リセットフューチャー(DB2次創作・オリキャラオリ設定あり・超とのクロス設定あり・未来悟飯もの 作:従弟
前回の裏設定などの話と基本一緒です
結末が結末だけに、こうしてたらああしてたら、って話が多くなりました。
その分設定的な部分が薄くなってるので、追記するかもしれません。
「これは……」
「トランクス。どうしたの」
刻蔵庫で、絶句しているトランクスの持っている巻物を、時の界王神は横から見る。
「ああ。その歴史ね」
「はい。前に見た巻物の悟飯さんたちが、平和に暮らせているのかどうしても気になって、見てみたのですが」
「ですが?」
「こんなことに、なっていたなんて」
「確かに、物語としては微妙な終わりよね。
悟飯くんたちは負けて、最後はちょこっとだけ出てきたビルス様があっさり解決しちゃう」
「ええ。あそこまでやって勝てないなんて、悟飯さんたちに勝ち目はなかったんでしょうか」
トランクスの言葉に、時の界王神は難しい顔をした。
「そうね。あの世に瞬間移動された時点で、勝率はかなり下がっているわ」
「下がってる。ってことは、勝ち目自体はあったっていうことですか」
「ええ。ザマス。もしくはミラ。どちらかだけでも一緒に行っていれば、悟飯くんたちが勝っていたかもしれないわね」
「どういうことですか」
疑問符を浮かべるトランクス。
一人二人増えたくらいでは、あの捕食衝動に勝てるとは、思えなかったのだ。
「まず。ザマス。あいつも、修行をしてるから、実は悟飯くんと同じくらい、つまり、超サイヤ人ブルーと同じくらいの力を持っているの。
それに、あいつには復活パワーもある。
捕食衝動が、ジャネンバを捕食した後、全員の体力を回復させて戦えば、勝率は上がっていたはずよ」
トランクスもその仮説にうなずく。
実際、あの時点で、慣れない変身をした悟飯もそうだが、トランクスと21号はかなりへばっていた。
体力が万全であればあそこまでの劣勢にはならなかったはずだ。
「次にミラね。あいつに、ジャネンバを押し付けちゃえば、捕食衝動に3対1で戦えるわ。
これは、ザマスの時も一緒ね。
ちょっと厳しいけど、超サイヤ人ブルーで、ジャネンバの捕食前に一気に畳みかければ何とか勝てたでしょうね」
「それじゃあ。三人であの世に行った時点で、勝ち目はなくなってしまった言うことなんですか。
あの時点で、何をやっても、無駄だったっていうことなんですか」
違う歴史の別人ではあるとはいえ、師匠である悟飯の戦いが最初から負け戦だったかのように言われるのは、腹が立ったのだ。
トランクスの言葉に、自然と熱が入る。
時の界王神も、そのことを察して、ため息をついた。
「少し落ち着きなさい」
「すいません。つい」
「三人でも勝ち目がないわけじゃないわ。
さっき言ったけど、ジャネンバの捕食前に勝負を決められれば、勝ち目はないわけじゃないの。
そして、あの場にいた三人のうちでそれができたのは、超サイヤ人ブルーの力のある悟飯くんだけ」
トランクスがうなずく。
「だから、戦力の配分を間違えてるのよ」
「戦力の、配分?ですか」
「そう。ジャネンバと21号が戦って、悟飯くんとトランクスが捕食衝動と戦う」
「でも、捕食をしていない21号じゃ、ジャネンバには勝てないんじゃ」
「勝てないわ。ただし、負けもしない。
捕食はしていないけど、彼女にも魔人ブウの細胞は使われているのよ。
少しくらいのダメージならすぐに再生しちゃうわ。
自分自身とでも戦わない限りね」
21号が捕食衝動と戦ってしまったために、ダメージが蓄積した状態で、三人はジャネンバを捕食した捕食衝動と戦うことになってしまった。
結局は、その疲労こそが最後の一撃を決めるうえでネックとなってしまった。
「ただ、あの戦い自体が無駄だったということはないわ」
「ありがとうございます。気を使ってもらって」
