艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ?   作:因幡凛空

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今回長いので時間のある人だけご覧ください。


11話 演習そして庭園

昼食後、陽炎達と時間を潰していた俺達は、演習が行われる場所に向かっていた。

どこにあるのかとプリンツちゃんに聞くと、鎮守府の裏側にプールがあるらしく、そこが演習場となっているらしい。さらにそこの目と鼻の先に対空射撃の訓練が行われる広場があるとのこと。

 

リク「ここか……」

 

こうしてプールにやってきた俺は、そのあまりの広さに開いた口が塞がない。

 

陽炎「すごいでしょ?」

リク「確かにすごいけど、これって元々行楽の場なんじゃないのか?」

黒潮「よう知っとるな、そうやで」

プリンツ「演習の場として使えるのはここしかないですからね、それに対空射撃の場と面しているここのほうが何かと合理的なんですよ」

リク「なるほど」

浜風「あ、始まるみたいよ」

 

と浜風が言うと、演習場に8人ほどの艦娘が入ってくる。

ちなみに自己紹介は昨日の時点で全員に済ませてある。

 

リク「プリンツちゃん。参加者は誰なのかな?」

プリンツ「えっと……」

 

プリンツが説明を始める。

 

プリンツ「まず第一艦隊が夕立さん、時雨さん、蒼龍さん、飛龍さんで、対する第二艦隊は秋月さん、照月さん、赤城さん、加賀さんですね」

リク「そうそうたる顔ぶれだな……」

 

それぞれ白露型、蒼龍型、秋月型、赤城型とは……。相性的に見るなら、秋月型が入っている第二艦隊のほうが有利だろうな。

何せ、秋月型は防空型駆逐艦だから、空母が入っている編成は不利になりがちだ。バンバン艦載機が落とされるのが目に見てくる。

そして、最後に演習の記録をつけているという大淀さんが入ってきて準備が完了したようだ。

 

大淀「ええ、参加組みの皆さん。今回の演習は先ほど申し上げたとおり、前日この鎮守府にやってきた加藤リクさんに戦いとはどういうものなのかを見せるための意味もこめています。決して手を抜かないでくださいね」

参加組み「はい!」

大淀「それでは、始め!」

 

大淀の掛け声とともに、演習が始まった。

艦娘たちは俺にいいところを見せようと張り切っている様子で、秋月と照月が蒼龍さんと飛龍さんの飛ばした艦載機を全滅させ、夕立と時雨が二人の背後に軽快な身のこなしで回りこみ、そのまま攻撃を命中させてものの見事に大破させた。

そして直進してきた赤城さんと加賀さんが仕返しと言わんばかりに二人を大破させ、残ったのはそれぞれ空母勢になった。

 

不知火「これはもう勝負は見えましたね」

浦風「第一艦隊の二人は艦載機が全て落とされたことで棒立ちになってしまったけんねぇ」

 

秋月型の二人の対空射撃によって艦載機が全滅し何も出来ず棒立ち状態の蒼龍さんと飛龍さんは、赤城さんと加賀さんの飛ばした艦載機によって大破させられ勝負がついた。

結果は第二艦隊が勝利。完封とは言えないものの、それでも二人を残して勝利したのは大きいだろう。

 

大淀「そこまで!」

参加組み「お疲れ様でした!」

 

と参加組みが敬礼する。大破してるってのに元気いいな……。

 

秋月「参考になりましたか?」

 

そこに秋月が俺に近寄り問う。

 

リク「ま……まあ参考になったよ……」

 

正直あんまり参考にはならなかった。理由はあまりにも一方的に見えたから。でもまあ、あんな感じで戦っているんだなと自分の頭の中で整理できてはいたが。

 

照月「すごいでしょ?私たち秋月型の力!」

リク「まあ……うん」

 

それ以前に目のやり場に困るんだよな……。早く入渠してきてくれ……。そんな服が破けて腕で大事なとこを隠してるポーズをしながら俺に近寄らないで欲しい……。

 

大淀「そんなこといいから早く入渠していらっしゃい!」

秋月・照月「はーい」

 

大淀さんに言われ、二人はお風呂へと駆け込んだ。

 

浜風「リク?顔が赤いわよ?」

リク「なんでもない……」

 

そりゃああんな破けた服であのスケベボディが露出しているのを見て顔が赤くならん奴はいないだろ……。それとも俺が異常すぎるのか?

