リセットフューチャー(DB2次創作・オリキャラオリ設定あり・超とのクロス設定あり・未来悟飯もの   作:従弟

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・事前説明
 DB二次創作です。
 DBの知識があることを前提にして大幅に描写を省いています。
 オリキャラ、オリ設定、超とのクロス設定があります。
 内容は、未来悟飯ものです。
 作品の描写、設定不備につきましては、指摘を受けても、恐らく直すことができないことを先にお詫びいたします。
 なぜなら、これが限界まで力を出し切った結果だからです。
 
 ファイターズ編投稿に際して、分割しました
  
それでは、本編を始めます。楽しんでいただければ、幸いです。



未来編 人造人間編

・プロローグ

 

魔人ブウによって、第七宇宙は壊滅した。

それが、この世界の歴史。

終わってしまった過去。

だからこそ、界王神は、決意した。

この世界をやり直すことを。

 

「時間大逆流!!」

 

界王神にのみ、一度だけ許された権利。

自分の担当する宇宙の時間を巻き戻す技を使った。

それにより、宇宙は蘇る。

 

ほんの少しのズレを作りながら、時間は再度流れる。

 

・プロローグ2

 

孫悟飯は、空中で体勢を整えられないままでいた。

本気を出した人造人間の猛攻に耐えきれなかった。

眼前に迫るエネルギー弾の雨に、よぎるのは二つの思いだった。

一つは、地球人としての思い。

残していく母や弟子に対する申し訳なさ。

弟子のトランクスを自分の道連れにしなくて済んだ安堵。

もう一つは、サイヤ人としての思い。

首がもげようとも、敵を倒そうという闘争本能。

人造人間に殺された仲間の仇をとれなかった不甲斐なさへの怒り。

 

二つの思いを抱えたまま、悟飯は意識を手放した。

 

「行けい!筋斗雲!」

 

最後に聞いたのは、どこか懐かしい声だった。

 

 

・人造人間のいらだち

 

「ちっ。なんだったんだ。あれは」

 

目障りな悟飯をやっと殺せると思った時だった。

黄色い雲が、悟飯をかっさらっていったのだ。

しかも、直後に激しい目くらましを浴びてしまったせいで、どこに行ったのかもわからなかった。

 

「それで、どうするんだい」

 

いらだつ17号に18号が問いかける。

 

「舐められたままっていうのは性に合わない。

今回は、積極的に探し出して、確実に殺してやる」

 

あの黄色い雲は目立つ。

地道に目撃者を探せば、すぐに逃げた場所はつかめるはずである。

二人は気を探れないため、地道に情報を集めなければならない。

面倒なことには違いないが、その面倒くささを上回るいら立ちが17号にはあった。

 

「あんたがそういうなら、いいけどさ。

あたしも、そろそろ、あいつはうっとおしいと思ってたんだ」

 

「なら、行くか」

 

「ああ」

 

その日、人造人間によって、一つの町が消えた。

理由は、なんとなくそこにあったから。

 

・亀仙人の提案

 

悟飯が目覚めたのは、カプセルコーポレーションの一室だった。

全身傷だらけだったものの、後遺症はなし。

3日間眠り続けていたのだと、ブルマから聞かされた。

悟飯に置いて行かれたトランクスは、そのことについて、一切の恨み言を言わなかった。

ただ、ひたすらに自分の無力さを謝った。

悟飯はトランクスをおいて行ったことを間違いだとは思っていない。

あの時点でトランクスを連れていけば、二人とも殺されていた。

そうなれば、人造人間に対抗できる人間はいなくなっていた。

それでも、自分がしたことがどんなに酷いことだったかは、トランクスの姿からよくわかった。

 

「すまなかったな。トランクス」

 

悟飯を助けてくれたのは、亀仙人だった。

人造人間に対抗する手段が見つかった。

それを、伝えるために、移動している最中に、悟飯を見つけたのだという。

 

「武天老子様って、筋斗雲乗れましたっけ」

「気合で乗ってやったわい」

 

