艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ?   作:因幡凛空

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今回は今まで以上に長いので暇なときにご覧ください。
それと色々な説明が入り混じるため理解が追いつかないかもしれませんがご了承ください。


12話 第三勢力の正体そして模擬戦

リク「ふぅ、食った食った」

プリンツ「今夜の献立の親子丼は絶品でしたね!」

浜風「間宮さんと妖精さんの作る料理はどれも最高よね」

黒潮「そうやなぁ」

 

夕食を終え一息ついた俺達は、いつもどおり返却口に食器の乗ったトレイを置く。この鎮守府の料理は本当に絶品で、少食である俺もこれならいくらでもおかわりしたいと思う。

 

リク「さてと、お腹も膨れたし、お風呂に入って寝るとするか」

プリンツ「明日には艤装も完成して演習に励むことが出来ますね!」

リク「朝のトレーニングもあるしな」

鹿島「あら、朝早起きしているんですか?」

リク「まあな、午前6時に起きて7時までの1時間ほど」

不知火「意外ですね」

リク「意外ってなんだよ」

 

俺に対する不知火の第一印象って怠惰ってイメージだったのか……。まあそのとおりなんだけども。

 

陽炎「不知火、そういう人の神経を逆撫でする発言はよくないわ」

黒潮「リクはんだって頑張ってるんやからな」

 

フォロー感謝するよ。

 

不知火「ただ少しからかっただけです」

浜風「性質悪いわよ……」

 

全く持ってそのとおりである。

 

リク「風呂、入ろうぜ……」

プリンツ「はい!」

 

ちなみに関係ない話になるけど、ここって今まで男性が一人もいなかった影響か男子風呂はない。

つまり、俺がどうやって入浴しているのか……それはまた別のお話ということにしておく。

 

 

 

リク「風呂から上がった後のコーヒー牛乳は最高だぜ」

プリンツ「フルーツ牛乳もおいしいですよ!」

 

お風呂上りの飲み物はどれも最高だけど、中でもコーヒー牛乳はうまい。

ちなみに陽炎、黒潮、浦風は俺と同じで、不知火、浜風は普通の牛乳、鹿島はプリンツちゃんと同じのを飲んでいる。

風呂でさっぱりした後はこうでなくちゃな。

 

??「あら、リク君にプリンツじゃない」

 

とその時、ビスマルクさんがやってきた。

 

プリンツ「ビスマルクお姉さま!」

リク「これから入浴ですか?」

ビスマルク「そうよ」

陽炎・黒潮・不知火・浦風・浜風・鹿島「こんばんわ」

 

と陽炎達があいさつする。

 

ビスマルク「あなた達、最近いつも二人といるわね」

陽炎「友達ですからね」

黒潮「一緒にいると楽しいんや」

ビスマルク「そう」

 

ちょうどいい、この際だから聞いておくか。

 

リク「あの、すみません」

ビスマルク「どうしたの?」

リク「ビスマルクさんに聞いておきたいことがあるんですよ」

ビスマルク「何でも聞いて良いわよ」

 

この人の言っていた深海棲艦以外の邪悪な存在の正体が気になるのだ。最初は敵襲が多いってだけでびっくりしていたため流していたが、今日になってそれが俺の中でつっかえ始めていた。

 

リク「昨日言ってましたよね?深海棲艦以外の邪悪な存在の事」

ビスマルク「その事ね……」

リク「それについて教えてください」

ビスマルク「……」

 

そう俺に問いただされると、ビスマルクさんは一呼吸おき……。

 

ビスマルク「あなたに余計な負荷をかけない様に黙っているつもりだったけど、その眼差しで見つめられた上で問われたら隠す気なんてなくなるわ」

リク「俺はここに来た以上は覚悟は出来ていました。この世界を守るため、そしてプリンツちゃんや皆を守りぬくためならどんな過酷な運命も受け入れる覚悟です」

プリンツ「リク君……」

ビスマルク「なら問題ないわね」

 

そして彼女はその存在の名を口にした。

 

ビスマルク「海異鬼、それが深海棲艦以外の邪悪な存在の正体よ」

リク「海異鬼?」

ビスマルク「彼らは死んだ海洋生物の怨念が実体化したものよ」

リク「怨念が実体化?」

ビスマルク「深海棲艦によって海が侵食され、その影響で死んでしまった海洋生物の彼女達に対する恨みが、海異鬼という存在を生み出したの。彼女達に限らず、私達艦娘に対しても自分達が死んだ原因を作った元凶と見ているみたい」

 

双方を敵と認識している、第三勢力かな?

