アクセル・ワールドに白龍皇を!   作:グウィビ丸

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漸く話がまとまったので投稿します!
ちなみに龍元の見た目は池袋の歩く自動喧嘩人形さんを高校生ぐらいまで戻し、黒髪をイメージしています。

それでは龍元の初戦Part1をお楽しみください!!


アキハバラBG

昼食のあと、いつのまにかオレと美早の弁当のやりとりが広がっており、門崎のヤローは『おいおい、付き合ってもないのにアーンとか羨ますぎるんだよォォ!!』と飛びかかって来たが、難なく撃破した。

門崎も本気ではなかったし、今のオレの反応速度と動体視力があれば大人でも余裕でノックアウトに出来る。

あの事件以降、今のオレの身体能力が格段に上がったためそれを制御するためにオレのニューロリンカーには、ある程度ではあるがこの異常の力を制御するためのプログラムが組み込まれているが、知り合いの甘党の天才外科医曰く『オレたち人間の脳はまだまだ未知に包まれている。だからこそキミのニューロリンカーでもある程度しか制御する事が出来ないんだ。すまない完全に制御出来ず』と言っていた。リミッターはオレの無意識で外れる事もあれば、任意で外す事も可能だ。

そのため中学時代は無意識に物を壊してしまったり、人をキズつけしまったりもした。加えて難癖を付けてケンカを売って来たヤツとケンカもした。全員ボコボコしたけど。そんなことをすればどうなるか…………答えは単純…孤立だ。その上、オレを気に入らないヤツらがオレの過去を学校中に広められたりもした。だからこそオレは弱くなりたい、消えたい、何処かへ逃げたいと思った時期があった。母の口癖だった『苦しい事も、楽しい事も半分』という言葉は当時のオレには苦痛でしかなかった。周りの人間がオレを拒絶するのにどうやって半分にすればいいんだと思った。でも美早はそんなオレを受け入れてくれた。あの時のオレは、周りに拒絶され、否定され、はき出されていたため荒れていた。そんなオレを見捨てず、ちゃんとオレの眼を見てくれた。すげー嬉しかった。だからオレを見捨てないでくれた美早はオレにとって妹や弟のような存在である千由里や拓武や春雪たちと同様オレにとってかけがえのない存在である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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時は流れて放課後、

美早と一緒にバイクでついて来てとしか言われていない。ローカルネットには繋いでいないため前を行く美早を見逃さないように運転するしかなかった。この2047年においてバイクや自動車が法定速度を破る事は出来ない。それは制御システムが自動的にその道路の上限速度でリミッターを掛けいるからだ。それでも、やっぱりこの時代でも交通事故は起きてしまうようだ。美早はせっかちな性格なため法定速度である80キロメートルであるにもかかわらず、ゼロ発進から上限に達するまでの時間が尋常でなく短いのだ。そのため気の抜けば美早見失ってしまうのだ。

しばらく2人でドライビングしていると、ニューロリンカーを通して思考音声で話しかけた。

『美早、そろそろ行き先を教えてくれ。いくらオレが方向音痴でも行き先ぐらいは聞かせてくれないか?』

『SRY、忘れてた。行き先は秋葉原』

 

『アキバって確か敵レギオンの領土じゃなかったか?』

『NP、目的地は中立地帯』

 

『りょーかい。んじゃ出来るかぎり安全運転で案内してくれ』

『K、しっかりとついて来て』

 

少ししてから秋葉原地区西端に近接する立体駐車場にバイクを入れ、2人で歩いて行くと、懐かしい光景があった。この時代の秋葉原は、現代の技術を吸収してはいるため、前世よりも騒がしい。

「懐かしいなぁ……」

と一人でに前世に対する呟きをもらしていると、

「リュウ、こっち」

突然美早に手を繋がられた。いきなりだったためけっこうビックリしたが、美早に手を引かれながら連れて来られた場所は、大通りから少し裏に入った所に建つ、一際うるせぇビルだった。

入り口には《QUADTOWER》というネオンが瞬き、奥の方には照明が絞られて薄暗い所だった。

「ゲーセンか?」

「K、ここでリュウにデビュー戦をしてもらう」

 