「そうじゃないわ。
最終的に、問題を解決したのはビルス様よ。
でもね。悟飯くんや、あの世界のトランクスがあそこまで粘らなければ、きっと、ビルス様は出てこなかったわ。
いえ、あの世のことが絡んできているから、最終的には出て来たでしょうけど、もっと大雑把に適当に解決したでしょうね。
例えば、地球を丸ごと破壊して、地球に死者が復活するのを防ぐ。とかね」
「そんな」
「神っていうのは、そういうものよ。
逆にその位じゃないと破壊神なんてやってられないでしょうね」
自分で言いながらも、そういった神の在り方に納得してはいないのだろう。
時の界王神は眉根を寄せている。
「だから、あそこで、破壊衝動をビルス様が破壊したのは、あそこまで戦った悟飯くん達に対する敢闘賞的な意味合いがあったの。
途中。パイクーハンくんの声で、一撃くらわせたでしょ」
「はい」
「あれ以前に、倒れてたら、きっとビルス様は彼らを見捨てていたでしょうね。
あそこまで粘ったからこそ、ビルス様は腰を上げてくれたのよ」
「だけど、それは」
神の価値観に、トランクスはめまいがする。
知ってたなら、力があるなら、助けてくれても良かったじゃないか。
そう思ってしまうのだ。
「トランクス」
時の界王神が、悼むように声をかけた。
「納得できない気持ちは分かるわ。
だけどね。
考えてみてほしいの。
神様に頼って、神様にすがって、神様に任せて、それは健全といえるかしら」
「それは、わかります」
「力があるからって、問題を全て神様に解決してもらう。
それは、神様の箱庭にいるお人形と何か違うの?」
「わかってます」
トランクスの態度に、時の界王神は苦笑する。
「馬鹿ね。わからなくていいのよ。あなたは人間なんだから」
「え?」
トランクスが、呆けた声を上げた。
「さっき言ったのは、神様の事情に過ぎないわ。
人間には人間の事情があるし、心があるんだもの。
神様の事情に合わせる必要なんてないわ」
「え?え?」
「むしろ、シンくんなんかは、人間の力で、いえ、人間の心で、かしらね。
そういった神の事情をなんてものを、飛び越えてほしいと思ってる節もあるもの。
それも、神様の事情なんだけど」
トランクスはけむに巻かれたような気持になった。
「当てにならないものを当てにしても、仕方がないってこと。
21号の捕食衝動が破壊された件にしたって、あれ。偶然よ」
「さっきは敢闘賞って言ってませんでした」
「ちがうちがう。敢闘賞は、悟飯くんたちが殺される前に出てきたことと、地球を破壊しなかったこと。
21号と捕食衝動の関係なんて知らなかっただろうし、知ってても興味なかったでしょうね。
元凶を破壊して、結果、宇宙の秩序が戻れば、被害は気にしない。
それが、破壊神ってものなのよ。まわりの迷惑ってものを考えないんだから」
時の界王神が、あきれたようにため息をつく。
「でも、今回は、本当に運が良かったわ」
「ええ」
「ビルス様が出てきてくれたこともそうだし、21号が生き残ったこともそうだけど、結果だけ見れば、被害はかなり少ないの。
それに、21号も解き放たれて、普通の、とは言い難いけど人間になった。
仮に、悟飯くんたちが自力で捕食衝動を倒していれば、戦いの後で21号は自殺していたかもね」
「自殺!なんでですか」
「彼女の中に暴走した細胞は残っているのよ。
いつまた、その細胞から捕食衝動が生まれて暴走するかわからないじゃない。
彼女が、行動を共にしていたのは、飽くまで自分のしでかしてしまったことの責任を取るため。
責任を取り終えたら、自分に価値なんて見いだせないでしょね。
幸い、ビルス様が破壊したおかげで、捕食衝動を生み出す細胞が彼女から消えて暴走の危険はなし。
記憶もなくなっちゃったから、妙な負い目もなくなったし」
