新しい破壊者になったので、世界の崩壊(二度目)を阻止します 作:ZENOS
見渡す限り無限に広がるような宇宙のような空間。そんな中に一人の青年が立っていた。
その空間は、1つ明らかにおかしい点があった。
「なぜ地球がいくつも存在している?」
しかもその地球はお互いに崩れながらぶつかり合っている。
「いや、融合しているのか……?」
青年が辺りを見回していると後ろから一人の若い男が現れた。
「誰だお前は」
青年がそう問うと、男はにこりと笑って青年の問いには答えずに、話し出す。
「門谷司さん。この崩れていく地球たちは、それぞれ別の世界の地球たちです。私たちはこの崩壊を止めるためにあなたにお願いしたいことがあるのです」
「俺が世界の崩壊を止めるだと? 悪いがそんな力は持ち合わせていないんだ。他を当たってくれ」
「大丈夫です。力なら渡します」
男はそう言うとどこからともなく司に見覚えのあるものを取り出した。
マゼンタ色と黒色のそれは……
「ネオディケイドライバー?」
「はい。実は最近、神々が様々な世界に仮面ライダーの力を持たせた転生者を送り込んでるそうで再び世界の崩壊が始まっているのです。そこでこれを使ってその仮面ライダーたちを倒してきてほしいということです。」
「……わかった。引き受けよう」
「そういってくれると思ってました」
男は司にネオディケイドライバーを渡すと、最初からあんな空間は無かったんじゃないかと思うくらいに唐突に姿を消した。
しかし、自身が持っているネオディケイドライバーが現実にあったことだと証明している。
司が周りを見渡すが、元居た世界と何ら変わっていない。
「俺の行く異世界とやらはどうやって行くんだ?」
司はそう呟くと、まさかなと自分でも思いつつ、右手を前へと突き出す。
すると、灰色のオーロラのようなゲートが現れた。
恐る恐る近づいて、中に手を入れてみると、すっぽりと入り込んでいく。
「……行ってみるか」
意を決して、そのゲートをくぐると、先程までの現代日本の町並みは消え失せ、代わりに中世のヨーロッパのような街並みが姿を現した。
「ここは一体何の世界だ?」
情報を得るために辺りを見回すと、すぐ後ろに途轍もなく巨大な塔が立っていた。
写真を撮るのが趣味な司はこれは写真を撮らなければと、首からかけていたカメラを向ける。
パシャリ。と写真を撮ると、その異変に気が付く。
「……これは」
写真のピントが合わなかったのだ。
「これじゃあ。本物のディケイドの門矢士と同じだな……」
写真を眺めてなんとも言えない気持ちになっていると、急に後ろから衝撃が襲ってきた。
幸いぶつかったのは肩だけだったので転びはしなかったが、ぶつかってきた相手を見てギョッとする。
なんと、血だらけなのだ。血だらけの少年が「ごめんなさーーい!」と叫びながら塔の中へと走っていく。
ふと、さっき少年がぶつかった肩を触る。
「最悪だ……」
その手には、血がべっとりと付いていた。