そんなことよりも、人造人間に対抗する手段が見つかったというのが、大切だった。

 

「神様の宮殿に、精神と時の部屋という場所がある。

外部と完全に隔絶された部屋で、その部屋では外界の一日が一年になるんじゃ。

神様が死んでから、壊れていたが、ミスター・ポポが修理したらしい」

「一年。それで、人造人間に勝てるようになるでしょうか」

「精神と時の部屋は、時間の流れが違うだけではない。

重力もここよりずっと重いし、空気も薄い。気温の変化も激しい。

悟空ですら一か月持たなかったと聞いておる」

「父さんが」

「うむ。しかし、その過酷な環境こそがおぬしらサイヤ人の力を増す何よりの助けになるはずじゃ。

100倍の重力ルームで修業した悟空が、劇的に成長したのと同じ理屈じゃよ」

 

100倍の重力と聞いて、トランクスが少し引いていた。

今では、エネルギー不足で、重力ルームのような大規模なトレーニング施設を使うことはできない。

発展途上のトランクスはまだしも、悟飯は今の環境下での成長は頭打ちになっていた。

今回の提案は、願ったりかなったりだった。

定員は二人までということで、悟飯とトランクスの二人が入ることとなった。

亀仙人は精神と時の部屋の外で待機。

ブルマは何かがあった時のために、カプセルコーポレーションに残ることとなった。

 

「チャチャっと、パワーアップして、さっさと人造人間なんてやっつけちゃいなさい」

 

とは、ブルマのことばである。

あいかわらずの豪快さに、悟飯は苦笑いする。

正直に言えば、悟飯は今回自分が、そこまで成長できるとは思っていない。

あくまで、トランクスのサポート。

師匠として、トランクスが一人でも戦い抜ける力を得るための手助けをしようと思っている。

この数年で自分の戦士としての成長は終わってしまった。

その思いは、トランクスの著しい成長をみるたびに強くなっている。

そして、それは、希望でもあった。

自分がダメでも、いつか、自分に続く誰かが人造人間を倒してくれる。

それは、悟飯の中での誰にも言えない確信であった。

 

「悟飯よ」

 

精神と時の部屋に入る前に、悟飯は亀仙人に呼び止められた。

 

「なんでしょうか」

「おぬしには、まだまだ、成長の伸びしろがある」

 

内心を見透かされて、悟飯は言葉に詰まる。

 

「おぬしは、真面目で心優しい、とってもいい子じゃ。

じゃが、いい子過ぎる。

悟飯。おぬし。戦いを嫌わなくてはならない。そう思っておるのではないか」

 

悟飯は、戦いが嫌いだ。

見知らぬ大人にさらわれた(後に、悟空の兄であったと聞かされた)のが最初の戦場だ。

そこでのことは、よく覚えていないが、父親である悟空が死んでしまった。

次の戦いは、悟飯自身も参加した。

父親の友達が次々と殺された。師匠であったピッコロも悟飯を庇って死んだ。

そこで、悟飯は何もできなかった。

ナメック星での戦いでも一緒だ。

沢山の人が死に、やはり、悟飯は何もできなかった。

それでも、最後には悟空が何とかしてくれた。

ドラゴンボールで死んだ人々を生き返らせて、平和な生活を取り戻した。

しかし、悟空が心臓病で死んだあと、人造人間が現れた。

仲良くなった悟空の仲間は次々殺された。

ピッコロも死に、ドラゴンボールはなくなり、死んだ人をよみがえらせることは不可能になった。

そして、今、当時の戦士の中で悟飯だけが生き残っている。

悟飯は、今でも、自分が無力だと思い込んでいた。

人が傷つき、平和が壊される。

戦いなんて嫌いだ。

それは、偽りのない悟飯の気持ちだった。

亀仙人は、うんうんと頷いて、悟飯の頭を撫でた。

骨ばった皺だらけの指が、悟飯の髪を左右に乱す。

その時になって、悟飯は自分が大きくうつむいていることに気付いた。

 

