リセットフューチャー(DB2次創作・オリキャラオリ設定あり・超とのクロス設定あり・未来悟飯もの 作:従弟
・この世
無制限に増え続ける死者に、ザマスと16号は翻弄されていた。
一体ずつの力は、強くないのだが、数が多いのだ。
フリーザは、高みの見物。
トワとミラも、かかる火の粉を払う程度はするが、積極的に問題を解決しようとはしていない。
そして、最悪の死者が復活した。
それは、かつて悟飯とザマスが界王神界で倒した。
純粋の魔人ブウを吸収したセル。
セブルの復活だった。
「レッドリボン軍の研究所で面白いものを見つけた」
セブルが見つけたのは、セブルのクローンだった。
捕食衝動が、暴走を恐れて、今まで開放していなかったセブルのクローン。
恐らくは、ブウの細胞を吸収しすぎることでの自身の暴走を、本能的に警戒し、食べることすらせずに、捕食衝動が放置していたソレ。
ソレを、セブルは率いていた。
「同じ細胞のよしみと言った感じか。
私は、こいつらを自由に扱うことができる」
セブルが嫌らしく笑う。
10体以上のセブルのクローン。
そんなものに、無軌道に暴れられては、止める手立てはない。
セブルが、わざわざ、クローンを引き連れてきたのは、悟飯やザマスに対する嫌がらせである。
目の前にどうにもならない状況を見せつけて、苦しむさまを見て楽しむのだ。
事実、自分に向かってくるならともかく、散開されてしまえば、ザマスに対処する手立てはない。
「では、整列」
横一列に、セブルクローンが並ぶ。
後ろで、セブルが嫌らしく一人ふんぞり返って、クローンたちに命令する。
いけ。と一言命令するだけで、クローンは辺りを破壊しつくす。
「気円魔貫繰気金縛砲!」
横一列に並んでいたセブルのクローンが一気に吹き飛ばされた。
そして、クローンを吹き飛ばした巨大な気の塊は、途中で軌道を変え、セブルを飲み込んだ。
そして、セブルを通り過ぎた後、再度軌道を変え、金縛りの影響で動けないセブルの残骸を再度飲み込んだ。
そのまま、セブルは訳も分からず、この世から消え去った。
「あの世から蘇ったのは、悪人だけじゃない」
セブルは、細胞一つから復活する不死性を持っている。
逆に、細胞一つから復活するために、体は柔らかく、千切れやすくなっている。
つまり、防御力自体は低いのだ。
不意打ちで、一瞬で、消滅させることができる技があれば、そこまで高い気は必要とされない。
かつて、地球を守っていた戦士たちがあの世で作り出した合体技は、その条件を満たしていた。
相手の動きを止め、切り裂き、貫き、どこまでも追尾する、大出力の5人の合体攻撃。
それが、術者達の気が尽きるまで、何度も軌道を変え、標的が消滅するまで何度も標的を飲み込み続ける。
セブルを不意打ちで仕留めるには、十分すぎる威力だった。
そのまま、死者の軍団に向かっていく戦士たちの背中を、ザマスは見つめる。
死して、なお、地球を守ろうとする誇り高き戦士たちのその姿をみて、ザマスは思った。
「私もあの世の方に行けばよかったな」
・あの世
悟飯達を送ってすぐに、界王神は帰ってしまった。
そして、そこで、悟飯達は予想外の事態に直面した。
敵は、捕食衝動だけではなかったのだ。
悪の気によって生まれたジャネンバである。
21号が暴れたことで、悪の気が満ちたタンクが破壊され、ジャネンバは生まれた。
あの世の戦士たちによって、第一形態は破壊され、第二形態へと姿を変え、あの世の戦士たちを倒したジャネンバは、次の狙いを悟飯達に定める。
「コイツは、オレが倒す。トランクスは21号をサポートしてくれ」
悟飯がジャネンバについたせいで、21号とトランクスの二人で、捕食衝動と戦うことになった。
あの世でも捕食を行い、力を強めた捕食衝動に対して、捕食を全く行っていない21号では、トランクスのサポートがあっても劣勢を強いられざるをえなかった。
一方、悟飯も苦戦していた。
パワーやスピードは勝っているが、ジャネンバのトリッキーな動きや攻撃をとらえきれなかったのだ。
また、ジャネンバを倒した後の捕食衝動との戦いを考えれば、ここで全力を出すわけにはいかない。
それでも、追いつめられれば全力を出さざるを得ない。
前回のセブルとの闘いで、悟飯は神の気を、ポタラで合体した状態であるとはいえ、その身にまとった。
その時の感覚は、合体が解けた後も、確かに悟飯の体に残っていた。
だから、修行を重ねた悟飯が、その境地に達したのは、ただの必然にすぎなかった。
「超サイヤ人ブルー」
ザハンとして変身した際の、ロゼに準ずる形でブルーと名付けた変身。
神の気を使いこなした超サイヤ人。
青い神の気をまとった悟飯は、ジャネンバを吹き飛ばした。
超サイヤ人ブルーの変身は、体力の消耗が膨大だ。