「記憶がなくなった。それは、本当に良いことなんでしょうか」
時の界王神は、少しだけ厳しい顔をした。
「それは」
「いえ、変なことを言ってすいません」
トランクスが、時の界王神の言葉を遮る。
それは、実際に記憶が消えてしまっている以上、どうしようもならないことなのだ。
そのことで、21号を責めたり、哀れんだりすることこそが、悪いことだろう。
「自殺といえば、21号の出した天空×字拳。
あれも、当たっていれば21号ごと、悟飯さんとあの時代のオレの気功波が打ち抜いていたでしょう。
あれは、そういう意味でも捨て身だったんですね」
「そうね。あとは、体力的に普通の技が出せなかったのかもね。
天空×字拳なら落ちるだけで体力を使わないもの」
真上という死角から攻撃できるというのも、あの場では魅力だったはずだ。
結局、迎撃されたてしまったけど。
「そういえば、フリーザが復活していましたね」
「ええ。そうね」
「ナメック星のドラゴンボールを使ったそうですが、どんな会話があったのでしょうか」
「ああ、それは」
『どんな願いでも、3つだけかなえてやろう」
『「フリーザ様」を「復活」』
『そいつは、地球で死んだ。「復活する」のは、地球になるが、「いいか」』
『ええと?何を言っているんだ?「イエス」だ。「イエス」。困ったら「イエス」だ』
『分かった。「次の願いを言え」』
『は?次?「フリーザ」様いないじゃないか。復活だ!「再生」!リバイブ!』
『よし、地球で復活したフリーザの体を再生してやろう。次の願いを言え』
『はあ、ぶっ壊れてるのか。もう知らん。帰る』
「大体こんな形のやり取りよ。
「」が互いに聞き取れた言葉ね」
「ひどいですね」
「ええ。結果的にフリーザ軍の再編が行われなくて、助かったけどね」
「鶴仙人っていう人とフリーザは修行したらしいですけど、よくあのフリーザが人にものを教わるなんてしましたね」
「それは、鶴仙人の側もうまく取り入る形で、機嫌を損ねないようにやってたらしいわ。
悪人同士、心に通じるものがあったみたいね。
この歴史ではなっていないけど、ゴールデン化もできるようになってたらしいから、鶴仙人の育成手腕にはフリーザも一目置いてたみたい。
利用できるものは利用するっていう抜け目のなさがフリーザらしいところよね」
トランクスが、思いついたように言った。
「そういえば、フリーザは暗黒魔界に行ったんですね」
「ええ。ダーブラとしては、客分として迎えるのに不満はないだろうし、宇宙征服のために手ごまの一つとして確保したつもりでしょうね。
あのフリーザが、ダーブラの手におえるとも思えないけど」
「フリーザのなぶり殺しにしたい相手って誰でしょうか」
「そんなの悟空くんに決まってるじゃない」
驚くトランクス。
「でも、悟空さんは死んでるんじゃ」
「前回言ったでしょ。
悟空くんとベジータくんは転生してるって、ジャネンバの影響であの世とこの世のバランスが崩れた時に、前世の記憶を思い出したみたいなのよね。
それで、あの世にいる悟飯くんとトランクスに声と気を少しだけ、届けたの。
ほら、あのパイクーハンくんが悪口叫んだ時
どうも、記憶が戻った時に思い出した瞬間移動で北の界王くんの所に行って、悟飯くん達の様子を見てたみたい。」
「あの時の。幻聴ではなかったんですね」
「そう。それで、その時に、フリーザが悟空くんの魂が転生してることに気付いたのね。
今は、あの世とこの世のバランスが戻ったから、前世の記憶も封印されてるけど、フリーザはねちっこいから」
時の界王神は、心底あきれているようだった。
「あの世と言えば、気円魔貫繰気金縛砲凄かったですね」
「そうね。気円斬と魔貫光殺法と繰気弾の力をまとめて気功砲として打ち出す、金縛りで動きを鈍らせるおまけつきだもの。