「戦いは辛いものかもしれん。

じゃが、辛いだけじゃったか。

ピッコロとの修業はどうじゃった。ナメック星にいくまでの、クリリンと修行はどうじゃ。

ナメック星から帰ってきてから、チチに隠れて、悟空ともこっそり修行しとったじゃろ」

 

たしかに、それらは、悟飯にとってもかけがえのない大切な思い出だ。

しかし、それとこれとは別だ。

 

「戦い自体に良いも悪いもない。

相手がどんな悪人じゃろうが、強い相手と戦えば興奮する。

その強い相手に打ち勝つことができればうれしい。

当たり前のことじゃろ」

「それは、そうかもしれませんが。人造人間は、やつらは、皆を殺した」

「人造人間を憎いと思う。それもまた道理じゃ」

「あの、武天老子様。何が言いたいのか、わからないのですが」

「つまり、悟飯。おぬしは、真面目過ぎるから、自分で壁やら天井やらを勝手に作っておるのじゃよ。

人造人間が憎いから、戦いを楽しんではいけない。

人が傷ついてるんだから、張り詰めてなくてはいけない。

そういう、自分自身を抑圧する壁が、お前の成長を妨げておるように、わしは感じる。

相手が憎くても楽しい戦いもあるし、人が傷ついてても気にならないこともある。

ましてや。おぬしは戦闘民族サイヤ人の血を引いておるのじゃぞ。

戦いが楽しくないわけは、あるまい」

 

この間の戦いで死にかけた際に顔を出した、狂おしいまでの闘争本能を思い出す。

だが、それでも、悟飯の倫理観はその理屈を肯定できない。

 

「無理に納得しろとは言わん。

じゃが、もっと気楽に構えてもいいとわしは思っとる」

 

悟飯がゆっくりと顔をあげる。

 

「ほれ、悟空のやつもよく言っておったじゃろ

オラ、ワクワクしてきたぞっての」

 

・精神と時の部屋、人造人間の暇つぶし

 

悟飯とトランクスが精神と時の部屋へと入ってから、しばらく後。

カプセルコーポレーションのある西の都へ、人造人間が迫っていた。

人造人間17号と18号の二人は、車を使い、時に歩きながら、弁当を食べ、人を殺し、街を壊して、ピクニックを楽しむようにゆっくりと悟飯達の追跡をしていた。

そのため、普通なら半日かからない距離の西の都につくのに、3日以上かかった。

西の都に入って、二人がしたのは、まず破壊だった。

適当な建物を壊す。

気に入ったものは奪う。

そうやって、しばらく遊んでいた。

 

「そういえば、孫悟飯のやつでてこないな」

「ビビっちまってるのかもしれないね」

 

廃墟と化した西の都で、適当に建物を破壊しながら17号は言った。

18号はというと、興味なさそうに答える。

 

「探すのもめんどくさいし、おびき出すか」

「好きにすれば」

17号が、始めたのは遊びだった。

悟飯達をおびき出すための遊び。

西の都で生き残っている人間をまず集める。

そして、ビルの屋上などの見晴らしのいいところに、一人ずつ十字架に貼り付けておいておく。

勿論その作業は、街の住人達自身の手で行われた。

少しでも、動きが遅ければ殺された。

腐っても都というだけのことはある。

100人以上が貼り付けにされて、高い場所に放置された。

 

「よし、これで、後は10分ごとに一人ずつ殺していこう」

 

悟飯が出てくれば良し、出てこなくても17号の気は晴れる。

何とか人造人間の目から逃れたブルマが、亀仙人へと、連絡を取った。

 

・修行の終わり

 

連荒くを受けた亀仙人が下した決断は、非情だった。

人質を見捨てる。

今の状態を悟飯とトランクスに教えれば、修行を中途半端にして助け向かうだろう。

それは、絶対に避けるべき事態だった。

通信機から10分おきに聞こえる断末魔は、5分おきになり、3分おきになった。

人造人間の気まぐれで、時間は前後した。

そのたびに、悲鳴が上がり、そのたびに、悲鳴が消えていった。

人造人間がひと思いに殺しているのが、慈悲に思える。

どれくらい時間がたったのか、亀仙人にはわからなかった。

 

