艦これの世界に引きこもりの青年がやってくるそうですよ? 作:因幡凛空
リク「捕まえたぞ」
陽炎「うう……ビスマルクさんめ……」
さて、今何をやっているのかというと、俺とプリンツちゃんの様子を盗撮していたトリオにその動画を削除するよう求めている所だ。幸い、三人は見たことしか言ってないため追いかける道中にいた艦娘達は俺がプリンツちゃんに抱きつかれ大好きと言われた事は知らない。んでどうやって捕まえたかというと、ちょうど鎮守府前にビスマルクさんが立っており、彼女に三人が捕まったため結果御用となったわけだ。
リク「さあ、消してもらおうか」
陽炎「何よ。私達だけの秘密にするって言ってるじゃない」
黒潮「そうやで?誰にも口外はせえへんで」
不知火「私達を疑ってるんですか?」
リク「念のためだ!もしお前達がその動画を見てる途中に誰かが入ってきたらどうするんだ?」
陽炎「そんなもんすぐに隠せばいいわよ」
リク「聞いてくるかもしれないだろ?しかもしつこく」
黒潮「リ……リクはん……偉い必死やな」
不知火「顔が火照ってますよ」
リク「うぐぐ……」
そりゃあ大好きって言われて抱き付かれた事を知られたらたちまち鎮守府中にその噂が満盈してしまう恐れがあるからな……。それだけはなんとしてでも阻止せねばなるまい!俺が鎮守府内を歩き回っている時に皆から注目されるのは正直恥ずかしすぎて耐えられない!だって俺前世ではコミュ障だったんだよ!?そんなもん当たり前じゃん!
リク「と……とにかく!今すぐ削除してくれ!お願いだ!」
陽炎「じゃあ私達の要求を受け入れたら削除してあげる」
リク「ほ……ほんとか!?嘘つくんじゃねえぞ!?」
陽炎「長い付き合いでしょ?少しは信じなさいって」
俺がここに来てからまだそんなに経ってないんだけどね。彼女達からしてみれば少ししか経ってなくてももう親友感覚なんだろう。
リク「分かったよ……それで要求は?」
陽炎「私達3人と一人ずつデート!」
リク「……」
……はっ?
リク「すまん、もう一回言ってくれ」
陽炎「だから、私たち3人と一人ずつデートよ!」
リク「マジで言ってるの?」
陽炎「冗談で言ってるように見える?本気よ」
ちょっと待て……。さっきプリンツちゃんから大好きって言われた後に3人と一人ずつデートって一夫多妻じゃねえか!あの子が俺に告白したかどうかは疑わしいけど、これって完全に浮気だよな!?しかも多数の女の子と密接な関係になるって近年のラノベでありがちな展開じゃねえか!
リク「マジかよ……」
黒潮「断ったら消すわけにはいかないで?」
不知火「削除して欲しいなら要求を受け入れるのです」
陽炎「さあ、どうする?」
ここで要求を断ったら動画は消されず、受け入れたら受け入れたでプリンツちゃんからの印象は最悪になる……。前者は皆に知られる恐れがあるし、後者はあの子に振られる可能性が極めて高い!しかもトリオとデートしている所を見られる事は避けられない!一体どっちを取ればいいんだ!?俺は今境地に立たされている!
リク「俺は……」
トリオ「ドキドキ」
リク「……受け入れ」
ガチャ
ビスマルク「リク君」
リク・トリオ「ッ!?」
要求の有無を下そうとした瞬間、ビスマルクさんが部屋にやってきた。一瞬心臓が止まるかと思った……。
ビスマルク「……って何やってるの?」
リク「それは……その……」
陽炎「ト……トークしていたんですよ!」
黒潮「そ……そうやで!」
ビスマルク「随分とテンパってるようだけど……」
不知火「ただお話をしていただけです!」
ビスマルク「まあいいけど」
トリオ「ホッ……」
ま……まあ何はともあれ、危機は脱したみたいだ。
リク「どうしたんですか?」
ビスマルク「司令官が呼んでるわよ。今プリンツが部屋の外で待ってるわ」
リク「わ……分かりました」
トリオ「(まずい……今の聞かれてたかも……)」
何の用だろう。それにビスマルクさんがプリンツちゃんが部屋の外で待ってるって言っていたな。もしかしてあの子も長門さんに呼ばれたのかな?
