし出てきたマンホールから拳を突き上げて、追ってきた奴が現れる
「私が来た!」
筋骨隆々なV字の前髪の男は腕をめいっぱい引き下げ
「
ヴィランに向けて突き出した!
「
ブオッ!
そのパンチは凄まじい風圧を生み出し、流動体ゆえに掴むことが難しいヘドロの体をバラバラに吹き飛ばした
「ブェア──!!!」
“個性”の特性でバラバラになっても生きてるヴィランは、体をトンネルの壁にベチャベチャ打ちつけながら気絶した
そしてその光景を見ていたナランチャは、筋肉の男を見て名前を口にした
「オールマイト……?」
そう、今ナランチャの目の前にいるこの男こそ!
現代において“平和の象徴”と呼ばれるNo. 1ヒーロー『オールマイト』であった!!!