「まだ、生き残りがいたのか」

 

ブルマが、人造人間に見つかった。

通信機からの声に、亀仙人は背筋を凍らせた。

 

「お前、ブルマだな。トランクスの母親の」

 

ブルマは何も答えない。

 

「孫悟飯、トランクス。聞こえるか。30分以内に出てこなければ、ブ」

 

通信機の音が途切れる。

人造人間が、切ったのではないだろう。

恐らく、ブルマが壊したのだ。

人造人間の脅しの文句を、これ以上聞かせないために。

亀仙人は、時計を見る。

まだ、半日たったばかりだった。

 

「ミスター・ポポ。後は頼んだぞ」

 

亀仙人は、空中へとその身を投げ出す。

 

「来い。筋斗雲」

 

よこしまな心を持つ者には乗ることのできない筋斗雲に気合で捕まる。

なんとか、隙を作って、ブルマを逃がす。

そのために、死ぬ覚悟で亀仙人は筋斗雲にしがみついた。

西の都が目視できる。

亀仙人の横を、黄金の気の塊が二つ通り過ぎた。

思わず、筋斗雲の進みが止まる。

亀仙人の顔が絶望に染まった。

 

 

「なぜ、来てしまったのじゃ。悟飯。トランクス」

 

・救助

 

ブルマを磔にしてした17号と18号は、のんびりと遊んでいた。

遊びの内容はビル崩し。

エネルギー弾で、ビルの根元を少しずつ交互に削っていき、ビルを倒した方が負け。

勿論、ビルの屋上には、磔になった人がそのままになっている。

そして、何か度の勝負の後。

18号がビルを一気に塵に変えた。

爆風が、周囲を叩いていく。

 

「もういいだろ。あいつら、おじけづいたんだよ。

さっさとこんなおばさん殺しちゃおうよ」

「せっかくいいとこだったのに、せっかちだな」

 

口では乗り気でないものの、17号も18号の意見に異論はないらしい。

ブルマに手のひらを向け、エネルギー弾を作る。

 

悟飯とトランクスが到着したのは、丁度その時だった。

高速で人造人間とブルマの間に割って入る。

悟飯が、人造人間を二人同時に吹き飛ばし、トランクスがブルマの拘束を解く。

 

 

「ポポさんから、話は聞きました」

「母さん。すぐに帰るから、待ってて」

 

そう言葉を残して、悟飯が人造人間を追う。

トランクスも、ブルマに一つ頷いて、悟飯の後を追う。

成長した二人の姿は、ブルマにかつての二人の戦士を思い出させるのだった。

 

・決戦

 

「ずいぶん遠くまで飛ばしてくれたな」

 

西の都から遠く離れた、人気のない岩場。

そこで、人造人間17号、18号と悟飯、トランクスは対峙していた。

 

「わざと飛ばされたくせによく言う」

「俺は、サービス精神が旺盛なんだ。

死に場所くらいは、選ばせてやるさ」

 

語るのはそこまでだった。

 

「そっちの金髪、もしかして、トランクスかい。

髪の毛の色を変えたところで、あたし達に勝てるわけないだろ」

「やってみなけりゃわからないさ」

 

戦闘は、前触れなく始まり、あっけなく終わった。

 

「そんな、ばかな」

 

これまでの数年が嘘だったかのように、悟飯とトランクスは人造人間を圧倒した。

 

18号が、悟飯のかめはめ波で機能停止に陥った。

しかも、あっけなく。

悟飯達が今までとは、まるで別人になっていた。

 

「これまで、積み重ねてきた修行の成果が、やっとお前たちに届いたな」

 

悟飯には、油断も慢心もなかった。

ただ、単純に18号を排除できたことを確認している。

18号の遺体を抱きしめて、17号は静かに怒った。

人間ごときに、下に見られるのは、許せなかった。

 

「何を、勝った気になっている」

 