それにしても可哀想だな……。

 

リク「どうにかして怨念から解き放ちたいですね」

ビスマルク「どうしてそう思うのかしら?」

リク「だってあまりにも可哀想じゃないですか。平和に暮らしていたのに、突然故郷の海を侵食されて命を落としたわけですからね」

ビスマルク「確かにそうね、だけど彼らは私達のみならず罪もない人々の命を奪い、人類の平和を脅かしているのよ。無実とは言えないでしょう?」

 

なるほどな、例え悲しい出生だったとしても、自らの意思で罪もない人々を襲いその命を奪う奴らには一切同情できないってことか。それもそうだな。

 

リク「まあ、その通りですよね……」

ビスマルク「そういうこと、だから奴らは倒さないといけないの。深海棲艦と共にね」

リク「じゃあ前言撤回させていただきますね」

ビスマルク「ええ」

 

さてと、そいつらの強さを知っておこう。

 

リク「どれほどの脅威なんですかね?」

ビスマルク「彼らは負の感情が強すぎるためか一体一体の力は強力よ」

リク「……」

ビスマルク「それに普通に殺すだけにとどまらず、喰らうこともあるのよ」

 

食い殺すとか……。ちなみに俺は食べても全然おいしくないぞ?

奴らに出くわしたらあらかじめ伝えておこう……通じないだろうけど。

 

ビスマルク「とりあえず、基本的な情報はこのくらいね」

リク「ありがとうございました」

ビスマルク「お互い、頑張りましょうね」

 

そう言ってビスマルクさんは去っていった。

 

リク「それじゃあ行こうぜ」

プリンツ「はい!」

 

その後、浜風達と別れた俺達は部屋に戻ってきた。

 

プリンツ「おやすみなさい」

リク「おやすみ……」

 

そしてベッドに横になるなり眠りについた。

 

 

 

翌朝、昨日依頼していた艤装が完成したのを大淀さんから聞き、工廠へとやってきた。

 

明石「これがあなたの艤装です!」

リク「おお!」

 

では早速、完成した艤装を装備してみる。

腰回りにマウントする形だ。

 

リク「艤装って重いイメージがあったけど、案外軽いものですね」

明石「戦闘の際不自由がないよう、個人に合わせた大きさにしているのでそこらへんは大丈夫ですよ」

リク「なるほど」

プリンツ「似合ってますよ!」

リク「ありがとう」

明石「では今日の演習、頑張ってくださいね」

リク「はい!この度はありがとうございました!」

プリンツ「それではまた!」

 

忙しい合間を縫って艤装を作ってくれた明石さんや妖精さん達にお礼をし、工廠を後にした。

 

 

 

そんなこんなで演習の時間がやってきた。

俺が水上に位置取り、観客席にはいつものメンバーが座っている。そして目の前にはなぜかプリンツちゃんがいた……。

 

リク「さてと、演習の時間になったのはいいが……」

プリンツ「どうしましたか?」

リク「なんで君まで艤装を装着しているの?」

プリンツ「あ、それはですね……」

リク「えっ……?」

 

まさかとは思うが、俺の対戦相手って……。

 

プリンツ「私と戦ってもらいます!」

リク「えぇ!?」

 

まさにビックリ仰天、彼女が俺の対戦相手なのか!?そんな話聞いてないぞ!?

 

プリンツ「ごめんなさい、伝えるの忘れてました」

 

そう言い放った後テヘッと舌を出す。いやいやそんな必要事項忘れちゃダメだろ。

 

リク「それ以前に1対1なんだな……」

プリンツ「そりゃあリク君が戦いというものを初めて体験するのですから、何もいきなり連係プレーを見せてなんて無理難題は押し付けませんよ」

リク「う……うむ」

 

あくまで実際に戦って基礎を覚えろということなのだろう。

 

??「来ましたね」

 

と大淀さんが昨日と同じように入ってくる。

 

大淀「始めましょうか」

リク・プリンツ「はい!」

大淀「プリンツさんは分かっていると思いますが、手加減はしてくださいね。それと時空移動能力は封印するように」

プリンツ「はい!」

 

そりゃ、あんなチート能力を使われたら圧倒的に俺が不利だからな。

それと彼女、あの能力を持つ以外は普通の重巡と同じみたいだな、当然だろうけど。

 

プリンツ「まあ二つの世界を行き来出来る以外に使い道ないんですけどね」

 

どうやら、死後の世界とこちらの世界を行き来可能な以外は特に特別な力は持たないっぽいな。まあ、今はそんなことどうでもいい。

 

大淀「それでは、始め!」

プリンツ「リク君!手加減は不要ですよ!思いっきりぶっ放してきてください!」

リク「お……おう」

 

