艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ? 作:因幡凛空
1話 新たな人生の幕開け
前世での人生を短くして終えてしまった俺、加藤リク……。
隣ではプリンツちゃんがしっかりと俺の左手を掴んでいた。俺は半ば強制される形で、彼女によってこの世界に連れてこられた。
「今日からここがあなたの暮らす世界です!」
「ここが俺の新たな人生を歩む事になる世界か……」
すげぇ……本当に艦これの世界にやってきたのか……。興奮と緊張が交差する……。
「この道をまっすぐ進めば鎮守府に着きますから早く行きましょう!」
「そうだな」
俺は緊張しながらも、プリンツちゃんと一緒に歩を進めた。
「見えてきました!」
「おお」
しばらく歩いていくと、やがて鎮守府と思われる建造物が見えてきた。あそこが今後の俺の拠点となる場所だろう。こうしている間にも、俺の心臓は鼓動を早めてきた。
「では、早速中に入りましょう!」
「ちょっと待って。誰か出てくるぞ?」
やがて正門の扉が開き、中から金髪ロングストレートの美しい女性が出てきた。
「あ、ビスマルクお姉さまだ!」
プリンツちゃんは咄嗟に出てきた女性に抱きつく。
「あら、おかえりなさい」
「ただいま!」
間違いない……この人は戦艦ビスマルクだ!やばい……本人を前にして心臓がバックバクだ……。彼女がいるってことは、他のドイツ艦もいるのだろうか……?
「突然飛び出して行っちゃうから、死後の世界に行ってきたのね」
「そうだよ!」
「どうせ、あの事を言った後にこの世界を救うとかお願いしたから断られたんでしょう?」
「違うよ!今回は……」
「あら?その人は?」
どうやら俺に気づいたらしい……。心を落ち着かせろ……落ち着かせるんだ俺!
「この人は加藤リクさん!死後の世界に行ってみたら見つけたから連れてきたの!この世界を救う勇者になってほしいって言ったら快く承諾してくれたの!」
「今回はOKだったみたいね」
「うん!」
「ど……どうも……。加藤リクと……申します……」
というかいきなり私達と一緒に世界を救う勇者になってほしいってお願いされて、承諾の有無関係なく強引にこの世界に連れてこられたんだが!?そんなことは置いといて、俺が名前を名乗ると、ビスマルクさんはニコッと笑みを浮かべた。
「そうなの。私はビスマルク。この子の義理の姉よ。よろしくねリク君」
「ど……どうも……よろしく……お願いします……」
「もうリクさんったら緊張しすぎです」
緊張のあまりしどろもどろになりつつも、ちゃんと自己紹介が出来たぞ!家族以外の人とまともに会話するのは中学卒業以来だから、自己評価としては最高だ。俺個人としての意見だけど……。
「それじゃあ案内するわ。着いてらっしゃい」
「行きましょう!」
「そうだな」
こうしてビスマルクさんの案内の下、鎮守府の中に足を踏み入れる。プリンツちゃんと手を繋ぎながら……。