リセットフューチャー(DB2次創作・オリキャラオリ設定あり・超とのクロス設定あり・未来悟飯もの 作:従弟
・界王神が、宇宙を巻き戻した。
・そのことで未来悟飯が人造人間を倒す世界となった。
・暗黒魔界で修業した悟飯がザマスとポタラ合体することで、魔人ブウを吸収したセルを倒した。
・クローン事件発生
・悟飯とトランクス、人造人間21号は21号の暴走した捕食衝動に負ける。
・捕食衝動はビルスによって破壊され、その反動で21号は力と記憶を失い、ほとんどただの人間になる。
・悟飯はウイスのもとに弟子入りする。
用語説明
・第1世界 未来のトランクスがセルにタイムマシンを奪われた世界。界王神が宇宙を巻き戻し、いくつかの戦いを経て現在は平穏になっている。
・第2世界 未来のトランクスの世界。トランクスが人造人間を倒し、魔人ブウの復活を阻止したが、ゴクウブラックという新たな脅威に襲われている。
・第3世界 未来のトランクスがタイムマシンに乗ってきたことで、悟空が心臓病で死ななかった世界。現在フリーザ軍が接近している。
・第4世界 ゴクウブラックが生まれた世界。詳細は不明。
・晴れ時々タイムマシン
悪夢だ。
悪夢を見ている。
街を焼く光。
揺れるイヤリング。
嘲りの笑みを浮かべる懐かしい顔。
ゴクウブラック。
「は!」
トランクスが目を覚ますと、そこは、カプセルコーポレーションの庭の一角だった。
そして、心配そうな顔でみつめるのは、ブルマと悟飯、過去のトランクスと、ザマスである。
「君は、一体」
声をかけてきたのは、悟飯だった。
トランクスは、違和感に気づく。
過去の悟飯とは、面識がある。
それは、もちろんブルマともだ。
しかし、二人の反応は初対面のものだ。
いくつか、言葉を交わすことで、トランクスは現状を把握する。
ゴクウブラックが最後にタイムマシンに放った攻撃。
あれが原因で、タイムマシンの座標が狂い、目的の未来とは違う未来へと来たこと。
そして、ここが、悟空が心臓病で死んだにもかかわらず、トランクス抜きで人造人間の排除に成功した世界だということ。
そして、悟飯達も、トランクスの現状を把握する。
「時間移動は、重罪だ」
ザマスが厳しい顔で言う。
知らなかったとはいえ、罪は罪だ。
トランクスが項垂れる。
その様子を見て、ザマスは続ける。
「だが、私はそもそもこの宇宙の界王神見習いではない。
それに、やむを得ない理由もあったのだ。
不問に付そう。神の寛大さに感謝することだ」
「え、あっ、ありがとうございます」
満足げにうなづくザマスに、悟飯とブルマ、そして、この世界のトランクスが笑みを向ける。
「失礼します。あの機械の解析が終わりました」
紙の束をもって、現れたのは、人造人間21号である。
前回の事件で記憶を失った21号は、ブルマの助手として16号とともにカプセルコーポレーションで働いている。
「かなり、高度な技術で作られていますね。
発想が特殊すぎて、修理するのは難しいかもしれません
一応、16号が別の方面から解析を続けています」
「そう、ありがとう」
21号から解析結果を受け取り、ブルマが渋い顔をする。
「そうだ!タイムマシンに関するメモを、母さんが残してくれているはずです。
確か、タイムマシンの中に置きっぱなしになって……」
「ずいぶんと騒がしいわね」
「む、界王神見習いも来ていたのか、タイミングが悪かったな」
現れた来訪者にトランクスは唖然とする。
トワにミラ、ダーブラが遊びに来たのだ。
「ダ、ダーブラ!」
「何?私を知っているのか。
中々見どころがあるじゃないか。
サインをやろうか」
ブウの復活を阻止する際に、トランクスはダーブラと戦っていた。
だが、それは別の世界の話である。
この世界のダーブラには、何のかかわりもないことだ。
「ふふふ。ブルマ。
今回は、シフォンケーキを焼いてみたぞ」
自慢げに手土産に持ってきた手作りシフォンケーキを渡す様子を見れば、トランクスもそのことを、理解せざるを得ない。
前回21号に、スイーツにされた際に、スイーツの気持ちを理解しスイーツづくりに目覚めたダーブラだった。
タイムマシンから、メモを取り出し、ブルマへと手渡す。
「なるほど。すごいわね。未来の私」
「ちょっと、見せてもらっていいですか」
ブルマの様子に、元学者志望の血が騒ぎ、悟飯がメモを受け取る。