金縛りの影響で、一度食らうとしばらく動けなくなるうえに、繰気弾の影響で何度も軌道を変えて襲ってくる。
威力は気功砲で、魔貫光殺法で体中を貫かれて、気円斬に体中を切り刻まれる。
考えただけで、ぞっとするわ」
「絶対に食らいたくはないですね」
トランクスも身を震わせる。
「波動のコントローラーを、捕食衝動が破壊してましたけど、リンクも切れてるんだから、再度、波動を発生させて動けなくしたほうが、捕食衝動にとっては有利だったんじゃないでしょうか」
「でしょうね」
「だったら」
「多分、実際の戦士を見たら、戦いたくなったんでしょうね。
これは、トランクスの方が分かるんじゃない。
彼女にはセルと同じように、サイヤ人の細胞も混じっているのよ」
そこまで言って、意地悪そうに時の界王神が笑った。
「あとは、事態が思い通りになった時の慢心もあるかもね
サイヤ人の細胞的に。ね、トランクス」
トランクスは、ばつが悪い。
トランクス自身、サイヤ人の慢心には過去に思い当たる節が、いくつもある。
「あとは、特に疑問点はないかしら」
「そうですね。いや、ちょっと待ってください」
「なに?」
「戦いが終わった後の、悟飯さんなんですけど、どうやってビルス様たちの所へ行ったんでしょうか。
しかも、一人で」
「それは、シンくんに頼んで、口利きをしてもらったみたいね。
やっぱり、結果的に被害が少なかったって言っても、今回の戦いは、結構こたえたみたいね。
トランクスを連れて行かなかったのは、期間が長くなると思ったんでしょうね」
「界王神様に頼んだ。ということは、悟飯さんは潜在能力の解放をしたんですか。あの踊りを踊るやつ」
トランクスの言うように、強くなるなら、老界王神の究極潜在能力解放による究極化は一番手っ取り早い。
特に、悟飯は潜在能力を貯めやすいので、かなりの強さになるはずだ。
「いえ。今回は、してないみたい」
「え?なんでですか」
「シンくんが、止めたみたいね。
最初は、悟飯くんもおじいちゃんに潜在能力の覚醒を頼むつもりだったみたいだけど、シンくんが、ビルス様たちを紹介して、彼らのもとで、地道に修行しなおすよう説得したみたいよ。
今回の件で、悟飯くん少し思い詰めてたみたいだから、安易に力を得ることで力に対して歪んだ認識を持ってしまうのを懸念したみたい」
「そんな。悟飯さんに限ってそんなことは」
「そうね。私もそう思うわ。
だけど、あのザマスが、人間を守るために戦うようになったみたいに。
人っていうのは、些細なことでその性質を正反対に変えてしまうことがあるわ。
良くも悪くも、ね。
切羽詰まった状況じゃないなら、少し時間を置くのも間違いじゃないんじゃない」
「そうですね」
考え込むようなトランクス。
時の界王神は、それを見てことさら明るく言う。
「そんなに心配することないわ。だって、悟飯くんは、あなたの師匠なのよ」
その言葉に、トランクスは笑顔で返した。
彼らの信頼を、悟飯が裏切ることはないだろう。
この戦いも次につながる。
巻物は刻蔵庫の中で、そっとひと時の眠りについたのだった。
一応完結です。
書き終わったときには、よし、完結。もうこのシリーズ書くことねえな。
とかちょっと寂しく思うのですが、あれ書いてないなとか後で思い出して
継ぎ足したり、投稿したあとに読みにくいかなとかおもったりして、
完結に入れておきながら続きを投稿してしまうということになっています。
かといって、連載中にして続きをかける気がしていないし、話的に完結してるので、完結にしています。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
ドラゴンボール読み直してたら、ポルンガは普通にしゃべってますね。
ナメック語は願い言う時だけっぽい。
まあ、デンデが同時通訳してたとかオリ設定で補完