「マジか!?」

「マジ。詳しい説明は部屋でする」

 

と言って美早と手を繋いだ状態のまま店内に入った。店内には今ではかなり見る事が出来ない懐かしい《アーケードゲーム》がズラリと並んでいた。こちらのゲーム機は、前世のお金いわゆるリアルマネーがいるのだ。この時代ではリアルマネーは時代遅れで電子マネーが普通なのだ。ちなみに龍元は昔懐かしさに、リアルマネーだけでなくプレ◯テなどのひと昔前のゲーム機を持っていたりするためゲーム好きの春雪とよく遊んだ事もあったのだ。

所持しているリアルマネーは小銭だけで千円近くあるため思わずアーケードの2D格闘ゲームをやりたいという衝動にかられそうになったが美早が頬を引っ張り現実に戻してくれた。

美早に案内される形でエレベーターに乗り、四階で停まるとドアの向こう側は頑丈そうなパネルで仕切られた狭いブースに右の壁際にはドリンクバーがズラリと据えられいた。美早が無人カウンターで素早く受付を済ませて「こっち」と呼ばれた。美早曰く『ギリギリ、ペアシートのブースが空てた』らしい。良かったぁーーと内心安堵した。でなければ出直すか美早の事だ、一人用スペースを二人で使うと言うだろう。セーフだセーフ。

ペアシートとはいえ、結構な近さではあるがあえて気にせずにいると、

 

「足がつかないようフルダイブ用アバターを選択して」

「ん?……まぁいいか」

 

美早に指示に疑問を抱きながら、アバターを久しぶりにクロ◯もんに設定し終えると、

 

「出来たぞ。お前に変えられる前のアバターに」

「K、フルダイブしたら《アキハバラBG》のタグがついているアクセスゲートに潜って」

 

「りょーかい。カウントは3でいくか?」

「N。1、0で行く」

 

だろうな。お前はせっかちだもんな(~_~;)

内心美早のせっかちに呆れながら素直に頷くと

 

「K、カウントする。1、0」

 

「「ダイレクト・リンク」」

 

 

意識と現実身体が切り離され、龍元たちは仮想現実へ誘われた。いくつかのアクセスゲートがあるが、目的のものではないため無視していく。龍元たちはグローバルネットを切断しているので、この《カドタワー》なるビルが運営しているローカルネットなはずだ。目的の《アキハバラBG》という目立たないタグを見つけ、選択すると視界が引き寄せられた。

伏せていた顔を上げると、あらゆる床と壁が赤錆びた鋼板と金網で作られた巨大な酒場ともクラブともつかない場所だった。なんとなくだが、テーブルで飲んでいるアバターたちは、オレや美早同様にバーストリンカーであると分かった。けっこういるなこのビルに。加えて、天井から鎖でぶら下げられている四面の大型モニターには、どうやら今日の対戦予告のようだ。デュエルアバター名、レベル、などが表示されていた。

少々困惑気味にとなりにいる美早のアバターである黒いライダースーツを着た赤い女性の豹の獣人に話しかけてみた。

「パド、ここはどういう所なんだ?」

「《アキハバラ・バトル・グラウンド》。バーストリンカーの、対戦の聖地」

 

「アキハバラってことは、敵の、黄色のレギオンの拠点じゃないのか?」

「N。さっきも言ったけど秋葉原エリアで、ここだけは絶対中立」

 

ついて来てと付け加えながら、カウントーへ向かうとズングリ、ムックリの髭もじゃに赤いレンズのグラサンをしたドワーフ型のアバターがいた。

 

「こんにちは《マッチメーカー》」

 

ドワーフアバターは、美早のアバターを見た後、オレのクロ◯もんを見てからふんと鼻を鳴らし、再度美早に向き直してニヤリと笑った。

 

「こりゃあ珍しい客じゃな。久しぶりじゃな豹の」

 

随分と爺臭ぇなこのドワーフは……転生者か……いや考えるだけメンドクセェ〜

 

「ここの真剣勝負が恋しくなったか?それとも小遣い稼ぎか?」

「悪いけど、今日は対戦でも賭けをするつもりない」

 