そこで、空に異変が起きた。
次元に裂け目が現れ、ゴクウブラックが現れたのだ。
本当に悟空と同じ姿であることに、悟飯とブルマは驚きを隠せない。
そして、驚いているのは、ブラックも同じだった。
「孫悟空。いや、別人か。それに、ザマス」
ダーブラ達と一緒にいるザマスを見て、不快そうにする。
「おい。ザマス。私と一緒に来い。人間のいない世界に連れて行ってやるぞ」
「時の指輪に、ポタラか。
貴様、神に連なるものか」
「連なる?違うな。私は神そのものだよ」
「戯言を」
「仕方がない。一から説明してやろう」
ブラックが悦に入った様子で、自らの悪行を連ねていく。
そして、言葉が紡がれるごとに、場の空気が重くなっていく。
ブラックが語る。
自分は別の世界のザマスだということ。
ドラゴンボールで悟空の体を奪い、その場にいた悟空を殺したこと。
元の世界と移動した先の世界で二度もゴワスを殺したこと。
トランクスの世界で神々を殺して回ったこと。
全ての人間を殺してしまう人間0計画を実行していること。
「さあ、私と一緒にいこう。
貴様ほど鍛えている私は珍しい。
人間0計画が、大きく進展するはずだ」
「ふざけるな。
貴様が私だと。冗談じゃない。
貴様は神などではない。狭量なただの駄々っ子に過ぎない」
ザマスの背中に、神の気の象徴である光輪が現れる。
「本当の神の力というものを見せてやる」
・次元のはざま
戦いは、ザマスが優勢に進めていた。
だが、その中で、徐々にブラックが力を増していることに、悟飯は気づいた。
そして、ブラックが、つまらなそうに言う。
「ふん。いくつか、世界があれば、神の意志のわからぬ不良品も一つくらいはできるということか。
その力はもったいないが、計画の支障となるものは、排除してしまうしかないな」
ブラックが気を高める。
それと同時に、次元のはざまがブラックの吸い込み始めた。
「くっ、時間切れか。だが」
ブラックの目に映ったのは、タイムマシンだった。
タイムマシンを破壊すべく、ブラックが手を上げる。
「させるか!」
そこに割り込んだのは、悟飯である。
ブラックに殴り掛かり、そのまま二人は絡み合い、次元のはざまに消えていく。
そして、次元のはざまの中で、ブラックが悟飯を突き放す。
「永久に、次元のはざまをさまようがいい。愚かな人間よ」
一方、カプセルコーポレーションでは、ちょっとした騒動になっていた。
「ご、悟飯君が、チチさんになんて言ったら」
「悟飯さんが、一体どうしたらいいんだ」
「おち、おち、落ち着いてください二人とも」
混乱するブルマとトランクスついでに21号。
その様子に、トワがため息を一つつく。
「仕方ないわね。私が次元を移動して、探してきてあげるわ」
「おい、時間の移動は、犯罪だぞ」
「暗黒魔界の住人に今更、何を言ってるのよ。
それに、このまま、悟飯を見捨てるっていうの」
ザマスがばつが悪そうに、口をつむぐ。
「分かればいいのよ。じゃあ、行くわよミラ」
この時は、トワは自らの心境の変化にまだ気づいていなかった。
・第3世界のカプセルコーポレーションにて
次元のはざまから吐き出された悟飯。
「ここは、カプセルコーポレーション?」
悟飯にとってなじみ深い場所だ。
そして、それだけに違和感が先に立つ。
ひび割れていない道路。
そびえ立ついくつもの建物。
ひっきりなしに行きかう何台もの車。
なによりも、空気に余裕がある。
「あら、悟空さん?」
声をかけられる。
振り向くと、ベビーカーを押した若い女性がいた。
女性は、少し驚いたようだった。
「ごめんなさい。知り合いに、似ていたものだから」
「もしかして、孫悟空を知っているんですか。オレは、その人の息子です」
「ええ!そういえば、悟飯君にすごく似てる。
もしかして、隠し子。悟空さんが?でも、結婚も知らなかったって言うし。
訳も分からず、悪い女の人に騙されて子供作っちゃった可能性も……。
あの、あなた。本当に、悟空さんの?」
女性は、ひどく混乱しているようだった。
「オレは、孫悟飯。孫悟空の息子です」
・事情説明
カプセルコーポレーションから、出てきたブリーフによって状況は、整理された。
彼がタイムマシンの存在を知っていたことが大きい。
悟飯がタイムトラベルしたことがすぐに判明したのだ。
