ソードアート・オンライン《鼠ト龍ノ千全戦》 作:情報屋迅龍牙
第3話
『支配者対攻略者』
━第一層・ボス部屋前━
「・・・ここまで来るのに1ヶ月か」
「リュウジはその間、ログアウトしてたんダロ?」
「まぁ、俺は他のプレイヤー達と違って自宅に体があるしな」
「誰が管理してるんだ?」
「・・・メイド」
「そうカ・・・」
その後アルゴは、何も聞いてこなかった。何か気に触ることでも言っただろうか?
「みんな!今日、この日までよく頑張ってくれた!俺からいえることは一つ!勝とうぜ!」
「「「オォォォォォォォォォ!!」」」
━ボス部屋・内部━
「陣形を崩さずに!それぞれの役割を果たしてくれ!」
「行くぞ!」
SAOに捕われて初めてのボス攻略が今始まった。そして、扉が開かれ・・・目の前にいるのは、この階層のボス『イルファング・ザ・コボルドロード』コボルドの王である。
「君たちは、取り巻きのコボルド達を!」
「任された!」
「いくゾ!」
━キリト視点━
「せや!」
「はやい・・・」
今俺の目の前でレイピアを振るっているのは、俺たちの仲間であるアスナだ。
「俺も負けてられないな!はぁぁぁ!」
「あっちもあっちで元気がいいな?」
「そんナこと言ってる暇がアルなら手伝ってクレ!」
「おっと!すまなかった・・・なぁ!」
俺達がコボルドの相手をしていると、コボルドロードのHPがあと一撃ていどまで切った。HPがレッドゾーンに突入したことでSAOボスたちの第二の牙が現れる。確か、この階層のボスは・・・
「俺が決める!」
「ディアベルはん!?」
「あれは・・・!?くそ!」
「リュウジ!?」
━あれは・・・ベータテストの時と違う!あれは・・・タルアールじゃない!刀系統の武器!野太刀!
「な!?ディアベル!リュウジ!後ろに飛べ!」
「やらせるかァァァァ!!」
そこで俺は咄嗟に、片手剣上位スキルクリムゾン・スクエアを使った・・・・いや、使ってしまったのだ。
「せ・・・ぁぁぁぁぁぁ!!」
「大丈夫か!?ディアベル!」
「あ、あぁ・・・」
「キリト!アスナ!アルゴ!決めに行くぞ!!」
「っ・・・あぁ!」
「任せて!」
「しょうが無いナァ?」
俺を含めた四人で、コボルドロードのHPを削りに行った。コボルドロードは、俺達を倒そうと野太刀を振るう。そしてその一撃が・・・
「アスナ!」
「せやぁぁぁぁ!!」
「すげぇ・・・アルゴ以外の女性プレイヤーだったのか」
「そうだナァ?狙ってんのか?」
「ち、違うわい!」
「決めに行くぞ!!」
「お、おう!て・・・俺たち必要?」
「要らないんじゃないか・・・?」
「「はぁぁぁぁ!!」」
そして・・・ラストアタックを決めたのは、キリトであった。
「た、倒した・・・」
「コングラッチレーション!この勝利は、あんた達のもんだ」
「ふぅ・・・」
「なんでや!!」
「あ?」
「なんで・・・なんでボスが野太刀使うってこと教えんかったんや!」
やつは、何を言っているんだ・・・と、ほかのプレイヤー達は思ったであろう。だが、キバオウと名乗るプレイヤーの周りにいるものが発した言葉で、皆がざわついた。
「きっとあいつ!ディアベルさんをはめようとしたんだ!」
「な!?」
「おいあんた!」
「貴方ねぇ!」
このままだと、リュウジが皆から恨まれかねない・・・そう思ったキリトは、自分が悪役になるように、したのだ。
「ふふ・・・ふっはははは!」
「な、なんや急に?」
「何を勘違いしてるんだ?奴が黙ってたのは、俺が止めてたからだ!」
「キリト?お前?」
「奴が野太刀を使うことは、聞いていた・・・だけど俺が止めたんだよ!」
「な、なんやと?」
「しってるやつがいたら・・・ラストアタックを取れないからな・・」
そのとき、リュウジは覚ったのである。彼が、ベータテスター達への恨みと、俺に起こるであろう恨みを全て、自分一人で受け止めようとしているのだと。
「あ、悪魔や・・・」
「黒・・・『B・M(ブラックデーモン)』」
「B・M・・・黒い悪魔か・・・なら、今度からはそう呼んでもらおうか?ふっ」
そう言い残すと、キリトは、その場から離れようとした。しかし、それを止めるものが、少なくとも1人いた。ディアベルである。
「キリトくん!俺は、君たちに助けられた!そのことに変わりはない!何かあったら、俺たちをたよってくれ!」
「・・・・」
━1階層・回廊━
「待って」
「なんだ・・・あんたか」
「ひとつ聞かせて、あなたともう一人の人・・・私のことを名前で呼んだわよね?どこで知ったの?」
「HPの他に、小さいカーソルがもうひとつあるだろ?そこに書いてあるんだよ」
「キリ・・・ト?これが名前?ふふ・・・なぁんだ、こんな所にずっと書いてあったのね?」
「あんたは強い・・・ギルドからの勧誘があったら断るな・・・じゃあな」
そう言い残し、キリトは階段を登って行った。たった一人で、全ての悪意を抱え込んで・・・
「良かったのか?」
「リュウジ?いいんだ・・・βテスターたちへの恨みが、誰かひとりに集中すれば、ほかの奴らは、肩身を狭くすることが無くなる?」
「俺でもよかったろうに」
「それじゃ意味が無い・・・あんたは、自ら自分がプログラマーだと名乗った・・・俺も、それに習って、な?」
「・・・・いつでも頼ってくれ。俺は、そのための情報屋だ」
俺は、そう言い残しキリトから離れていった。そして・・・ここから始まるのは、世界を攻略するものと、世界を暴くもの達の物語である。
主人公サイドのエギルだ!第四話も待ちどうしいだろうが・・・作者のメンタルしだいだな?ま!気長に待ってやってくれ!
ユナイタルリング編もやった方がいいかな?
-
YES
-
う〜ん
-
NO