リセットフューチャー(DB2次創作・オリキャラオリ設定あり・超とのクロス設定あり・未来悟飯もの 作:従弟
・プロローグ
西の都に複数のクローン戦士が現れたその時。
トランクスは、自宅でダーブラとテレビゲームをしていた。
ザマスは、第7宇宙の界王神シンとキビトと修行をしていた。
悟飯は、やはり自宅で生徒たち相手に授業を行っていた。
だから、最初に異変に気付いたのは、西の都に住んでいるトランクスだった。
自宅を飛び出て、即座に異常な気を持ったクローンの集団を見つけた。
そして、それらが、写真でしか見たことのない父親であるベジータや、悟飯の父親の孫悟空、クリリンやヤムチャといった、かつてこの地球を守っていた戦士たちの姿と同じであることに驚いた。
だが、同時にそれらが本人でないことも一目瞭然だった。
まず第一に、体から命の気配が感じられない。
そして、第二に、既製品の人形のように同じ顔をした戦士が複数人いる。
なによりも、彼らが町を破壊するような真似をするなど、トランクスには、断固として認められなかった。
しかし、トランクスは体が動かなくなってしまう。
「なにをしている!貴様それでも誇り高きサイヤ人か!」
その声と共に、トランクスは体の自由を取り戻す。
人工精神とリンクしたのだ。
遅れてやってきたダーブラとミラ、そして、トワと共に、クローン戦士を撃退したトランクス。
トワから、妙な「波動」の存在を聞く。
「波動」は気の力を封じ込める力を持っているらしい。
ダーブラとトワは、魔力でとっさに「波動」を中和したという。
しかし、ミラについてはトランクス同様動けなくなってしまったという。
急いで、連絡を取るトランクス。
チチが電話に出て言った。
悟飯は、家を飛び出たまま、まだ帰っていない。
・悟飯捜索
トワとブルマの協力で、波動の中和装置を作ることになる。
そして、中和装置ができるまでの間、トランクスは単独で悟飯を探す。
その間に、目についたクローンを倒していく。
トランクスの中にいる人口精神は、悟飯の中にいる精神とも、フリーザの中にいる精神とも違っていた。
口うるさく、横柄で、エラそうだ。
ただ、元々は地上にいた戦士の精神をモデルにして作られた精神らしく、戦い方についてはトランクスも舌を巻いた。
人口精神の戦い方は、ともすれば、トランクス向きの気さえしたくらいだ。
「元々の精神の記憶などオレにはない」
人口精神はそう言っていた。
そんな人口精神に、トランクスはいつしか愛着を持つようになっていた。
トランクスは悟飯を見つけた。
「悟飯さん。良かった。無事で」
「トランクス」
悟飯と一緒にいる21号と16号のことは分からなかったが、それでも、足元に倒れているクローンから、悟飯が自分たちと同じように、クローン事件の解決に動いていることが分かった。
しかし、21号の様子がおかしかった。
リンクしている人口精神も、警戒するように呼び掛けてくる。
「トランクス!この場から離れるんだ!早く」
「でも、悟飯さん」
「早くしろ!事情はあとで話す」
21号を抑えようとする16号と悟飯を尻目に、トランクスはその場を離れた。
事情は分からない。
だが、悟飯のいうことをとりあえず、聞いておこうと思ったのだ。
・中和装置完成