短期決戦で、勝負を決め、そのまま捕食衝動を倒す必要がある。
本当ならば、捕食衝動の隙を突く形で変身して、一気に勝負を決めたかったところだ。
再生能力のある捕食衝動に、時間を稼がれれば、勝目はなくなる。
「ご苦労様」
捕食衝動が、悟飯の前に瞬間移動してきた。
「いい感じに、弱らせてくれて」
捕食衝動は、ジャネンバをお菓子にして捕食した。
信じられないほどの力。
超サイヤ人ブルーの悟飯をはるかにしのぐ力を捕食衝動は手に入れた。
それは、あの世を超え、この世にも届くほどだった。
しかし、ジャネンバの力を得た捕食衝動により、あの世の結界は強化されてしまった。
そのため、界王神ですら、あの世に介入することはできなくなってしまった。
つまり、悟飯達に対して援軍を送ることはできないということだった。
「ああ、すごい。すごいわ。どれだけの力なのかしら」
それだけの力を得た捕食衝動に対して、悟飯もトランクスも、21号も対抗する手段はなかった。
殴られ、蹴られ、アリをいじめるようして、捕食衝動は悟飯達を追い込んでいく。
お菓子にされないように逃げ回るのが、やっとである。
追いつめられた三人は、全力のエネルギー弾を放つ。
結果は、無傷。
捕食衝動にとっては、マッサージにすらなかった。
「あーあ。飽きて来ちゃった。
最後は派手に決めましょうか」
特大の、けれど、殺さないように手を抜いたエネルギー弾で、捕食衝動が悟飯達を吹き飛ばした。
悟飯は超サイヤ人ブルーの気は霧散し、トランクスも倒れ、21号もたつのがやっとの状態。
捕食衝動にとって、全員がおいしそうなおやつであったかと言えば、それは違う。
21号だけは、取り込んだ後今回のように、自分の体を乗っ取る獅子身中の虫となる可能性があった。
可能性は1%以下でも可能性だ。
だから、確実にとどめを刺すべく、指先に気を貯める。
「さようなら。わ・た・し」
放たれた気は一瞬にして一条。
21号の再生能力ならば、本来一瞬で回復するダメージだ。
だが、自分自身の攻撃は簡単に再生しない。
そういう性質を、21号と捕食衝動は双方持っている。
その性質を知っているから、捕食衝動は、21号の周囲にいるデザートに傷をつけない形でとどめを刺せるこの技を選んだのだ。
「何を寝ている!トランクス!」
「うるさい!分かってる!」
トランクスの頭に、かつてリンクしていた人工精神と同じ声が響いた。
21号の前に立ちふさがったトランクスは、捕食衝動の指先から放たれた気功波を受け止めた。
「悟飯。おめえもだ。弟子が頑張ってんのに、師匠のお前がへばっててどうすんだ」
頭に響いた。幻聴のような懐かしい父親の声は、悟飯に一滴の力を与えた。
暗黒魔界で修業した際に、温泉で腕が生えた。
それ以前は片腕しか使わずに戦ってきた。
だから、片腕一本でかめはめ波をはなつ。
超サイヤ人でもない。
ただの人間としての搾りかすのようなかめはめ波。
捕食衝動は、それを、鼻歌交じりに受け止める。
打ち消したり、跳ね返したりはしなかった。
このまま、力尽きるまで付き合ってやれば、素材に傷をつけることなくおいしいお菓子を食べることができるのだ。
下手に反撃して、殺してしまうことを、捕食衝動は恐れていた。
右手でトランクスに対抗し、左手で悟飯に対抗する。
両腕がふさがっている。
そこに一縷の望みをかけて、21号が特攻を仕掛ける。
捕食衝動の上空に瞬間移動し、天空×字拳を放つ。
「懐かしい技を使うのね」
捕食衝動の顔には笑みがある。
目から放たれた気功波は、21号の渾身の一撃を、軽々と吹き飛ばした。
邪魔者が排除したことで、捕食衝動の気がほんの少し緩む。
残るは二つのデザートだけだと。
「いい加減にしろ!このメタボ、年増、クソババア!」
その声は、今まで悟飯達が聞いたことのない声だった。
その声と共に放たれたエネルギー弾は、捕食衝動にとってはとるに足らない威力しかなかった。
あの世中に響いたその声の主は、パイクーハンだった。
ジャネンバ第一形態を倒し、第二形態に気絶させられていたおかげで、捕食衝動の目から逃れていたのだ。
「な!ばかな」
捕食衝動の顔がゆがむ。
ジャネンバの悪口に弱いという性質が、ほんの少しだけ捕食衝動にも受け継がれていた。
その一瞬が最後のチャンスだった。
「いまだ!」
その声は、誰の声だっただろうか。
悟飯の物か、トランクスの物か、21号の物だったかもしれないし、一瞬の隙を作った立役者であるパイクーハンの物だったのかもしれない。
もしくは、悟飯とトランクスの頭の中に響いている、もういないはずの人間の声だったのかもしれない。
捕食衝動はもともと、悟飯達を弱らせるために、わざと弱めに気功波を拮抗させていた。