「けど、驚きました。こっちの、オレは結婚していて、子供までいるなんて」
ビーデルとパンについても、説明がされた。
今は、ブリーフ、ビーデル、パン、悟飯の4人でお茶をしている。
「少し、抱いてみますか」
差し出された赤ん坊を、悟飯はゆっくりと抱いた。
トランクスの世話をしたりしていたので、こういうことは慣れている。
それでも、緊張は隠せていないかった。
腕の中で、楽しそうに笑うパンに、悟飯は頬を緩ませる。
「未来のトランクスからも、セルを倒したって聞いてたけど、この世界のオレは本当にすごいな。
学者になって、こんな美人な奥さんとかわいい子供がいるなんて」
悟飯の言葉に、ビーデルの頬が染まる。
違う世界の人間でも、夫に褒められるのは照れ臭い。
同時に、夫が夫をほめるのは、少し違和感がある。
「そういえば、ブルマさんは、どこに?」
「ああ、ブルマなら友達と、クルーザーだか、フリーサーだかを見に行くとか言ってたぞ」
「クルーザーか。釣りにでも行くのかな」
「なんにしても、せっかく過去に来たんだ。会いたい人もいるだろうし、ゆっくりしていくといい」
ブリーフの言葉に、悟飯の脳裏には幾人かの人たちの顔がよぎる。
未来から来たトランクスから、悟空はセルの自爆に巻き込まれて死んでしまったことは聞いている。
けれど、それ以外にも会いたい人は何人もいる。
それと同時に、悟飯には懸念があった。
「オレが会ってもいいんでしょうか。
一応、未来人ですし、タイムパラドクスとか」
「君の世界とこことは、話を聞く限り、まったく別の世界だから、問題ないだろう。
それに、前に、未来からトランクスも来たし、今更だよ」
ブリーフの言葉を聞いて、一応は悟飯も納得する。
それでも、なにか心に引っかかるものがある。
「あの、気になるようでしたら、これを使いますか」
ビーデルから、腕時計のようなものが差し出される。
「これは?」
「簡易の変装装置みたいなものです。
私が昔使ってたものですけど、フリーサイズなので、だれでも使えるそうです」
「なるほど、ありがとう」
悟飯は、さっそくそのバンドをまいて、ビーデルからレクチャーを受けた。
一方そのころ
「なによ。ドけちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ブルマは、生き返ったフリーザに思い切り喧嘩を売っていた。
・復活のF
1000のフリーザ軍を相手に、ピッコロたちは優勢に戦いを進めた。
これは、実力的に考えれば当たり前のことだった。
ソルベや多くのフリーザ軍は驚いている。
だが、フリーザ本人にしてみれば、その程度の実力差、見ればわかることだった。
それでも、数で押しさえすれば、何人か。
ナメック星で殺したハゲか、目が三つあるハゲか、禿げた老人か。
そのくらいは、途中でスタミナが切れるというのが、フリーザの予想だった。
なので、再度、ピッコロたちが一人も欠けずに目の前に現れた時、フリーザは落胆せざるを得なかった。
メカフリーザを一瞬で倒した未来トランクスを圧倒した人造人間17号と互角に戦った神と融合したピッコロ相手に善戦していたシサミも、超サイヤ人になった悟飯にすぐにやられてしまった。
「やれやれ、分かってはいましたが、フリーザ軍も随分質が落ちましたね」
悟飯はすぐに超サイヤ人を解除してしまったが、フリーザの瞳にはその黄金の気が焼き付いていた。
ナメック星での孫悟空。
地球でのトランクス。
思えば、フリーザにとって、超サイヤ人は挫折の象徴だった。
それが、また、一人。目の前にいる。
すぐに、殺したくなる。
それを抑えたのは、一欠けらの冷静さだった。
あの超サイヤ人は弱い。
胸の中のささやきが、フリーザに理性を取り戻させる。
そう、あの超サイヤ人は弱い。
悟空とトランクスの他に超サイヤ人がいたのは誤算だった。
確かに、この場において、フリーザを除けば一番強いかもしれない。
けれど、弱い。
地獄のようなトレーニングを積んだフリーザに比べれば。
羽虫の様にかよわい。
なので、羽虫の様につぶすことにした。
「貴方は、孫悟空さんの息子でしょ。ずいぶん大きくなりましねえ」
小型ポットから、スキップよりも軽く跳躍し、悟飯に接近する。
ハエ叩きを振る要領で、悟飯の心臓めがけて拳をふるう。
殺すため。
血が飛び出ると汚いので、少しだけ手加減する。
ガシっ!