演習とはいえ、彼女を傷つけるのは気が引けるな。だが、そんな甘えは許されないか。

ただでさえ演習というのは模擬戦なわけだし、そこで躊躇などしていたらいつまでたっても成長しないからな。

俺は決めたのだ、この世界で引きこもりの生活を送っていたあの怠惰な頃の自分を変えると。

 

プリンツ「さあ、いつでもいいですよ!」

 

このローラースケートみたいな感覚で移動するのはちときついが、それでも直進してプリンツちゃんに接近する。

 

リク「発射!」

プリンツ「甘いですよ!」

 

彼女に接近するなり右側の主砲から砲撃を放つが、彼女はまるで見切ったと言わんばかりに自身も攻撃に転ずる。

すると双方の攻撃が相殺され、その衝撃で発生した黒煙によって彼女の姿が隠れてしまった。

 

リク「まだまだ!」

 

水上の移動感覚に苦戦しながらも左折し、彼女の姿が見えたところに砲撃を放つ。

 

プリンツ「中々やりますね!初めてにしては上出来です!」

リク「このくらいまだまだ!」

プリンツ「私も負けませんよ!」

 

しかし楽々と避けられ、俺の背後に回り込むや否や砲撃を放った。

 

リク「速いな!」

 

俺も彼女の真似をして回避を試みるが、やはりこの移動感覚に苦戦して避けきれず被弾してしまう。

 

リク「やっぱ強いな……」

プリンツ「こう見えても重巡ですから!」

 

さすが、戦闘慣れしているだけの事はある。

普段の生活だと天真爛漫且つ時折見せる天然さで子供っぽさを感じるプリンツちゃんだが、彼女は腐っても重巡、高い戦闘能力をもつドイツ艦なんだな。

 

 

 

陽炎「リク、移動にかなり苦戦してるようね」

浦風「そのせいでプリンツの攻撃を避けきれなかったけんねぇ……」

不知火「その練習もあらかじめしておいたほうがよかったんじゃないですか?」

 

と俺達の試合を観戦している不知火が言う。

 

大淀「それについてはリクさんにその時間を設けなかった私の責任です」

浜風「確かに、敵との戦いは大抵海上で行われるから、その移動の練習の時間をあらかじめ設けておけばよかったわね」

鹿島「確かに……」

黒潮「せやな」

 

そんなやりとりが観客席で行われていた。

 

 

 

プリンツ「なんか陽炎さん達の話し声が聞こえてきましたが、海上における移動の練習をしておいたほうがよかったですかね……?」

リク「それは俺が自主的にやらなかったから悪い、今はそんなこと考えていても仕方ないだろ?」

プリンツ「それもそうですね」

リク「続きやるぞ!」

プリンツ「はい!」

 

これはあくまで模擬戦、別に死ぬわけじゃないんだからそんなの別の時間にやればいい。だから今は演習に専念すべきだ。

それは俺が暇な時間でやっていれば済んでいた話なので、今更考えていても仕方がないし、後を見据えて行動するという選択肢が欠落していた俺自身の自業自得だ。

 

プリンツ「それでは、行きます!」

 

彼女はそう言うと、装備していた水上偵察機を飛ばし、俺に狙いを定めてきた。これはおそらく弾着観測射撃、極めて強力な一撃だ。

あんなものまともに食らったら一発で大破だな。とても耐え切れる気がしない。

 

プリンツ「よく狙って……」

リク「よし……」

 

ここは避けるよりもありったけの全力をぶつけて少しでも威力を軽減させる。全ては防げないだろうが、それでもロクに移動にも慣れていないのに避けようとするよりはマシだろう。

俺は勝負に出た。

 

プリンツ「攻撃開始!」

リク「全主砲……発射!」

 

プリンツちゃんの弾着観測射撃と俺の全力の砲撃が放たれ、双方の攻撃がぶつかり合って威力が軽減されたものの、それでも十分な威力の弾着が直撃し、俺の全力の砲撃も彼女に直撃した結果、両者共倒れで演習は終わった。

後に彼女は大淀さんから「ちゃんと手加減してと言いましたよね?」と叱られたが、本人曰く「あれでも手加減はしました!」との事。うん、どう考えても全力だった。

まあ、ちゃんと謝罪してくれたししっかり反省はしたみたいなので許してあげよう。

というか、戦いの素人である俺が相手であっても全力で迎え撃ってくれた彼女に感謝したいくらいだ。

また俺達は気づかなかったが、彼女との演習の様子はほぼ全員の艦娘が観戦していたらしく、入渠を終えた後に長門さんから知らされた。




戦闘シーンは初めて書くのでおかしなところあるかもしれません。
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