波動中和装置が完成し、トランクスはブルマ、ダーブラ、ミラ、トワと合流した。
ブウは休眠期に入っていて、波動と関係なくカプセルコーポレーションで寝ている。
悟飯の様子を話し、ひとまずは、クローンを倒していくことに決める。
そこに通信が入る。
それは、ザマスからの通信だった。
界王神界にいたザマスは、たまたま波動の影響を受けなかったのだという。
そして、地球で波動の影響を受けてしまう危険性を考え、地球の外から、事件について調べていたのだという。
「地球の外から?どうやって?」
「神には神の伝手というものがあるのだ」
結果として、この事件の黒幕が、悟飯と一緒にいた21号であるということ、波動の発生を止めるコントローラーがレッドリボン軍のある施設にあることを突き止めた。
「悟飯さんは、どうして」
「騙されているのかもしれん。波動が収まり次第。わたしもそちらへ行こう」
トランクスは、レッドリボン軍の施設で、波動の発生を止めるコントローラーを手に入れ、波動を止めた。
外に出ると、ブルマたちが待っていた。
人工精神が、トランクスの体を離れる。
「トランクス。母さんを大切にしろよ」
そんなセリフを残して、消えていく人工精神。
トランクスにその言葉の真意は、分からなかった。
だが、人工精神から大事なバトンを受け取ったのだと、それだけを確信した。
・事態急転
人工精神との別れを済ませたトランクス。
悟飯を探しに行こうとしたところで、妙なことに気付く。
世界中に散っていたクローンたちの気が急激に消えていっているのだ。
そして、それに比例するかのように大きくなっている気が一つ。
トランクスたちは、事態を把握するため、大きくなっている気のある方へ向かう。
そして、そこで、21号と分離した捕食衝動と出会う。
姿かたちは、変わっていたが、気の雰囲気からトランクスはそれが元は21号であると気付いた。
「貴様。悟飯さんをどうした!」
「孫悟飯?ああ、もうすぐ来るんじゃないかしら。
その前に、前菜を済ませておきましょう。
トランクスにダーブラ、そっちのは知らないけどおいしそうね。
どれから食べようかしら。まよっちゃう~」
ふざけた調子ではあるが、その力が本物であることは分かった。
トワがブルマを連れて、避難する。
トランクスとダーブラ、ミラの三人がかりで捕食衝動と戦う。
しかし、攻撃は効かず、一瞬の隙を突かれたダーブラがお菓子にされてしまう。
「人間をお菓子に。魔人ブウと同じ能力か」
お菓子になったダーブラは、そのまま、捕食衝動の手元まで引き寄せられた。
捕食衝動は、ダーブラを食べようと口を大きく開けた。
捕食衝動の歯が空を切って噛み合った。
「まったく、人間とはなんと愚かで意地汚いのか。こんなものを食おうとするなどとはな」
波動の停止を確認し、瞬間移動によって地球へとやってきたザマスがいた。
界王神見習としての能力のひとつ。
アポート(物体を引き寄せる能力)によって、食われかけたダーブラを救ったのだ。
そして、そこに、悟飯、21号、16号、フリーザも到着する。
「さすがに、これだけの人数は相手にできないかな。
面倒だし、地球ごと壊しちゃいましょう」
「な、それでは、捕食はできんぞ」
「なに?16号。お菓子の心配をしてくれるの?