17号の手には、18号の死体から抜き取られた人造人間としての核が握られていた。

そして、その核を飲み込んだ。

17号の気が爆発的に増えた。18号の力を取り込んだのだ。

 

「単純に二倍だと思うな。今の俺の力はそれ以上だ」

「そんなのは、見ればわかる」

 

悟飯は、トランクスに顔を向けた。

 

「トランクス。少し一人で戦わせてくれないか」

「悟飯さん。俺も戦えます。足手まといにはなりません」

「いや、そうじゃないんだ」

 

ばつが悪そうに、悟飯が視線を逸らす。

 

「自分がどこまでできるか、やってみたいんだ」

 

トランクスは少し、ポカンとして、一歩引いた。

 

「仕方がないですね。今回だけですよ」

「すまない」

 

二人のやり取りを17号は、不快げにみていた。

 

「ずいぶんと余裕だな」

「そんなものは、ないさ。ただ、父さんの気持ちが少しわかった。それだけだ」

「孫悟空の?」

「お前が意味を知る必要はない」

 

悟飯と17号はほぼ、互角だった。

トランクスは自分の力不足を痛感する。

戦闘が激しすぎて、目で追うのが精いっぱいだったのだ。

だからこそ、その接近に気付けなかった。

 

・乱入者

 

「うわああああああああああああああああああああああああ」

 

突如響いたトランクスの悲鳴に、悟飯だけではなく、17号も動きを止める。

そして、悲鳴の発生源であるトランクスは、ヤコンに体を拘束され、プイプイによって、エネルギーを吸収するランプを突き刺されていた。

その異常事態に、悟飯はとっさに、トランクスを助けようと飛び出す。

しかし、その動きが空中で止まった。

 

「何が起こっている」

 

突然の事態に、17号も混乱で動けない。

悟飯は自分を拘束している力を視線でたどり、金縛りを使っているザマスを見つけた。

 

「一体、お前は、何が」

「人間ごときが、神のやることに一々口を出すな」

 

シンとキビトも到着した。

 

「ザ、ザマス。一体何をしているのですか!」

「なに、こいつらに魔人ブウの所まで案内させようと思いましてね。

エネルギーを貯めさせてるところです。

無能で愚かな人間も、餌くらいには使えるというものです」

 

「ふざけるなああああああああああああああああ」

 

悟飯がザマスの拘束を破り、トランクスの保護を完了する。

そして、その場から逃げ出した。

悟飯を17号が追っていく。

その間に、プイプイとヤコンもアジトへと逃げる。

 

「さて、追いかけるとしましょう」

「キビト。あなたは、先ほどの地球人の保護をお願いします。

私は、ザマスについていきます」

 

悟飯達の後を追うキビト。

そのキビトをザマスはつまらなそうに、見送る。

 

「人間なんて、放っておけばよいものを。

どうせ、すぐに滅びる種族だ」

「その議論については、後ほどにしましょう。今は、魔人ブウの復活阻止が第一です」

 

そう思うなら、人間など放っておいて、キビトと三人で行動した方が良いだろうと思ったが、ザマスは口をつぐんだ。

いっても無駄だと思ったからだ。

シンとザマスは、プイプイとヤコンの追跡を開始した。

 

・修行の所為かと怒り

 

トランクスは、気が大幅に減っていた。

悟飯は岩場に隠れて、自分の気を分けていく。

トランクスの顔に赤みが差してくるのを見て、一息つく。

山場は越えた。

そのことを確認して、そっとトランクスを岩の陰に隠す。

17号が近づいているのが分かる。

悟飯は、一度だけ眠っているトランクスを振り返り、17号を引き離すために、飛び出した。

眠っているトランクスの近くに、遅れてやってきたキビトがそっと近づいた。

 

「俺はここだぞ!人造人間」

 

案の定近くにいた17号を、悟飯は呼び止めた。

そして、戦闘を再開する。

しかし、悟飯が圧倒的に不利だった。

ザマスの金縛りから脱出するのと、トランクスに分け与えた分とで、気が半分以下になっていたのだ。

 

