艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ? 作:因幡凛空
あと今回勢いで書いたためおかしなところがあるかもです。
初めての出撃から帰還し、帰ってすぐに長門さんに戦果を報告する。
彼女は「初めての出撃にも関わらず、よく目立った傷を負わず帰還できたな」と、素直に絶賛してくれた。
だがホ級が俺の背後から接近してきたあの時、プリンツちゃんの反応が遅れていたらまず無事では済まさなかった。故に目立った傷を負わなかったのはあの時彼女の反応速度が優れていたからこそだ。そのためそれは純粋な自分の実力で得たものではないのだ。
今後、彼女や皆に助けられてるばかりではいつまで経っても成長は出来ないため、いつにも増してトレーニングに励む事にした。
そして3日後、再び鎮守府から離れた場所に敵の生体反応があったことを受け、前と同じように迎撃に向かうことになった。
以前は浜風達がいなかったが、今回は彼女達が所属している部隊と共に出撃しているため、仲のいい艦娘全員で戦うことが出来ることに大層喜んだ。
さて、行動を共にしている部隊に所属している艦娘は、それぞれ浜風達3人のほかに以前あいさつ回りに向かった時に遠征に出ていて不在だった磯風、谷風と、初めて食堂に行った際に挨拶した潮だった。
どうやら彼女は実戦の経験に乏しいらしく、せっかくなので俺達第一水上打撃部隊と彼女が所属している第二水雷戦隊との合同で出撃する事となったのだ。
プリンツ「もうすぐ反応があった地点に到着します!」
リク「今回の深海棲艦はどんな奴らなのかな?」
ビスマルク「それは分からないわね」
潮「……」
浜風「大丈夫?潮」
と浜風が俯いたままの潮に話しかけた。どうやら緊張しているようだ……。
潮「ちょっと……大丈夫じゃないかな……」
鹿島「不安なのね?」
潮「はい……」
出撃する前から分かっていた事だが、彼女は今不安を感じているらしい。
潮「私……皆の足を引っ張りそうで怖いんです……。私のせいで部隊が壊滅的被害を被るなんて考えてしまって……」
昨日の俺と同じようなこと言っているな……。それだけ不安が苛まれているのだろうが、これについてはひたすら慣れるしかない。
俺も初出撃の際は彼女と同じだったためその気持ちは痛いほどよく分かる。
潮「それに私、最近着任したから……」
リク「えっ、そうなの?」
プリンツ「ちょうどリク君がやってくる前日に着任したんです」
リク「なるほど」
浦風「そしてうちら第二水雷戦隊に空きがあったからそこに入れられたけんねぇ」
リク「ほうほう」
てことは彼女は俺と境遇が似ているのか……。最近やってきた事、実戦に乏しい事、空きがあった部隊に入れられた事などなど。こうなると色々と好感が持てるな。この出撃を通して彼女と一緒に経験を積んで行けると思うと嬉しさがこみ上げてくる。
潮「出来れば……私を守るようにして戦ってくれませんか……?」
リク「お安い御用さ!」
つい張り切って最初に声を出してしまったが、調子に乗りすぎてしまった……。
リク「あ、すいません」
磯風「なぜ謝る」
ビスマルク「ま……まあそのくらいなんてことないわ」
鹿島「守ってあげます、潮さん」
プリンツ「私達に任せてください!」
潮「あ……ありがとうございます!」
スバァン
その時、前方から何かが水中から飛び出てくるような音が聞こえた。
リク「来たか?」
プリンツ「ええ!敵影です!」
潮「敵だ……」
それからまもなく、4体ほどの雷巡チ級が現れる。
リク「チ級の奴ら今回は4隻で出てきたな」
プリンツ「前に倒した仲間の仇を討つような表情をしています」
陽炎「相当お怒りのようね」
磯風「しかも見ろ、赤いオーラを放ってるぞ」
黒潮「ほんとや」
磯風の指摘どおり、チ級は4体全て赤いオーラを放っていた。それはエリートという強化版で、戦闘能力は通常版を上回る。それよりもフラグシップというさらに上のランクがあるのだが、強さは察してくれ。