ビスマルク「何でも大事な話があるって言っていたわ」
リク「そうですか……」
とりあえずあの子を待たせるわけには行かないため、ここは部屋を出る事にするか。
陽炎「い……言ってらっしゃい」
リク「うむ……」
ビスマルク「(トリオったら、リクと密接な関係になろうと何かを持ちかけたわね)」
リク「やあ、待たせたね」
プリンツ「いえいえ」
リク「それじゃあ行くとするか」
プリンツ「はい!(ギュッ」
うっ……やっぱり俺の手を繋いだか……。もうこれ誰かが通りすがったら確実に恋人になったって勘違いされてしまうぞ……。どうか誰も来ないでくれ……。
プリンツ「大事な話って何でしょうかね?」
リク「さあ……それは分からないな……」
プリンツ「もしかして、私とリク君が恋人になったから祝福してくれるのかも!」
リク「ええ……」
もう恋人に発展しちまってるよ……。いくらなんでも進展が早すぎるだろ……。
リク「そ……それはないんじゃないかな……あはは……」
プリンツ「?」
ああ……あのトリオとのやり取りを聞かれてたら成す術ないな……。聞いてないことを祈るしかない……。
っとそうこうしている内に、長門さん達が待つ司令室の前にやってきた。
コンコン
リク・プリンツ「失礼しまーす!」
なんかハモったんだが……。息までぴったりとかもう訳分かんねえな……。
長門「入っていいぞ」
ガチャッ
リク・プリンツ「失礼します!」
何気にまたハモった。
長門「来たな」
リク「はい」
プリンツ「呼ばれたとおりに」
長門「……」
リク「な……なんですか……?」
めっちゃまじまじと見つめられてる……。
長門「いや、最高のコンビかなと」
プリンツ「でしょでしょ!」
リク「そうですね……あはは……」
陸奥「クスッ」
やり辛いな……。
リク「そんなことより、何か大事な話が合って俺たちを呼んだんですよね?」
長門「あ、そうだった。コホン」
途端に長門さんが真剣な表情になる。
長門「リク、プリンツ。お前たちを艦隊全てのまとめ役に任命する!」
リク・プリンツ「えっ!?」
なんじゃそりゃあ!?俺まだここに来てから一ヶ月も経ってないんですけど!?それに数十回戦闘に参加しただけの下級戦士なんだけど!?プリンツちゃんはともかく、俺までそのまとめ役に任命するのはちょっとやりすぎだ!
長門「お前たちは二人で共に群れのボスを倒したそうじゃないか」
リク「そうですけど……」
長門「それによってお前たちは皆をまとめるのにふさわしいと判断した次第だ」
プリンツ「はい!」
プリンツちゃん……やる気満々じゃないか。俺はもう突然のことで頭が混乱しちまって声を上げる気にもなれない。
リク「わ……分かりました!頑張ります!」
プリンツ「任せてください!」
長門「うむ!頼んだぞ!」
陸奥「頑張ってね♪」
リク・プリンツ「はい!」
いきなり全ての艦隊をまとめろって言われてもうまく行く気がしねえんだよな……。だってほら、俺前世での学力が悲惨だったし、通ってた高校も偏差値の低い所だったし、そんな俺が艦隊すべてのまとめ役に任命されても……ねえ……?統率力があるかどうかも疑わしい。まあ確かにあのデカブツを倒すのに子分共を足場にして接近したという攻略法を思いついたのは俺だけどさ。
その重大任務、ちゃんとこなせるだろうか?まあ、プリンツちゃんと一緒なら大丈夫だろ。