「さっきの勢いはどうした」

 

17号が、悟飯の醜態を鼻で笑う。

そして、数分後。

決着がついた。

仰向けに寝転がっている悟飯の胸元を17号が、心臓をつぶす勢いで踏みつけている。

あとは、とどめを刺すだけの状況だ。

かろうじて、超サイヤ人は維持されているが、悟飯に逆転の目は残されていなかった。

 

「うわあああああああああああ」

 

キビトの能力によって、体力を回復したトランクスが17号に切りかかる。

17号は、片手でその剣を受け止めた。

17号はトランクスを舐めていた。

片手間に処理できる程度の力しか持っていないと思っていた。

先ほど力を吸われ、死の淵から復活したことによる力の増加。

師匠である悟飯を足蹴にされたことによる怒り。

そういったことを、まったく考慮に入れていなかった。

結果、トランクスの剣が、無造作に出された17号の手を切り裂いた。

中指から小指までが切り離され、血が吹いた。

 

「この!」

 

想定外の事態に、17号の意識が完全にトランクスへと向く。

1秒未満のわずかな時間。

悟飯はそのすきを見逃さなかった。

17号の足から素早く抜け出す。

昔、悟飯が子供だった時代。

気を練ることが苦手だった悟飯に、師匠であるピッコロが一つの技を教えた。

高めた気を瞬間的に放出する技だ。

距離や持続時間や応用性を犠牲にして、早く、強い気を放つ技。

気の扱いの上達につれて、その技が使われることは減っていった。

 

「魔閃光!」

 

17号の隙は1秒未満だった。

隙ともいえないような、瞬きほどの隙。

刹那ともいえる意識の間隙に閃く、魔の光が、17号の体を貫いた。

 

戦いは終わった。

地面に倒れ、時節痙攣している17号の横に、悟飯とトランクスは立っていた。

驚くべきことに、体の真ん中に穴が開いた状況で17号には意識があった。

もしかすると、力を分けてやれば、復活するのかもしれない。

その17号に対し、悟飯は手をかざす。

無慈悲なエネルギー弾が放たれた。

今まで、多くの人間を殺し、恐怖に陥れてきた人造人間がこの世から消滅した。

風が吹く。

 

「余韻に浸っているところすまないが、頼みたいことがある」

 

現れたのは、キビトだった。

 

・事情の説明

 

キビトが話したのは、荒唐無稽な話だった。

遠い未来で、バビディという悪の魔導士によって魔人ブウが復活した。

魔人ブウはバビディと共に、宇宙中を破壊して回った。

勿論、それは、地球も例外ではない。

そして、その中で界王神が世界を一度リセットしたのだという。

宇宙のリセットは界王神だけに一度だけ認められた特権だが、同時に力を大幅に失う。

リセットの期間を設定することもできない。

リセットの後、界王神、シンは別の宇宙をめぐり他の界王神に助けを求めた。

本来は、その宇宙の破壊神の仕事だが、この宇宙の破壊神は事情があって、来ることができなかった。

どの界王神もシンの言葉に耳を傾けなかった。

自分の宇宙のことは自分で、処理しろ。人間ごときに、界王神がなさけない。

そんな中で、唯一力を貸してくれたのが、第十宇宙の界王神、ゴワスだった。

ゴワスは、研修という名目で、戦闘能力の高い弟子のザマスを、貸してくれることとなった。

これには、ザマスに広い世界を見てほしいというゴワスの親心も含まれていた。

シンにとって、誤算だったのは、バビディにもリセット前の記憶が残っていたことだ。

そのおかげで、準備不足のまま地球に来ることとなり、ブウの封印された卵もバビディに確保されてしまった。

今のシン達の目的は、ブウが復活する前にバビディたちを排除すること。

 

キビトはトランクスを囮に使ったザマスの行いを謝罪したうえで、悟飯たちに協力を要請した。

戦力は多い方が良い。

悟飯とトランクスもしこりは残るものの、了承。

キビトの復活パワーで回復してから、シンとザマスを追うことになった。

 

 

 

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