とりあえず、今は目の前の敵を倒すことを考えよう。
陽炎「奴らは私達が引き受けるから、鹿島と浜風と浦風は潮の護衛をお願い」
鹿島「はい」
浜風「ええ」
浦風「任せとき」
三人は陽炎の指示を受けて、潮を守るように彼女の周囲を陣取った。
まだ三人がどれほど強いのかは分からないけど、陽炎から護衛を任せられるくらいだから相当の練度なんだろう。
ビスマルク「仇を討つだなんて感動させてくれるじゃない。だけど私達は海の平和のために戦ってるの」
すかさず、ビスマルクさんが砲撃を放ち1体を沈めた。
陽炎「悪く思わないでね」
不知火「沈んでもらいます」
黒潮「行くで!」
続いて、陽炎型トリオが息の合ったコンビネーションでもう一体を沈める。
チ級「……ッ!!」
リク「おっと、させねえぜ!」
仲間を沈められたことで怒った2体が直進し、こちらに砲撃を放ってくるが、俺はすかさず奴らの砲撃を自らも攻撃して相殺する。
それによって黒煙が舞い散り奴らの姿が見えなくなるが、かすかに姿が見えてきたのを磯風は見逃さなかった。
磯風「ふん!私の目は誤魔化せないぞ!」
谷風「何カッコつけてんの、早く撃つよ!」
2体の姿を捉えた二人は黒煙に向かって砲撃して一体を沈め、残るは一体のみとなった。
潮「す……すごい……」
鹿島「あれが敵との砲撃戦です、参考になりましたか?」
潮「ちょっと……自信が持てるような気がします!これなら私にも出来そう……!」
と感心する彼女。これなら敵とも渡り合えるかな。
リク「じゃあ最後は華麗に……」
プリンツ「私とリク君でトドメを刺します!」
いざ行動に移そうとしたその時……。
チ級「……」
ビスマルク「待って!」
リク・プリンツ「ん?」
ビスマルク「あいつの様子がおかしいわ……」
彼女の指摘どおり、奴は俯いてその場を一歩も動こうとしない……。一体何事かと思ったら、突然奴が顔を上げこちらを睨んできた。
なんだあいつ、残り一体となったことで諦めたのか?それとも何だ、この状況を打開する考えでもあるのだろうか?奴ら、俺の背後から奇襲を仕掛けてきたり、自らの戦況が不利になるなり逃亡しようとしたり、仲間のことを想ったりと知能は高いようだからな。
チ級「……ッ!!」
リク「ファッ!?」
なんと、赤いオーラだったのが黄色いオーラに変化し、雷巡チ級フラグシップに進化を果たした!どういう原理なのこれ……。
ビスマルク「どうやら、危機センサーが発動したようね……」
リク「危機センサー!?」
ビスマルク「深海棲艦の極めて少数の個体に備わっている潜在能力のようなものよ」
リク「なんですかそれ……」
ビスマルク「絶体絶命の状況に陥ると、上のランクに覚醒するの。中には細胞に変化が生じて、さらに上の艦種になることも極稀ながらあるみたい……」
リク「つまり、奴は自分がどう見ても勝機がないこの状況に覚醒したと?」
ビスマルク「まあ、そんな感じね」
なんか、経験を積むと進化する某生物みたいだな……。それに絶体絶命の状況に覚醒するとかどっかで聞いたことがあるような……。
とにかく、奴がさらに強化されたことは間違いないようだ。
潮「こ……怖くなんか無い……」
浜風「無理はしなくていいわよ」
鹿島「あなたは私達が責任を持って護衛するから」
浦風「奴が攻撃してきたら先ほどのリクのようにうちらが相殺させるけんね」
潮「……」
リク「よし、行くぞプリンツちゃん!」
プリンツ「はい!」
うだうだ言っていても仕方ないため、ここは俺達に任せてもらおう。
ビスマルク「大丈夫なの?プリンツはともかく、リク君はまだ慣れてないんでしょ?」
リク「俺だって男子ですからね、こんなことで怯えてる場合じゃないんですよ。それに、まだ敵が来ないとも限りませんからね、皆はそっちの処理を頼みますよ」
ビスマルク「分かったわ、だけど無茶はしないでね」
リク「ええ」
プリンツ「では、行きますよ!」
チ級「……ッ!!!」
奴もやる気みたいだ。3日前と同じようにプリンツちゃんとのコンビネーションで倒してやんよ!