「ならなんじゃ?勿体ぶらずに教えてくれんか?」

「今日は、私の子のデビュー戦」

 

「何!?」と驚きながらオレと美早を交互に何度も見ながら、やがて落ち着いたのか、息を整えながら

 

「ほぉ〜お前さんが《子》をねぇ〜コレ(・・)か?」

 

とひと昔前のリアクションではある右小指を立てきた。対して美早は素早くマッチメーカーの立てた小指を本来なら曲がらない方向へ曲げようと曲げ始めた。対してマッチメーカーもおおぉぉぉ!!と悲鳴を上げながら抵抗している。しばらく二人のプチバトルが終わると、マッチメーカーがこのアキハバラBGについて教えてくれた。

アキハバラBGとは、ゲーセン《カドタワー》内でのみ接続できるローカルネットで、賭け試合に出たいバーストリンカーはカウンターで選手登録をすると、システムがレベルや相性を考えて最適の対戦相手を選び出し、試合時間とオッズをモニターに表示するそうだ。そして、このローカルネットでの最大のルールは、マッチメイクされた選手同士以外は《対戦》してはならない。ルールを破ったら《用心棒(バウンサー)》がデュエルでブチのめすようだ。そしてローカルネットから叩き出すようだ。ここは、秋葉原を支配するレベル9の《黄の王》すらも手を出さない対戦者の聖地らしい。よってレギオンに関係なく対戦し放題のようだ。

 

「マッチメーカー、オレもここで対戦がしたい。登録を頼む」

「了解じゃ。そういえばお前さんのアバター名は何じゃ?」

 

「ホワイト・アルビオンだ」

「はぁ!?」

 

自身の耳を疑ったのかカウンターから身を乗り出し来そうになったが美早がチャップで鎮静した。

 

「お、お前さん!!本当に色被れか!?」

「どうやらそうらしい」

「システムは嘘をつかない。彼はこの世界初の色被れ」

 

「まさかあえて《白》が被るとはなぁ。やはりこの世界は何があるか分からんなぁ」

「この世界は謎の分だけ楽しみがある」

 

「そうじゃな。では白いの選手登録をするからしばらく豹のと待っといてくれ」

「ありがとうなマッチメーカー」

 

おうと言いマッチメーカーはオレを選手登録してくれた。するとオレの対戦相手と対戦時刻が表示された。モニターを見ていたアバター全員が驚きまくっていた。ある奴は飲んでいたドリンクを吹き出し、ある奴は椅子から転げ落ち、ある奴は隣のアバターに顔を引っ張ってもらったりとさまざまなリアクションをしていた。

待っている間は、美早とテーブルで向かい合わせに座ると、

 

「リュウ、貴方のアバターは貴方自身が作り出したモノ。デュエルアバターにはそれぞれ等しくナニカ強みを持っている。今のリュウは眠っているだけ。」

「そうか?まぁ出来かぎり無様な試合はしないようにするさ」

 

「リュウ、一番大切な事は勝つ事じゃなく楽しむ事」

「そっか分かった。出来る限り存分に楽しんでくるよ」

 

「K、リュウ、Heard luck!」

 

その言葉を聞いた直後、モニターに予告された試合時間ちょうどに龍元の聴覚に乾いた電鳴が叩いた。続けて挑戦者の出現を告げる文字列が視界いっぱいにメラメラと燃え上がった。

 

《WHITE・ALBION》vs《VIOLET・BRUNHILD》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

デュエルアバター《ホワイト・アルビオン》として龍元が降り立ったのはビルの屋上のようだ。先ほどのパドといた景色とは随分と違うようだ。おそらく、このいくつものイルミネーションやライト、広告パネルをつけた飛行船やらがゴチャゴチャしたステージはパドが説明してくれた属性フィールドのようだ。多分《繁華街》だったはず。