拳が阻まれた。
・謎の戦士、フューチャーサイヤマン登場
フリーザが小型ポットから降りた瞬間。
悟飯の体には死が満ちた。
フリーザの動きも姿も捉えられない。
殺されるという事実だけが、体を満たし、動けない。
実際には動けないのではない。
体よりもはるかに早く、魂が死を自覚している。
だから、体が動くようになった時、思わず尻もちをついてしまった。
目の前の大きな背中に、安堵が漏れる。
「おとうさん」
その場にいたピッコロたちも、反射的に声を上げる。
悟飯の目の前で、フリーザの拳を止めた戦士。
そんなことをできる戦士は、そうはいない。
なにより、気で、誰なのかわかる。
「悟空!」
そんな中、その場にいた三人が、つぶやいた。
「誰だ。お前」
一人は、ジャコ。
彼は孫悟空を知らない。
一人は、ブルマ。
彼女は気の探知ができない。
目で見ることでしか確認ができない。
一人は、フリーザ。
目の前で、自らの拳を止めた男をにらみつける。
そして、距離をとり、問い直す。
「あなた。誰ですか」
「ふゅ↑~ちゃ~↓さ・い・ヤ!マン!」
その男は、ビシッ!とポーズを決めた。
ビーデルからもらった変装装置で、変身した未来の悟飯がそこにいた。
ブリーフが調整して、衣装は悟飯に合わせたものに変更されている。
デメキンをイメージした紅白衣装だ。
戦いやすいように、マントは取り外され、頭部の装備は、髪の毛を抑えないように、ヘルメットではなく顔を覆う仮面となっている。
ポーズに関しては、ビーデルによって、徹底した指導が行われた。
こうして、未来からの戦士。フューチャーサイヤマンが誕生した。
フューチャーサイヤマンは、過去への干渉をできるだけ行わない。
しかし、今回の様に、他者の命が危険にさらされるなどの非常事態の際には、正体を隠して介入する。
それが、フューチャーサイヤマン。
「悟飯!」
「どうなってんだ!悟飯がもう一人!」
「フューチャー?未来ということかの?」
「ですが、武天老師様。未来の悟飯は、死んだはずでは」
混乱する地球の戦士達。
その中で、一人だけ冷静な男がいた。
「待ってください。みなさん」
孫悟飯だ。
「ポーズの際の腕の角度が甘いです。なので、彼は僕ではありえません
具体的には、右手が3センチ上を向きます」
「こうかい?」
「違う。違う。こうやって、こう」
「こうやって、こう」
「そこは、そうやって、こう」
悟飯によるフューチャーサイヤマンのポーズ指導が始まる。
それを見て、その場にいる全員が、思った。
こいつら。絶対同一人物だ。
ただ、物陰から見ていたブルマだけが諸々の事情を推理して、正解に限りなく近づいていた。
そして、苛ついている人物が一人。
「久しぶりですよ。このわたしをここまでコケにするおバカさん達は」
フリーザだ。
フリーザは、青筋を浮かべてフューチャーサイヤマンににじり寄る。
「あなたを殺して、孫悟空の息子を殺して、地球の奴らを皆殺しにして、死体の山の一番上に、あの超サイヤ人の首を据えてやる」
「それは、無理だ。お前は、ここで、オレに殺されるんだからな」
フリーザの青筋が増える。
セリフの一つ一つ、動作の一つ一つが癇に障る。
それも、第三者の目で見れば当然だ。
別世界の人間であるとはいえ、フューチャーサイヤマンは、怨敵である孫悟空の息子であり、フリーザを殺した未来のトランクスの師匠なのだ。
仇敵のハイブリッドである。
苛つかないはずがない。
「最初から、最終形態で相手をしてあげますよ」
そう吐き捨てて、フリーザが変身する。
ナメック星で悟空と一番最後に戦った形態だ。
だが、その気の質も大きさも、当時とは比べ物にならない。
その姿を、フューチャーサイヤマンは、つまらなそうに見る。
「それが最終形態か?」
「なんですって」
「もう一段階上があるんじゃないか」
フューチャーサイヤマンの言葉に驚いたのは、フリーザよりも周囲だった。
今でも手の付けられない強さなのに、これ以上があるとは考えられない。
なによりも、それが事実でもフューチャーサイヤマンには、敵が強くなるだけで、なにも利益はないのだ。
指摘する必要がない。
「ないなら、ここで終わりだ」
フューチャーサイヤマンが、青い神の気を放つ。
超サイヤ人ゴッドの気を取り込んだ超サイヤ人の変身。
「超サイヤ人ブルー」
それをみても、フリーザは薄ら笑いを浮かべるだけだ。
「仕方がないですね。孫悟空と戦うまで取っておきたかったのですが」
フリーザの放つのは、毒々しい黄金の気だ。
超サイヤ人を殺すために悪意と憎悪で煮詰めた才能の変身。
「ゴールデンフリーザ。とでも言っておきますか」
本来の歴史とは違う、並行世界をまたいだ戦いが始まった。