でも大丈夫よ。
死体でも残っていれば、捕食はできるの。味は落ちちゃうけどね」
そういって、捕食衝動は、高々と手を挙げた。
「だから、死体は残しといてよね」
膨大なエネルギーの高まりだった。
だが、この状況は初めてではなかった。
ザマスが捕食衝動に近づく。
「おっそ~い」
「一撃しのげれば十分だ」
ザマスが、捕食衝動に手を触れ、被害のでない界王神界へと瞬間移動した。
捕食衝動の放ったエネルギー弾は、悟飯が魔閃光で撃ち落とした。
一撃ならば悟飯やトランクスがしのぎ切るという、昔のザマスでは考えられない、ザマス自身でも認めないであろう。それは信頼だった。
そして、界王神界では、シンと老界王神が慌てて避難していた。
「ここなら、邪魔は入らない。
先ほどのように、星ごと壊すような姑息なまねはできんぞ」
ザマスが怒りのこもった鋭い目で、捕食衝動をにらむ。
それに対する捕食衝動は。
こらえきれないといった風に笑い始めた。
笑って、笑って、広大な界王神界を埋め尽くすほど笑いつくして、ようやく止まる。
「アポートに、瞬間移動。ご馳走様」
捕食衝動の手には、先ほどまでトランクスの手にあり、地球を移動する前に捕食衝動がアポートした波動のコントローラーがあった。
「これは、もういらないわね。むしろ、味が落ちちゃうわ」
そう言って、手の内にあった波動のコントローラーを握りつぶす。
「さよなら。また会いましょう」
捕食衝動は、ザマスを界王神界へと残して瞬間移動で消えたのだった。
・地球に戻って
ザマスは、一度地球に戻った。
捕食衝動が、地球に戻ったのではないかと予想したのだ。
だが、捕食衝動はいなかった。
「おそらく、奴は、私の瞬間移動が目的だった。
そのために、地球を壊すふりをして、自分を地球から隔離させた。
アポートはついでに過ぎないだろう」
「見ただけで、瞬間移動を習得するなんて……」
「なに、トランクス。お前もすぐに習得できる。
なにせ、私が指導をしてやっているのだからな」
「ハ、ハハハ……」
ザマスの弟子バカに、トランクスがから笑いで返す。
「問題は、瞬間移動でどこに行ったかということか」
悟飯が、21号と16号を見る。
「それは」
思案する21号。
「一つ。心当たりがある」
16号の言葉に、全員がそちらを見る。
そして、異変が起きた。
・異変。捕食衝動の目的
地球中に、未知の、あるいは既知の気が大量に現れたのだ。
例えば、それはナッパ。
例えば、それはギニュー特戦隊。
例えば、それはザーボン。ドドリア。
他にも多数の死んだはずの者の気が唐突に出現した。
「どうなっているんだ」
困惑する悟飯達。
かつての部下が蘇ったフリーザだけが状況を楽しんで、笑っている。
そこに、界王神から連絡が入った。
21号があの世で暴れている。
その所為で、この世とあの世のバランスが崩れ、死者が蘇るような事態になっている。
「瞬間移動は知っている人の気が必要なんじゃ」
最低でも、知覚できなければならないはずだ。
あの世の気なんて、知覚できはしない。
だから、気が消えたことで、死んだと確認できるのだから。
「そんな制約はない」
「だけど、昔ヤードラット星人にお父さんが教えてもらったやつは」
「神の瞬間移動を、人間のものなどと一緒にするな」
傲慢に言い放つザマス。
「私たちの使う瞬間移動は、もう少し、汎用性が高いものなんです。
そこに人がいなくても、行ったことが移動できる。
逆に、行ったことがなくても、そこに人がいれば移動できる
宇宙を管理するための神としての権限の一つでもありますから。
ですが、勿論、距離であったり場所であったり制約はありますけどね」
界王神が、ザマスの言葉につなげた。
「どういう手段をとったのかは、分かりませんが、事実として21号の捕食衝動はあの世で暴れています」
「そんな、あの世なんてどうやって行けば」
途方に暮れる悟飯達。
「よろしければ、私が送りますよ。非常事態ですから」
界王神が言う。
本来は、生きたまま人間があの世に行くのは良くないことだ。
しかし、悟飯達が自分たちで捕食衝動について対処しようというなら、それを手助けしてやるくらいは、神として悪くない。
魔人ブウの時の礼の意味もあるし。
当然、あの世のトラブルを丸投げできるという打算もある。
「あの世っ。あんなところに行くのは、二度とゴメンです」
「私は、お兄様が腐らないように、冷蔵庫に入れてこないと」
「こいつらだけを、ここに放置することなど、できるものか」
フリーザ、トワ、ザマスが残留を表明。
トワの護衛としてミラも残留することになった。
戦力として弱いという理由から16号も、渋々ながら残留。
「おそらく、やつの目的は孫悟空だ。
オレ達人造人間は、孫悟空を倒すことを基本的な目的としているからな」
結果、あの世へ行くのは。
悟飯、トランクス、21号の三人となった。