 

大淀「あれを見て少しは戦い方というのが分かったと思います」

リク「あ、はい」

 

そんなこと考えているうちに大淀さんがやってきたため、とりあえずは平常運転へと戻ることに。

 

大淀「それでは、明日の演習に参加しましょう。そして実際に艤装を背負って実戦を経験しましょうね」

リク「分かりました。この度はどうもありがとうございました」

 

おそらく忙しい時間を割いてまで俺に戦いの様子を見学させる機会を設けたのだろう、そのため俺は頭を下げお礼を言った。

 

大淀「どういたしまして」

 

そう言って大淀さんは律儀にお辞儀し去っていった。

 

リク「さてと、演習に参加していた皆の入渠が終わったらお礼を言いに行くとしよう」

プリンツ「そうですね!」

 

俺はプリンツちゃん、陽炎、不知火、黒潮、浜風、浦風、鹿島と共に鎮守府を出て右折した先にある庭園に行き、それまで時間を潰すことにした。

 

 

 

庭園の門を開けると、真っ先に十字状の石造りの通路が目に映る。その通路の周囲4ヶ所には噴水があり、水しぶきによって虹が薄っすらと出て幻想的な雰囲気を醸し出してくれる。

通路をまっすぐ進むと澄んだ広大な湖が姿を現し、それを取り囲むように砂利道が広がっている。湖には鯉が優雅に泳いでおり、周囲にある花畑には色とりどりの花が咲いていてとても綺麗だ。

ちなみに通路を左に曲がると神社、右に曲がると穏やかな波の音でこちらを癒してくれる砂浜があるなど、人を飽きさせない施設が充実している。

 

リク「昨日も来たけど、いつみても感動するわ」

プリンツ「皆さんに充実した日常を提供しようと、職人妖精さんが頑張ったんです!」

 

俺は昨日仮眠する時間を削って、ここに来た。この世界に来てから忙しなく動き回っていた影響で疲れていたため正直行きたくはなかったが、それでもプリンツちゃんがどうしても見せたいものがあるって言うんで渋々来てみた。

するとその景色を見た瞬間びっくりよ。仮眠する気力が一気に失せたんだ。

つまりそれほど感動したってわけだ。

 

プリンツ「さ、見て回りましょう!」

リク「そうだな……って引っ張るな!」

 

昨日は全てを見て回ったわけではなかったため、プリンツちゃんは今日こそは全部見せてあげるといわんばかりに俺の手を引っ張る。このシチュエーション、この世界に連れてくる時もあったな。陽炎達が苦笑いしながら後を着いて来る。

 

プリンツ「ここは私たちの心を癒してくれる、そんな場所です!」

リク「それは分かったから腕を引っ張らないで欲しいな」

陽炎「プリンツったらリクを癒したくてたまらないみたいねぇ」

黒潮「微笑ましい光景やなぁ」

不知火「ある意味リクさんにとってはあれが癒しかもしれませんね」

浜風「それ以前にプリンツの扱いに困ると思うけど……」

鹿島「あはは……」

 

俺的には自発的に動きたいんだけど、彼女はそれを先読みしたかのように俺の腕を引っ張るんだよなぁー。悪い気はしないんだけど、過保護すぎるのもちょっとねぇ……。

そんな俺も、彼女のことは放っておけないから連れられるがままに行動してるんだけども。いずれは彼女を守るナイトになるのかなぁ……っと変な想像しちまった。

 

 

 

その後花畑、砂浜、神社と回り、至福の時を満喫した後は、鎮守府に戻って演習にて実際に戦いの様子を見せてくれた参加者にお礼を言って回り、部屋に戻ってきた。

とりあえず夕食までは時間があるので、一度仮眠を取ることにした。

 

そういえば、前にビスマルクさんが言っていた深海棲艦以外の邪悪な存在って何者なのだろうか?それが気がかりになる前に眠りについていた。




今回に限ったことではないですが、もし誤字とか表現がおかしいとかあれば報告してくれると嬉しいです。
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