急激に力を強めた悟飯達の力が、その拮抗を破ることは、隙さえできれば、簡単なことだった。
拮抗を破り、捕食衝動を飲み込んだ後も、悟飯とトランクスは気功波の放出を止めない。
命のギリギリまで、力を振り絞る。
そして、捕食衝動は、その攻撃を耐え切った。
傷つきはしたものの、耐えきったのだ。
捕食衝動を消滅させられなかった時点で、悟飯達の負けが確定した。
・破壊神
その場に、立ち上がる気力を持った戦士はいなかった。
悟飯も、トランクスも、21号も、パイクーハンも、皆、倒れ伏していた。
「さあ、待望のおやつタイムね。どれから、食べようかしら」
体力を回復した捕食衝動が、周りを見回す。
「ふああ、人が叩き起こされて、機嫌が悪いっていうのに、優雅におやつか。
暢気なものだね」
上空から降りてくる3つの人影。
破壊神ビルス。天使ウイス。界王神シン。
この第7宇宙におけるトップ3である。
界王神は、悟飯達を送り届けた後、万が一を考え破壊神ビルスを起こしに行っていたのだ。
ビルスが起きるかどうかからして、一か八かの賭けだったが、地球で買っておいたお菓子が役に立った。
「そんな。結界をどうやって」
「けっかいぃ?あんなもの破壊したに決まってるじゃないか」
なんてことないようにいうビルス。
その態度に、捕食衝動は唖然とする。
だが、悟飯達を倒し自らの力に自信を持っている捕食衝動は、考えをきりかえる。
要はお菓子が増えたと考えればいいのだと。
「いいわ。あなたもお菓子にしてあげる」
「破壊」
至近距離でビルスが捕食衝動に手をかざす。
それだけだった。
捕食衝動の体が砂となって崩れていく。
悟飯が、トランクスが、21号が、全力を絞り出し、命を削っても倒すことのできなかった捕食衝動が、それだけでこの宇宙から完全に消え去ったのだ。
そして、破壊神の破壊はそれだけに収まらない。
世界を超え、存在そのものを破壊する破壊神の破壊が、捕食衝動と同一の存在である21号を見逃すはずがなかった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ともに戦った仲間である21号が、苦しむさまを、悟飯もトランクスもただ、見ていることしかできなかった。
そして、あの世とこの世の混乱は収まり、宇宙に平和が訪れたのだった。
・エピローグ
ビルスとウイスは、追加のお土産を界王神に依頼してから帰っていった。
フリーザは、ダーブラ達と暗黒魔界へと行くことになった。
最後の戦いの際に、何か思うことがあったらしい。
トワに対して、前世の記憶をよみがえらせる道具があるか聞いていた。
自分のやったことをしっかり思い出させたうえで、後悔している様をみて、なぶり殺しにしたい人間がいるそうだ。
ダーブラは起きたブウに食べられかけたが、ギリギリ元に戻った。
トワはブルマと気が合うらしく、たまにカプセルコーポレーションに遊びに来る。
その際、同行したミラはトランクスとよく組手をしている。
トランクスは、より修行に励むようになった。
捕食衝動を倒しきれなかったことは、やはりショックだったらしい。
たまに、リンクしていた人口精神のことを思い出す。
そして、最後に自分を叱咤した声は、本当に幻聴だったのかと考える。
ザマスは、第7宇宙へと来る回数が減った。
悟飯が捕食衝動に負けた事実は、ザマスにも衝撃を与えていた。
独自に成長するべく、ゴワスだけでなく、第10宇宙の破壊神ラムーシと天使クスに師事し始めた。
人造人間21号は捕食衝動を破壊されたことで、すべての記憶を失った。
ビルスの破壊により、暴走していた細胞のみが連動して破壊された結果である。
命が助かったのは、奇跡的なことであり、戦闘能力はほぼなくなったものの、捕食衝動に悩まされる必要もなくなったので、むしろ幸運だったと言ってもいい。
現在は、自身のことを人間だと疑っておらず、カプセルコーポレーションでブルマの助手として働いている。
人造人間16号は21号と共に、カプセルコーポレーションで働いている。
21号の記憶に関しては、特に不満を持っていない。
このまま、穏やかに暮らしたいと思っている。
悟飯は、ウイスに弟子入りした。現在地球にはいない。
当初の予定では、前回の裏設定で転生したことにした悟空とベジータが
ジャネンバの影響で前世の記憶を取り戻して、親子かめはめ波&親子ファイナルフラッシュでラスト!
とかおもってたのですが(そのためにトランクスにリンクした人工精神がアノ性格でした)
書いていくうちに、こりゃ、かてねえや。となって、こんな感じになりました。
前回以上にオリ設定の嵐になってしまいました。
不満やツッコミも多かったのではないかと思いますが
ここまで読んでいただけたことに、感謝いたします。