そして、オレの対戦相手の《バイオレット・ブリュンヒルド》は視界中央にある水色のカーソルの方向にいるようだ。

バイオレット色つまりは菫色か……紫系統は遠距離の赤と近距離の青の中間に位置する色。バランスが取れた色だ。

ある程度敵の攻撃系統を予想しながらビルとビルとの間を飛び越える。リアルでもパルクールは出来るためコレくらいはチョロい。加えて、この身体はリミッターが外れた状態に近い身体能力があるため動きやすい。パドはコレを《完全一致》と言っていた。だから違和感なくこの身体を動かせる。

カーソルではアバター同士の距離は分からないが恐らくかなり近くまで来たはずだ。ブリュンヒルドの方もオブジェクト破壊をしているのか必殺技ゲージが少し溜まっていた。オレの方も相手に貯めさせる訳にはいかないためオブジェクトを壊していく。しばらくして残り時間が1650を切った時、ビルの貯水タンクからガタっ!と何かを踏んだ音が聞こえた。音のする方へ視線を上げると長さが身の丈以上で鋭い槍を持った女騎士アバターが切り掛かってきた。咄嗟に身を低くし左へ転がって避ける。すぐさま起き上がり、敵と向かい合う。

 

「どうやら本当に色被れのようですね。驚愕です」

 

まるでソプラノ歌手のようなキレイな声で話しながらこちらの様子を伺ってくる菫色でオレより鎧の様な身体をしているのに軽量そうで、まるでオーロラを思わせるようなキレイな水色の髪をした女騎士アバターが槍を構えている。

 

「そう言うアンタがオレの対戦相手の《バイオレット・ブリュンヒルド》か?」

「肯定です。ウェールズの白い龍。時間が惜しいので早急に続きを所望します」

 

「ああ楽しくバトろーぜ!ブリュンヒルド!!」

 

オレは拳を、ブリュンヒルドは槍を構え同時に駆け出す、鋭い突き攻撃を最低限の動きで何とか躱しながら、オレも拳や蹴りを繰り出す。突きでは決定的ダメージを与えられないと判断したのか、今度は穂先と石突きによる斬撃を加えた変則的な動きに変えてきた。コッチはまるで踊っているかのような動きなため読めない。そのため穂先にオレの、アルビオンの身体は所々切られた。でもオレもただでは斬られない。石突きによる攻撃がきた際に、ブリュンヒルデの突きの速さに多少は慣れたため槍の柄の部分を握り動きを止め、渾身の力で腹に拳を叩き込んだ。ブリュンヒルドは槍を近くに落としながら、壁に向かって吹き飛んだ。すると、周りでオレたちの対戦を見ていたギャラリーが一層に騒ぎ出しやがった。うるせぇ。

上にある相手の体力ゲージは半分近くまで減った。対してオレはちょうど半分って所だ。加えて制限時間も半分の900を切った。

ブリュンヒルドに追撃を仕掛けようと駆け出すと、ブリュンヒルドの方も既に槍を回収していた。

 

「宣言します。貴方の負けです」

「おい、どうゆう事だ!?」

 

ブリュンヒルドの謎の勝利宣言に戸惑ってしまったのが悪手だった。

 

「《ブリュンヒルデ・ロマンシア》ぁぁぁ!!」

 

必要技コマンドを叫びながら大盾と見紛うほどの巨刃が付いた大槍へとなった姿を変えた槍は、先ほどより長さが倍以上となり穂先に青い炎を纏いながら突っ込んで来た。明らかに先ほどと比べらないほどの速度だったため避ける事が出来ず、左腕を切り落とされ左肋を削られた。コレによりオレの体力ゲージは殆ど削られ、衝撃でビルから落ちてしまった。

強烈な痛みと共に、背中から掛かるGが尋常ではなかった。オレの頭の中にはこのままでは美早に見捨てられてしまうという焦りが埋め尽くした。初戦でプロミネンスのサブリーダーたるパドの顔に泥を塗る様に無様に負けたら、オレは………美早に見捨てられる。

いやだ!アイツに、美早にだけはオレを拒絶した奴らと同じ目で見て欲しくない!だから頼むホワイト・アルビオン!オレはまだこの世界で心の底から楽しみ切れてないん!まだ満足してねぇ!!

だから、だから!!

 

 

「翔べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

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